2017年11月27日

不動産業者の視点で見ると気になること

座間市のアパートで女性8人と男性一人が殺害された猟奇事件、一般の人はテレビのワイドショーなんかでこのニュースを視て「可哀想・・・」「ご遺族は悲しいだろうな・・・」と先ず思うものだろうが、長くこの仕事をしていると、そういうことは頭に浮かばず「家主さん、たいへんだろうな・・・」「入居者はみんな出ていってしまうだろうな・・・」「もう取り壊すしかなくなるだろうな・・・」「売るとしても二束三文だろうな・・・」などと、被害者やご遺族には申し訳ないが、そんなことを真っ先に考えてしまう。

どこの業者も、孤独死で発見が遅れて事故扱いになったり、入居者が事件を起こして逮捕されたり、なんてことを一度や二度は必ず経験するもので、今のところは自殺や殺人事件は無いが、いつ起きても、いや巻き込まれても不思議はない。「うちの管理物件だけは大丈夫」などと誰が言えるだろうか。

以前に国立市のラブホテルで複数の会社経営者が自殺した事件が起きて、その際も先ずそんなことを考えた。あの時は、取り壊すしかなくなったホテル側が遺族に損害賠償訴訟を起こして勝訴している。

で、こんな記事があった。

「座間9遺体事件」のアパート、今後の資産価値は? 不可解な2つの事実と、事故物件をめぐる不動産事情

座間の事件のアパートに関して、素人の人にも解かりやすく、よく調べて丁寧に書いてくれている。記事の中で書かれている内容は私も納得。とくに、このアパートだけでなく近隣の相場も下げてしまう、というくだりはそのとおりで、無関係な近隣住民からすると「とばっちり」もいいところ。来年以降の固定資産税の算定基準が変わっても長い目で見たなら追いつかないことだろう。

それで、ふと考えた。こういうのは対岸の火事ではない、ということ。家主だけでなく管理会社も巻き込まれて、管理会社が損害賠償訴訟を起こされるケースが無いとも言えない。宅建協会がデータを集めたり詳しい対応例をまとめて会員業者や家主に紹介できるよう備えを怠らないようにすべきだと思う。もちろん、成功例より失敗例のほうが大事で有効。

以前も似たような案件で立川支部に提案させてもらったが、全く動いてくれていない。不思議な組織である。自分たちだっていつ直面するか判らないのに、全く危機感が無い。会員業者が350社もいれば、全部が賃貸管理をしているワケではなくとも、年間に何件かは会員業者の間で事件や事故は起きていると思う。自社で優秀な顧問弁護士を雇っていて問題なく処理できる業者ばかりではないだろう。

どんなに注意していても事件事故は避けられないもの。起きてしまった時の初期対応や事後処理が適切に行われれば(自社だけで判断して行動するより)少しでも家主と管理会社の被害や損害を押さえることができる。同じアパートに住んでいる人たちへのフォローも、より的確にできるものだろう。そういう悩みやトラブルを共有して仲間内同士で助け合えるシステムは今後益々必要になってくると思う。

posted by poohpapa at 05:54| Comment(6) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
poohpapaさんおはようございます。

座間市のアパートってpoohpapaさんの管理じゃなかったんですか?

いつも悪質入居者にひどい目にあってるから、てっきりまたか、って思ってしまいました。
このアパートの他の住人達は引っ越ししたのでしょうか?まあ、住んでられんよね。
Posted by たか at 2017年11月27日 08:56
たかさん、おはようございます

神奈川県の座間ですよ、うちで管理してるワケないじゃないですか。ま、たかさんのことだから、内心じゃ「座間アみろ!」と思ってたりしてね (^◇^)

このアパートの住人たち、出ていった人もいるけど、このまま住んでいたいと希望してる人もいるとか。家賃は下げざるを得ないでしょうし、もし取り壊したり売却するなら「出ていってくれたら有り難い」と家主は思うでしょうね。入居者からすると、損害賠償訴訟を起こすとしても「誰に対してか」が難しいですし、諦めるしかないことでしょう。誰も得をしない話ですね。

Posted by poohpapa at 2017年11月27日 09:33
うんうん、私も【不動産屋目線】でニュースを見ていました。それってはたから見たら凄く冷徹な人間にも見えるかもしれないけれど、アパート経営で生活をしている大家さんだって一人の人間であって誰かの親や誰かの子なんですよね。あれだけ残忍な死体遺棄事件のニュースを見て最初に思うことがそれかってなったら冷徹とも思われがちだけども・・・仕事上仕方ないのかなって(^^;
うちでも一度発見が遅れて相当いたんだ状態で発見された仏さんがいましたが、その物件は別の理由で取り壊したので大事になったケースは今のところないですが・・・

明日は我が身 と思うと寒気がしますね。今は若い人でも不動産投資をしている人が居るけれど事故物件になるリスクって電卓でははじけないしほんと怖いと思います
Posted by はなくろ at 2017年11月27日 10:26
座間の事件みたいに猟奇的なら、エド・ゲインのトレーラー・ハウスみたいに観光名所として…凄惨さから言っても弱いですかね。(´・ω・`)
Posted by ハリケーン at 2017年11月27日 16:25
はなくろさん、こんばんは

こういうの、不動産屋の宿命で、「家主さんは大変だろうな」「入居者は災難だな」「取り壊すにしても物凄い値下がりになるだろな」などと先に考えてしまいますね。なので、人が殺されているのに、どうしてそんなことになったのか、とか、被害者やご遺族のことに思い至らず、先にそっちを考えてしまうのです。まるで「うちの管理物件だったら」とばかりに・・・。

はなくろさんのケース、別の理由で取り壊した、ということは売却や新しくアパートを建てた、とかじゃないんですね。それだと相応に値下げしなくちゃなりませんもんね。

これから一層の高齢化社会を迎えるに当たって、こういうケースに遭遇する機会は増えそうですね。ならば、業界全体で支え合う、あるいはノウハウを共有する、ということが必要でしょうね。

不動産投資、こういうリスクは思いつかないものでしょうね。私は仮にカネ持っててもやりません。

Posted by poohpapa at 2017年11月27日 18:15
ハリケーンさん、こんばんは

<<座間の事件みたいに猟奇的なら、エド・ゲインのトレーラー・ハウスみたいに観光名所として…

はい、弱いと思います。というか、そういう発想はマズイかと・・・。

被害者の数は少ないですけど、大泉学園の(林間学校に行っていた娘さんを除いて)一家ほぼ全員バラバラ殺人とか、女子高校生コンクリート詰め殺人事件のほうが私にとってはインパクトが強いですね。前者は死刑が執行されていて、後者の犯人共は娑婆に出てからも凶悪事件を起こしていますね。

今を生きている人たちが、事件が起きた場所をずっと語り継いで忘れないことが殺された人の供養になるかと思いますね。ただし、大泉学園の事件は加害者のほうにむしろ同情してしまいますが。

Posted by poohpapa at 2017年11月27日 18:30
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