モハメド・アリが亡くなった。私は、イスラム教の信仰により改名する前のカシアス・クレイという名前のほうがピンとくる。私がクレイを知ったのは小学5年の時。当時は野球の強打者のホームラン予告よろしく「何ラウンドで倒す」と宣言して、その通りにKOしていくクレイが大好きだった。
彼は当時「ホラ吹きクレイ」と呼ばれていたが、ホラではない、本当に予告通り倒すのだから。クレイが台頭する少し前、ヘビー級のチャンピオンは白人のフロイド・パターソン、それを「刑務所でボクシングを始めた」というソニー・リストンが破って、そのリストンに挑戦して世界王者に輝いたのがクレイ。
マイク・タイソンもそうであるように、今でこそ「刑務所でボクシングを始めた」という選手は珍しくないが、そういう謳い文句は凄みがある。「ローマオリンピック金メダル」のクレイより「刑務所で・・・」のリストンのほうが強烈なインパクトがある。当時の賭け率でも圧倒的にリストン防衛が勝っていた。
のだが・・・、私と同級生のS君は、期待感もあって「クレイが勝つ」と予測していた。結果は、リストンがクレイの軽量級並みのフットワークに付いていけずクレイがタイトル奪取。翌日の教室はその話で持ち切り。それがきっかけでクラスの中にボクシング部ができた。すぐ解散したが6人くらい集まった。
ベトナム戦争への兵役拒否で刑務所に入ったことで王座は剥奪、その後に再び世界王者を奪取して、陥落した後、不死鳥のように蘇ったのが「キンシャサの奇跡」と呼ばれた一戦。ジョージ・フォアマンに挑戦した試合では、それも圧倒的に誰もがフォアマンの勝利を予想していて、試合も開始早々から一方的にフォアマンが撃ち込んでいて「アリが倒れるのは時間の問題」と見えたのだが、フォアマンが撃ち疲れた一瞬のスキを見てアリの右ショートフック一発でフォアマンがマットに沈んだ・・・。
などと私が説明するより動画を観てもらったほうが分かりやすいのだが、記憶、合ってるかなあ・・・。
とまあ、こういう半世紀以上も前の昔の記憶はけっこうしっかりしていて、今、テレビを観ていてタレントの名前が出てこないのが嘘みたい (*´ω`)
先日も中学時代の同級生Aさんとの電話で、同級生のH君が自殺したのは何年の時か、という話になって、誰かが「小学校の時」と言い、Aさんは「中学1年の時、ぜったい間違いない」と主張していて、私が「どっちも違うよ、中学3年の時だよ」と言うとAさんは納得していなかったが、当時の担任の先生に伺ったらやはり中3の時。「当時〇〇は何年何組にいたか、というようなことを知りたければ坂口に訊け」と言われているくらい昔のことはよく覚えている。その記憶力をどうして勉強に生かせなかったのか不思議 💧
で、話を戻して、一番印象深いボクサーはカシアス・クレイだが、私が一番好きなボクサーは、5階級制覇を成し遂げたシュガー・レイ・レナード。当時、そのへんの階級はロベルト・デュラン、トーマス・ハーンズ、マービン・ハグラー、といった錚々たる顔ぶれが揃っていて群雄割拠。誰がチャンピオンでも不思議はないほど。野球で言えば、王、長島、山本浩二、落合、松井が同時期に活躍しているようなもの。
レナードはクレバーなボクシングをする選手で、パンチ力だけで比較したなら他にも凄い選手はゴロゴロいるが、テクニックで言えばレナードに敵う選手はいないと思う。無敗のまま引退した、というワケでもないし、ボクシングスタイルは批判もされているけど、3人全員から勝っているのはレナードだけだし。
レナードの試合の数々
それにつけても、最近のボクシングはつまらなくなった。協会も乱立していて日本人の世界王者も常に複数いるが興味は持てないでいる。第2第3のカシアス・クレイ(ヒーロー)が現れてほしいと思う。
モハメド・アリ、、、ね。あまり記憶にないですね。どちらかと、言えば、あの猪木との「格闘技世界一決定戦」でしか、記憶にありません。しかし、あの世紀の試合なんていってましたが、猪木が寝転んでばかりで、全く面白くなかったですね。
ボクシングでは、やっぱり、具志堅用高、です。防衛を何度もやって、すごかったのを覚えてます。
「猪木 Vs アリ」戦は世紀の茶番劇でしたね。猪木は「最近になってあの試合が評価されている」などと言ってますが、全然そんなことはありません。リングサイドの席に何万も払って観に行った人からすれば「カネ返せ!」ですよね。格闘家なら立ち上がって正攻法で闘うべきだし、できたと思います。
日本のボクサーなら、具志堅用高、それにファイティング原田、大場政夫でしょうか。あと、印象深いのはナンと言っても藤猛ですね。それにしても、個性的なボクサーが減りましたね、最近は・・・。
フォアマンは体型がすっかり別人のおっさんになった復帰後の印象が強いです。
ベタ足で手を顔の前でクロスする防御姿勢で近づいてフック一発、みたいな。
アリもシュガー・レイもビッグ・マウスとしての演出なのでしょうが、相手を小馬鹿にしたようなおちょくったファイティング・スタイルがちょっと好きになれません。
昔はヘビー級やウェルター級以上の重量級に個性的な選手が揃ってましたね。同じ時期に活躍していたなら(全盛期で比較したなら)誰が一番強かったんだろ、と、よく考えています。私は・・・、
カシアス・クレイだと思いますけど。
キンシャサの一戦は、7ラウンドまでのスコアは圧倒的にフォアマンが勝っていて、撃たせて疲れさせることがアリの戦略であったのは誰も見抜いていませんでしたね。
レナードはボクシングスタイルが正統的でしたね。全てがバランスよく備わっていて最高のボクサーでした。もう出ないかなあ・・・、ああいう選手・・・。