2014年10月16日

私にとっての「男の浪漫」

超貧乏育ちであった子供の頃から、私がとても興味を持っていたものがある。

腕時計、である。子供の頃、動きはするが壊れた腕時計をもらって裏蓋を外し、中の小さな歯車が規則正しく動いているのを飽きもせず眺めていた。そんなことで妙に心が落ち着いたのを覚えている。こんな超精密機械を誰が最初に「作ろう」などと考えたんだろう、とか思いを巡らして・・・。

そもそも、女性と違って男性が何かで(カネを掛けて)お洒落するとしたなら腕時計くらいしかない。お洒落に関しては、私は「一点豪華主義」で、「分相応」というポリシーは捨てている。それと、「本当にお洒落をしようとしたら女性より男性のほうが遥かにカネが掛かるもの」とも思っている。

私の場合、服は安物しか買わないし、友人の「お古」でも平気で着る。しかもボロボロになるまで捨てたりしない。あくまで、ファッションでカネを掛けるのは腕時計だけ、である。鞄もプラスチック製だし。

この記事、嫌味に思われるかも知れないが「形見分けの遺言書」代わりに記録しておきたい。

べつに、腕時計を収集しているワケではない。持っているのは6個だけ(それでも多いかたらーっ(汗)

着ける腕は一本だけだから、ふだんは箱型のケースに収蔵している。ただし、ほとんど使わないが拘りは持っているし、それぞれの時計に思い出があるから私にとっては宝物である。

で、その宝物がコレ ↓ るんるん

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向かって左から、私が高校に合格した際、兄貴たちがカネを出し合って贈ってくれたもの。当時の平均月収と同じくらいの価格だった。流行のSEIKOスポーツマチック5で、当時の時計の風防はアクリル製で傷つきやすく、文字盤に錆が出ている。47年前の時計だが、数年前にオーバーホールしていて今も動く。

その隣はフロリダのウォルト・ディズニー・ワールドで購入したプーさんの腕時計。文字盤のプーさんは手描きで世界に同じ物は二つとない。日本円で37000円くらいだった。娘への形見分けにしたい。

真ん中のは次男が新聞奨学生として褒美に頂いたものを私にくれたロンジンの薄型クオーツ。ロンジンというメーカーは大好きだし、次男が苦労をして頂いたものだから高校合格祝いの時計と同じく大切。

次男は新聞奨学生として二つ専門学校を卒業しているので頂いた時計は2個。2個とも私がもらって1個は郷里の私の親友に送った。女性でも似合うデザインだったからご家族が使ってくれているのでは。

その隣がダンヒルのK18ダイヤベセルの薄型クオーツ。35歳くらいの時に香港のダンヒルショップに飾られているのを見て、「いつかこの時計を買おう」と心に決めて、実際に手にしたのは10年以上経ってから。並行輸入で買ったので50万くらいで買えたが、定価は200万。ブランド物は、流行だから、と買うのでなく、本当に気に入ったものを買って大切に使いたいもの。高級品を持つと、それに相応しい人間にならなければ、という意識が働くので、ブランド物を持つこと自体は悪いことではないと思う。小振りなので、私が死んだらうちのに使ってもらうか、生活費の足しにすべく処分してもらってもいい。

一番右の時計は、クオーツに押され気味のゼンマイ式手巻き時計をSEIKOが復刻販売したもの。文字盤はエナメルで真っ白、しかもローマ数字である。薄型で裏はスケルトン。もろ「私の好み」ではあるが、長男の好みにもピッタリ合うので、これは長男への形見分けにするつもり。元々そのつもりで買ったし。

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一切の無駄を省いたシンプルなデザインは高級感たっぷり。発売当時の価格は25万とのことで、新品未使用の状態のものをロレックス同様ヤフオクで入手したもの。

で、以前記事にしたロレックスがこちら、

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これは次男への形見分けにするつもり。と言っても、それぞれの時計を「今すぐ欲しい」と言われたなら、もう渡してしまってもかまわない。私自身は一度手にしたことで満足しているし・・・。

ふだん使っているのは、このボーイズサイズのダイヤ入りロレックス。お洒落したい時にはダンヒルを使う。強いて言うならあと一つ、金無垢の懐中時計が欲しいのだが・・・、今の収入では無理たらーっ(汗)

ダンヒルの時計にしたって、こつこつヘソクリを貯め、ゴルフ会員権営業で稼いでいた時に買ったもの。


昨日、いつものようにガストにモーニングに行って、お試しで置いてある読売新聞の腕時計の広告が目に入った。SEIKOの「グランドセイコー メカニカル ハイビート 36000 GMT」の広告で、定価は税別63万。値段が値段だけに買いたいとまでは思わなかったが、胸が高鳴った。36000、というのは1時間のビート数、つまり1秒を10ビートで刻むのを意味していて、当然に、数値が高いほど精度は増す。

安い自動巻時計ではたいてい6ビート/秒で、私のスポーツマチック5がそう。それだと日差1分くらい。ちなみに高級自動巻時計の代名詞であるロレックスは8ビート/秒。ビート数が高ければ秒針の動きは滑らかなスヌース運針に近づく。このグランドセイコーの秒針の運びをぜひ見てみたいと思った。

昨今ダイビングウォッチのようなごっつい時計が人気だが、上品さでは薄型に優るものはないと思う。以前はCITIZENの高級なダイビングウォッチも一つ持っていたが、私の細い腕には合わないので、うちのの弟さんにもらって頂いた。前妻が勤めていた会社の永年勤続表彰の副賞として時計を選ばせてもらえたので、その権利を私がもらったものだが、正直、今となっては使っていたくないし・・・。

高級腕時計は私にとって最大の贅沢だが、唯一の(でもなかったか・・・あせあせ(飛び散る汗))贅沢でもある。

なんでも気前良くあげてしまう性分だが、時計だけは「持ってってもいいよ」とは言えないわーい(嬉しい顔)



posted by poohpapa at 06:46| Comment(10) | プライベート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
おはようございます。

私はポール・ゲルバー氏が製作した時計が欲しいです。
まぁ一生無理なんですけどね。
Posted by ハリケーン at 2014年10月16日 08:01
最近は、時計はスマホでみてますので、外出時に時計を腕にはめることを
よく忘れます。

まあ、サイフも忘れて、とりに帰ったりしますが。。。。スマホは忘れません。スマホは例の iPhone6プラス 色はゴールドです。。。⌒('-'*)⌒゚~



Posted by たか at 2014年10月16日 08:43
いつも楽しく拝見しています。

素晴らしい腕時計をお持ちですね。そしてそれぞれの腕時計を入手された経緯にいろいろな思いがこもっているのが素敵です。

自分の場所は腕時計ではありませんが、万年筆を思い出の品といくつか大事にとっています。

思い出の品というのは良いものですね。立ち止まってふと人生を振り返ることができます(表現が少し大袈裟かもしれませんが...)。
Posted by やまちゃん at 2014年10月16日 09:14
時計の機械部分って見てて飽きないですよね。私は高校生の時の担任の先生が懐中時計を持っていたのを見て凄く時計に憧れたのを思い出しました。
その懐中時計は半分透明になっていたので中の機械仕掛けの部分が見えて凄く神秘的だなーって。

で、2個上の先輩と付き合ったときにその先輩も懐中時計を愛用していて、卒業するときにその時計をもらったのを思い出しました(笑)あぁ青春ww
Posted by はなくろ at 2014年10月16日 09:43
ハリケーンさん、こんにちは

さすがですね、ポール・ゲルバー氏をご存知とは・・・。

彼の時計はフランク・ミュラーと違って、シンプルというかオーソドックスでいいですね。どこかブランパンやバセロンに似ていますね。最近の日本の時計は彼のデザインを真似たものが多いような・・・。

でもって、いつかは買えますとも。お嬢さんがいつかプレゼントしてくれるかも、ですよ〜(^◇^)
Posted by poohpapa at 2014年10月16日 11:11
たかさん、こんにちは

うちの子供たちも、「携帯で時間が判るから腕時計は要らない」と言ってますが、そういうものではありませんよね。あ・・・、たかさんも、だったか・・・(^◇^)

まあ私も携帯は持ち歩いてますが、腕時計は必ず着けてます。忘れると落ち着かないし、無い腕をヒョイと見たりして、「ああ、今日は忘れてきたんだ・・・」と思い出すこともしばしば。

正確なクオーツや電波時計が安く買えるようになりましたが、機械式時計の需要は消えませんね。
Posted by poohpapa at 2014年10月16日 11:16
やまちゃんさん、こんにちは

時計だけでなく、コレクションしているものにはそれぞれ思い出や思い入れがありますね。そこに貧乏性が加わるものですから、まあ大変です(^^♪

たしかに、やまちゃんさんが仰るように、立ち止まってふと人生を振り返ることはできますよね。

そういえば、モンブランの万年筆は今までに10人くらいの人に差し上げましたね。やはり、筆記具にも拘りがありまして・・・。社会人は、手書きの手紙を送るならボールペンでなく万年筆ですよね。

手元に残っているのはモンブランのマイスターシュテュックの細字と極太の2本と、高校時代に(私が21歳の時に亡くなった私の長兄のお嫁さんから)頂いたモンブランの万年筆の3本だけです。

コレクションの中から最近はクロスの14金張りのボールペンとシャーペンのセットを知人の息子さんの就職祝いにあげてしまったし、ほんと、この性分は「どないかせなあかん」と思っています(^◇^)
Posted by poohpapa at 2014年10月16日 11:30
はなくろさん、こんにちは

私の高校時代にも、いつも三つ揃いのスーツでチョッキのポケットに懐中時計を鎖につけて入れていた先生がいました。ダンディでしたね。

うちの長男の成人式のお祝いに、本人の希望で SEIKO の復刻版の純銀製懐中時計を贈りましたが、まだちゃんと持っていることやら・・・、というか、使ってるの見たことないし(^◇^)

<<で、2個上の先輩と付き合ったときにその先輩も懐中時計を愛用していて、卒業するときにその時計をもらったのを思い出しました(笑)あぁ青春ww

あはは、相当に「いい仲」だったと想像できますね(爆)
Posted by poohpapa at 2014年10月16日 11:36
良い時計ばかりですね。羨ましい。(^^)

腕時計しない人も増えた気がしますが、身だしなみの一部として私はいつもつけてます。残念ながら今年は買えませんでしたが、会社の決算である程度利益が出たときに、自分へのご褒美として一本購入してます。なかなかコレクションが増えませんが・・・(^^;

いつかパテックフィリップが買えるようになりたいものです。
Posted by けろけろ at 2014年10月17日 04:59
けろけろさん、おはようございます

この記事にはけろけろさんからコメントが頂けるもの、と思ってましたよ、ほんと(*^^)v

会社の経営者とか役員、管理職になったら、いくら携帯やスマホで時間が分かるからといって腕時計をしないのは感心しませんね。そんなので見栄を張るつもりはありませんが、商談の相手はしっかりチェックしているものですし。

何か買い物をする際にも店員さんが、「客がどんな時計をしているか」とか「出したクレジットカードの種類」でこちらを判断してたりとかはありそうですよね。

私なんかは腕時計をしない人を合理的とは思いません。個人の趣味とも思わないのです。むしろ腕時計をするのは一つのマナーと思っています。もっと言うならドレスコードに含まれるくらいの話です。

でもって、知ってますよ、けろけろさんも凄くいい時計をお持ちじゃないですか。利益が上がった時に自分へのご褒美で一つずつ買い揃える・・・、私は全く逆で、利益が出なくて生活に困窮した際に一つずつ手放すことになりそうです。世の中、不公平です(爆)
Posted by poohpapa at 2014年10月17日 05:51
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