2015年02月19日

Cさんの孤独死 1

私とは公私で関わりがあった人だし、ブログを通じて面識のある方もいらっしゃるので、亡くなった際の部屋の様子やCさんの周りで何が起きていたのか、書いておきたいと思う。かなり辛辣な物言いになるが、私は、亡くなったからと言って、掌を返したように「いい人だった」などと言うのは本意ではないので率直に書く。もちろん、本人は反論できないワケだから不公平だとは思うが。

Cさんは当ブログの古くからの読み手さんであった。コメントのやり取りで親しくなって、仙台から東京に居を移す際、「ぜひpoohpapaさんの店で部屋探しを」と依頼されて、たまたま空いていた当社の3DKの管理物件に入居してもらうことになった。年齢は私より一回り下の51歳で、孤独死するには若すぎる。

以前はうちのも一緒によく飲みにも行ったし、互いの愚痴を言い合ったりもしていた。当初は紳士的な印象で、「ブログを通じていい人に出会えた」と喜んでいた。数年後、それが一変したのだが・・・。

Cさんの住むアパートの家賃は当社で管理していて、Cさんは家賃を月末でなく概ね月初めに振り込んでくる。当社では11棟の家賃管理をしていて、当社で一部立替えが発生するが、たいてい月末までに家主さんに振り込んでいて、当社が振り込みのチェックをするのは5日か6日ころ。遅れている人への連絡は月の半ばまで待ってからすることにしている。みんな事情があるものだろうからあまり早く督促するのは憚られる。今月は少し遅く9日にチェックしていてCさんの振り込みが無いのに気付いた。

それで「あ、これはひよっとすると・・・」と思った。数年前には救急車で緊急搬送されてもいる。病気もあるが、もっと大きな問題があって、それはアルコール依存症である。常に酒臭い息をしていた。いつ倒れても不思議がないような状況だったが、人の言うことなど聞かないから放っておくしかなかった。

Cさんは、一旦「人を見下す」と徹底的に蔑むタイプの人で、私もその対象になっていた。C型肝炎訴訟に対する私の「今まさに重篤な人もいれば治療費に困っている人もいるだろうから、原告団は被害者一律同額補償に拘らずに裁判所の和解案を受け入れたほうがいいのでは」と主張している記事に激昂して、Cさんのブログには「侮蔑してやる」とまで書かれている。私が読むことを知っていて書いている。

ジェンダーフリーに反対する記事に対してK子という女が寄せてきた強烈なコメントを凌ぐもので、「たかが見解の相違でそこまで言うか!?」くらいの話である。もしかすると他に何か思うところがあって、たまたまその記事に反応してきただけかも知れないが、そこまで書いていて数年後には向こうから仲直りしてきた。絶交する時も和解する時もCさんが決めている。私のほうからは何も言っていない。

数年前から、私にとってはワケが解からないクレーマーでしかなかった。Cさんが私に何をやったかは続編で書くが、そんなだからCさん、生活が苦しくても、意地でも家賃は振り込んでくる人ではある。だが、もし無事でいるなら「民法上では家賃は・・・」などと言い始めて逆に私を「非難する」かも知れない。他の入居者と違って催促するタイミングを計るのも難しかった。

そんなふうに管理会社に気を使わせるのは損だと思う。どこでお世話になるか知れないのだし、何か頼みたくても頼めなくなるから。べつに「不動産屋に気を遣え」と言っているのではない。普通に仲良く接していればいいだけのこと。とくに好かれなくても嫌われなければよい、ということである。

室内の様子で、1月分の家賃を支払ってきたのも相当に無理をしていたと容易に推察できた。冷たいようだが「少し待ってくれ」と言えなくしていたのもCさん自身である。私は他のお客さんでも何人か半年は待っている。もちろん、その間、家主さんには当社で立て替えて送金しているし、家主さんはそういうことはご存じない。私が知っていればよいだけのことで、家主さんに心配を掛ける必要などないから。

私とCさんとの関係は日韓の外交関係と似ている。私のほうからは断交とも友好とも言っていないし、(本音では嫌だけど)門戸は常に開けている状態。向こうが騒いでいるだけ。こちらは距離を置いていて、向こうの出方次第でいつでも付き合いは再開するし、管理会社として支援することもできたと思う。

話が逸れたが、それで取りあえず(督促ではなく)「その後体調は如何ですか?」とCメールを送って様子を探ろうとしたが、同じauなのに「この相手には送信できません」となる・・・。

仕方なく電話したらベルは鳴る。携帯のバッテリーが切れていないので、少なくとも1週間前くらいには充電していた(生存していた)と思われる。本人は出ないで留守電になったので、2度ほどメッセージを残したが返信は無かった。その頃には亡くなっていたんだろう。

アパートに着いてから近くの交番に電話して警察官に来て頂くことになっていたので、電話して到着を待っている間にドアの郵便受けに黄色い紙が挟まっているのを見た。何日か前に入れられたであろうガス料金の督促状である。そういうのや山積みになっていたコンビニ弁当の器の賞味期限などからも死亡日が推定できるんだろう。外で待たされていた間、警察官はしっかり調べていたようだ。

で、鍵は私が開けたが、室内には警察官に先に入って頂いた。以前も書いたが、第一発見者が自分にならないために、である。ドアを開けて直ぐ、警察官が「臭いますね」とのこと・・・。それで覚悟した。

玄関の踊り場も、そこから見える室内も、物凄いことになっていた。足の踏み場など無い。猫を飼っているのに、そこまで散らかせるものか、と思った。警察官からビニールの靴カバーを借りて、私も室内に入ったが、初めて嗅いだ「死臭」である。映画「おくりびと」で本木雅弘が初めて向かった現場で遭遇した場面と一緒である。元々が几帳面な人で、以前に入った時は整然と片付いていたから驚いた。

Cさんの部屋は玄関左に6畳の洋間、玄関右側に台所、その奥に振り分けで6畳の洋間と和室の3DK。Cさんはその洋間と和室の境目あたりの和室に置かれていたマッサージチェアに座っている状態で亡くなっていたから、何かの病気での突然死だったと思われる。もちろん、警察の検屍の結果待ちだが。

猫がいることは警察官に話してあって、その警察官が「あ、今、猫の鳴き声がしましたね」と言うのだが、何と言ってもゴミの山だし薄暗いし、私には聞こえなかったし、どこにいるか全く分からなかった。

一人の警察官が、「あそこに見えているのは猫の顔じゃないですかね」と言う・・・。さらに、その警察官が「あ、今、動きましたよ」と言うので、ここでうちのの出番がきた。下の車の中で待っていたうちのを呼ぶことにした。ただ、あまりのゴミの量で、最初はうちのにも猫がどこにいるか分からなかった。

来る前はうちのに来てもらうか悩んだが、「飼主がかなり前に亡くなっていたとすると猫も生きてはいないかも。だけど、一昨年のノルンも行方不明になって1週間近く飲まず食わずで生き延びていたし、もしかして生きていてくれるかも」と思ってうちのに応援を頼んだのだが、それが大正解だった。私一人では、あの状況の中でどうすることも出来なかったと思う。うちのには感謝したい。

猫は予想していたのより元気で、部屋の隅から飛び出してきたくらいだった。うちのが予め用意していた洗濯ネットで包んで保護して、車で待機していてもらっていた間もお行儀よくしていてくれて助かった。

猫トイレは物凄いことになっていたが、それで逆に「何かしら食べてはいた」と分かった。健康状態が心配だったので、夕方いつもの動物病院に連れて行ってしばらく預かって様子を見てもらうことにした。

飼主が急に死んで冷たくなって動かなくなっていて、餌も水も与えられず、生活音もしない、そんな状況の中で何日も過ごしていて、小さな体にとって、どんなにか不安で寂しかったことだろう。一日であんな劣悪な環境になったワケではなく、ずっとその環境に猫を置いていたのだから自分が急死するとは思っていなかったとしても、飼主としては無責任であろう。そういう事態も充分に予測できたと思われるし。

家を出る前、うちのに「もしCさんが亡くなってたとしても、〇〇ちゃんだけでも生きていてくれたら」と言っていて、無事に保護できてホッとした。結果論だが、もっと早く行くべきだったか・・・。

私の立ち位置からだと肩から下しか見えなかったが、うちのは猫を保護しようとして奥まで入ったので死に顔を見ている。「顔は黒くて目の周りだけ白かった」と言っていた。私は・・・、見られなかった。

今日、まだ立川警察に遺体が安置されているなら、手を合わせに行ってこようと思う。



posted by poohpapa at 05:38| Comment(14) | うちの店 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
大変でしたね。あと葬式とか、どうなんでしょう?荷物の片付けとか?
まだまだ大変そう。勿論、立川市役所は知らんぷりでしょうけど。
それと1人なのに、3DKの部屋って?広すぎないのでは?
まだまだ一人部屋の孤独死が増えそうですね。

Posted by たか at 2015年02月19日 08:28
たかさん、おはようございます

1人入居ですが事務所としても使うので広めの部屋を、と言われて3DKを紹介しました。

昨日、ご親戚の方から電話を頂きました。本日、来店して頂けるようです。

葬儀は親族だけで小じんまり執り行うようです。親戚づきあいも無かったようですので、困惑していらっしゃることでしょう。警察の許可が下りるまでは、(私も鍵を家主さんから預かりましたが)中に入れません。室内に血とか体液とかも零れているようで、警察官から「まだ入らないほうがいいですよ」と言われています。ご遺族に室内を見てもらうまでは動けないですね。

ま、これからホント、増えるでしょうね・・・。家主さんは大変ですけど・・・。
Posted by poohpapa at 2015年02月19日 09:06
不動産屋さんというのもタイヘンな仕事なんですね。
ましてや、奥さんまで現場に。
お察しします。
ただネコちゃんが助かったことは救いでありますが。
ほんと、心細かったでしょうね。
Posted by ピーちゃんの身元引受人 at 2015年02月19日 09:46
ピーちゃんの身元引受人さん、こんにちは

ほんと、うちのがいてくれて助かりました。イザとなると女のほうが度胸が据わってますね。私なんか、顔が見られませんでしたもん・・・。手際よく確保してくれました。

飼主が動かなくなって、さぞかし心細かったと思います。今思い出しても涙が出ます。

猫が助かったのだけが救いです。その猫、およそ10年前に、元々親猫からはぐれていたのを保護なさった方が引き取ってくださることになりました。ホッとしました。
Posted by poohpapa at 2015年02月19日 11:43
お疲れ様でした。
猫ちゃんが無事でなによりです。
生き方について色々と考えさせられる話ですね。
因果応報というのでしょうか。私も自戒しつつ日々の生活を送る所存です。
Posted by ファンです at 2015年02月19日 12:13
死臭、タンパク質の腐った臭いって独特ですよね。生ごみの臭いとも違う、排せつ物の臭いとも違う。
私は以前アパートの駐車場に死んでいた犬を埋葬したときに 死臭 というのをまともにかぎましたが、孤独死したアパートに向かったとき瞬時にその時に嗅いだ臭いの記憶が頭の中に蘇りましたね。
あぁ、嗅覚の持つ記憶って凄いなって改めて感じました(;><)
飼い主にぬくもりがなくなってからの猫ちゃんはどんなに心細かったでしょうね。今までは寄り添えばあったかかっただろうに(´;ω;`)
Posted by はなくろ at 2015年02月19日 13:33
ファンですさん、こんにちは

本当に、猫さえ無事でいてくれたら、と思ってました。こんなことで(と言ったら言い過ぎかもしれませんが)巻き添えで死んでしまったら悲しいですもん。猫は飼主を選べないので。

<<因果応報というのでしょうか。私も自戒しつつ日々の生活を送る所存です。

いえいえ、そんな大袈裟なものではないのです。普通でいいのですから(^◇^)

Posted by poohpapa at 2015年02月19日 15:40
はなくろさん、こんにちは

あの臭い、独特ですね。次にあの臭いを嗅いだら直ぐに分かりますね。ま、とにかく冬で良かったです。

犬でも人間でも同じ死臭がするものなんですね。臭う、ってことは相当に腐乱が進んでる、ということですよね。

その昔、娘とハワイに行って、実弾射撃をしまして、ピストルの音は「テレビの刑事ドラマの銃撃シーン」にあるようなバキューンなんてイイ音でなく、もっと安っぽくて乾いたパンという音なのに驚いて、その記憶から、ニュースの映像の中での発砲音を聞くと、離れたとこにいても娘は直ぐ反応します。「あ、本物のピストルの音・・・」って。

刺激的な音も臭いも、一度体験すると忘れないものですね。

ところで、猫、飼主の死を理解していたんでしょうかねえ・・・。辛いですね。
Posted by poohpapa at 2015年02月19日 16:38
こんばんわ。。

長い一日のほんの一部分をうかがっただけですが、
以前、お付き合いがあったこともあり、いろいろな思いが、巡るのではないでしょうか…

最後にこうしてブログに書かれている行為が、
私は、供養になるのではないかと考えます。
人は、亡くなっていくものです。
でも、生きていた証は、人のこころの中に残るのではないかと
わたしは思います。

良くも悪くも、関わりのあった縁。
亡くなった後に、その人について話すことが供養になると、昔に聞いた事があります。
私は、亡くなった祖父の話を子供とも両親とも良くします。
身内と同じではないと思いますが、その人の話をする。
そのことが、故人への供養になるのではないかと私は思います。。

もしご遺体とのご対面が叶わなかったとしても、供養のおきもち伝わっていると思います。。
ご冥福をお祈り申し上げます。
Posted by おず at 2015年02月19日 18:22
おずさん、こんばんは

優しいお言葉を有り難うございます。でも・・・、明日はボロクソ書きますけど・・・。

実のところ、90%は怒っていて、10%は寂しいんです。悔しい、と言ったほうが正確かなあ・・・。

<<最後にこうしてブログに書かれている行為が、
   私は、供養になるのではないかと考えます。

でもねえ・・・、あまり良くは書いてないから、きっと今頃は怒ってるだろうし、明日はもっと怒るんじゃないかと・・・、草葉の陰で・・・。

<<亡くなった後に、その人について話すことが供養になると、昔に聞いた事があります。

嫌な思い出のほうが多いんですよ。いい話を探すほうが大変で・・・。

でも、良くも悪くもいろいろ関わった相手ではありますから、印象は深いですね。

人間、死んじまったらお仕舞ですね。つくづく思います。

Posted by poohpapa at 2015年02月19日 19:27
再びこんばんわ。。

とても不思議なんですが、
poohpapaさんと同じような心境になる出来事が最近多い気がしているのは、
気のせいでしょうか。
ブログが生活に密着していることも、毎日読ませて頂いていることも
関係があるのだと思いますが。。

先日、夫のいとこが51歳で他界しました。
その通夜に行かせてもらいましたが、亡くなった方を目の前にして、
数年前に偶然道路で出会い、笑顔でクラクションを鳴らしてくれて…
それから1度も会うことがなかったので、亡くなったお顔を見て、
命のはかなさを感じました。。

やはり、命は1度きり。
良く生きたいと改めて思いました。

ぼろくそでも、怒られるような内容でも、
私はいいんじゃないかと思います。

お弔いにぼろくそでいいんじゃないですか(*'ω'*)…
Posted by おず at 2015年02月19日 20:06
おずさん、再び、こんばんは

重ね重ね、お心遣い有り難うございます。

私は、生きてた時に好きでなかった人が亡くなっても「惜しい人を・・・」なんて言えません。死んだからって嘘をつかれるのも故人は望まないかと・・・、冒涜ですよね。

なんてこと言わないで、そういうものだと納得すべきなんでしょうかね・・・。


「良い人生かどうかは最期がどうだったか、が全て」と高校時代からの親友(女性)に言われて、たしかにそうだよな、と思いましたね。

猫が傍にいて、自宅の椅子の上で亡くなる・・・、でも、もし自分の死が発見されるのが遅れれば愛猫も死んでしまうかも、という不安が過りながらゴミの山の中で死んでいく・・・。幸せな死に方かどうか、で言えば限りなく不幸だったのでは・・・、と思いますね。もちろん、本人が「満足だった」と思ったならそれで幸せだったと言えるのでしょうが。そんなことを考える余裕も無かったかなあ・・・。

私は、自分が亡くなっても子どもたちのことは心配いらない、と思えたなら、個人的には思い残すことはありません。そこまでに育てる(導く)のが親の務めだと思っていますし。

それより、間違いなく女房より私のほうが先に死ぬから私はいいのですが、うちのは孤独死するかも知れません。それは辛いですね。たいていは妻が夫を見送りますもんね。

あ・・・、娘がうちのに懐いてるから娘と一緒に暮らさせるか・・・。どうせ結婚できないだろうし。

<<ぼろくそでも、怒られるような内容でも、
私はいいんじゃないかと思います。

有り難うございます。でも・・・、明日の内容は具体的すぎて顰蹙ものかも(*´ω`)

人生は、終わり良ければ全て良し、ですね。

Posted by poohpapa at 2015年02月19日 20:49
Cさんのご冥福をお祈り申し上げます。

poohpapaさんのブログを拝見するようになった頃、9年前位だと思います。
Cさんとも何度かコメントのやり取りをした記憶があります。
昨日のブログを拝見し、まさかとは思ったのですが・・・
Cさんの昨年のブログで終活をしなければとあったので、体調が悪いのかな、とも思ってました。

そしてpoohpapaさん、さとひろさん、○○ちゃんを助けてくださってありがとうございます。
衰弱しているかとは思いますが、元気になってくれる事を信じています。
一人暮らしでペットを飼っている方は、万が一の時の対応をしておく事(頼める相手)が絶対に必要ですね。

重ねてご冥福をお祈り申し上げます。
Posted by G・ダイバー at 2015年02月19日 21:00
G・ダイバーさん、こんばんは

有り難うございます。Cさんとコメントのやり取り(横レス?)なさってたんですね。ご縁、ですね。

本当に、ペットを飼っている一人暮らしの人は万一の時の備えが必要ですね。それが飼い主としての責任ですもん。うちの娘も犬を飼っていますし、たまにしか連絡を取り合ってないので、もう少しコマメに連絡しようかな、と思いますね。鬱陶しい、と言われそうですが(*´ω`)

(おそらく互いに)大嫌いだった私が猫を保護したことがCさんへの仕返しかも、と思っています。向こうは向こうで、アンタにだけは保護してもらいたくなかった、と、あの世で思っていることでしょう。





Posted by poohpapa at 2015年02月19日 21:24
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