2019年09月26日

Yさんの姿に驚きと安堵

昨日の記事の続編

最寄駅からのシャトルバスも出ているが、奥様が車で駅まで迎えに来てくださって病院に向かう。

だいたいの様子は伺ってはいたが、実際に会ってみないと状況は掴めない。駅も駅周辺の環境も素晴らしくモダンで、お洒落なマンションが林立していて、「この駅のこんなマンションの上階に住んでみたいなあ」と思うほど。「もしかすると、今は徐々にゴーストタウン化が進んでいると言われる多摩ニュータウンも、出来たばかりの頃はこんな雰囲気だったのかなあ・・・」と、ちょっとセンチな気分になった。

病院に着くと、広い空間にスタッフは僅か。眺望も素晴らしく、不思議なことに、Yさんの病室に入るまでドクターらしき姿は見かけなかった。久しぶりに会ったYさん、想像していたより元気で安堵した。今までに一度も電話が掛かってきたことなど無かった奥様からの電話で「会いに来てやって」とのことだったので、もっと重篤な状態か、もしかすると私が誰かも認識できないかも、と思っていたが杞憂だった。

それはすごく嬉しい誤算。以前にご自宅に伺った時より血色も良く、ふくらはぎなんかも太くなっているよう。そう指摘したら、頭の上を指差す・・・。点滴のような袋が提がっていて、奥様が仰ってた(胃に直接流し込む)高カロリーの栄養剤の効果のようだ。前回の見舞いと変わったところは、声が出なくなっている、ということ。それ以外は前回よりむしろ回復しているような気がする。ただし、体に栄養を与える、ということは癌細胞にも栄養が行く、ということで、痛し痒しかも。

声は、息が漏れるような感じで、私には聞き取れないが、奥様が間接的に私に伝えてくれた。枕元の少し上にテレビと Blu-ray の機器があったので「ああ、DVDも観られるんだ・・・、映画なんかのDVDはいっぱいあるから持ってこようか?」と訊くと、手を横に振る。「時代劇の鬼平犯科帳とか剣客商売とか、古畑任三郎とか、コロンボもあるよ」と言ったが、観ているだけで体力を消耗するのか辞退された。

2時間近く病室にお邪魔している間に何度か看護師さんが回ってきて、薬を飲ませたりしていた。この病院では「治療をする」のでなく、「なるだけ苦痛を和らげて現状を少しでも長く維持する」ことを主眼に置いているんだ、と思えた。Yさんが私には見せないようにしていたからかも知れないが、痛そうだったり苦しそうな様子は無かったので、本人は辛いだろうけど、このままの状態が長く続いてくれたら、と思う。

病室では、私より奥様がよく話していて、経営していらっしゃるお店のスタッフの裏話を聞かせて頂いた。こちらの不動産業界の愚痴も聞いて頂いて、普通に「介護」や「死」に関する話題も飛び交って、Yさん、気にしていらっしゃらなければいいのだが・・・。そういえば、笑顔は一度も見られなかったし。

お暇する際にガッチリ握手をして別れた。病院への行き方も分かったし、これからは奥様の送迎無しでお見舞いに伺おう。帰りも「駅まで送りますよ」と仰って頂いたが、ちょうど出口のところにシャトルバスが来ていたので辞退。それより前に、「めったに会えないから宜しければお寿司でも」とお誘い頂いたが、「すみません、私は刺身がダメなので・・・」と辞退。すると「じゃあ肉なら・・・」と仰って頂いたが、それも辞退した。お気遣いはとても嬉しいけど、Yさんはもう何も食べられないのに、それでは気が引ける。それに、どうにでもなるんだけど、帰ったらうちのとランチする約束もしていたし。

そうだ・・・、DVDも本もダメ、とのことだったけど、ウォークマンなら体力を消耗せずに時間を過ごせるかも・・・。たまたま往復の電車の中で楽しもうと、いろんなジャンルの曲が4000曲入っているウォークマンを持って行っていたので、それなら大丈夫か訊けば良かった・・・。世代も同じだからたぶん趣味も合うだろう。今日にでも奥様に電話してお使いになるかどうか訊いて頂こう。「貸して」と仰ったなら直ぐにお届けしよう。

ウォークマンは会社に1個、家に2個あって、イヤホンも相当に良い物を着けているんで、いい音で楽しめると思う。充電コードともども1セットはお貸しできるから、使ってくれたら嬉しい。

行く前は「どんな顔をして会えばいいんだろ・・・」と悩んだけど、とにかくホッとした。

posted by poohpapa at 05:30| Comment(4) | プライベート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
poohpapaさんおはようございます。

想像していたより元気だったようで良かったです。まあ想像が最悪を考えていたのかもしれませんが。

>>点滴のような袋が提がっていて胃に直接流し込む
胃ろうのことですね。私の母も口から食事ができずに胃ろうをやりました。これって栄養がとれないので最終手段かもしれませんね。

>>私は刺身がダメ
えええ? 刺身がダメ?寿司もOUT、これじゃ食事が楽しめない胃ろうとかわらないなぁ
Posted by たか at 2019年09月26日 08:13
こんにちは。3年前、母を清瀬の緩和ケア病棟(ホスピス)で看取りました。
24H面会可能という場合、その方が入院しているフロアが緩和ケア病棟なんだと思います。
母も胃ろうから高栄養点滴を経て、最後は何もとらず、緩和ケアだけを続けました。
母のいたところは、ペットの面会もOKだったので、お友だちがみんなワンコを連れて、
面会に来てくれたりしていました。にぎやかで楽しかったです。

面会はうれしいですよ。長時間いるよりも、ちょくちょく来てくださるとうれしいばずです。
ご本人と奥様が嫌でなければ、ツーショット写真を撮るといいですよ。
Posted by poron at 2019年09月26日 10:55
たかさん、おはようございます

そうですね、「胃ろう」は生きるための最終手段かもしれませんね。私なんかが、あれ美味しい、これ美味しい、と騒いでいますが、目の前に、もうモノを味わうこともできない友人がいる・・・。やはり、個人的には、カネや名誉や地位より何より、健康が一番大切だと思います。

春にご自宅に伺った際には少しは冗談も言って笑顔も見られましたけど、もう笑顔はありませんでしたから、私には見せていなくても、相当に痛かったり辛い状況なんだと思います。

ところで、私は海の近くで育ったのに刺身がダメなんですよ。最近は少しずつ努力して食べられるようになりましたが、中トロ、大トロくらいでしょうかね。白身の魚はまだダメですね。食に関してだけで言えば、人生の半分くらいは損しているような・・・。

反面、(海から遠い岩手の山間部で育った)うちのは刺身が大好きで、一日おきくらいに食べています。私はお寿司屋さんに行っても玉子とボイル海老を交互に頼んで、時折り中トロです。

昨年、主治医がどうして胃癌の手術をしなかったのかなあ・・・、胃を全摘していれば少しは変わったんじゃないかと・・・、もちろん、素人考えなんですけどね。

Posted by poohpapa at 2019年09月27日 05:57
poron さん、おはようございます

詳しく書いてくださって有り難うございます。

たしかに、出入りしていた看護師さんの会話や様子を見ていると緩和ケア病棟だと思います。

時折り私を見る目が何か言いたそうで・・・、かと言って、「後のことは心配しなくていいですよ、私もできる限り相談に乗らせてもらいます」とも言えません。そんなことを言えば、「Yさんはもうすぐ死んでしまうんですよね」と言ってることになるので・・・。

私には元気そうに見えましたが、食べ物から栄養を摂っているワケでなく、胃ろうで、ということですと、ほとんど終末医療なんでしょうね。昨日、奥様から電話を頂いて、「坂口さんが来てくれて主人も本当に喜んでいましたから」とか、「坂口さんには本当にお世話になって・・・」と仰いますが、私は何もしてなくて、ただ親しくさせて頂いただけで、むしろ、お世話になったのは私のほうなんです。だから、Yさんが私に何か言おうとして言えなかったことが、奥様のその言葉に込められているのかも知れませんね。

奥様はもう覚悟もしていらっしゃるので、奥様に「何かありましたら遠慮なく仰ってくださいね、できる限り相談に乗らせて頂きます」とお伝えすればいいかな、と思っています。

Yさんのお店は、Yさんが亡くなると、(契約的に)もう維持ができなくなるそうで、私が代わりに、というワケにもいかず、難しいのですが。ただ、Yさん本人が一番心残りで心配なのはそのことだと思うので、できる限り相談には乗らせて頂こうと思っています。

Yさんは聡明で人柄も頗る良い人ですが、友達はあまり作らなかったように思います。私とも頻繁に会っていたワケでもありませんが、こうなった今、もし私を頼りにして何かの心配事を私に託してくださったなら、それはすごく光栄なこと。ご恩や信頼を裏切ることはできません。

そういえば、その病院はペットはダメそうです。ペット可の病院はいいですね。癒されますもん。

で、私も、ツーショットで写真を撮りたかったのですが、切り出せませんでした・・・。

poron さんが仰るように、長く病室にいるより回数多く行って差し上げるのがいいですね。私は「意外と元気そう」と思ったのですが、昨日の奥様の電話だと、どうもそうではないみたいです。「有り難いお話ですが、ウォークマンも使えないと思います」とのことですし。

一昨日のお見舞いが最後にならないようにしたいと思います。poron さんのお話、とても参考になりました。本当に有り難うございます。

ところで、話は変わりますが、

ノルンの四十九日は過ぎましたが、今もノルンの骨壺を両手で挟んで毎日何度もノルンに話しかけています。保護猫の中から次のネコを飼うようになったら慈恵院に永代供養をお願いしますが、それまでは一緒にいたい、と願っているもので。もう虹の橋を渡って天国に行ってるんでしょうけど・・・。なんか、今も和室からヨタヨタと出てきそうな気がしています。

Posted by poohpapa at 2019年09月27日 07:00
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