2015年02月22日

Cさんの孤独死 4

昨朝9時にセレモアに電話して「火葬は何処で何時からか」伺うと「立川聖苑で10時から」とのこと。

先日Cさんに対面できなかったので、これが最後の機会になるかと思い、急いで立川聖苑に向かった。店の車はペンキが掛けられたままだが、急がないと間に合わない。仕方なく車で向かった。

着いてみると、応接セットに見知らぬ人が5人ほど座って談話していた。待合室は5室あるが、他にはそれらしい人たちは見かけられない。昨日の電話では埼玉のご親族がご夫妻でおみえになるだけ、とのことだったが、もしかして、と思い、声を掛けたら皆さんCさんのご親族で、そこで初めて対面した。

昨日の電話の後、できるだけ連絡を取ろうと試みてお集まりになられたようだ。今まで付き合いが続いていたのならともかく、降って湧いたような突然の話である。率直に言って、こんな場合、迷惑そうな表情を浮かべる人が誰かいそうなものだが、皆さんとても感じが良く、ハートがある人たちでホッとした。

10時から、と伺っていたが火葬は11時からだったので「良かった、間に合った」と思ったが、遺体の損傷がひどく、17日の夜に本人確認のためにご親族が立川警察の安置所で顔を見た後、顔はビニールで覆われてテーピングされていて、他のご親族も最後に顔を見ることはできなかった。

11時まで今後のことを打ち合わせして、11時に最後のお別れでご焼香し、Cさんは荼毘に付された。

それから更に1時間ほど時間があったので、再び打ち合わせ。12時ごろ係の方が呼びに来てくれて、お骨を骨壺に入れる作業に。私は親族ではないが、ご親族のご厚意で私も骨壺に入れさせて頂いた。たぶん腕の骨の一部かと思われる。担当の女性の方は手慣れた感じで「これが喉仏の骨です」「これが顔の部分です」「これは頭蓋骨です」などと説明しながら残りの骨を骨壺にキレイに納めていた。

実に手際よく箸とブラシと金属製の塵取りを使って粉末になった骨までキレイに骨壺に納める様を見ていて、不謹慎ながら「自宅のテーブルの上も毎日こんなふうに掃除しているんだろうな・・・」と思った。職業柄「身に着いたクセ」というものはなかなか抜けないし我知らず自然と出てしまうモノだから。

人間、死んでしまえば骨だけ、というか、ただの灰、である。それはどんなに大金持ちでも同じこと。

ところで、Cさんの直接的な死因は肝硬変のようだった。それ以外にも病気を幾つか持っていて、2年ほど前に救急車で搬送された時も「とても危険な状態」だったようだ。それでも「仕事しないと・・・」と病床で言っていて、医師の強い説得で治療を受けて、どうにか家に帰れるまでになったようだ。ただし、退院後も不摂生を続け、酒で全てを紛らわす生活が命を縮めていたと思われる。最近は脚を傷めたり、体も弱まって行っていたが、誰に相談することも無く最期を迎えた・・・。

この後は、ご遺族の同意を得て室内の片づけに進むが、簡単な話でないのは承知している。片付け自体は業者に頼むとしても、いろいろ法的にクリアしなければならない問題もあるし・・・。

連絡が付いて集まってくださったご親族の同意を頂いて片付けをした後で「私も相続人。室内に〇〇があったハズ」などと訴えられないとも限らない。娘さんが一番の相続権者だが未成年で現在の所在が分からない。母親(Cさんの元妻)が決定することになるだろうけど、どうにも所在を知る手掛かりが無い。住民票も親族でさえ取れなくなっている。Cさんから接触されることをよほど嫌がって、所在を知られることが無いように裁判所を通じて手続きをしていたのではないか。その気持ちは私にも解かるけど。

そうなると、先ずは室内のゴミの山を片付けて、Cさんが娘さんと連絡を取る唯一の窓口になっていた相手方の弁護士事務所を知る手掛かりを探し出さなくてはならない。そのゴミでさえ、ご親族の方からは「明らかにゴミであっても後で誰に何を言われるか分かったもんじゃないしなあ・・・」との声も出た。

それでは何も進まなくなるもの。連絡を取れなくしていたのも娘さんの側なんだし、形見になりそうな小さな物が見つかれば当方で保管していればよいので、作業は進めざるを得ない。幸い、ご親族の中に「後で誰か相続人が名乗りを上げて何か言ってきても、一切の責任は当方で取る」との念書を書いてくださる方がいたので、私や家主さんが責任を負わされることはなくなった。一応弁護士にも相談するが。

立川聖苑を出たのが12時20分頃、皆で食事しながら更に打ち合わせすることになり、国立市の桜通りにある「民芸」で昼食をとった。その日に初めてお会いする方たちばかりだが率直に話が出来たのは本当に有り難かった。少なくとも、昨日お会いしたご親族の方たちと私が揉めることは無いと思う。

その場でCさんの猫を新しい飼主さんにお渡しする同意も頂いた。念のため、その同意書も後日頂く。

家主さんには今までの経緯と今後の見通しを今日にでもお伝えしよう。電気、ガス、水道への連絡は先日私が済ませたが、auにも連絡しなければならないし、それも私がすることに。他にも連絡や手続きをしなければならない所はあることだろう。今の段階では何も分からない。

自分が死ぬ、ということは、自分が消えるだけでは済まない。残された人たち、率直に言って「ほとんど付き合いのなかった人たち」が、親族だからということだけで出費もさせられ労力も割かれる。健康であった人が突然死したのとはワケが違う。いつ逝っても不思議はない健康状態でもあったのだから「自分は本望」では済まされないし、あまりに無責任であろう。奇跡的に助かったがペットもいたのだから。

キツイことを言うようだが、いくら自宅で仕事していたといっても、51歳で普通に仕事をしていたのなら、1ヶ月半も誰も気付かないでいた、なんてことは有り得ない話。取引先や知人など、誰かが数日のうちには異変に気付くもの。そうしてしまっていたのはCさん自身である。

ご親族の方からは「私が片付けに行きますよ」と仰って頂いたが、そういうのはプロに任せたほうがいいし、あの部屋に入ったら途方に暮れてしまうことだろう。家主さんとの打ち合わせもしなければならないが、なるだけ家主さんの手を煩わせないようにしたいと思っている。

この時期、不動産屋の繁忙期ではあるが、それが私の仕事だから・・・。



posted by poohpapa at 05:54| Comment(13) | うちの店 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
話のわかる親族がいて良かったですね。
もし、誰もいなければ大変だったでしょう。元嫁さんや娘さんに連絡が取れないのは残念です。がCさんがやってきた報いなのでしょう。
まだまだ寒いですから健康に気をつけてください。
Posted by たか at 2015年02月22日 08:40
おはようございます。
孤独死の記事4件、本日読ませて頂きました。「9年前に引き取った猫」の件でどなたのことなのか気づきました。だから「Cさん」なのですね。
愛らしい子猫見たさにブログを読んでいたのですが、時々汚い言葉遣いをされていたことになんだか妙な感じがして、すっかりブログから遠のいていました。
poohpapaさんの記事と彼のブログと子猫が繋がったとき、下腹が重くなりました。
うわ、なんでだろ。涙がでます。お会いしたこともないのに。私には関係のない人なのに。

Posted by JJB at 2015年02月22日 09:12
たかさん、おはようございます

元妻さんがそこまで避けるのは何故なのか、というのは私も身に沁みて分かるようになっていました。ここ数年は「なるほど・・・、そういうことか・・・」と思うこと、何度もありましたから。

それでも、なんとか連絡を取りたいですね。Cさんは奥様を恨んでいて、奥様からすれば怖くて忌避したい存在だったでしょうけど、娘さんのことは愛していたのですから、何か形見になるものが探せれば、とも思っています。

今は一方的に父親のことを悪く聞かされているでしょうけど、大人になれば、娘さんも自分で判断できるようになるでしょうしね。なんとなれば、私が仙台(?)まで直接届けに行ってもかまいません。

Posted by poohpapa at 2015年02月22日 09:14
JJBさん、おはようございます

古くから訪問してくださっている方は、Cさん、と書けば直ぐ察しがつきますよね。気が重くなってしまう記事で相すみません。私としては是非知っておいて頂きたいことだったもので書きました。

私も口汚く罵られたクチですから、いろんな思いがあります。死んだからと言って「無かったこと」にはできません、とてもとても・・・。それくらい酷かったんです。

昨日お会いした親族の皆さんはCさんの性格や事情などをちゃんと解かっていてくださる方たちばかりで助かりました。なので率直にお話が出来ましたし。

本文でも書いてますが、愛猫をこんな環境に置いていたなんて・・・、と怒りを通り越して悲しくなるような、そんな室内でした。意地を張るなら、せめて猫のことくらい考えてやれよ、と言いたいです。

自分勝手なんですよ、だから寂しい死に方しかできないんです。はい、明日は我が身ですが・・・。

疎遠になっていて、私はCさんの大嫌いな奴だったことでしょうが、親族にしかお骨を拾ってもらえないんじゃ寂しいものですから、一人だけでも他人の私が火葬に伺えて良かった、と思いたいですね。
Posted by poohpapa at 2015年02月22日 09:26
Cさんみたいな人格の方私の職場にもいました。
一見社交的で親切でユーモアのセンスもあるので魅力的な人だったのですが
何かあった時の変貌ぶりにおどろきました。
たまにこういう人いますが、まわりは振り回されて大変です。

ところで、さとひろさん猫を助けてくれてよかったです。
いざとなったら女のほうが度胸が据わっていると書かれていましたが
そんなことはないと思います。
さとひろさんがとても度胸が据わっているんだと思います。尊敬します。
Posted by はるな at 2015年02月22日 11:23
はるなさん、こんにちは

<<さとひろさんがとても度胸が据わっているんだと思います。尊敬します。

せっかくお褒め頂きましたが、本人が読んだらつけあがるのでコメントを削除させて頂きます(うそ)

うちのが喜びます、有り難うございます。私も本当に感謝しています。出番がない、ということは「猫が死んでしまっている」ということなので、うちのの出番があって良かったです。

ご親族の方には「こんな側面もあったんですよ」と率直にお話ししました。そんな話でもちゃんと受け入れてくださって、懐が深い方たちでしたね。もしかすると、私よりよくご存知だったのかも。ま、何年かに一人くらいはいますね、こういう人。

それにしても、絶対、男より女のほうが度胸が据わってると思いますよ〜(^◇^)
Posted by poohpapa at 2015年02月22日 11:40
自分も気をつけます!
Posted by ina at 2015年02月23日 14:09
inaさん、こんにちは

inaさんは大丈夫ですよ、優しいから。私も何度inaさんのコメントに救われたか知れません。

今日、ある家主さんと話していて、死んだ時に友達はおろか親族の誰も集まらない葬式があったとか・・・。一人だけしか参列してないんですって。そんなの淋し過ぎますよね。けっこうな歳、というのでなく、まだ若くても誰も集まらない葬式ってあるものですよね。

でも、それがその人の生き様ですね。inaさんは大丈夫、って、しつこく言うと嫌味になりますが(滝汗)

Posted by poohpapa at 2015年02月23日 17:02
私も今読み終わりました。
一時期、私もブログを通じて交流がありました。
そうだったんですね…寂しい最後でしたね…。
猫ちゃん、無事で良かったです。
新しい貰い手さんもいて、良かった。
Posted by kotako at 2015年02月24日 11:41
kotakoさん、おはようございます

へえ・・・、kotakoさん、Cさんとブログの交流があったんですか・・・。

ほんと、生きている時も死ぬ際も死んだ後も、とにかく寂しい人生でしたね。心から心配してくれる人も無く、どこからも救けが出ないで、もっと言うなら「関わりたくない」と思われていて・・・。生きていた証など何も遺せず、最後の最後までいろんな人に迷惑を掛けて死んでいったのですから。

これから臭いや血痕の沁みた部屋を片付けなければなりませんが、法的にまだ手が付けられません。家主さんには極力ご迷惑をお掛けしないようにしなければなりませんが、不動産屋にできることには限界がありますしね。どうしたって家主さんには被害が発生してしまいます。とことん困っています。



Posted by poohpapa at 2015年02月25日 07:39
あれっ、私が思っている人と、違うのでしょうか…。
へぇ…とあったので、えっ違うのかも…とか思っています(笑)
Cさんだし。猫だし。と、勝手に頭に浮かんだ人がいて…。

それにしても。さとひろさんは、男気スイッチ持ってますよね(^ω^)
前々から、そうだとは思ってますけど。
今回の件で、更に実感。
いい奥さんを貰いましたねー!
Posted by kotako at 2015年02月25日 08:25
kotakoさん、再び、おはようございます

後でメールか電話させて頂きますね。すみませんです。
Posted by poohpapa at 2015年02月25日 08:52
言うの忘れてた・・・、

うちの、私より男であります(^◇^)

はい、いい女房をもらいましたが・・・、kotakoさんのご主人だって負けてないですよ〜♪
Posted by poohpapa at 2015年02月25日 08:54
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