2016年02月17日

立川市の新規の生活保護のお客様を断った 2

昨日、30代半ばくらいの男性が部屋探しで来店した。見るからに純朴な感じの人で、雰囲気で、すぐに生活保護の人だと判った。

店に入るなり、小さな声で「お願いします」とだけ言い、「どんなお部屋をお探しですか?」と訊くと「私が入る部屋です」とのこと。まあ、そりゃあそうだろう。「予算はいくらですか?、場所はこの近辺で、ですか?」と訊くと、「5万くらいで・・・、有りますか?」とのこと。そこまで言って、「喉が渇いているので水を頂けますか?」と訊く。それも珍しい、と言うか、初めてのこと。こちらから「缶珈琲かコーラ、サイダー、何になさいますか?」と訊くことはあっても、お客さんのほうから(たとえ水であっても)「飲み物が欲しい」と言われたことは無い。うちは喫茶店じゃないし。とりあえず、冷蔵庫から水を出して差し上げた。

水をくれ=生活保護、ということではないが、ふつうは遠慮するものであって、喉が渇いているなら向かいのコンビニで何か好きな飲み物を買えば良さそうなもの。素直で正直、そこが尋常とは違う、と思えたから生活保護のお客さんだと確信した。ではあっても、その時点ではこちらから「生活保護?」とは訊けない。話の流れで向こうから言い出すのを待つしかない。

続けて、「ここではタバコは吸えないんですか?」とも訊く。どこまでも正直である。「この店の中はタバコを吸えないようにしてます」と答えると、「僕はタバコが大好きなんで・・・」と寂しそうに笑う。

私はタバコが嫌いなので愛煙家には優しくない。タバコが嫌い、というより愛煙家が嫌いなのだ。「僅かな時間なのだから嫌煙家のほうに合わせて我慢しろよ」と言いたくなる。部屋探しでも飲食店でも同じである。居酒屋は別として、誰かとレストランや喫茶店に入る際、サッサと当たり前のように喫煙席に行く相手とは付き合えない。「喫煙席でもいいですか?」と訊いてくれればタバコの煙も我慢はするが、当然のように喫煙席に行かれると人間性を疑ってしまう。嫌煙家にとって洋服にタバコの臭いが付くのは我慢できないことなのに。

その青年、相当なヘビースモーカーのようだ。ここで素朴な疑問が湧く・・・。生活保護者がタバコを嗜んでも問題は無いと思うけど、一般的な一日の本数を超えて吸うとしたら、「他を削ってタバコに充てているんだから問題ないだろう」と言えるかどうか、ということである。ギャンブルと同じ、である。「絶対やめろ!」とまでは言わないが、「税金でお世話になっている」という認識くらい持ち合わせて、節度はあって然り、だと思うのだ。タバコのために削れるものがあるなら保護費は少なくてもいいのだし。最低限の暮らしを保証する以上に出すのは過保護で、自分で頑張っている人への逆差別ではないか、ということ。

ま、そのことには触れずに、「ごめんね、うちは(こういう理由で)立川市と武蔵村山市の新規の生活保護の人の部屋探しはしないことにしているので・・・」と言うと、「市の対応はヒドイですね」と言って目が潤んできた。こういう人の部屋探しをしないのは気が引けるし、うちにとって5万の手数料収入は大きいが、そこでポリシーを曲げたら「なし崩し」になるから曲げない。

お客さんに、「うちでは探せないけど、親切に対応してくれる業者さんがあるから紹介しようか?」と言うと、「いいえ、自分で当たってみますから大丈夫です」とのこと。

ついでに、こうアドバイスをした。「部屋探しをする際、不動産屋に最初から『僕はタバコを吸います』なんて言わないほうがいいよ。そんなことをイチイチ言うとヘビースモーカーだと思われて火事の心配なんかされて審査が下りなくなることもあるよ。喫煙者お断り、というアパートもあるけど、入居してからタバコを吸うのは原則的に自由なんだから」、と。仮にタバコを吸える不動産屋の事務所であっても、わざわざ言わなくてもいい事、である。真面目そうな青年だから、いい部屋に出会えたなら私も嬉しい。

寂しそうに出て行こうとするので、「水でなくて、何か他の飲み物を持って行く?」と声を掛けると、「いいんですか?、さっき水も貰ったのに・・・」と躊躇う。「いいんだよ、うちで部屋探ししてあげられないお詫びだから、ごめんね」と言うと、嬉しそうに缶珈琲を受け取って出て行った。

うちの店では、これからずっと、こんなことが繰り返されることだろう・・・。

後で顧客カードを見てみたら・・・、他の市からの転入だった。立川市の生活保護がまた増えたようだ。


posted by poohpapa at 05:39| Comment(12) | うちの会社、社長、同僚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
poohpapaさんおはようございます。

他の市からの転入なら立川市では簡単に生活保護が受けられそうですね。これは狙い目かも?

生活保護を受けたければ、立川市へどううぞ! ,,



この人物、確かに初めて入った飲食店ではない店に入って飲み物を要求するのは、おかしいし、タバコも禁煙のところがほとんどなのに、遠慮しないのは、今後もめ事はたっぷり可能性がありそうです。

しかし、5万円失ってしまいました。大手の業績拡大だけが目標の不動産屋なら、即OKではないでしょうか?だって、生活保護なら安定した収入です。

ただ、家賃に回すことができるかは別でしょうけど。
Posted by たか at 2016年02月17日 08:13
たかさん、おはようございます

立川市は甘々でザルですね。どんどん生活保護が増加していると聞きます。市の職員が「原資は税金」という意識が無くて、身の保全しか考えてませんから、そりゃあちょっと(特定の政党から)圧力を掛けられたらフリーパスで通しちゃうものですね。

市長も、「立川は毎年10人ほどの刑務所出所者を生活保護で受け入れている」と自慢げに言っていて、そこは誇れるところではないように思うのですが・・・。隣の国分寺市は保護決定するかどうかの審査がとくに厳しいようで、それで当たり前なんですけどね。

で、この青年は、精神的には「純粋な子供」だと思います。逆に、入居後のトラブルは無いのでは、と思えます。勝手なことばかり言う、というのとは違いますので。人柄は悪くなかったです。

生活保護は安定収入、とも最近は言えなくなっています。死ぬまで生活保護ならいいのですが・・・。いえ、良くはありませんが、市が不動産の契約に関して出してくれるのは家賃とか契約に必要なカネだけですから。何かあった際の片付けは一切関与しませんし。

家賃も、本人に渡して本人が支払うケースと、(本人が了解した場合のみ)市が直接家賃を振り込んでくるケースがあって、本人に一旦渡したなら他で使ってしまうこともありますね。なので、役所から直接振り込まれるのは困る、と言うようなら受けないほうが良さそうです。

ここで儲けそこなった5万は、次の旅行でのたかさんの航空運賃に乗せておきますから大丈夫ですよ。
Posted by poohpapa at 2016年02月17日 09:38
食べ物削ってでもタバコに充てたい気持ちはわかりませんね。削れる食事なら削れやwと言いたくなってしまうわ。
私の周りにも喫煙者は結構いましたが半数近くはやめたし最近では電子タバコ(?)のような物に移行していたりします。
低所得者層に喫煙者が多いらしいですけどなんか不思議ですよねぇータバコも高くなったというのにw
Posted by はなくろ at 2016年02月17日 12:15
昔、煙草を吸ってた友達が例えば腹すいても300円しか無かったら煙草を買うと言ってる子がいた(^_^;)その人良い部屋見付かると良いね
Posted by よっこ☆ at 2016年02月17日 15:01
はなくろさん、こんにちは

私も、自分が吸わないものだから、少しの時間が我慢できない、あるいは本数を減らせない、ということが解かりません。目の前に大切な人がいて、自分がタバコを吸うことで大切な人の健康被害を招く、産まれてくる子供に悪影響を及ぼす、と解かっているなら我慢できるハズですが・・・。タバコの火の不始末で年間にどれだけの生命財産が失われているか、を考えたら大麻よりヒドイかも。

低所得者層に喫煙者が多いのは分かりますね。アメリカでは喫煙者は大企業の重役になれないとか・・・。吸うな、とまでは言えませんが、タバコ代で月にどれくらい必要か、ということを考えたら、生活保護決定に「タバコを吸わない」ということを条件にしてもいいのかも。キツイかなあ・・・。
Posted by poohpapa at 2016年02月17日 15:15
よっこ☆さん、こんにちは

その友達の言ってること、解かりますね。愛煙家はみんなそうだと思います。

この青年、良い部屋は見つからないかと思います。生活保護のお客さんが来ると、今は「テキトー」な部屋を紹介されてしまうでしょうから。つまり、長く空いていたり、古くて(駅から)遠くて借り手が付かない「人気のない部屋」を勧められるんじゃないでしょうか。だから「いい業者さんを紹介しましょうか?」と言ったのですが、辞退されてしまったので仕方ありません。

今入居している生活保護者に「出て行ってくれ」とまでは言いませんが、私は立川市と武蔵村山市の生活保護受給者の部屋探しはしたくありません。よその会社が利益を得るのは全くかまいません。
Posted by poohpapa at 2016年02月17日 15:25
その人きっと、あまり迷惑かけたくない気持ちがあるのかな?だから、自分で探すと言ったり、コーヒーも「お水まで貰ったのに」って、言ったんだと…
Posted by よっこ☆ at 2016年02月17日 17:38
よっこ☆さん、こんばんは

どうなんでしょう・・・、そういうことでは「迷惑を掛けたくない」と思っている人が、いきなり「喉が渇いたから水をください」と言うし、逆に「さっき水を頂いたのに」と言ったりします。その時の自分の考えに忠実に、かつ正直に生きているんでしょうね。

言動に嘘が無いんですね。だから、気を遣いながら言葉を発して生きている普通の人とは明らかに違うので、「こういう人は社会に上手く適合できない」⇒「就職するのは無理」⇒「生活保護を受ける」、という図式が直ぐに出来あがりました。

スッと入ってきて椅子に座り、「お願いします」という言葉から入る、というのも今まで無かったことですね。無菌培養されたような人でした。就職は・・・、出来ても続かないでしょうね。

私は元々が不親切な人間ではない、と思っていますし、本音では親身に相談に乗って差し上げたいのですが・・・。そういう不動産屋が「協力しない」と宣言している事態を市役所は重く受け止めるべきでしょうね。まあね、間違っても反省などしない奴らばかりですが ( `ー´)ノ
Posted by poohpapa at 2016年02月17日 18:36
こんばんはpoohpapaさん
「低所得者層に喫煙者が多い」みたいな書き込みは偏見ですね。
ビンボー人は発泡酒を呑むべき、ビールなんてとんでもないとか?

自分の狭い経験ですが、身体を使う仕事、まあ肉体労働といっても
いいけど、そういう人たちは喫煙率が相変わらず高い。
タバコは高いけど、そういう人たちには労働の合間に体を元気づけるのにある意味、
こういう薬もどきが必要なのです。
タバコが百害あって一利なしというのは、喫煙しない人の論理。
喫煙する人には一利あるのです。
火をつけ、煙を出すことが問題なので、ニコチン入りガムみたいなもので
代用できれば、と思うのですが、これはこれでまた色々問題あり。
本論とは関係ありませんが、タバコの話が出てくるといつも一方的に
結論つけられるので口を挟みました。
Posted by トントン at 2016年02月17日 19:09
トントンさん、こんばんは

たくさん納税して頂き誠に有り難うございます m(_)m

生活保護も含めて、低所得者層のほうが富裕層より喫煙率は高い、というのは当たっているかと思います。職種的に建設現場の作業員に喫煙率が高いのも事実ですね。平均的な喫煙率を押し上げている構成員にはなっているでしょう。当社の男性の生活保護受給者の喫煙率は一般より高めです。

でね、酒は一利あると思いますが、タバコは「百害あって一利なし」ではないかと・・・。

嗜む人からすれば、吸えば心が休まる、気分転換になる、という利点はあるものでしょうけど、それを言ったら覚醒剤も一利あることになります。屁理屈なんかじゃありませんよ、たぶん (*´ω`)

タバコが無ければ気分転換や元気付けができない、なんてのは弱い人間のセリフ、言い訳です。紛い物でもタバコの代わりが必要、なんてことなら吸えばいいのです。周りに迷惑を掛けて自分の健康を損ねても、ですね。でね、トントンさん、悔しかったらやめてごらんなさい。やめる気が無い(やめられない)なら、周りから冷たく意見されても甘んじて受けてくださいな。迷惑かけられてるのは事実なんですから。

以前、仲良くしている旅仲間のヘビースモーカーのご主人に禁煙を勧めたら烈火の如く怒られました。今は禁煙に成功してますから、あの時の怒りは何だったのか、と私のほうが怒ってますけど (^◇^)

なんかね、数年のうちにはトントンさんも禁煙しているんじゃないかなあ・・・。「俺の傍でタバコ吸うなよ」なんて怒ってたりしてね。

Posted by poohpapa at 2016年02月17日 19:40
こんばんは poohpapa さん。
私が(タバコで)納税してるかどうかはさておき、
他人のタバコの煙は大嫌いです。
タバコの煙がもたらす副流煙の猛毒性は理解してますし、
喫煙者のヤニ臭は耐えられません。
にもかかわらず、一利を認めるのは、身近に接する肉体労働をしている
人たちには休憩のときにニコチンによる活性作用が必要な人が
多いのです。
炎天下だろうが極寒だろうが、厳しい環境で緊張して作業している
人たちから、唯一の嗜好を取り上げるのは酷に思います。
ちなみにデパートの従業員とか、病院の看護師とかの休憩室に行くと、
女性従業員・看護師の喫煙率の高さにびっくりしますよ。
現在、喫煙率が低下しているのは、健康を慮ってというより
値段が高くなっての理由の方が大きいと思いますね。
私としてはタバコを全廃して、その税収減を補うために
消費税を2%上げてもらう方が嬉しいですが、
もちろんみなさん賛同されますよね。

職場に一応、閉鎖された喫煙所があるのですが、
利用するのは肝心の事業所職員は数%もおらず、
工事にきた作業員、出入りの業者さんがほとんどですね。
先の理由でこのような方々の喫煙所を閉鎖するつもりは
ありません。
彼らにとってニコチンによる覚醒作用という、一利は厳然として存在するのですから。
九十九害はもちろんあることを前提ですw
不動産のブログなので、関連付けますが、私が大家さんなら
「喫煙者には貸さない」ことを条件にするでしょう。
室内にこびりついたヤニの酷さそして火事の原因など、
poohpapaさんご承知のことですね。
あと、ホテルのオーナーになってたなら、「全室禁煙」です。
室内に空気清浄器なんか置いていても気休めにしかなってません。
賃貸なんかでは「ペット可・不可」みたいに「喫煙者可・不可」の条件は
つけてないんでしょうかね。






Posted by トントン at 2016年02月18日 00:01
トントンさん、おはようございます

タバコとパチンコは絶滅させてもいいように思いますね。うちの親父も、タバコとパチンコは大好きでしたが、どちらも中毒性がありますし。

こういう話は「程度問題」だと思いますね。店に来た青年も、あの様子では一日一箱では済まないかと思います。タバコの値段は詳しくは存じ上げませんが、(銘柄にもよりますが)だいたい400円くらいでしょうか。そうすると、一日一箱でも1ヶ月で12600円、一箱半だと2万円近くになります。生活保護費の中から嗜好品、つまり、無くても生活できる物に2万も掛けていたならそれは問題ですね。

「やめろ」とは言いませんが、生活保護の人がタバコをやめられないなら、せめて一日半箱(10本)に抑えなさい、と言いたいです。大阪で、現金で保護費を支給するのでなくカードで渡して使い道をチェックできるようにする案が出ていましたが、私は良い方法だと思いますね。その後は話を聞きませんが、消えてしまったでしょうかね・・・。人権がどうの、とうるさい人たちがいますから。

過酷な現場での一服を奪う気はありません。休憩時間やちょっとした節目で手を休めた時の一服を必要とする人はいるものでしょうから。その場合でも、もし周りに吸わない人がいたなら気配りが必要、ということですね。居酒屋なんかは分煙なんか無理なのでハナから諦めてますけど・・・。

ま、現場に元々いる作業員の人たちが、設置されている喫煙所に入ってタバコを吸う、なんてことは無いでしょうね。よそから来た人が気を遣って利用するのが関の山でしょう。

お店にもよりますが、バーミヤンやジョナサンでも、禁煙席と喫煙席に分けないで、とりあえず全席禁煙にして喫煙ルームを設けるようにしてますね。そのことで客数が伸びているような・・・。

今までさんざんタバコ税をむしり取ってきて税収に貢献してもらっていたのに掌を返して「健康被害」の注意書きをパッケージに記載したりして喫煙者を肩身の狭い立場に追いやる・・・、国も勝手ですね。JTが民間企業になったことで更に拍車が掛かってます。

個人的には「一箱千円でいい」と思いますが、税制度として納得いかないことは多々あります。ヨーロッパでは大麻が合法の国が何ヶ国もありますが、日本もそのうち大麻や覚醒剤が合法、なんてことになるのでしょうか・・・。そうなったら清原は無罪ですね。ま、日本では合法にはならないでしょうけどね。

貸室で「ペット不可」を謳っている広告は多いですが、「喫煙者不可」は少ないです。入る時は非喫煙者であっても入居後に吸うようになった、これから同居する人が愛煙家、ということで「出て行ってくれ」と言って追い出すのは難しいです。パートナーの喫煙が分かっていて最初から除外する人ばかりではありませんし。部屋が気に入って借りて、そこから先は後から考える人もいますしね。

「喫煙者不可」にするより、重要事項や東京都賃貸住宅紛争防止条例の説明の際に、退去時のタバコの汚れや臭いに関する原状回復義務の範囲を説明して確認することのほうが現実的でしょうね。

Posted by poohpapa at 2016年02月18日 06:49
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