2015年03月30日

ホームレスの男性から靴を買ってもらった話

1年ほど前にホームレスの男性が飛び込みで来店した。人柄は良さそうではあったが少々臭ったたらーっ(汗)

話をしていたら、運送屋に勤めていた際に事故に遭い、脳内出血を起こして労災の認定を受け、300万ほど貰ったが、奥さんからのDVで家を追い出されてホームレスになったとか。半年くらいマンガ喫茶で寝起きしていたが、朝が来ると一度店を出されるし、そろそろ部屋を借りたいと思ったとか・・・。

たぶん、うちの店に来てくれて正解だったと思う。少なくとも私はホームレスに対しては偏見は無い。むしろ明らかな生活保護の不正受給者のほうがタチが悪くて好きでない。ホームレスの人は根が真面目なんだろう。家賃が払えないから部屋を借りずに野宿している。悪い奴は、働こうと思えば少しは働けるのに全く働こうとせず福祉の世話になろうとする。当社での生活保護受給者の半分は不正と思える。

真面目な人ではあるが、あちこち問い合わせてもどこも良い感触が得られない。そこで、以前から付き合いのある管理会社に「2年分の家賃を前払いする、という条件で審査を通してほしい。その後は生活保護を申請してもらって確実に家賃が支払われるようにするから」とお願いして、通帳のコピーをFAXしたりして審査を通して頂いた。どのみち、もう仕事をするのは困難だし、貯金が無くなれば福祉のお世話になるしかない。その道筋も私がしっかり付けておいた。

もう今は立川市の新規の生活保護者の部屋探しはしない、と決めているが、このお客様はホームレスであって生活保護ではない。話していて「何とかしてあげたい」と私も思えたし・・・。

さしあたって新居で使う電気製品とか布団を買う必要があって、私がビックカメラに付き合い、選ぶところからお手伝いした。時間的に余裕があれば馴染みの電器屋さんにお願いするのだが急いでいたのでビックカメラに行き、保証会社の審査を通すために必要な携帯電話も購入し、賃貸契約を済ませた。

その際、ビックカメラのポイントカードを作るよう勧めると、「面倒だからいいよ」と言う・・・。それは勿体ない話である。全部で16万近い買い物だから16000ポイントも付くのに・・・。ポイントカードは作らない、と言っても、その分を現金で値引きしてくれるワケではないのだから。

それで、「捨てちゃうなら私がポイントを貰っていい?」と訊くと、「どうぞ、どうぞ」と快く言う。有り難く頂いて、そのポイントで靴を購入した。15000円の靴、である。今履いているのと全く同じもので、凄く丈夫で3年も使っていて、まだどこにも穴が開いていないから、へたすると夏のオランダ・ベルギーも今の靴で行けてしまうかも知れない。お陰で、あと4〜5年は靴を買わなくて済みそうだわーい(嬉しい顔)

それにしても、世に不動産屋は多いが、ホームレスのお客さんから靴を買ってもらう不動産屋が他にいるだろうか・・・。たぶん、いないと思うあせあせ(飛び散る汗)

そのお客さん、歯も、下の前歯が1本だけ残っているだけで「食事の際に不自由では」と思えたので歯医者さんに連れて行った。保健証は持っていないから、どうせ貯金が無くなれば福祉のお世話になるんだし、貯金が残っているうちに自由診療ででも治療を受けてもらおう、と思ったのだ。幸い、先生のご配慮で市の福祉制度を使って頂くことができ、今はキレイな入れ歯になっている。

最近はお風呂にも毎日入っているようでホームレス特有の臭いも消えた。歯が治ったので、以前からの一緒に食事に行く約束を果たしたいと思っているのだが、そちらはまだ果たしていない。コンビニで無償でビールが1本もらえる権利があったので、先日うちの在庫のビールやお菓子と一緒に届けた。そういう交流も楽しんでいる。ま、それで「無事かどうか」を確認させてもらっている、ということもある。

定年退職を過ぎた年齢で家から放り出されて天涯孤独になってしまっていて、それは他人事ではない。誰でも「明日は我が身」かも知れないのだから、ほんと。

役所から何かの書類が届く度に当社を訪れていて、その都度私がチェックするようにもしている。私を頼りにしてくれているのが凄く嬉しい。相手が義理堅い人柄のお客さんだからこそ、であるが。



posted by poohpapa at 06:42| Comment(10) | お客さん(入居者) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ホームレスの人がうちの店に来てくれて ⇒ 入りやすい店つくりだから?

定年退職を過ぎた年齢で家から放り出されて⇒ 注意しないといけない警告です。

他人事ではありませんね。ほんと。

Posted by たか at 2015年03月30日 08:30
たかさん、おはようございます

うちの店は間口が狭いので、あまり入りやすい店ではないかと・・・。たぶん、大手では相手にしてくれないでしょうし、見るからにホームレス、という出で立ちでは入りにくいことではあるでしょう。

人柄もいいし、怪我や病気を負ったからと言って家から追い出すのはどうもねえ・・・。ただ、労災認定で受けた300万を取り上げなかったのですから、そこまで酷い奥さんではないかも知れませんね。

まあ、私は大丈夫ですが、たかさんは気を付けて頂いたほうが宜しいかと・・・(^◇^)
Posted by poohpapa at 2015年03月30日 08:44
お久しぶりにコメントします。
そこまで人助けできる不動産業者はこちらには居ないと思います。
ちょくちょく見てますが何というか信念がありますね。
私も業者の端くれとして見習いたいものですが多分できないと思います。
開業した時はサザエさんに出てくる「はなざわ不動産」のようになりたいと
思いました。15年たった今でも変わりありません。
Posted by みっこちゃん at 2015年03月30日 09:47
ホッコリするお話ですね。以前アパートを退去する際に「暮れから無職になって(その時4月)5月分の家賃を払える目処が無いので退去します」って言ってきた人がいました。
転居先を聞くと「お金がないのでアパート借りられないし、とりあえずある程度の荷物は友達の家の長屋に置かせてもらうことになったので車で寝泊まりします」って言ってた。
それでも生活保護を受けようって気持ちにならないんだからこの人凄いなって思ったのを思い出しました。
あとでその人の契約書の年齢見たらその時すでに74歳でした。凄く若く見えたんですよ。体を使う仕事してたってのもあってまさか70越えてると思わなくて。
多分生活保護を勧めてもうんとは言わなかったと思うけど何も出来なかった自分にちょっとがっかりしましたね
Posted by はなくろ at 2015年03月30日 10:13
三十歳少しの、イケメンな同僚が居ます。
彼は日本拳法の有段者で、今も現役で試合に出場しています。
若いのに警備の仕事なんてもったいないなぁ、、と感じては居ましたが、この3月一杯で転職し、次に就業するのが不動産業だと聞いています。
願わくばパパ様、、、とまでは贅沢言わないので、街の不動産屋さんとして恥ずかしく無い仕事をして頂きたいと祈っております。

まぁ、彼が現時点でパパ様レベルなのは、、、スケ(ry^ ^いやムニャムニャ(笑)
Posted by 街のクマ at 2015年03月30日 17:22
みっこちゃんさん、おはようございます

自分としては「人助けしている」という感覚は無いんですよ〜(^◇^)

誰にでもそうしてあげられるか、と言うと、けっしてそんなことはありませんし出来ませんもんね。私に「何でも役に立ちたい」と思わせているのは、そのホームレスの方の人柄なんだと思います。

店に入ってきた時から穏やかな人柄が漂っていました。ま、特有の臭いはありましたけど・・・。

このお客さんに「ポイントちょうだい」と言ったなら「どうぞ」と言ってくれるのも分かっていましたが、その分を買い取るのも失礼だし、私がもらうことにすればお客さんも気が楽になるかな、と思いました。その分はこれから少しずつお返ししていくつもりでいます。

高校時代、新聞室の先輩で非常に優秀な方がいて、京都大学からNHKに進みましたが、46年前、皆で名古屋に行った時、その先輩がテレビ塔の下の公園の芝生の上に座り込んでホームレスの人と和やかに歓談しているのを見て、「うわあ、私には出来ない。成績が優秀であるだけでなく人柄も素晴らしいんだ・・・」と感動しました。同じにはならなくても近づきたい、と思いました。

あの時、先輩が「あっちに行けよ」という態度であったなら、今、私もホームレスを嫌っていたかも知れません。本当に優れている人はけっして人を見下したりはしないんですね。私には真似できませんが、そもそも人を見下してモノを言う奴で、「たしかに、自分は見下されても当然」と思えるような相手、誰一人としていませんもんね。

話が逸れましたが、好きでホームレスをしている人なんていないと思いますし、自分も一歩間違えばホームレスになっていたかも知れない時代を経験しているので、それで普通に接することが出来るだけだと思います。私みたいな業者さん、けっこう多いのではないでしょうか。きっと(私みたいに)言わないだけのことで。

謙遜していらっしゃいますが、みっこちゃんさんもそうです。コメントから優しさが伝わってきますもん♪
Posted by poohpapa at 2015年03月31日 06:22
はなくろさん、おはようございます

そのお客様、立派な方ですね・・・。最近はそういう方、めったに見かけなくなりました。仰るように生活保護の申請をするよう勧めても絶対に受けようとはしないでしょうね。当たり前の顔をして不正に受給している奴らに爪の垢でも飲ませたいものです。

一口に「車の中で寝起きする」と言っても毎日のこととなったら無理ですよね。シートを目一杯倒しても寝られるものではありません。寒かったり暑かったりもします。そのお歳では一日が限界でしょう。いえ、若い人でも二日続いたら我慢できないかと・・・。ま、それを超えたら平気になるかもですが(^◇^)

相手があることだし信念もお持ちのようなので、はなくろさんが言っても聞かなかったとは思いますが、こういう人にこそ生活保護を受給して頂きたいもの、と私なんかは思ってしまいます。

私もこの仕事をしていて、「助けてやれなかったなあ・・・」と悔やまれるケース、いくつもあります。そんなふうに思える、ということは、自分で言ってはナンですが、まあ良心的なんじゃないかと思えます。少なくとも、利益優先で仕事をしている、なんてことはありませんから。もちろん、はなくろさんも、です。
Posted by poohpapa at 2015年03月31日 06:37
クマさん、おはようございます

その30歳のスケベな同僚、きっと不動産業に転職しても成功すると思いますね。不動産業界で男性社員が成功する秘訣、というのは、不動産に関する豊富で正しい知識でなく、スケベ根性ですから。

最も必要なのは、女性に対してだけでなく、物事全てに対するスケベ根性、言わば、好奇心ですね。それはどんな業界にも言えることだとは思いますが。

スケベ、ということだけならクマさんも成功するとは思いますが・・・、クマさんは最後は遠慮しちゃう人だからなあ・・・(^◇^)
Posted by poohpapa at 2015年03月31日 07:05
ある時からブックマークして以来、時々拝見させていただいてます。
今回の話を読みまして、この件をその後も定期的にアップしていただけたら?と思いました。
ゆかりもない私ですが、仕事は製造業いわゆる零細企業のオヤジの域かな?ですし、北陸で生活していますから、なんのつながりもありません。
せいぜいが大学時代を京王沿線で暮らしたとか、お互い会社やってるとかぐらいでしょうか。
単なる気まぐれでも、その心意気は立派だとおもいます。
Posted by リトルパイン at 2015年03月31日 18:28
リトルパインさん、おはようございます&初めまして

実は、このホームレスの方だけでなく他のホームレスの方とも似たような交流がありますので、追々記事にさせて頂くつもりです。だいぶ先のことになるかとは思います。時折覗いてやってください。

零細企業も零細企業、よく潰れずにもっているもの、と我ながら感心しています(^◇^)

私を殺したいほど嫌っている人もいれば、神様仏様と言って頼りにしてくださる人もいて、そういう方がいらっしゃるからやめられないでいますが、この業界は嘆かわしいことばかりで嫌になります。

などと、愚痴ってても始まりませんね、お互い無理せず頑張りましょう♪
Posted by poohpapa at 2015年04月01日 08:24
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