2007年03月29日

一緒に泣こうよ

当社管理のアパートで、凄くイイ物件で安いのに、長く空いている部屋があって、客付け業者さんの紹介で、「申し込みたい」というお客さんが現れた。のではあるが、問題が出てきた。

家賃は7万円、中央線の駅からの徒歩圏でキレイな(礼金1、敷金1、という条件の)2DKで、格安物件だが、お客さんは「初期費用がないから礼金0、敷金0にしてくれ」と言う。そりゃ無理である。

敷金「0」でなんか怖くて貸せるものではない。しかも「カネがない」と言ってるのだから、キチンと家賃が入るかどうか当てにならない。ひとたび滞納が始まれば即「赤字」である。退去時のクリーニング代だって負担してもらえそうにないだろう。

それでも、当社も家主さんも早く決めたいのだから、客付け業者にこう提案した。「礼金0、敷金1でなら家主さんに交渉してみます。その代わり、手数料の配分は、うちと御社と折半になります。広告には100%と謳ってありますが、それは礼金1で契約した場合、当社が家主さんから広告代を頂けるからで、礼金0なら頂くワケにはいきません。うちも泣きますから、オタクも泣いてください」と。

「泣く」なんてモンじゃない。仮に丸々手数料を頂いたとしても、うちとしては既に赤字なのである。それでも、うちより家主さんはもっと辛い、と解かっているから「泣きましょう」という話なのだ。

だが、客付け業者の担当者はいっぺんにトーンが下がってしまった。気持ちは解かるが、「礼金0、敷金0にしてくれ。手数料は全部くれ」では虫が良すぎる、というものだ。家主さんに相談したら、「お断りしてください」とのこと。私が家主さんの立場でも断る。

私は担当者にこうも話した。

「お客さんの、キレイで安い物件に入りたい、という気持ちは解かるけど、身の丈(自分の収入)に合った部屋を借りるべきでしょう。その条件を飲んでしまったら他の入居者との格差が生じて不公平にもなります。もし、オタクが手数料50%で良ければ、礼金0、敷金1で再度家主さんに交渉してみます。私も辛いのですよ」、と。

ちなみに、お客さんはヨーロッパの某国からの留学生とのこと。日本で部屋を借りるのは、いろんな面で大変なんだろう、と同情を禁じえない。ではあるが、私の協力できることはここまで、である。
posted by poohpapa at 18:06| Comment(0) | 同業者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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