私が尊敬している家主さんの、貸家の敷金精算でのお話。
賃料19万円の貸家を或る法人が事務所兼用で借りていて、4月15日に退去した。実際に退去したのは3月末であるが、契約時に「当方はリフォーム会社なので、自分でキレイに原状回復してお返しします」と言っていて、リフォームをするために契約解除が4月15日ということになったのである。鍵の返還もその日になるから、家賃発生は原則的には鍵を返却してもらう4月15日まで、ということになる。
だが、1ヶ月以上前に解約予告をしてきたのだし、通常は退去時までの日割りになる。鍵は戻っていなくても、リフォーム期間の賃料を支払わせるのは酷というものだ。家主さんに相談すると、「ああ、そりゃあそうですよね。いいですよ、日割りは3月末まで、ということでけっこうです」とのこと。こういう相談が気兼ねなく出来るのは嬉しい。
ただし、一つだけ問題があった。借主が、玄関の2ヶ所(ツーロック)のマスターキーを紛失していてコピーを返却してきたのである。
その場合、新しい鍵に交換することになる。リフォームと掃除を完璧にしてくれただけに、何とも言いづらい。実際に鍵交換の話をしてみたら不満そうな雰囲気であった。それで、家主さんにこう提案した。
「退去者は、家賃を4月15日まで請求されることは何とも思っていません。当然だと思っているようです。それならば、家賃は4月15日まで請求して、鍵の交換費用(約3万ほど)は免除します、と伝えたほうが喜んで納得してくれる、と思います」、と。
半月分の賃料(駐車場3台込)107000円を支払って鍵交換費用3万を免除されるのと、半月分の賃料を免除してもらって鍵の交換費用を請求されるのと、どっちが得かは小学生でも解かる計算だが、退去者は元々4月15日までの賃料を払う気でいたのだから、逆に「得した気分」になってもらえる。家主さんが「実」を取り、退去者が「気分」を取って、双方が喜んでくれるならそれに越したことはない。
こんな敷金精算ばかりなら不動産屋は楽な商売なのだが・・・(*^^)v
2007年05月16日
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