2015年03月19日

当社での住宅総合保険や賃貸借契約書の説明の仕方

以前の記事で「日本少額短期保険という会社の不親切」ということに度々触れているので、貸室賃貸借契約の際にお客様に加入して頂く住宅総合保険の当社での説明の仕方について書いておきたい。説明の仕方は管理会社によってマチマチだと思うが、当社はこんなふうに説明している。見る人によっては「手抜きをしているのでは?」と思われかねないだろうが、私は「この説明の仕方が一番親切」だと思ってる。

イラスト入りの資料を使って「どんなケースで保険金が支払われるか、支払われないか」一通り説明するのだが、そこまではどこの不動産会社も同じで、大切なのは契約内容を説明した後

お客様は言わば素人で、私がザッと一通り説明しただけで十分に理解できるとは思っていないし、帰宅して改めて約款を丁寧に読み直すなんてこともしないと思う。帰宅すれば、とりあえず保険のことなど忘れてしまって契約書と一緒に机の引き出しにでも仕舞いこんでしまうだけであろう。

もちろん、退去まで何事も起きなければそれでかまわない。問題は、何かが起きた時に、お客様が「保険の支払い対象になっている事柄」だと気付かずに請求しないで終わってしまう、ということ。そういうのは医療の現場なんかでもよくあることだと思う。私も、子供が保育園に通っていた頃、「市の補助が受けられる」と知らずに治療費の全額を支払ってしまい、請求期限を過ぎてから知った、なんてこともあった。

私が日ごろの業務で気にしていること、それはお客様が「法律や慣習を知っていたから得をした」「知らなかったから損をした」ということが起きないようにする、ということ。それは公平ではないから。そういうのは「お客様の不注意とか過失で起こることではなく、我々の説明不足で起きるもの」だと思う。

で、私はどう説明するかと言うと、一通りの説明を終えた後で、「今の説明は覚えなくてかまいません。いちいち細かく覚えてなんかいられませんよね。なので、こんなふうに覚えてください。ご自身がバイクや車を運転していて事故を起こした以外で、人様から治療代、入院費、損害賠償などを求められるようなことがあったら『たしか、この保険でだいたいカバーできたハズ』と思い出してください」、と。「これは対象になるんだろうか、と思ったら、諦めてしまわずに必ず私に連絡してください」とも・・・。

バカにしているのでなく、相手は素人であるから、説明して署名を貰えば理解したもの、と判断するのはこちらにとって都合良く解釈しているだけのこと。もちろん、どこかで線引きしなければキリがないが。

重要事項説明書や賃貸借契約書の説明の際も同じようなことを言うようにしている。保険の説明の際には後で言うが、賃貸借契約を交わす際には先に言う。

「私はプロですから日常的に契約という作業をしていますが、〇〇さんは一生のうちで数回経験するかどうかであって言わば素人です。私は契約書など見なくても説明できますが、〇〇さんは素人なので、私が一度説明しただけで全部の内容を飲み込めたとしたらそのほうがおかしいのです。なので署名捺印して帰宅した後で疑問点など出てきたらご遠慮なく連絡ください。何度でも説明します。私の説明の途中で遮って質問して頂いてもかまいません。その時に言わないと忘れちゃいますもんね」、と言っている。

そう伝えることでお客様は安心してくださると思う。少なくとも、私に質問し辛くなることはないだろう。

で、不動産屋(管理会社)とお客様はプロVsアマチュアの関係だとして、問題は保険会社と代理店の間。私としては、プロVsプロではなくプロVsプロ´(プロダッシュ;言わばセミプロ)と考えるのが妥当だと思う。不動産会社はそれが本業でなく賃貸借契約に付随して申し込みを受けているだけ、というのが実情。つまりは代理店になっていて保険会社の募集業務、営業を代わりに(ついでに)しているだけなのだ。

もっと言うなら、「住宅総合保険は(家主さんにとって)必要だし、保険会社に紹介して直接契約してもらわずに、代理店になって保険を扱えば手数料収入にもなる」ということ。貸室の紹介や管理を本業にしている不動産会社と、保険が本業で保険だけを扱っている保険会社とでは意識や認識に違いや差があって当然。

保険会社と代理店・・・、対等ではなく、保険会社からすればむしろ代理店は「お客様に近い」と思える。先日も書いたが、年間100万程度の保険料では代理店としてはゴミの部類だろうけど、うちの店で毎年年間100万もの手数料を稼がせてくれるようなお客様がいたなら毎年温泉旅行にご招待してもいいくらいの話だ。

などと言うと「手数料を受けているのにプロ意識に欠けている」との批判も出るものだろうが、世の中のどれだけの不動産会社が保険内容やシステムを正しく理解しているものだろうか。

そう考えたら、保険会社のほうで、代理店に対する説明とか研修というものは日頃からしていなければならないもの、と思える。そこが、私が問題にしている「親切だったかどうか」に繋がってくる。

だから、義務は無くて法的に問題ないとしても、少なくとも代理店が商品内容や(更新も含めた)システムを正しく理解しているかどうか定期的に確認する作業を行う責任というものが保険会社にはあると思う。

例えば、新商品が出て、新たに「入居者が孤独死した際の残存物片付け費用が保険金支払いの対象になった」というなら、代理店に資料を送って「資料を送ったのだから、目を通していれば違いが解かったハズ。だから必要があれば更新する際に一旦前契約を切って新たに新商品で契約すれば良かった話」というのでなく、「新商品では新たにこういう件も支払い対象になりました。高齢者の単身入居のお客様がいらっしゃったなら更新時に新商品に切り替えることをお勧めします」とFAX一枚流すか営業担当が電話一本入れるだけでも良かったのに、と思う。保険会社としては気付かずにいてくれたほうが良かったかも知れないが。

なぜ「たったそれだけのこと」が出来ないんだろう。保険会社からすれば「なぜ『送った資料に目を通す』、それだけのことをしないのか」と言うかも知れないが、「資料を送ったのだから後は知らない」で良いと思っているなら配慮に欠ける。少なくとも私は「気付いてくれなければ儲けもの」などという商売はしない。PCで更新する際には更新ボタンしかなくて「他の商品の選択肢もある」と表示してないのだから何も考えずに更新してしまう業者は多いと思う、私のようにたらーっ(汗)

何度も言うが「ハートが無いのは致命的」である。「親切」というのはお客様の立場になって考えられるかどうかということ。それが欠けていたら保険会社としてもサービス業としても失格だと思う。日本少額短期保険は、顧客目線、代理店目線で物事を考えない「売りっ放し」の保険会社と思える。

それは、もちろん、私の過失を相殺したとしても、の話である。



posted by poohpapa at 06:49| Comment(4) | 出入りの業者、各種営業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
生命保険など、何にはいっていたのか、忘れてしまうことがあります。
年末調整とかでハガキがくると思い出したりします。
いまは、もう年末調整は必要なくなりました。かなり寂しいなあ。
Posted by たか at 2015年03月19日 08:48
たかさん、おはようございます

たぶん、保険って、加入したことで安心してしまって、どんな内容の保険に入っていたのかも忘れてしまうんでしょう。契約書でさえ読み直すことは無いと思いますね。そういうもの、という認識は、こちら側には当然に必要だと思います。

ま、私は生命保険に入れないもので、忘れてしまう心配はありませんし、「持病があっても入れます」という保険は保険料が高いので入ることもありませんが(^◇^)
Posted by poohpapa at 2015年03月19日 08:59
保険って何かあった時のためのモノであって、何かあった時に忘れてて請求しなかったなんてもったいなさすぎますからね。私も適用になるかどうかわからない事案でも一応聞いてみる方が得なのでって説明していますね。
以前お客様の家財保険でアパートに停めておいたバイクが盗まれたケースでも保険料支払われましたねー。
最初聞いたときに「バイクは無理だろw」って思ったけど保険降りたって言うんだから聞いてみるもんですねw
Posted by はなくろ at 2015年03月19日 15:43
はなくろさん、おはようございます

<<以前お客様の家財保険でアパートに停めておいたバイクが盗まれたケースでも保険料支払われましたねー。

それは「目から鱗」ですね。たしかに、盗難保険は付いていて、現金や証券などは対象になるのは知っていましたが・・・。それ、バイクがどういう状態で保管されていたか、にも因るんでしょうね。

以前、自転車の盗難が対象になるかどうか問い合わせた際、「自宅やスーパーなどの駐輪場に置いていて盗まれたものは対象外で、家の中に置いていて盗まれたなら対象」と言われたことがあります。

「そんなの、高級なマウンテンバイクとかでなければ家の中に入れておくなんて有り得ないだろ!?」と言ってやりましたが、いちいち自転車の盗難で保険金を支払っていたのでは保険会社は潰れますもんね。ま、それは仕方ないかな、とは思いました。

でも、いちおう頭の中に入れておきます。有り難うございます。
Posted by poohpapa at 2015年03月20日 06:41
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