毎週日曜朝に放送される「がっちりマンデー!!」を楽しみに観ているのだが、7月5日の内容はどうにも納得がいかなかった。そこに登場していた老社長の話が、である。こういう記事を書けば私が批判を受けるのを覚悟で先輩不動産屋として本音を書きたい。
番組に、ご主人を亡くされた後、80歳で半年間の猛勉強の末、宅建に一発合格し、お孫さんと二人で江戸川区で和田京子不動産株式会社を開業している現在85歳の現役社長が出ていた。
試験内容が難しくなって、昨今は若い人でもなかなか合格しない宅建試験に80歳で合格したのは凄いと思う。しかも年商5億円・・・、それは賃貸の仲介管理が主業務である当社の50倍、ほんと
と言っても売買で年商5億だと手数料収入は約1500万。孫と二人で、というなら私と同じくらい。もっとも賃貸は全く扱っておらず売買のみで、自分が元付け(売主側の委任業者)にはならないようだ。
たしかに凄い人ではあると思うが、同業者であり、同じプロの私からすれば「おかしな話」であった。
ご自身も何度も欠陥物件を掴まされていて、「お客さんに私と同じ思いをさせたくない」とのことで、その気持ちはよく解かる。「売買では売主側からも手数料が出るから買主からは貰わない」と言う・・・。
そこが「おかしい」のである。
番組ではイラストで、「不動産屋が売買を仲介すると売主買主の双方から手数料が入る」と示していて、実際にはそういうケースのほうが少ないのに不動産屋が常に両手数を得ているかのような印象。
通常、手数料は「分かれ」である。元付業者は売主から手数料を貰い、客付業者は買主から手数料を貰う。たまたま売主買主ともに自社のお客さんであったり、売主が不動産業者とか建売業者であれば両手数になることはある。では、手数料が「分かれ」の物件を社長がお客さんに紹介することが出来るのか、という話。
そこで、HPの「すべての物件が(他社物件も)仲介手数料無料」との表示の上に、小さく「または定額50万円(税込)」とあって、売主側から手数料が出ない物件は「定額」で対応しているようだ。
売主側から手数料が出るか出ないかはお客さんには関係ない話。売主から出ないなら「定額」ということなら「原則的に(他社物件も)仲介手数料は無料ですが例外もあります」と謳ったほうが良いだろう。
HPを詳しく見ていくと、
「他社でご紹介された物件でも仲介手数料無料でご契約いただけます」とある。他社で紹介された物件を、お客さんが和田京子不動産から申し込みを入れればたしかに買主側の仲介料は払わなくてもいいかも知れないが、もし発覚したら当然に物件を最初に紹介した業者から仲介料を請求されることになる。そんなリスクをお客さんに負わせるのか、ということ。
その場合は、どのみち払わなくてはならない仲介料を払わせられるだけのことだが、お客さんの信用に大きな傷がつく。「他社で紹介された物件でも仲介手数料無料でご契約いただけます」などとHPに載せているということは、「当社はお客さんを横取りします」と言っているようなものだし。
不動産売買では、悲しいかな「中抜き」行為はよくある。それは取引に関わっている他の業者を排除して手数料を独占することだが、その場合は中抜きをする業者も取引には関与している。だが「横取り」は関与もしてなかった業者が手数料をせしめる行為だから「中抜きよりもっと悪い」と言える。
しかも「そもそも仲介手数料は払わなくてもいいものなんです」ともある。とんでもない間違いだ。
正当な対価として適法に請求されたなら払わなければならないもの。不動産屋の手数料は上限(率)が決まっていて、受け取る報酬がそれ以下であれば受け取らなくても違法ではない。ケースbyケースであるなら問題ないが「買主からは受け取らない」のをウリにして客を集める(或いは横取りする)のはフェアではない。そんなのは自由経済の原則でも何でもない。社長が言う「買主から手数料は頂かない」は間違いではないが「払わなくてもいい」は誤り。消費者に誤解を与える表現でとても残念。
だいたいが、不動産屋がプロとしてお客さんの為に働いたなら正当な対価は得て当たり前であろう。それを「そもそも仲介手数料は払わなくてもいいものなんです」と消費者に間違った知識を植え付けるのはどういう了見なのか。所属団体は全日のようだが、協会として警告したほうが良いのではないか。
HPに「首都圏不動産公正取引委員会公正競争規約加盟店」とあって、正直、オイオイである。
一番良くないのは番組制作側の姿勢。この社長のやり方を「従来の一般的な不動産屋と違って良心的」だと持ち上げているのだから。逆に言えば、正当に報酬を得ている業者が視聴者(消費者)から悪徳業者のように思われかねない。最近の消費者は「自分が得することだけしか考えない」から。
仕入れ原価を抑えたり製法を研究してコストダウンを図る、という方法や、1000円で仕入れた商品を他の店では1500円で売っていても自分の店は経費を抑えて1200円で売る、というのなら自由競争の範疇だと思う。「横並びにすべき」と言っているのではない。そういうのは「私の勝手でしょ」という話ではないのだ。
と言うと、「本人が要らないと言っていて消費者も喜んでいるんだから構わないだろ」などとバカなことを言う消費者は必ずいるもの。正当な報酬を受け取りにくい風潮にしてしまうのは良いことではない。
番組ではこんな話もあった。その不動産会社は24時間営業とのことで社長は枕元に携帯電話を置いて寝ている。たまたま深夜、その様子を取材しているところに、寝ていた社長の携帯が鳴る・・・、相手はお客さん。
可能性としてはほとんど有り得ない。なぜなら、「賃貸は全くやらない」と言っているのだから。賃貸ならともかく売買の件で深夜お客さんから電話が入ることなどまず無い。賃貸なら「上の部屋から水漏れしている」「鍵を失くしてしまった」「上の人がうるさくて寝られない」などなど真夜中でもたまに電話が入ったりするが。
私も寝る時には携帯の電源を入れたまま枕元に置いていて、この3年くらいは深夜に起こされたことは無い。かつては「1階の人が包丁を振り回して叫んでいる」と呼び出されたことがあったけど。
売買のお客さんの場合、そもそも「緊急性のある用事」なんてものは無い。何か思いついても「明日10時過ぎに電話しよう」になるもの。それが、たまたま撮影スタッフが待機していた夜中にベルが鳴る・・・。普通なら3年間、いや、それ以上の期間カメラをセットしていても「鳴るか鳴らないか」くらいの確率と思われる。まあ、「ヤラセ」というか「仕込み」というか・・・、それは明らか。
そういうのがあるから、購入を検討している女性客と夜に待ち合わせて物件までの道を一緒に歩いて安全性を確かめる、という場面も、「この女性、本当にお客さんなのかな・・・」と思ってしまう。
たいていは、そういうことで顔出しは了解しないだろうから。不動産の購入を検討している=頭金を持っている、と知れるワケで危ないのだから、本人が望まなくても「ぼかし」は入れるものだろう。そのお客さん、「今まさに不動産を買おうと検討しているお客さんではないのでは・・・」と思った。
この社長、お客様にお勧めする物件は、先に自分の目で徹底的に調べるようにしているとかで、それは当然だし立派なこと。ただ、事前調査は他の多くの業者もしていることで特別なことではない。
お客さんの視点や立場からサービスを提供するのは当たり前であって、残念ながらほとんどの不動産屋が出来ていないことには違いない。新規参入して稼ぐことは大変だろうけど、買主からの手数料放棄でなく良心的な対応やサービスで勝負してほしいもの。テレビで流れたから今さら「やっぱり手数料を頂きます」とは言えないだろうが、今の客視点でのサービスだけでも十分にウリになるだろうに。
お客さん視点で先回りして調査して「良い点も悪い点も伝える」というのは素晴らしいことで、買主側からの手数料は頂かない(?)のだから消費者からすれば実に良心的な業者さんだと言えるが、真っ当に商売している同業者からすれば「碌なモンじゃない」ということ。それはハッキリ言わせてもらう。
もう一つ、誰も問題にしていないけど、手数料を貰わないのは一種の便宜供与(違法)ではないか、ということ。契約を誘引するために契約金を立て替えたり引越し代を提供したり、その一部や全部を提供することは便宜供与に当たるもので禁止されているが、本来は貰える正当な報酬を貰わない、ということで客を集めるのは、その便宜供与に抵触しているのでは、と思う。顧問弁護士も付いているようだから「違法性なし」との判断をされているのかも知れないが、だとしても、間違ってないだけで正しくはない。
番組もHPも、消費者に誤解を与えかねない内容になっていて、それはとても残念なこと。
繰り返すが、80歳で宅建試験に合格し、85歳の今も(やり方の是非は別にして)確実に業績を伸ばしているということは立派なことで尊敬に値すると思う。ただし、経営方針が「買主から手数料を頂かない」というものであるなら、どんなに業績を伸ばしていたとしても褒められた話ではないと思う。
私はAD(広告料や業務委託料も同じ)は不法な報酬だと思っているので反対だが、正当な手数料は受けるのが当然だと思う。お客様アンケートを読むと「手数料がタダで助かりました」などと喜んでいる人もいるが、消費者が喜んでいるからと言って必ずしもそれが「良いこと」「正しいこと」とは限らない。本音では手数料を稼ぎたい業者と、できれば手数料を払いたくない客の利害が一致しただけだ。
テレビで何度も取り上げられて、この会社にとっては「いい宣伝」になって今後も顧客や契約依頼は増えるものだろうけど、「買主にはお得であっても正しい経営方針の会社ではない」と言っておきたい。
「がっちりマンデー!!」の制作スタッフの底の浅さ・・・、「がっかりマンデー!!」である。
年商5億円・・・、それは賃貸の仲介管理が主業務である当社の50倍、ほんとふらふら
当社 ⇒ 5億円 ÷ 50= 1000万円
結構、稼いでます。。。。。ヾ(--;)
他社でご紹介された物件でも仲介手数料無料でご契約いただけます ⇒ 中抜き?
これって、営業妨害ですよね。
すみません、見栄を張りました・・・。正確には、当社の100倍であります(*´ω`)
<<他社でご紹介された物件でも仲介手数料無料でご契約いただけます
ダメに決まってますよね( `ー´)ノ
HPをこの社長が作っているとは思えませんで、どこかに依頼しているのでしょうが、HP制作会社もこの社長も、よく解からないで作成してしまったんだと思いますね。そういうのを堂々と謳ったらマズイです。それでもって、どこからもクレームが無いのも不思議です。
まあ、同業者は他社のHPなど細かなところまで見てないものでしょうけど、私が番組を観て「え??」と思ったくらいだから近隣の業者にとっては切実なハズなんですが。
実は、全日の役員さんには昨日問い合わせましたが、「とくに苦情が来ているワケではないので今のところは何もするつもりはない」とのことでした。自浄作用ゼロですね。
全日には「そういう部門」は無いんだそうです。全宅にはあるようですが。
これ、協会から厳重注意があって然りです。ま、よその協会ですから文句は言えませんが。
こういうのを番組制作会社が何の疑問も持たずに制作して放送してしまうのは怖いですね。
成功者を紹介する番組だから、その業種は多岐に渡るでしょうし、スタッフやタレントに専門知識を求めるのも可哀想です。
残念ながら早朝の30分尺の番組のための詳細な事前調査に、リソースを割くという考え方は少なくとも今のTV局にはなさそうですね。
番組は見ていませんが、電話や案内の様子は台本アリ(やらせ)でしょう。
再現VTRくらいに考えて安直に制作されていると思いますよ。
番組制作側は「善意」(知らなかった)とは思いますが、不動産業界の実情に暗いとしても、「これはもしかするとマズイのかも・・・」くらいに注意を払う慎重さは必要でしょうね。
電話や案内の「ヤラセ」は大した問題ではないのですが、経営方針やHPには問題アリですね。以前、読売新聞の記者さんから取材を受けた際とか、同じTBS系の制作会社のADさんが番組作りの準備で訪問してくれた際、どちらも私の本まで購入してしっかり読んでいてくださって感激したものです。
別の制作会社でしょうけど、丁寧に下調べをする制作会社もありますから「できない」話ではないんじゃないでしょうか。そんな番組作りをしているようではねえ・・・、番組の先が思いやられます。
最近は手数料の安さをアピールしている不動産会社も増えていますね。有名なところではソニー不動産もそうですね。一般消費者にとっての選択肢が増えることはとても良いことだと思いますが、きちんとした説明を尽くすのが重要ですし、他社で紹介された物件を横取りするような誤解を与える表現はさすがにマナー違反ですね。
それにしても80歳で宅建に合格されたのは素晴らしいですね。なかなか出来ることじゃないと思います。
ここんとこ、私の周りは宅建試験に落ちている人ばかりで、80歳で合格、というのは、15歳で合格、というのより凄いですね。私が平成元年に30代半ばで勉強していた時でさえテキスト本で読んだ内容が「右から左」で頭に残りませんでしたから。
HPの文章は「誤解を与える」というより「そのものズバリ」で、「他から申し込むなら当社に来て」と言っているものですね。あと「仲介手数料は払わなくてもいいもの」は間違いで本当にマズイです。
ただ、不動産業者が努力して消費者の負担を軽くしようとすること自体は良いことだと思います。残念ながら、賃貸の現場では逆行していますけど・・・。
ご無沙汰しております。
最近は読み逃げ専門になっていましたが、この記事だけはコメントしたいと思います。
私は売買仲介専門ですが、最近は売買仲介業者も買主から手数料を頂かない人が多くなりました。
自分の仕事に自信が無いのか?と、首を傾げたくなります。
売ってもらう、買ってもらうという行為が、どれだけ大変かという事を忘れてしまったんでしょうか?
当社も開業28年になりますが、仲介手数料だけで商売しています。
新規というか新しい業者に多いですね、手数料をカットしてくるのは。
本来の自分の仕事の評価を、自ら落とす・・・・なんともプライドが無い話です。
又、手数料無しという事で他社で検討している物件とお客様を横取りする・・・・これは不動産屋では無いですね。他力本願も甚だしいと。
随分とモラルの無い業者が増えたものです。
当社は手数料を払わないお客様はお客様でないと考え、例え契約予定日まで決まっていたとしても、契約は絶対にしませんね。
私はボランティアで仕事は、出来ないと思っています。
先日お客様から仲手を値引いて貰えないかと尋ねられました。
報酬以上に手間が掛かり、正直割に合わない案件でした。
当然お客様もそれが分かっているのに平然と最後に言われた時は正直、、
そういう時代なんですかねぇ。
お客さんにとって手数料を払うか払わないかって大きいですから、もちろんそこをサービスしてあげようって気持ちはわかります。
だけど一般的にいただいていいものを「取ることが悪」って風潮にしてしまうのはやめてほしいですね。
賃貸だってありますよ「大家さんと直で契約したら仲介手数料って取られなかったんだって?」って言われたことあります。
凄くイラっとしたなぁ・・・。私は案内に行って契約書作ってその後モンスターと化したそいつの色々のトラブルに対応してたったの家賃1ヶ月分だもんなぁ・・・。
払わないで済む物は払いたくないのはわかるけど本来そうじゃないんだよってことを伝えた上で買主からはいただかないって姿勢を取ってほしいものですね
やりづらいったらありゃしない(^^;
<<私は売買仲介専門ですが、最近は売買仲介業者も買主から手数料を頂かない人が多くなりました。
自分の仕事に自信が無いのか?と、首を傾げたくなります。
全く同感ですね。お客さんから見えていない部分で業者がどのように動いてくれているのか、ひとたび何かトラブルが起きれば業者がどれだけの責任を負わされるのか、ということに思い至らず、ただ「手数料が高い」と決めつけられたら堪りませんし、何故それだけの手数料を頂くのかをちゃんと説明すれば良いだけの話です。話して解からなければ「それだけの客」ということですね。
私は売買はほとんどやらないので売買の現場はよくは知りませんが、傍で見ていて「賃貸より面倒な仕事だなあ」とは思います。一番大変なのは物件の調査ですね。しかも「見えない部分」での・・・。
番組の中で、洋間に幾つかのピンポン玉を置いて傾斜を確認している場面があって、そういうのを観ると視聴者はそれだけで「そんなことまでしてくれているのか・・・、良心的だな」と思ってしまうものでしょうけど、あれは素人でも解かる話で、私なんかからすると「だから何?」くらいの話。
他社(の物件)で検討中のお客さんが、この会社のHPを見て「だったらここの会社から申し込もう」と問い合わせてくるのを待っている、という商売のやり方ですから、それはアカンだろ!?、です。
これが売主からの手数料も頂かないというなら話は別ですが、それでは食べていけないワケで、本来は他社が手にするハズだった手数料をせしめているのですからある意味「窃盗と同じ」ですよね。
新規参入の業者であってもプライドは持っててほしいですね。自分の方から「買主さんからは手数料は頂きません」というのは情けないですね。
rom専で全然かまいませんよ〜、読んで頂けるだけで嬉しいです、ほんと(^◇^)
通常以上に手間が掛かった仕事で手数料を値切られるのは辛いですよね。と言いつつ・・・、私も、今の家を買う時に、紹介してくれたDホームの社長に仲介手数料を値切ったんですけどね(おい)
売主からも手数料が出るのを知っていましたし、こっちも業者なんだから、ということで値切ったら少しだけマケてくれました。ほんと、両手数のうちの片方の少しだけですけどね(欲が深い;滝汗)
これ、業者が最初から「買主からの手数料は頂かない」と謳っちゃってるのが間違いですね。買主の為にも働いているなら頂くべきです。もしくは、不動産屋が手にする手数料は高額すぎる、というなら売主買主双方から半分ずつ貰うか、ですね。買主側の手数料だけ放棄するのはおかしな話。それで「狙い」は客の横取りだと解かってしまいます。
そういうのを何も考えずに美談として取り上げてしまうテレビもねえ・・・( `ー´)ノ
せっかく80歳で宅建に合格したのに晩節を汚していますね、とても残念です。
<<一般的にいただいていいものを「取ることが悪」って風潮にしてしまうのはやめてほしいですね。
そこに尽きますね。あの番組の流れだと、ほんと、真っ当に仕事して正規の手数料を頂く業者が悪者になってしまいますもん。過去に自分が何度か欠陥物件を掴まされた経験から消費者が同じような思いをしないよう開業した、と、いかにも「良心的な業者」として紹介していますから。
賃貸でも、数万の手数料をケチって直接貸主と契約しようとする客、たまにいますよね。そういう時にはこう言います。「それで手数料は払わなくて済みますが、貸主と借主が直接契約すると互いに素人なので契約書に書かれている約定は全て有効になります。ですが、不動作業者が間に入ると、借主に一方的に不利な約定は最初から無かったことと見做してくれます。つまり、場合によっては不動産屋が責任を負わされることもある、ということですね。不動産屋が手数料を貰うのには意味があります。もちろん、貸主さんを知っているから直接契約したい、というのであれば止めません」、と。
<<払わないで済む物は払いたくないのはわかるけど本来そうじゃないんだよってことを伝えた上で買主からはいただかないって姿勢を取ってほしいものですね
いやあ、私なんかは、そう伝えた上でもダメだと思います。ただし、はなくろさんも「そういう意味」で仰ってるとは思いますが、事情があって(個別に)手数料を頂かない客に対して説明して、ですね。
う〜ん、番組のDVDは無償配布は無理でしょうね・・・。スポンサーはそこまでの経費は出してはくれませんし、受益者負担(後で再び番組を観たい人が利益も含めて払う)が当然でしょうね。
ま、最近は時にYouTubeなんかでも観られるから、いい時代になりましたね(^◇^)
この和田京子不動産の手数料システム、発想として分からないワケじゃないですし、新規参入業者として何とかインパクトのある惹きつけ方をしたい、という気持ちは分かりますが、これを実際にやっちゃ〜いけませんよね。どれだけの自社媒介物件を抱えられているのかは知りませんが、どちらかと言えば無料よりも定額手数料を徴収している方が多いのでは? と思います(業者売主か自社媒介でない物件であれば売主からも取れませんもんね)。
ただ予想するに、決して長続きはしませんよ。以前に渋谷辺りでやってたトータル何とか、という手数料半額業者も今は一般業者と同じように通常手数料でやっているようですし、私の地域でも「買主手数料無料!」を謳い、和田京子不動産と同じように他社からの物件を横取りしていた業者も、たった数年で敢え無く消え去りました。
業者として頂戴する仲介手数料の意味合いはpoohpapaさんが仰られている通りで、我々はそれだけ食べているのですし、だからこそ売主・買主双方に後々問題が起こらぬよう、物件の調査には多大なる時間と労力と経費を使っているのです。シンクの中に顔突っ込んだり携帯の受信具合を見たりピンポン玉転がしたりするだけなら簡単ですが、業者本来の物件調査はそんなものではないでしょう。
こうした業者を尤もらしく正義の業者のようにTVでアピールするのですからTV局も最悪です。ま、こんな話だけでなくあらゆる報道が歪んでいますけどね。きっとTV局や制作会社のスタッフそのものが若く、世間知らずであり不勉強な人が多いからこその結果なのでしょうが、それこそ本当に国民を良からぬ方向に洗脳させている元凶がTVなのでしょう。
年商3億だの5億だのと言っていますが、仲介業者の年商は売却価格総額ではないでしょう。あくまでも仲介手数料等の収入総額。きっと売り上げ、1000万もないのでは? こんな手数料システムで平均3%もあるワケがありません。
これね、来てくれたお客さんに個別に「うちは手数料は要りませんよ、売主さんからも出るので」と辞退して、それが口コミで評判になって、というなら問題ないと思うのです。HPに謳っているのが間違いですね。それと、「売主から手数料が出ない物件は定額で頂戴ね」というシステムはねえ・・・。
VTRにあった「携帯の電波の強度」や「ピンポン玉による床の傾斜」「排水溝の臭い」のチェックも、あまり意味は無いように思えます。ほとんど「素人の域」かと・・・。そんなのを流しても、プロは「凄い」とは思いませんよね。「客が行けば判ることで、事前に調べておくほどの内容」ではないですね。
排水溝は今はどこもS字溝になっていて、臭うとしたら「パイプから臭いが逆流しないように溜めている水が長く使われなかったことで蒸発しているから」で、水を少し流してやれば臭わなくなります。私は賃貸で他社の物件を案内して「あ、長く空いてたんだろうな、臭うな」と思ったら、流し台や洗面台の水を少し流しておきます。そうすれば管理会社さんも助かると思うので。
べつに「特別なこと」ではないのに「細やかなところに気配りする良心的な業者」だと持ち上げる・・・、なんだかなあ・・・、です。
あとは、何度も書いてますが、「そもそも仲介手数料は払わなくてもいいものなんです」とHPに書かれている点、ですね。宅建の試験に合格してるんですよね?、と訊きたくなります。
ラーメン店に行って、「お味に満足頂けなければ代金は頂きません」と謳ってあって、それで本当に美味しくないと思って代金を払わない、というのはOKですね。ちゃんと美味しいと思って平らげたのに「そもそも飲食代は払わなくてもいいハズ」とは言えませんよね。この業者がやってること、「他の店で食べたラーメンのお代は当店で払うことが出来ます。その場合、代金は半分でかまいません」と言ってるようなものです。
私はねえ、さも「消費者に喜んで頂こうとしている」ようでいて、「自分がどうやって稼ぐか」しか考えていないように思います。真っ当に商売をしている仲間を裏切っているし・・・。
お年寄りが頑張ってる、その足を引っ張るつもりはありませんけど、フェアにやってほしいのです。
でね、私も、そんなに長続きしないと思いますね、社長がご高齢なので、お亡くなりになったらお孫さんが社長の方針を踏襲して跡を継げるものかなあ・・・、と他人事ながら、少し心配にはなります。