2013年09月04日

非常に感動した一枚の手紙 (後編)

お客さん(入居者さん)が受け取った手紙がこちら、

 ◎◎◎◎様
  先日は久しぶりのあなたに会えて、かつての美しさを失ってい
ないことを嬉しく思いました。伊豆の味をお楽しみいただいたとの
こと、それもうれしく。友人二人にもご丁寧なお便りを下さった由、
二人のあなたへの心証はとても良かったようですよ。
 さて、フロントへの心付けをくださったとのことですが、フロント
から金銭は一切授受しないことを会社にいわれているので、ご返却
を、と預かりましたので、同封いたします。お気を悪くなさらない
で。会社の方針はしっかりしているようです。
 ◎◎◎◎◎◎ですが、わたしのいつもの新宿の通り道には◎◎
 ◎◎◎◎が見つかりませんでした。反故にするともったいないの
  で、お孫さんにでも使ってもらってください。

 お金の件ですが、借用書を破るまでの心境には至っていません。
  いつか、あなたが、このようになりました、します、と言って
  くださることをまだ期待しているといってよいでしょう。でも、
あなたの年金やアルバイトの件を考えると、わたしから金のこと
  を言い出すことは決してないでしょう。この心境をご推察くだ
  さいね。

また、伊豆の味が懐かしくなったら、お出かけください。お互い、
  元気なうちに。

では、取り急ぎ返信まで。
明日は七夕です。よいことがありますように。
御身お大切に。

2013年7月6日
◎◎◎◎



私が、何に感動したかと言うと、

「お金の件ですが、借用書を破るまでの心境には至っていません」とあって、でも「わたしから金のことを言い出すことは決してないでしょう」と綴っていること。

もう請求しないのなら借用書を破ってくれても良さそうなものだが、そうしないのは「惜しくなった」のではなく、相手の気持ちを十分に慮っているから、だと解かる。債権は500万以上で、それでも債権者に「もう払ってくれなくてもいい」と言わしめるのだから、債務者も相当に立派な人柄である。

私との付き合いも20年以上になる。古〜い記事でも書いているが、大手住宅メーカーからある家主さんを紹介されて、「家賃の取立てをして欲しい」と依頼を受け、借主に会ってみたら「この人は信用できる」と直ぐ分かったので、性急な取立てはしなかった。当然に、取立ての方法は相手によって異なるものだし。それどころか、うちのの実家に頼んで米を送ってもらい、届けたりもした。それでかどうか不明だが何とか追いついてくれたその人だ。届けた米は「冷害」か何かの影響であまり品質の良くないものだったが・・・。

私も以前、ある方に百数十万を用立てたことがある。「返さなくていいよ」と言ってあるし、私もうちのも、そのカネは「最初から無かったもの」と思っていて、借用書も存在しない。それでも、相手は誠実に少しずつでも返そうとしてくれている。戻ってきてもこなくても互いの信頼関係は何も変わることはない。会う度に「申し訳ない」と言われ、「気にしなくていいよ」と言っていて、できればもうその話には触れたくない、と思っている。だから、この債権者の方の気持ちはよく解かる。相当な苦労人なんだろう。

これが無責任に「逃げきろう」としている相手なら「とことん追いかけよう」とするものだろうが、そもそも「逃げない相手は追いかけられない」もの。家賃滞納者も同じことが言える。馬鹿な滞納者は「逃げよう」とするが。

私は、この債権者の方に非常に興味があるので、お客さんに「もし差し支えなければ一度紹介してほしい」とお願いした。いろいろ参考になるお話が聴けそうな気がして・・・。








posted by poohpapa at 06:28| Comment(4) | お客さん(入居者) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
今回の中身とは背景が全然違いますが
昔のさだまさしの歌をなんとなく思い出しました
Posted by たくみ at 2013年09月04日 08:25
経済的に苦しくても安易に生活保護に頼ることなく頑張られるお姿は日本人の美徳です、素晴らしいです。そんな方に対して金銭的な見返りも求めずにそっと手を差し伸べておられるpoohpapaさんもまた素晴らしく、これもまた日本人の美徳であります。私も日本人として、お二方のような人間を目指して日々過ごしたいものです。損得勘定ばかりする人間は見苦しいですからね。
Posted by やまちゃん at 2013年09月04日 09:07
たくみさん、おはようございます

さだまさしの何ていう曲なんでしょう・・・??

私の知っているさだまさしの歌の中で、この話に当て嵌まりそうな曲は思い浮かばないもので・・・^_^;
Posted by poohpapa at 2013年09月05日 06:28
やまちゃんさん、おはようございます

ちょ、ちょっと気恥ずかしいお言葉であります。毎度言ってますが、私もこの歳まで正しいことだけして生きてきたワケではありませんもので・・・(滝汗)

池波正太郎さんではありませんが、人間、善行と悪行の帳尻合わせをしながら生きているもので、私がした「良いこと」だけで褒めちぎるのも、私がした「悪いこと」だけで誹謗中傷するのも、どちらも公正ではないように自分でも思いますね。もちろん、個々の事柄に付いて論評するのはかまいませんが、一点だけで全人格を否定するような発言は間違いですし、褒めてしまうのも間違いかと・・・。たとえそれが、その人の価値観にとって一番大切な事柄であったとしても、ですね。

こんなブログをやってると(どちらも)よくありますね。

ただ、そう仰って頂いて感謝しています。有り難うございますm(_)m
Posted by poohpapa at 2013年09月05日 06:37
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