あの方、というのは売り場担当者ではなく、お客様。見ると、車椅子に乗っていらっしゃる。
直ぐに呼んでくださって、私が「素晴らしい折り紙ですね。こんなの初めて見ました。宜しければ同じものを折って頂けませんでしょうか?」と訊くと、人懐っこい笑顔が返ってきた。そしてアッサリ「いいですよ」と言う。それ、大きさが大中小3種類あるから「親亀の背中に子亀を乗せて、子亀の背中に孫亀乗せて♪」になる。
伊勢丹に飾ってあったのは黄土色っぽかったが、「何色で作りますか?」と訊かれて、「亀だから・・・、緑色で」とお願いして、一週間も経たないうちに伊勢丹に届けてくださった。届いたのが、こちら、
一枚の紙で折るのでなく、一つの亀に使用する紙は15枚ほどとか。
たいへんな手間だと思うが、「おカネは要りません、私のできることで喜んでくださる人がいれば幸せだから」と仰る。それでは申し訳ないので、「何かお菓子でも」と言ったのだが固辞。それで、「お肌は丈夫ですか?」と訊くと、「あまり・・・」と笑う。「じゃあ、こないだイタリアに行ってきた時に買ったオリーヴオイルで作られた洗顔石鹸がありますから、それを差し上げましょうか?」と言うと大喜び。
「お肌、そんなに傷んでないようですよ」と言うと、「もう歳だから」と笑って免許証を見せてくれた。見ると、うちのと生年月日は2ヶ月違い。「顔、触ってもいいですよ」と言うので触らせて頂いたが、けっこうスベスベ。伊勢丹の地下で思わぬ「お触りタイム」になった (^◇^)
さらに話を進めたら、鶴や孔雀、猫といった大作も折れるらしい。ただし、それらを折るのはお母さんとか。紙を半年に一度わざわざ岡山の倉敷から取り寄せているらしい。それで「半年くらい待って頂けて、紙代だけ負担して頂けるなら母に折ってもらいますよ」とのことで、もちろん三つとも全部お願いすることに。紙代と言っても1200円、それ以外は一切頂かないとのこと。うちの店より徹底している。
気が遠くなるような作業で相当に面倒なものだと思うが、この方は、「自分が他人様から必要とされていて、他人様に喜ばれることに幸せを見出している」ということなんだろう。
猫は「三毛と黒猫と、どちらにしますか?」とのことで、三毛でお願いした。
出会いに感謝、半年後が楽しみである (*^_^*)
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<<殺風景な店のウインドウに飾れば客がどんどん来るかも知れませんね。
そうですね、この亀の折り紙で千客万来になったら、って、いつもいつもうるせえんだよ! <`ヘ´>
たしかに、初めて見た時に「凄い折り方だなあ、誰が考えたんだろ・・・」と思いましたね。お母さんがご趣味になさってて、それを娘さんに伝えたようで、鶴も、普通の鶴ではなくて、もっと手が込んでるものみたい。伊勢丹のスタッフでご覧になった方もいるようで、「凄いですよ」と仰ってました。
以前、「世界、ニッポン行きたい人、応援団」という番組で、日本の折り紙に魅了された人を日本に招いていましたが、その時に観た折り紙とは別のものなんでしょうね。一枚の紙で折っているワケではないので、折り紙でなくペーパークラフトに分類されることになるのかなあ・・・。それにしても凄いです。
じゃあ私のはキジトラで♪(o ̄∇ ̄)/
30年ほど昔、仕事で元CIAの職員を
やっていたと噂のある「バリー佐伯」さんという方と
お知り合いになったことがありました。
「バリーさん」は10cm四方位の
銀紙を何枚か使って鯨やラクダやワニなどの
動物を折るのがお上手でした。
「そのうち、折り紙の本を出すから
その時は買ってね。」と
言われた事があり、楽しみにしていましたが
出版までこぎつけられなかった様です。
ボケ爺は手先が器用ではないので
折り紙は苦手ですが、バリーさんの
動物の折り紙は見事なものでしたよ。
キジトラは・・・、言われなかったですね。黒か三毛みたい。私の手元に届いたら観て頂いて、気に入ったら頼んでおきますよ。ただし、半年くらい先ですし、いちおう有料ですけど。その場合、紙代と、私の仲介料が掛かりますのでご了承ください (^◇^)
凄いお友だちがいらっしゃるんですね (*^_^*)
手先の器用な人っているものですね。昔、プラモデルが流行っていた時、同級生が同じ物を作っていても、出来上がりに雲泥の差がありましたけど・・・、センスの差とかもあるんでしょう。
折り方さえ教えてもらえば誰もが同じように折れる、なんてことはありませんもんね。同じ授業(講義)を受けていても皆が満点を取れるワケでなく首席からビリまで差が開きますもんね。
その元CIAのバリーさん、最終的に出版しなかったんでしょうかね、興味があります。
折り紙はボケ防止には効果的かも知れませんね。ジグソーパズルも同じですね。考えながら指を動かす、ということが良いんでしょう。私なんか、ブログの更新はもうほとんどボケ防止対策です(涙