休みの日でも店への電話を携帯に転送しているので何本か電話が入った。それも後日書きたい。
で、水曜日、講習の後、二つの場所に廻った。先ず、桜田門の、警視庁・・・、ではなく国土交通省。
目的は、脱法行為であるAD(広告料、業務委託料などと名目を変えていたりもいるが業法違反の報酬)をやめさせるよう不動産業課に直談判するためであった。講習がしんどいのは過去の経験から分かっていたので、寄らずに帰ろうか、とも思ったが、ずっと先延ばしにしてきたし、この機会を逃したらいつになるか分からないので思い切って寄ることにした。
講習会場のある神保町からは永田町まで3駅。そこから乗り換えて桜田門まで1駅。ここでも目的の出口が封鎖されていたが、国土交通省は直ぐ分かった。守衛さんに訪問の目的を言うと、門の横の詰め所に案内され、身分証明代わりに免許証を見せ、IDカードのような通行証を首に掛けて建物内へ。
入口には鉄道の改札口のような設備があって、その通行証(赤いプラスチック)をタッチするとゲートが開く。最初に地下の行政相談所に行き、用件を話すと3階の不動産業課に連絡をしてくれたのだが、担当者は会議中とのこと。その時点で4時半だったが、会議が終わるのは5時だと言う・・・。
せっかく来たので3階の不動産業課まで上がって待たせてもらうことにした。すると、会議であったハズの担当者が直ぐ出てきた。???、であった。本当は私のような相手と会いたくなくて、「5時まで会議」と言えば諦めて帰るだろう、とでも思っていたのかな、と勘ぐっている。諦めて帰ってくれないならサッサと相手して、その分だけ早く帰れたほうがいいもの、くらいに考えたものか(*^^)v
出てきた担当者は昨年4月に私が電話をした相手T氏であった。その時は対応の悪さに怒って当ブログでボロクソ書いている。もう伏字(匿名)にしないで実名で書くことにする。恥を晒してやれ、というのではなく、逆である。もし面会から逃げようとしていたなら不誠実ではあるのだが、それも仕方ないことかも。
ずっと「国交省の不動産業課のTはとんでもなく不誠実な奴」と思っていたが、会って話してみると真逆であった。で、T氏とは、不動産業課流通企画係長の高橋氏である。
昨年、私と電話で話した時のことは覚えていたようだ。そりゃあ「国交省の課長名で業界団体に『ADをやめるよう』通達のFAXを一枚送信するだけで業界はADをやめるんですよ」と食い下がったから忘れるワケがない。今回、その時の電話とは打って変わって私の話を丁寧に聞き、こんなことを言う。
「実は、そういう問題で業者を監督するのはここではないのです。業者さんに免許を与えたり監督するのは埼玉にある関東地方整備局なんですよ」と言って電話番号も教えてくれたので、今日にでも電話しよう。それで関東地方整備局が「そういう問題なら国交省の不動産業課に・・・」と言ったなら再び怒るが

高橋氏、問題の本質をよく解かっていた。私が「ADを付けるということで誰が困るのか、それぞれが苦しい家主と客と不動産会社の中で、ADが付いていることで得をするのは不動産会社だけ。しかも不法行為です。一斉にやめれば済む話です」と迫ると、少し間を置いて「業界に自浄作用が無いことが一番の問題ですね」と・・・。言えている。私も支部に質問や提言をFAXしているが「回答せず」だったし。
高橋氏は不動産会社に振って返して逃げたのでなく、それがこの問題の本質である。不動産会社はおそらく、ADがダメとなったら他の抜け道を探すか作り出すだろう。自浄作用が無いなら、監督官庁に強く指導してもらうしかない。本来は、私がしていることは協会の指導者がすべきことで、高橋氏も内心は呆れていると思う。少なくとも、私が「ただのクレーマーではない」ことだけは解かってくれたと思いたい。
「私は昨年の4月、あなたと電話で話した後、あなたのことを国交省のTとしてブログでボロクソ書いてますよ」と言うと笑っていた。読んではいないそうだが、もしかすると知っていたのではないか。「帰ったら今度は実名で書きます」といちおう断っておいたが、本気にはしていないだろう。
山形の出身ということで、例によって「〇〇市なら〇〇時計店てありませんでした?」と訊いたりした。向こうはそう思っていないだろうが、会ってみたら意外と裏表が無く誠実な人物で「友だちになれそうな人物だな」と思えたくらい。やはり、人は直接会ってみないと判らないもの、ということか。
高橋氏、もう忘れていたかも知れないが、昨年4月の電話の直後は「感じが悪くて変わり者の不動産屋」くらいに思っていただろう。私がなぜ「ADを無くしたい」と言っているのかは解かってくれたようだ。
「家主さんは裕福な人ばかりではありません。細々とアパート経営をしている家主さんにとってADを付けることがどれだけ辛いことか。ましてやどんな理屈をつけてもADは不法行為です」との私の主張にもちゃんと耳を傾けてくれていたから。聞いているフリ、ポーズではなかったであろう。
広告媒体企業アットホームが「国交省がクロだと言っていないからAD記入欄は継続する」などとトンデモナイ言い訳をしていることも伝えた。国交省もそんなふうに責任転嫁されたらさぞかし不快であろう。
あと3年この問題が早く浮上していれば、高校時代の同級生が国交省で参事官を務めていたので(当時は交流は無かったが)彼から一声掛けてもらえば一発で話が通ったかも知れない。残念に思う。
一昨日は法定講習の受講より何より、国交省に出向いて高橋氏と話せたことが最も有意義であった。
他にも「しなければならないこと」が山積しているので、ここんとこAD問題から離れていたが、私にとってのライフワークでもあるので、また少しずつ活動をしていきたいと思う。
国交省を出たのが5時20分、その足でもう一箇所、以前から行ってみたいと思っていた場所に廻った。
つづく
乗り付け、所長を呼べ!と、怒鳴ってました。まあ、近くの職員は大慌てで
した。
あと、所長室で大声で騒いでましたね。仕事止めるぞ!って。
最近は減ったのでしょうが、まだ、国交省などでは、クレームの電話が良く
鳴っているのでしょう。
この高橋氏も『悪徳不動産からのクレーム』と思っていたのかもね。
関東地方整備局って、実際に予算も握っている大きな部署ですね。
へえ・・・、国交省より大きな権力を持っているかも知れないんですね・・・。それって、警視庁や警察庁より公安のほうが権力を持っているようなものでしょうか??、違うか(*^^)v
これは、国交省を相手にするより困難かも知れませんね。私は、公益法人となった不動産業の団体が国交省や各都道府県の役人の天下り先になっている、と思ってましたが、関東地方整備局の職員の天下り先にもなっている、ということでもありますね。
高橋氏が言うように、業界団体に自浄作用があれば直ぐにでも解決する話ですが、業界団体の役員(指導者)が腐っていますからどうにもなりませんね。
高橋氏、当初は私を不審人物かの如く思っていたことでしょうね。それでも、直接会って話をして、不動産屋にとって損になる話をしに来ていることで少しは信用してくださったのでは、と思います。
関東地方整備局、とにかく、当たってみます。私は一人の会社なので、失うものは少ないですし。
私はほとんど賃貸しかやってませから知らなかったんですが、売買なんかだと売主から担当者に個人的にボーナスを払う【担ボー】って奴があるんだそうで(笑)
そして番組内ではっきりと「不動産屋がお客さんに薦める物件は 良い物件 じゃなくて【自分が儲かる物件】なんです」って言っててがっかりしちゃいました。
今後多くのお客さんがそういう目で不動産屋を見るんだなーって(つд`)
私も人のことは言えないのでしょうが、どういうスタンスで暴露するのか、が重要でしょうね。業界を良くしていこう、ということなのか、何らかの報酬を得たりするために内部事情を晒すのか・・・。
担ボは昔からありましたね。私は賃貸なのでADを問題にしていますが、担ボも良くないです。番組で「不動産屋がお客さんに薦める物件は 良い物件 じゃなくて【自分が儲かる物件】なんです」などと言ったなら観ている人は「全部そう」と思ってしまいます。反日日本人みたい不動産屋ですね。
先輩たちがようやく消費者からの信頼を頂けるようにしてきた努力も水泡に帰します。私のところにそういう趣旨での番組制作への協力要請があったなら、私なら断ります。ネタはいっぱいありますけど^_^;
私も豊島区で小さな賃貸の不動産業を営んでおります。
歳は40代半ばですが、まだ独立して3年半の若輩者です。
以前から、こちらのブログは拝見させて頂き、共感する箇所や勉強になる箇所が多くあります。
同じ賃貸業者として元付け物件も多く扱っている弊社も、競合他社とのAD合戦は避けられないところです。
正直、客付け業者さんもAD付きじゃないとお客さんに紹介してくれなかったり、一般媒介物件だと他社に申し込まれたりと、様々な苦労がございます。
それも時代の流れと思って、そこに乗って生き残る道を模索しております。
ただ、違法とおっしゃる概念がよく分からないので、この場を借りてお教え頂ければ幸いです。
弊社が客付け業者に出しているADは、大家さんから頂く1ヵ月分の手数料の中からいわゆる身銭を切って50%とか70%を支払っている形です。
正直、薄利ではありますが、契約を通じて大家さんとの人間関係や信頼関係をより強くするために取っている方法でもあります。
大家さんや入居者さんに負担をかけるやり方は大嫌いなので、消毒代や24時間システムの料金をお客さんに強制したり、必要以上の家財保険をかけさせる会社は嫌いです。
最後になりましたが、僕は先輩のポリシーの「足るを知る」という言葉に大変感銘を受けて、以来自分でも常にその言葉を心に留めておくことを心がけております。
そんなふうに仰って頂くと怖くなります(^◇^)
でも、有り難うございます。凄く嬉しいです。
早速ですが、ADがなぜ違法か、と言いますと・・・、
ご承知のように、宅建業法46条1項により不動産業者が受け取ることが出来る報酬(仲介料)には上限がありまして、賃貸の場合、仲介の相手方(お客様)から受け取ることが出来る報酬は賃料の0.5ヶ月分、貸主からも0.5ヶ月分と定められています。併せて1ヶ月分を元付業者と客付業者とで分け合うことになっていて、自社の管理物件に直接客付けがなされた場合は自社が元付と客付の両方の立場になるので1ヶ月分を手にします。
昔は賃貸の広告はほとんど「折半」、つまり0.5ヶ月分ずつ分けることになってましたね。
実は、直接決まった場合に1ヶ月分を受け取ることも「双方代理に当たるので違法では・・・」と言う声がありますが、私はそれは許容されて良い、と思っています。さらに、現在では客付業者の手数料100%も当たり前になっていて、当然に客付業者が100%を手にすれば元付業者の手数料収入が無くなってしまうので、現在は広告代という名目で1ヶ月分を家主に出してもらっています。名目を変えて脱法行為をしているワケで、どう名目を変えようが違法であることには変わりありません。
例えは違っているかも知れませんが「脱法ドラッグ」はどう名前を変えても「違法ドラッグ」なんです。
それはドラッグ同様、業法(先ほどの46条1項)が現実に追いついていない部分があります。厳格に法律に従っていたなら不動産業は成り立ちませんので、そこも仕方ないかと思います。その道で飯を食っている人が大勢いて家族を養っているのに不備な法律を押し付けるのは現実的ではありません。
ただ、業界は、不動産政治連盟などに働きかけて法改正してくれるよう依頼するのでなく、「広告料」という名目で法の規定外の手数料を得ようとしました。そこがそもそもの間違いです。そのあたりは、憲法を改正せずに解釈を変えようとするのと似ていて、私は賛成できません。
後輩不動産屋さんのように身銭を切ってADを出している業者さんは違法行為でなく、受け取る業者が違法なんですね。
以前、他社さんの管理物件に仲介料を頂きに行った際、封筒に2ヶ月分が入っていて、伺えば「自社の分をADにしています」とのこと。それでAD分は辞退しました。違法だから、ではありません。管理会社と客付業者、立場は違えど一つの物件に客付けしようと努力しているのは同じです。それなのに、一方が200%で一方は0%、それは理不尽だからです。それに1ヶ月分頂ければ充分なのですから。
度々このブログで書いていますが、違法であるかどうかとは別の問題もあります。たいていの業者は家主さんにAD分を負担してもらっていますが、細々とアパート経営をしている家主さんが大半です。家主さんもお客さんも不動産業者も、三者とも苦しい中で、不動産会社だけが「1件決めれば2件分(最大でAD400%+で5ヶ月分)」の報酬を手にしていて良いのか、という話です。
だいいち、最近、業者が電話で問い合わせてくる際に言うことが変わってきました。以前は「〇〇コーポの201号室、まだ紹介可能でしょうか?」と言っていたものが、最近は「〇〇コーポってAD付くの?」と訊いてきます。「うちはそういうのはやらないんですよ」と言うと、「ああ、じゃあ、いいです」と言って電話を切ります。要は「ADが付いてない物件は紹介しないよ」ということですね。
それはお客さんにとっても不利益ですよね。
ADなんてものが付いていて「良いこと」何もありません。あったとしたら「不動産屋にとっての利益」だけです。これ、業者が皆一斉にやめれば済む話です。
ADが付いていて当たり前、付いていないなら紹介しない、という業者や営業マンには「いくら貰えば納得できるんですか?」と訊きたいものです。これで充分とは考えず、そして家主やお客さんのことも考えず「稼げるだけ稼ごう」なんて業者が蔓延るようでは、この業界は公益法人なんかではありません。残念ながら、業界と業界の指導者には自浄作用は備わっておりません。
こんなことをしていると、少しずつ牛歩のように不動産業界の信頼を回復してきた努力が水泡に帰します。我々の業界にこそ「足りる(足る)を知る」という精神が必要だと思いますね。
ところで、一度、後輩不動産屋さんにお目に掛かりたいと存じます。池袋まで出かけますのでご検討ください。宜しくお願いします m(_)m
なんせ3人しか居ない会社なもので、代表といえどもトラブルの相談などの雑用が多くて、日々自転車で走り回ってます。
細かく教えて頂き本当にありがとうございます。
本当に最近はADも「え?50っすか?じゃ、いいです。」とか「ノッケOKっすか?」とか酷い業者が増えて、嫌な気持ちになることが多いですね。
そういう我々も生き残りに必死で、その流れの中で生き残るためにギリギリまで身銭を削ってしまい、結果それがまた助長することになっているのですね・・。
特に我々の様な一般媒介を多く扱っている業者は競争力を失ってしまうので、止めるに止められないというのが本音です。
私が前に従事していた会社も、悪徳では無いが、良心的とも言えない会社で、自社の儲けが最優先という風潮はありました。
それが嫌で独立したのですが、理想を追い求めれば生活が成り立たずといった所で、ギリギリのバランスを保っております。
そんなとき本当に「足るを知る」という言葉が支えになっております。
今はまだ先輩にご足労頂く程の人間ではございません。
いつか私のほうからご挨拶に伺える時がございましたら、その時はまたご指導頂ければ幸いです。
「ご指導」なんて、とんでもないことですよ。私なんか、思いついたこと、言いたいことをただ書き連ねているだけですから。だいいち、後輩不動産屋さんは社員を使っているのですから私なんかより苦労はなさっているワケで・・・。人を使う、社員や家族の生活に責任を持つ、というのがどれだけ大変なことか、というのは一人でやっていてもよく解かります。凄いことだと思いますよ、本当に。
それにしても、うちの店にも「この部屋はADつきますか?」と問い合わせがあって、無いと答えると「じゃあいいです」と電話を切る業者はちょいちょいいますが、50%でもついているのに満足しない業者(営業マン)って、ナンなんでしょうね。
偉そうに言わせて頂くなら、「生き残る(生き残れる)会社」は一本筋が通っていて、目先の利益で創業当時からのポリシーを曲げることがない経営者の会社、だと思います・もちろん、社会の変化や環境の変化には柔軟に対応しなければなりませんが、利益を優先するようになると、それは、社員はもちろん、家主さんやお客さんに直ぐ分かってしまって、心が離れていきます。
社員が長く居つくかどうかは給料が他の会社と比べて「何万いい」とか「低い」とかで決まるものではなく、上に立つ者の人柄が全てですね。人柄が良ければ給料は安くても大丈夫、ということではありませんが、社員が辞めない会社は内容が良い会社、と言えるでしょうね。
などと言っていても、相手のあること、こちらの理念が相手に必ず伝わる、ということはありませんで、私も21年前に今の場所で開業してから3割くらいは管理物件を減らしています。同業者が奪っていったり、こちらから断ったり、家主さんから断られたり・・・。ですが、他社の管理物件を横取りしたことは一度もありません。ま、痩せ我慢、とも言いますが^_^;
でも、ブレない姿勢は、今お付き合いしている家主さんからは信頼されていると思いますね。ただし、あと2件は確実に消えると思っていますけど・・・。付き合ってて判るんですよね。
などと、愚痴だか自慢だかワケわかんない話になってしまいましたが、機会がありましたらぜひ伺わせて頂きたく存じます。宜しくお願いしますm(_)m