2017年10月29日

不思議なことを言う会社・・・、+α

毎日、DMやFAXで、いろんな会社が資料を送りつけてくるのだが・・・、不思議な会社があった。

「アパートやマンションを建てたり一棟買いして将来に亘って安定的高収入を得ませんか」と勧めるもの。どれだけの利益率が見込めるか、どんな物件を買えば良いのか的確にアドバイスします、と言う・・・。アパート経営ほど安定高収入に繋がる事業は無い、とも言うのだが、どう考えてもおかしい。

「全国で空き家が820万戸という今のご時勢、オタクが言うようにアパート経営は安定高収入に繋がる事業なんかじゃないよ」と反論したいのではない。ポイントは別のところにある。

当然に、誰かにアパートを買わせれば、その会社には仲介手数料が入るワケだが、入るのは一時収入だけ。アパート事業が将来に亘って安定的高収入が望めるなら、人に勧めて買わせて仲介料を稼ぐより自分たちで購入したり建てたりして所有(経営)したほうが儲かるに決まっているではないか。しっかりした内容のある会社であって担保価値のある物件なら銀行も融資してくれるだろう。どうして「そんなに美味しい話を他人に勧めるのか」が解からない。株もFXも、絶対に儲かるなら自社で独占して取引してしまうもの。損することも多いから顧客にやらせて手数料を稼いでいるワケで、最後は自己責任で終わるもの。

当然に、送られてきた資料にはリスクのことは何も書かれていない。即、ゴミ箱直行となったのは言うまでもない。


実は、うちの家主さんで最近相続が発生した方がいらっしゃって、「アパートを一棟買いしたいから、いい物件があったら紹介してほしい」と依頼があった。私は、「ご承知のように、現在アパートは供給過剰で、古くなったアパートは大規模なリノベーションをしないと満室は望めません。今現在、そこそこの現金とご両親が遺してくださった家とアパートがあって年金も入るのですから、もう一棟アパートを購入するより今は動かないほうが良いと思いますよ」とアドバイスした。現金なら何にでも直ぐに使えるが不動産を現金に換えるのには時間も掛かる。お子さんはいるが奥様はいらっしゃらなくて、(私と同じ考え方で)お子さんには財産を遺す気は無いとのこと。ならば、死ぬまでに計画的に使い切ってしまったほうがいい。

家主さんは私より年長で、「年金と今のアパート収入にプラスして別の家賃が入ってくるようになったら世界中を船で旅したい」とお考えのようだが、今の資金でも十分に可能だし、この先よほどの大病を患ったとしても死ぬまでカネには困らないだろう。そもそもアパート経営の大変さをまだ理解していない。おカネが入ってくること(メリット)だけを期待して、出ていくこと(リスク)は想像していない。

中古のアパートを購入して大規模修繕費が掛かったり、空室が出たりすることの負担やストレスを考えたら、あまり他のことに色気を出さないほうがいいと思う。もちろん、最終的に判断なさるのはご本人だし、今は別の不動産会社にも問い合わせているみたい。私は言うだけのことは言ったから後は自己責任。

うちで物件を紹介すれば手数料にはなるし管理物件も一件増えることになるが、先が(良い結果にはならない)と判っていて物件を紹介する気にはなれない。

子供に財産は遺さない、と言っても、意に反して「家とアパートはお子さんに渡る」ことにはなるだろう。それが相続というもの。それくらいが(子供が一息つけるくらいを遺すのが)ちょうどいいし、放っておいてもそうなるもの。なので年金と現金は自分で悠々使い切ればいい。それでも私の月収より多いのだし。

失礼な言い方だが、私には、家主さんが(親の死に直面したからか)「生き急いでいる」ように思える。

posted by poohpapa at 06:41| Comment(6) | 出入りの業者、各種営業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
poohpapaさんおはようございます。

不思議な会社⇒誰かにアパートを買わせれるのは、不良物件だけですよ。

満室を買わせて⇒退去空き家⇒家主が手放す⇒さくらで満室⇒また誰かに買わす です。

まあ、以前、郊外の土地に高収入になるからとアパートを建てさせ、空き室だらけで手放ささせて、転売なんていうのもありました。建設費で儲けて仲介料で儲ける。
ほんと、『悪徳不動産屋』ですね。。。。。
Posted by たか at 2017年10月29日 08:43
たかさん、おはようございます

たしかに、売ろうとする物件はサクラを使って満室にしますよね。でなきゃ売れませんもん。

でもって、本当の儲け話は他人には話さない(自分だけこっそりやる)、と言いますもんね。

予想が外れて損をすることもあるから証券会社は人にやらせて口銭を取るんですもんね。絶対儲かるなら証券会社が自己資金でやりますって。そういう簡単な理屈が解からずに乗ってしまう人が多いんですね、世の中には。「下手な鉄砲 数撃ちゃ当たる」で、引っ掛かる人がいるから、そういう会社は潰れないし次々に出てくるものですね。

そうだ、たかさん、いい儲け話があるんですけど乗りませんか?。海外の不動産投資なんですけどね、利回り40%以上を保証します。一口100万で何口でも可です。これは、たかさんだけに教えちゃいます。他の人には絶対内緒ですよ、連絡待ってます。

よし、種は撒いた、と・・・。あとは入金を待ってればいいな (^◇^)



Posted by poohpapa at 2017年10月29日 09:12
>本当の儲け話は他人には話さない

話しているではないですか。
カモに不動産を買わせて濡れ手に粟ですよ。

まぁ昔からあるM資金とかの詐欺話の小型合法版ですね。

個人的には、元本保証があるなら考えます。
Posted by ハリケーン at 2017年10月30日 09:33
ハリケーンさん、おはようございます

一番リスクを負わずに儲けられる方法は、人にやらせて口利き料(手数料とかの口銭)を頂くことですね。リスクは全く無いワケじゃなく、顧客に恨まれたりしますけど、金銭的な実害は無いです。

顧客の怒り・・・、逆恨みであることが多いですしね。自己責任、というのを理解してなくて。

たまに相談を受けますが、私は不動産投資は勧めません。「色気を出さずに現金で持っていたほうがいいですよ。自分が正確な判断ができるのであれば話は別ですが、営業マンのアドバイスに従って運用するのは危険です。他の人が儲けていてもいいじゃないですか。最後に笑っているのは現金を持ってる人です」と言っています。なので私のところには二度と相談に来ないですね (^◇^)

ところで、元本保証・・・、ある(できる)ワケがありません。

Posted by poohpapa at 2017年10月31日 08:00
西郷南洲の名言に「児孫の為に美田を買わず」とあります。
この家主さんは、口とは裏腹に子孫に財産を残したいと思っておいでなのでしょう。

「一棟買い」の話が出てくる時は、そのほとんどが相続税対策です。
「現金」は相続税評価額が100%の値になりますが、「建物付きの不動産」は評価額がかなり下がります。

日本国の税制が、高額な相続税を払いたくなければ、お金を使って建物をバンバン建てなさい、と方向性を示しています。
家主さんは、相続税を払う身になった時、対策もせずにまともに払うことに抵抗を感じたのだと思います。

不動産を利用した相続税対策は1つしかありません。
相続が発生する前に、現金を不動産に変えておき、相続後には不動産を現金化する。
不動産の売買によって損失が発生したとしても、現金に100%の相続税を課せられるよりもマシ、であれば良いわけです。

最初から損失を許容されている部分が、通常の不動産投資とは大きく異なる部分です。

利回りが悪い、空室率が高いということが、さほど欠点になりません。
流動性が高い物件、市場取引価格と相続税評価額の差が大きい物件、という条件が全てに優先されます。
「一棟買い」は権利関係が明確で売買がしやすいので前者の代表、後者は「タワーマンション高層階」になりますね。

今からでも遅くはありません。家主さんのもとに舞い戻ってはいかがでしょうか 笑
Posted by AK at 2017年10月31日 20:44
AK さん、おはようございます

有り難うございます、いつも勉強になります。頂いたコメントは別の場所に保存させて頂きます。いつか必ず役立つことがあるかと存じますので。

実は、この家主さん、税金対策には無頓着で、私がそういう話をしても関心を示さないのですよ。「そういうことを考えている」と知られるのが嫌で、ということは無さそうですね。

たしかに、トータルで何部屋を貸しているかで税金の優遇措置があったり、ローンを組んでいると節税にはなりますが、「現金で持っているより毎月の収入が多くなった方がいい」というお考えなんですね。ご両親もなんですが、お姉さんも最近亡くされていて、相続人は自分一人なもので、「相続税は姉の自宅を処分して支払うからいい」と仰っています。「税理士さん、ご紹介しましょうか」とも言ったのですが、ご自分の考えまっしぐらなんです。

この家主さんにとっては、相続税対策でなく家賃収入を当てにしているので、空室率は大事な問題になりますね。「たまに様子を見に行けるので近くの物件がいい」とも仰ってます。

中古のアパートを一棟買いしても、後々の維持費で家賃収入が消えていくことにもなりかねません。どんな事業にもリスクは付きものですが、この場合はデメリットのほうが大きいように思えます。

亡くなられたご両親もご存命のうちに相続税対策を考えるような方では無かったですし、お母さんは最後は重度の障害で施設に入っていましたから、それどころではなかったと思いますね。「生きてるうちに現金を不動産に替えて、自分が死んだら売却してもらって」という考えも無かったと思われます。お亡くなりになって分かったことですが、何も対策していませんでしたから。

年齢が年齢なので、単独でローンは組めません。息子さんが二世代ローンに同意してくれれば話は別ですが、息子さんも反対しているので協力は得られません。その息子さんも、相続のことは期待しておらず「使い切ってくれればいいよ」と仰ってるとか。

ご本人はアパートを一棟買いして毎月の収入が増えることで長年の夢だった船旅での世界一周に安心して参加できる、と考えていて、その船旅というのが「ピース・ボート」・・・。私には、どうしてそういう流れになるのかが解かりません。アパートの家賃収入など当てにしなくても、「今あるおカネで、世界一周しても十分にお釣りがくる」のですし、帰ってからの生活にも困りませんから。

私としては、「安心を求めるなら何もしないこと」と思っているのですが・・・、違ってますかねえ・・・。もしも、本音では「相続税対策をしたい」ということなら私の話も違ってくるのですが、そんなのは隠すような話ではないし、私も話を向けたのですから、相続税対策を考えているなら正直に話してくれそうなものですが。

アパートの一棟もの売買を専門に扱っている不動産会社にも声を掛けているようですが、今のところ「いい物件が見つかったから買ったよ」という話は聞こえてきません。まあ、それならそれでかまいません。AK さんが管理会社だったなら、違う展開になっていたかも知れませんね。正直なところ、私は税金に関しては詳しくありませんので。

私としては、家主さんが新たなストレスを抱え込まずに楽しい老後を送って頂けたなら嬉しいです。

Posted by poohpapa at 2017年11月01日 06:42
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