2014年03月04日

ある入居者の夜逃げ

昨晩、あるお客様を待っていて、いつもより遅くまで店にいたのだが、7時近くに書留郵便が届いた。

封筒の中には私への詫びの手紙と鍵が1本・・・。どうやら、その入居者、夜逃げしたようだ。

それでも、この記事は「お客さん」のカテゴリに入れていて「嫌な客」のカテゴリには入れてないが。

相手は中国人の家族。2年近く前、同業者さんの紹介で申し込みが入り、「中国人とか韓国人は・・・」と躊躇していらっしゃった家主さんを、「私が会ってみますから」と説得し、この人なら大丈夫、と私が判断できたので審査を通して頂いたお客さんである。つまり、夜逃げされた責任は私にある。

家主さんに直ぐ電話をして事情を話し、「私がお願いして審査を通して頂いたのですから責任は私が負いますので家主さんは一切ご心配なさらないでください」とお伝えすると、「いいですよ、こちらで負いますから、費用が掛かったら仰ってください」とのこと。そういう家主さんである。幸せなことに、当社の管理物件の家主さんはほとんどがそういうお人柄である。だが、ご厚意に甘えるワケにはいかない。

以前、別のアパートで夜逃げがあった際、私が家主さんに「通常はそれらのリスクは家主さんが負担することになりますが、それでは不承知なことと思いますので、家賃は解約予告の分も含めて当方で弁償しますが家財の片付け費用は家主さんが負担してください」とお願いしたら、「どうしてですか?、審査はそちらでしたんですからそちらで責任を取るものではないんですか?」と言われたことがある。

その時と今回は状況が違う。その時は私がお願いしたワケでなく、「(審査は)どういたしましょうか?」とお伺いしたら「私は分からないのでお任せします」と言われて私の判断で審査を通したが、その場合の責任は家主さんにある。その家主さんの言い分が通るなら、「お任せします」と言っておけば家主は一切の責任を負わなくていいことになるし、「だったらこれからは審査を通すか通さないかは家主さんが決めてください」という話になる。リスクは本来、家賃という収益を得る人、つまり家主が負うものなのだ。

今回の家主さんは以前から、何かあっても常に「私が払いますから」と仰ってくださる方で、だからこそ、冬場に給湯器が破裂した時も、都内の中国人専門の不動産業者が案内後に(たぶん嫌がらせで)「窓を開けっ放し、電気も点けっ放し」で帰っていた際の電気代なども当社で弁償させて頂いている。もし「そんなのオタクの責任でしょ!?」と言われていたなら私は意地でも払わない。ハートの問題である。

その中国人は、隣家の度重なる嫌がらせにも耐えてくださって、それでも私に感謝してくださっていた。ヘタな日本人以上に信用できるし人柄も温厚である。私が人柄を見極めるために尖閣問題を話題にした時も、嫌な顔をするワケでもなく「尖閣や今の中日間の政治的な問題は私も心を痛めています」と言っていて、それは審査を通してもらうために取り繕っているのでなく本心から出ている言葉だと伝わってきた。

手紙には「事業が失敗してもう家賃が払えません。信用してくださったのに裏切ってしまってごめんなさい」とあった。考えようによっては家賃を払わないで居座るより良心的だし、子供さんのことも心配だ。

「部屋に残しているもので使える物があったら使ってください」ともあったが、それは難しい。そう書かれていても勝手に処分して裁判でも起こされたらまずこちらが負けることになる。

隣室のKさんに様子を伺うと、「今朝も早くに奥さんのハイヒールの音が響いていたから、何か荷物を取りに来ていたかも・・・」とのことで、鍵を1本しか送ってこなかったということで、まだ部屋に出入りする可能性もある。Kさんには「物音がしたら直ぐ電話して」と頼んでおいた。

本人には「私で力になれることがあったら言ってください」とメールしておいた。もちろん携帯の電源は切られているが、後で読むだろう。「ふざけるな!」と送ったら絶対に連絡してこないものだから。だいいち、この中国人なら、私も「お役に立ちたい」と本当に思っているし。

もし、この中国人でもダメだったなら、私はもう中国人の審査を通さない。たとえ東京都の人権局や不動産業指導課から処分を受けたとしても、差別ではなく区別だから。どうしても「拒否はまかりならん」と言うなら何かあったら都で責任を取って頂けますか?、という話である。自分が夜逃げなんかしてしまうと、日本で暮らす同胞に迷惑が掛かることになる、と知ってもらいたいもの、とも思う。

家賃に関しては保証会社を使っているので心配は要らないし、敷金の精算と原状回復に関しては通常の退去と同じように対応することで家主さんの了解を頂いているが、問題は片付け費用である・・・。敷金の残りを片付け費用に回しても10万くらいは足りなくなるものだろう。

うちのに、「夜逃げされても、この中国人は信用しているよ」と言うと不思議がっていたが、私は、家賃をちゃんと払ってくるとか滞納しているとか、それだけで信用を判断しない。家賃が遅れてもその都度(こちらから連絡する前に)連絡をくれる人は信用できるし、家賃はちゃんと月末に振り込んでくる酷いクレーマーはいるから。家賃の支払いは重要なのだが、信用の尺度の一つでしかないのだ。

夜逃げは「究極の裏切り」なんだろうが、それぞれに事情があるもの。連絡を頂ければ丁寧に対応するつもりでいる。

ところで、この家主さん、別の地域にもう一棟アパートをお持ちで、そちらは地元の業者に当社と同様に家賃管理してもらっていて、以前は家賃を1年以上も滞納された挙句に夜逃げされたことがあったとか。その際、管理会社は全く責任を取っていないそうである。それでも、その業者を責めていない。それくらいだから、私が「では全て家主さんの責任で・・・」とお願いしたとしても納得してくださることだろう。

だが、商売をしていて一番大切なものは信用、次いで利益、だと思う。信用さえあれば利益は上がらなくても会社が潰れることはないが、利益は上がっていても信用が無いなら経営はやがて行き詰まるもの。

とにかく、これ以上の判断ミスをしないようにしないと、私は女房に追い出されることになるたらーっ(汗)



posted by poohpapa at 05:50| Comment(8) | お客さん(入居者) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
おはようございます。

「信用さえあれば利益は上がらなくても会社が潰れることはない」=「信用さえあれば収入は少なくても家を追い出されることはない」
信用がないのは、綺麗な店員さんとか可愛いウェートレスさんとか素敵な…なるほど。
Posted by ハリケーン at 2014年03月04日 08:42
ハリケーンさん、おはようございます

う〜ん、どうも最近は深読みが過ぎるような・・・(*^^)v

ここんとこ、信用を大切にしない業者によく出会っていて、何とも不思議なんですよ。儲かっているのか以前より態度や言葉遣いが横柄になっていたりして・・・。

会社が小さければ小さいほど経営者の信用は大事になってくるもので、目先の利益に惑わされてはならないものなんですが・・・、解かってない経営者は多いですね。

ま、私は家の中でもキレイなお姉さんの話ばかりしてるので、うちのから信用はありませんけどね^_^;
Posted by poohpapa at 2014年03月04日 09:10
たいへんでしたね。

>とにかく、これ以上の判断ミスをしないようにしないと、私は女房に追い出されることになるたらーっ(汗)

絶対に判断ミスされないことを心より願ってます。m(_._)m
Posted by ピーちゃんの身元引受人 at 2014年03月04日 10:48
不動産投資に興味がありよく見させて頂いてます。
保証会社を入れても原状回復費用などは対象外なんですね、勉強になります。
ところでpoohpapaさんはご自身の収益物件はお持ちではないようですが(見逃してたらすいません)
何か理由があってのことでしょうか?
今回の記事のようなリスクも考えると大家業も気楽な稼業じゃないよなー
と思いました。
Posted by Macha at 2014年03月04日 11:36
夜逃げですか。最近あまり聞きませんでした、バブルの終わった頃に
よく、聞きましたね。

まあ、夜逃げにて当然か、という人とえ、と驚く人に分かれますね。

まあ、少し、がっかりですが、嫁さんに夜逃げされない、ことを、、、

帰ったら、家財道具が、なにもない、っていう人、私の近くにいました
ので、それは、もっと、気の毒です。

勿論、通帳の残金額は、ゼロ でした。
Posted by たか at 2014年03月04日 16:57
ピーちゃんの身元引受人さん、おはようございます


この歳になると女房ほど怖いものはありませんね。男なんて、一人残されたらどうにもなりませんもん。以前は食事の支度以外の家事を私が全部してたんですけど、今「そうしろ」と言われたら無理です。

それなら別の女性を探して再々婚します(*^^)v

いえ、べつに、女房のことを家政婦などと考えているわけではありませんが・・・^_^;
Posted by poohpapa at 2014年03月06日 07:10
Machaさん、おはようございます

不動産投資・・・、私の場合は無理ですね・・・。私の同業者には収益物件を購入して自らも家主になっている経営者が何人もいます。それはその人の才覚ですし立派だと思います。私がそれをしないのは、ふだん家主さんと入居者との間に入っていろんなトラブルの解消に努めていて、いくら管理会社とはいえ私は当事者ではありませんので、客観的な立場で見ていられますが、もし自分が当事者であったら、と思うとゾッとすることもしばしばです。

自分の能力とか収入とか果たすべき役割とか、そういうことを考えたら今のまま管理会社の立場でいることが分相応、と考えています。「それとこれは違う」と思われるでしょうが、私は金儲けには興味が無く、人とのご縁に興味がある(重要)ということなんですね。

儲からないのも、儲けそこなっているのも私の器。ですから元々は人を雇うような経営者の器でもないんでしょうね。充分に承知しています。

ところで、保証契約は原状回復費用が含まれるものと含まれないものとがあります。今回は含まれているので実害はなさそうです。もっとも、この先、保証会社が何か言ってくる可能性はありますが。
Posted by poohpapa at 2014年03月06日 07:26
たかさん、おはようございます

25年の賃貸管理生活で三度目のことですね。もっと多く管理物件を持っていたなら日常的に起きるものかも知れませんが、うちは割りと良い入居者に恵まれているんでしょう。

家財道具を全部運び出してくれたならまだしも、中途半端に残されると凄く困ります。ましてや、仕分けしてないゴミなんかをこちらで仕分けさせられるのは凹みますね。決められた日に出すのも大変な手間なんです。隣の部屋のKさんに対価を払ってお願いしようかな・・・。

滞納家賃の督促とか立ち退き交渉なんかもしなければならず、今日なんか本音では爆発寸前ですよ。
Posted by poohpapa at 2014年03月06日 07:39
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