2013年07月11日

悪質な業者と身勝手な客との狭間で翻弄された大家さん

これは地方の家主さんから聞いた話。何処の地域かは伏せるが、業者名は伏字で出すことにする。

その家主さんのマンションで家賃10万の部屋が二部屋空いていて、A不動産で管理してもらっているが、そこにエ〇ブルが客を案内して申し込みが入ることになった。お客さん、ではなく客(敬称なし)である。

家主さんは管理会社と相談の上、ADを150%付けている。ただし、客付業者がAD全部を受け取るワケでなく、管理会社と分けるようで、もし管理会社で直に客付けした場合でも管理会社にAD100%が払われるとか。そこが私にはよく解からない。中にはADを多く付けさせて管理会社も受け取るケースがあるのかも知れないが、普通は客付け担当者ボーナスなのだからADは客付業者に支払われるもののハズ。

ま、それは置いておいて、客は申し込みをした後も「もっといい部屋が無いか」探して他の不動産屋を訪問していたようだ。で、行ったのはミニ〇ニ。そこで「当社なら手数料が半分になります」と言われてエ〇ブルのほうをキャンセルして、ミニ〇ニから、もう一つ空いていた別の部屋を申し込んできた。そうなってくると収まらないのはエ〇ブル。ただ、エ〇ブルだってADが貰えるのだから、ADに固執しなければ手数料を半分に値引きしたって普通に100%、あるいは150%の手数料になるもの。

ミニ〇ニがお同じ客で別の部屋を申し込んできたのは「別の部屋なら何の文句も無いだろう」ということで、エ〇ブルとのトラブルを避けたいからと思われる。そのまま同じ部屋でミニ〇ニから申し込みを入れ直せば家主さんが不審に思うもの。下手をすれば審査が通らなくなる可能性があるし、当然に業者間同士はトラブルに発展してしまうもの。その間、家主さんは待たされるだけ待たされて、挙句にミニ〇ニは「当社は手数料0の物件もあります」と言って、自社の全く別の物件を紹介して決めてしまったようだ。家主さんは最初の申し込みから3週間も待たされてキャンセルされたのだ。

ADも付くし、エ〇ブルにバレなければそれで良し、もしトラブったなら自社管理の物件に振り替えよう、と最初から目論んでいたんだろう。客が気に入って申し込んでいた物件であっても、潰すのは簡単だから。

一見すると、手数料0の物件を紹介したことで、さも「お客さんのことを考えている」かのように思われるかも知れないが、業界の人間なら「そんな単純な話」でなく裏があることは誰でも知っていること。

ミニ〇ニがやったことは「違法」とは言えないまでも「仁義に悖る(もとる)」ことだけは確かである。要は他社の客を横取りしたのだ。こういうのは「自由競争なんだから」と言って正当化できる話ではない。一方でエ〇ブルも、家主さんに対する配慮や責任感など何もない。本音で言えば、「エ〇ブルもミニ〇ニも営業姿勢は似たようなもので、互いに潰し合えばいい」と思っている。どちらも、客や家主のことなど全く考えず利益だけを追求する会社で、私も過去に同じようなことをされているから。

これはミニ〇ニのやり口も「えげつない」が、もっと悪いのは客である。30歳前の公務員(女)で、なおかつ法律関係の仕事をしていて、自分がしていることが違法とは言えないまでも、大人なら「倫理的に問題がある」のは解かりそうなものである。しかも年収は600万もある。そこまで初期費用をケチらなければならないほどの経済状況ではないだろう。それでいて、「自分が得すること」だけしか考えていない。私は本人には会っていないが、まあ、そんな女は「碌な嫁にはなれない」ということだけは分かる。


業者間の争いに巻き込まれて3週間も待たされた挙句にキャンセルされた家主さんはいい迷惑である。客も、自社の利益に固執して客を逃がしてしまったエ〇ブルも、自社の管理物件で決めさせたミニ〇ニも、ことの経緯を見ていた管理会社であるA不動産も、誰も家主さんに対する責任を取らないのだから。



posted by poohpapa at 06:58| Comment(6) | 同業者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ミ○ミニもエイ○ル も自分が儲けることしか考えたいないのですね。
まあ、どうせ営業マンは歩合制ですから、ノルマをあげないといけないので
しょう。
一度裏切られた大家さんも、きっと、いつかは仕返しをしてやる と思っているでしょうから、結局自分のところに、まわりまわってくるでしょう。
Posted by たか at 2013年07月11日 09:02
たかさん、おはようございます

これねえ、直ぐバレることなんですね。なのにどうして「やる」のか、ということでして、私には何とも不思議なんです。

たぶん、逆のケースになったらエ○ブルもやり返すでしょうし・・・、長い目で見たらどちらも得はないんです。悪評も立ちますしね。

エ○ブルやミ○ミニの2社だけで不動産業界の信頼性をどれだけ貶めていることか・・・。

Posted by poohpapa at 2013年07月11日 09:48
poohpapaさん、おはようございます。

amazonで注文したけれど、yodobashiの方が値段が同じでも送料が安かったので、amazonをキャンセルしたことがあります。客は値段や手数料の安い業者を選んじゃ駄目なんでしょうか?まあ、そんな簡単は話じゃないような気がしますが。

Posted by バラキ at 2013年07月11日 10:05
バラキさん、こんにちは

通販の場合なんかは全然OKだと思います。不動産の場合は、この客はエ○ブルで物件を紹介されて案内も受けています。だからダメなんです。これ、もし、たとえば同じ201号室でエ○ブルをキャンセルしてミ○ミニで申し込みをし直したとすると、それをエ○ブルが知って、客がエ○ブルから手数料を請求されたなら払わなければならなくなります。もちろん、ミ○ミニにも払うことになります。なので、自分のためにも不義理はしないほうがよいのです。

もし、エ○ブルから手数料を請求されても、ミ○ミニが「気の毒なので当社の分はけっこうですよ」とは言わないものでしょう。

それを避けるためにミ○ミニは別の部屋で申し込みさせたんでしょうね。バレちゃったから全く別の(仲介料0)物件で決めたんだと思います。ミニミニの、じゃなかったミエミエのインチキですね(#^^#)
Posted by poohpapa at 2013年07月11日 12:11
はじめまして、興味深く読ませていただいております。

私も不動産業界の仕組みがよく分かっていないのですが、賃借人としてはどこらへんから非常識になるものなのでしょうか?
素人考えでは「紹介」や「案内」は見積もりを取ってもらうようなイメージを持っています。見積もりを取ったらその業者で決めないといけないとなるとなかなか厳しいです、、、紹介されなきゃ手数料も分からない気がしますし。。。
こちらの「申し込み」とはどのタイミングなのでしょうか?契約書にはまだハンコ押してない段階ですよね、流石にそこからは後戻りできませんし。。。物件をキープしてもらうとかでしょうか?だとするとそこにキャンセル料を設定しておいてほしい気がします、募集を止めてもらうわけですから。逆にキープしないのであればキャンセル自由にしてほしい気がします、キープなしであれば大家さんだって他の人に決めることが可能なのですから。。。

もし気が向きましたら教えていただけると嬉しいです。不義理をせずに生きるのはなかなか難しいものですね。
Posted by としたか at 2013年07月11日 20:42
としたかさん、こんばんは

気が向かなくても返信はいたしますですよ〜(*^^)v

先ず、としたかさんが不動産屋に行って、「中央線の沿線で、国分寺から立川までの駅利用で、徒歩15分以内、2DKで予算は7万までで何か良い部屋を紹介してください」てな感じで依頼したとします。

一般的な業者、ま、言うなれば普通の業者はお客さんの希望を詳しく伺って、検索して出てきたそこそこの数の物件の中からいくつか候補を絞ります。そこに先ず最初の「プロとしての経験や知識」が必要となります。単純に、検索して出てきたものを示して「どれが良いですか?」ではプロの仕事ではありません。私なんかの場合は、管理会社の信頼度、家主さんを存じ上げていればその人柄、以前に案内したことがあれば管理の様子、物件の持つ雰囲気、間取り図や資料からは窺い知ることができない環境等の情報なども説明します。件数としては最大でも5件くらいですね。それ以上だと案内が面倒、ということでなく、多くの物件を見るとお客さんが判断できなくなるからです。

必ず何か良い部屋の候補が見つかる、ということはなく、先日も20件以上出てきたもののどれもイマイチで、お客さんに1〜2週間待って頂いたこともあります。それができるのは信頼関係が築けている場合と、お客さんが急いでない場合のみです。でないと、他の店に行かれてしまいますから。

で、案内して気に入れば申込書に記入してもらいます。お客さんの様子で値段等の条件を交渉したりすることもあります。そこでモノを言うのがお客さんの人柄ですね。不動産屋(私)に「このお客さんの役に立ちたい」と思わせるような人柄であれば得をするワケです。こちらも人間ですから(*^^)v

家賃を値切るとその分の手数料が少なくなる、なんてことは全く考えません。ま、それはさておき、

ここまでの間に、今までの経験に培われたプロとしての仕事をしているワケで、仮に、お客さんが私のことが嫌いであっても、案内まで受けていたなら、その物件を他社から申し込みするのはご法度です。

実は、うちの店の場合、逆のケースはよくあります。他社で案内を受けた物件を「オタクから申し込みしたい」と言われるケースですね。理由としては、紹介してもらって部屋も気に入ったけど営業マンが嫌、というのが多いです。有り難い話ですが、原則として辞退します。当たり前のことです。原則として、というのですから、受ける場合もあります。お客さんがその不動産屋に戻れなくなってしまっている事情がある時です。

不動産会社は申込書をFAX等で受け取って、初めて物件の募集を止めますが、賃貸の場合は「物件を止める目的でいかなる名目でも手付金等を受理してはならない」ということになっていますので、その時点ではキャンセルは自由に出来てしまいます。そこは不動産会社の辛いところです。

無責任なキャンセルをしてくる客はけっこういるものなので、本当は手付金を預かっていいことにして欲しいのですが、敷金精算と並んで「返せ」「返さない」のトラブルが多いもので、受理してはならなくなっています。せいぜい、早めに契約金を振り込んでもらうしか手はありませんね。

「まだ契約してないんだからキャンセルしたってかまわないだろ」と言う客もよくいますが、無責任もイイところです。厳密に言えば、不動産取引は「諾成契約」と言って、客が「この部屋がこの条件なら借りたい」と申し込みして、貸主が承諾したなら「その時点で契約が成立」しています。互いの合意が為されれば文書の締結は必要としていません。つまり「口約束」で契約が成立するものです。契約書は、正式には「契約締結後速やかに交付する書類」という名称で、単に、後で「言った」「言わない」のトラブルを避けるための覚書のようなものでしかありません。それを皆知らないから「まだ契約してないんだから」と言うんですね。

でね、キャンセルして、全く別の物件を(他の業者で)申し込んだとしても何の問題もありません。同じ物件を別の業者から申し込みし直すのが問題なのです。そこから非常識になります(*^^)v

今回のケースは物件を紹介して案内したのはエ〇ブルなのですから、「ミ〇ミニなら手数料が半額になる」と知っても、エ〇ブルをキャンセルしてミ〇ミニから申し込みをし直してはならないものです。発覚すれば当然にエ〇ブルからも仲介手数料の支払いを求められますし、払わなければなりません。

私が思うに、ミ〇ミニはお客さんのことを考えて「そう勧めた」のでなく、自分の利益にしたかっただけでしょう。同じマンションの同じ部屋でなく別の部屋で申し込ませたのはいかにも姑息です。

お客さんも危なかったんですよ。自分の利益のためにお客さんを危険な目に遭わせる(ダブルで手数料を払わされることになるかも知れなかった)のですから、とても阿漕です。

ま、だいたいこんなところですが、ご納得頂けましたでしょうか?

疑問な点などありましたら、いつでもまたコメントなさってくださいね。今後とも宜しくお願いします。



Posted by poohpapa at 2013年07月11日 23:17
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