不動産屋が抱えるトラブルの一つに家賃滞納がある。
業者によって対応策は様々だが、首を傾げたくなるものも多い。
先ずドアへの貼紙(「家賃を払うまで部屋の使用を禁ず」等)である。
直接的な表現は不特定多数の第三者に、「その部屋の住人が家賃を滞納している」とあからさまに知らしめてしまうもので違法性が高い。貼紙をするなら、「至急連絡乞う!○○不動産」が限界である。これなら、「はは〜ん、家賃遅れてるな」とほとんど分かってしまうものでも、他にも緊急性を要する用件だって考えられるから逃げ場がある。そのうえで、貼紙をするならガムテープでガッチリ囲って容易には剥がせないようにしなければならない(笑)
次に、入居者の留守中に鍵を交換して入れなくしてしまうケース。
もちろん本人が鍵屋を呼んで入ることも可能だが、事前に通告していたかどうかに関係なく、そして家主や管理会社といえども、生活権や居住権そしてプライバシーの侵害に当たることになり、これも違法性が高い。以前TVで、新宿歌舞伎町の業者が滞納者の部屋のドアノブに鍵カバーを取り付けているのを見たが、これはもっと酷い。
相手は何ヶ月も家賃を滞納しているくらいだから弁護士に依頼するとは思えないが、実際に裁判になったら家主や業者が負けることになる。判例でも、滞納家賃がチャラになったうえ慰謝料まで認められたケースがある。
そもそも滞納者に連絡をくれるよう求めたところで、電話など掛けてくるケースは少なく、督促状の送付なども効果が無いから家主や業者もそうせざるを得ない訳で、「危ない橋」だと分かっていても実力行使に踏み切ってしまう気持ちはよく分かる。
ただ、悪質な入居者は業者や家主の失点を待っている可能性がある。管理会社は常に、どこまでなら法に触れないか、落ち度を問われないか、充分に注意を払わなければならない。本音で言えば、「無報酬で家賃回収をやらされて業務停止や慰謝料支払い命令なんてことになったら堪らない」、と思っている。家主は責任などとってはくれないのだから。
入居者の権利がより厚く保護されている現在の法の下では、管理会社には高度な判断が求められるし、貸室業など本当に割に合わない。以前にも書いたが、私は「家賃を払っていてこその居住権」だと思っている。
2005年06月17日
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貸主側が、家賃滞納入居者宅の「玄関のドアを外しちゃった」という話を聞いたことがありますが、確か器物損壊罪で訴えられ、やはり滞納家賃をチャラにさせられた上に、慰謝料を払わされたそうです。
家賃滞納者への対応は、管理会社は免許にもかかわりますから、本当に厳しい立場で、苦労しますよね。
私の上司は、悪質滞納者宅を訪問し、話し合いの途中、相手から殴られた事があります。業者としては殴り返したり出来ませんので、ぐっとこらえてました。
一応診断書を用意し、警察に相談してみましたが、家賃滞納に関するやりとりで起こった事だったためか、話し合いで解決するように言われてしまいました。
そういえば、最初に契約金を払って入居したものの、とたんに家賃滞納が始まり、立ち退かせるにも苦労して・・・というケースで、最初から家賃をまともに支払う意思がないのに、賃貸借契約を締結してるのだから、「詐欺じゃないか」、という考えも出来ると思いますが、これも、立件してもらえる可能性は低いようです。
悪質入居者が手厚く保護されているような現在の状況では、貸室業はこわいものがありますね。
家主さんから、「それじゃあ、契約書は何のためにあるんですか」って言われる事がありますが、それが現実なんですもんね・・・。
私としては、「守る事を前提で約束してくれているもの」という姿勢で、たとえその約束を反故にされても根気よく話し合いするしかないのかな、というのが今までpoohpapa様の記事を拝見してきてたどり着いた方針です。
但し、約束を破っても、開き直るような人には毅然と対応しなければなりませんから、法的措置も視野にいれますが。
家賃滞納者の問題は常時何件か抱えている中で、一担当者としてはそれ以上はできません。
長期戦になりますので辛いですね。。。
せめて、悪質な人には詐欺罪や、何かの罪が摘要されれば、少しは楽になるような気がします。
私も、虚偽の内容で申し込みをしたり、ハナから家賃を払う気が無い悪質な入居者には「詐欺罪」を適用してもよい、と思いますね。
ラーメン一杯の無銭飲食が罪になるのに、何十万もの家賃を踏み倒していながら何ら罪に問われないのはおかしな話です。
それと、「家賃滞納に関するやりとりで起こった暴行事件が話し合いで解決すべきこと」なら、島田紳介の事件も傷害事件にはなりません。警察の判断は誤りでしょう。というか、職務怠慢です。
正直なところ、殺してやりたいほどの悪質入居者や不誠実な客は年に何人かはいますね。それでも、法治国家ですから、法に照らして問題が無いか、あとで割を食うことが無いか、は常に意識して行動していますが^_^;
せめて、賃料滞納者の部屋の鍵くらい、管理会社の判断で交換できるようになってもらいたいものですね。
お互い、頑張りましょう(*^^)v
いつも更新ありがとうございます。
さて以前コメント欄で、もっと早くこちらを知っていれば、、、、とコメントしたものです。
私たち夫婦は、3年間家賃不払いという苦い体験をしました。
あまり管理会社、不動産屋さんは親身になってもらえず、
結局私自身で、話をつけ、出て行ってもらいました。
最後まで、ごめんなさいの一言もなく、天井、柱までも切り取られていて、唖然としました。
また先日ですが、違う物件の家賃が振り込まれてないと、不動産屋に問い合わせたら、退去されたとFAXにて回答され、これもまた唖然としました。
我々夫婦はpoohpapa様のような方にお会いすることができません。日ごろの行いかもと反省したりします。
こちらにお邪魔するようになってから、
家主としての考え方が、一変しました。
そして私から言えるのは、こんなに熱心な不動産屋さんはめったに出会えません。
むしろ、こんなの初めてです。
poohpapa様、長期における家賃滞納者の方達は、内面に共通点がありますよね。
私は、いつかどこかでpoohpapa様にお会いできるのを楽しみにしてます。長々とまとまりなくごめんなさい。これからも楽しみにしております。
よく覚えておりますよ(*^^)v
大変な思いをなさったんですよね、同業者として申し訳なく思います。
ただ、私は「熱心な不動産屋」ではありませんで、むしろ日本一不熱心でして、力を入れるところが他の不動産業者と違うのですね。大切にしているモノは「利益」ではなく「心」なんです。ですから、(目先の)採算を考えずに仕事したり、分からないようにキッチリ仕返ししたり、と仕事を楽しんでいます。だから、悪徳不動産屋なんだと自認しています^_^;
ところで、ピロコさんの物件の管理会社、家賃の振込みが無いことの問い合わせに対して、既に退去していたとFAXで回答してきた、というのは考えられないことですね。通常は1ヶ月前に退去の連絡を貰いますが、そうしたら直ぐに家主に連絡して「次の募集条件」の打ち合わせをします。例えば「家賃は据え置きで良いか」とか、「敷金は1ヶ月分にしましょうか」とか。当然、リフォーム内容や敷金精算についても相談しなければなりません。それらを、家主に何の断りも無く、管理会社(と言えるかどうかは別にして)が勝手に決めてしまう、などということは有り得ない話です。だいいち、広告はどうするのでしょうか。おそらく全く打っていないと思います。というか、それでは打てませんよね。
私は「分からないように仕返しする」(貸主、借主、客を問わず、です)と書きましたが、その私でも、そういう無責任なことはいたしません。
私のサイトに対して気を遣いながらコメントしてくださるピロコさんが、「知らないうちに管理会社の気に障るようなことをしていた」とも考えられないので理解に苦しみます。仮に「3年に及ぶ滞納者に関する遣り取り」の中で管理会社にとって不愉快なことがあったとしても、業者としての責任は果たさなければなりません。私なら、そのうえで意地悪をします(正当性ナシ;爆)
電話でなくFAXで、というのも失礼の極みですね。もし、ピロコさんご夫妻が昼間不在というなら、適当な時間に電話すれば済む話です。
管理会社を換えるべき、でしょうね。
あと、私は実際に会ってみたなら「つまらない人間」ですよ。先日も、会う前に「見切り」をつけられました(爆)
いえね、1ヶ月以上前から食事の約束をしていて2日前にも確認のメールが向こうから来て、それでいてすっぽかされたのですよ、何の連絡もなく。1ヶ月経ちましたが未だに先方からは連絡が有りません。
今度記事にするつもりですが^_^;
世の中では一般常識では測れない人たちがいるものですね。真っ当に生きている人からすれば迷惑な話ですが、彼らも「社会の構成員」なんですね。そして、最終的には幸せにはなれない人たちです。それだけは間違いありません。
いつも優しいコメントを有り難うございます。
再度、ごめんなさい。こちらに書き込みさせていただきます。
勝手に退去された件は、ほんと管理会社とトラブルなんてありませんでした。
いつ電話しても出てくれないので、ついFAXで聞いてみました。
ワンルームマンションなので、利益が少ないからでしょうか?
電話に出てくれないから、どうリアクションしていいか分からず、困ってます。
うちは転勤が激しく、その都度、住所変更は電話にて連絡してますが、会社自体の状況が変わってしまったのでしょうか?
分かりませんね。
が、上記の会社に頼んだうちが一番悪いと思ってます。
3年間滞納された物件は、貸すつもりがない物件でした。でも管理会社の知り合いらしく、管理会社から頼まれて貸したのですが、滞納者は、法律を勉強したらしく、自分たちの権利ばかり主張されてました。管理会社とその方の付き合いはなくなったそうです。それは別として、滞納者に普通郵便のみでの家賃滞納の連絡と催促でした。こちらも居留守を使うとかで連絡とれず、とのこと。
で、私が何度か乗り込んで話をつけました。
それに私が、家賃の振込みがないと言うことを気づくのが1年以上経ってからというお恥ずかしい話でして。その管理会社もこちらが連絡するまで、ノータッチでした。
自宅から離れた物件を持ち、現在3歳の3つ子がいますので、物件まで出かけるのが不可能です。
だからお願いしていたのですが、結局のところ
すべて手放すのが一番と思っています。
私たち、品川に2年前まで住んでましたが、こちらを知らなかったのが、とても残念で悔しいです。
今持っている物件は、四国、九州なのでpoohpapapa様にお願いもできませんし。子供たちに持っておくのも考えましたが、やはり手放すのが一番だと考えてます。
ただこちらで気づいたことは、poohpapapa様のような方はめったにいないと言うことです。年配の方はバブル期を経験したからか、利益重視。売るときは親切・丁寧、でも紹介してくれた子会社は、あまり熱心ではないです。こちらも仕方ないと考えてますので、アクションを起こす気にもなれず。
悪循環ですね。
まだまだお話したいことが沢山ありますが、
長くなってしまうのでここら辺で失礼しますね。
あと毎日更新されるのを楽しみにしとるとです。
poohpapapa様、お付き合い下さってありがとうございます。長々とすみませんでした。
ふつう、自社の知り合いを頼んで入れてもらうなら、何かの時の責任はより強く負うもの、と思います。何も言わないでいたので軽んじられた、ということでしょうか。
うちの管理物件の家主さんは、実はNYをはじめ、北海道、神奈川、千葉といった遠方にお住まいの方が多いので、連絡が途絶えないようかえって気を遣います。こちらは気に掛けていても、向こうはそんなことは分からないから「何もしてくれない」と思われかねません。よほど信頼関係が出来ている家主さんを除いては、契約書等の記名押印の際には訪問してお顔を合わせるようにしています。北海道までは行きませんが(笑)
それと、中途半端に法律の知識のある人間ほど厄介なものはありませんね。都合が悪くなると「弁護士がそう言っていた」と言い出す客は多いものです。「ああそうですか、どちらの弁護士さんが仰ってましたか?」と聞くと答えられなくなってしまいます。それで通るなら、何でも「弁護士が言っていた」でよいことになります。他には「いろんな不動産屋に聞いたけど、皆んな言ってる」というのもよくあるパターンです。ピロコさんも苦労なさいましたね。
ところで、物件の売却をお考えとか。遠方であって、ご自身の管理や目が行き届かないのであれば、それも賢明な選択しかと存じます。それに、子供さんに不動産を残しても、なんともなりません。私は、今の時代は「現金で持っている方が強い」と常々思っています。
また何か思い出されましたなら、いつでもコメントください。
お待ちしています。
私も、人々が最近「先に」幸せを求めている、と思えてなりません。
何でも「相手のあること」なんですが、「先ず自分」なんですね。
嘆かわしいことです。
仰るように、法律の「慣習法」(常識)がもっと重視されていいもの、と私も思います。
コメント、有り難うございました。
はい、そこまでの文面なら、滞納者から訴えられることもありませんし、あっても裁判で負けることはありません。
でもって、相手はその「至急連絡乞う」という文面の貼紙だけで、「近所の人に滞納していることが判るかも」、とプレッシャーになります。
繰り返し貼り続けることが大切です。あくまで、文面はそこまでです。
私は、管理人さまの10歳年下の後輩です。またご相談させてください。
よろしくお願いいたします。
はい、いつでもどうぞ(*^^)v
こちらこそ、今後ともどうぞ宜しくお願いします。