2020年01月15日

実に迷惑なキャンセル

当社で管理させて頂いている大きな貸家がある。空室になって入居者の募集をしていたら・・・、

広告を打って直ぐにエンドユーザーから問い合わせが入った。家賃も安く設定しているから、ま、そうなる。問い合わせの電話の時から口の利き方が上から目線で横柄で、「俺は客だよ」という感じ・・・。

案内すると気に入って申し込みが入ったのが11月下旬のことで、入居希望は1月10日から。今のご時勢、それくらいは許容誤差とは思う。その程度なら家主さんもたいていは快く了解してくださる。

だが、そこから私が振り回されることになる。当初は個人での申し込みで、後に「法人に変更してほしい」と言い出した。しかも、親族が連帯保証人になって家主さんの審査が通っていたのに、「やはり連帯保証人は頼みたくないから保証会社を使いたい」とのこと。それはかまわないが、個人で審査が通ったから法人に変更しても問題ない、ということにはならない。当然に保証会社の審査もあるし。

娘が離婚して子供を連れて戻ってくるし、アメリカから別の娘も家族で帰国するので、その娘夫婦を現在の持ち家に住ませて、自分たち夫婦と母親と、離婚して戻ってくる娘と子供とで借りた家に住む、とのこと。だが、持ち家があるのにどうして自分たちが貸家に引っ越して、アメリカから帰る娘家族を適当な大きさの賃貸に住まわせないのか不思議だった。グーグルアースで見てみたら割と大きな家だったから。

自営業とのことだが、もしかすると、持ち家は借金のかたに抑えられていて立ち退きを迫られているのかも知れない。「連帯保証人は頼みたくない」ではなく、「頼めない」のではないか。「保証会社を使いたい」と言ってくれたのは当方としては有り難い。イザという時、連帯保証人より心強いから。

自身が持ち家を出てアメリカから帰国する娘の家族に住まわせる、というのは、立退きの強制執行逃れ、という可能性もあるか・・・。自身が住んでいたら裁判の判決による強制執行で追い出されることになるが、娘と賃貸借契約を結んでいれば時間が稼げることになる。今から37年前、練馬区大泉学園での一家5人惨殺事件の被害者家族(の夫婦)と「やってること」が似ていたりして。

そして今度は、家主さんの審査は通っているのに「娘の帰国が4月になったので日割りを4月からにしてもらいたい」と言い出した。もちろん受けなかった。実は数日後に他社の仲介で別のお客さんからも「借りたい」という話があって、すでにその客で審査が通っていたので断っていたのだが・・・。

審査のための書類を整えて保証会社に申し込みして結果を待っていると・・・、キャンセルの電話。家主さんには申し訳ないが、内心ホッとした。入居していたら、いろいろ勝手なことを言い出しそうだし。

直ぐに二番手のお客さんに連絡したが、もう別の物件で決めていたから募集は振り出しに。

業法の規定はないけど迷惑料を請求したいくらいのケース。数日でも、キャンセルというのは家主さんや不動産屋だけでなく他のお客さんにとっても迷惑なもの。やむを得ない事情があるなら仕方ないが、今回のように身勝手な理由でなら赦しがたい。横柄で身勝手な人柄では取引先からも信頼されず経営も行き詰っていることだろう。少なくとも、不動産屋を見下しているのが透けて見えている時点でアウト。

「4月に、まだ残ってたら借りるかも知れないから宜しく」と言うが、あってもお断りしたい。


posted by poohpapa at 06:16| Comment(8) | 嫌な客 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
poohpapaさんおはようございます。

この身勝手なキャンセル、最近では飲食店で多くなったようです。料理を人数分予約して突然前日にキャンセル、酷いのになると、当日キャンセル。食材が無駄になるし、他の予約客を断るわけですからね。
ホテルみたいに当日キャンセルしたら解約料をとられるなんてふうに出来ないのでしょうかね。
あれこれ、条件を変えてくる客は契約後も変えてくるでしょうから、はじめに断った方がいいでしょう。ゴールポストを移動させるのはどっかの国と同じでしょう。
Posted by たか at 2020年01月15日 08:08
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

需要がある物件でしたら、住居用であっても一定期間内で申し込みを競合させてもいいと思いますけどね。

持ち家がある場合は、登記簿をとってみることが手っ取り早いです。
ご本人の説明とだいぶ違うなぁ〜ということが多々あります。
(当然アウトです。)
Posted by AK at 2020年01月15日 08:33
たかさん、おはようございます

レストラン、居酒屋のドタキャンの話、よく聞きますね。連絡があればまだいいほうで、すべてセッティングして待っていても誰も来なかったりして・・・。予約の際に、せめて半額くらい預かって、ホテルや旅行のキャンセルみたいに、何日前からキャンセルチャージが発生する、当日に近づくにつれ料率が高くなる、最終的には100%、というふうにシステム化する必要がありますね。

不動産の賃貸の場合、物件をとめる目的で預り金、手付金等のお金を預かることは禁止されていて、仮に何かの名目で預かったとしてもキャンセルになったら全額返金することになっていますから、本当は「無責任なキャンセル」を防いで家主さんの利益を護るためにも手付金を合法化してもらいたいものです。そういうのも業協会に提案しているんですけどね、まるで動きません。

この仕事をして30年になりますが、今まで、申し込んでキャンセルするまでの1ヶ月分の賃料を賠償してくれたお客さんは一人だけで、あとは「知らねえよ」でしたね。その支払ってくれたお客さん、うちのと私と長男が20年以上通い続けている理容店のご主人です。奥様が病気になって、店が借りられなくなったので、気の毒ではありましたが、快く払ってくださいました。

その後1年ほどして別の場所で開業してから、ずっと通っています。もう元はお返しできたかな(笑

結局、義理を欠かさない人が得をしますね。
Posted by poohpapa at 2020年01月15日 09:39
AK さん、こちらこそ、本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

<<需要がある物件でしたら、住居用であっても一定期間内で申し込みを競合させてもいいと思いますけどね。

たしかにそうですね。私も、当日中であれば、家主さんに「こういう人と、こういう人から申し込みが入りましたが、如何いたしましょうか?」とお伺いすることもありますが、先に申し込みを入れた業者との絡みもあって悩むところです。先に申し込んでくれたお客さんのほうが内容が良ければいいのですが、逆の場合は、先に申し込んだお客さんに「審査が通りませんでした」とお断りするしかないですね。

重なった業者さんとの付き合いの程度も考えたりします。いつもうちの物件に問い合わせしてくれて、申し込みを入れてくださっている業者さんだったりすると、同じくらいの内容なら、順番より普段の付き合いを優先したりして。私も、時に腹芸を使っています。

申し込みが短期間(ほぼ当日中)にダブった場合は良いとして、1件だけだと、需要がありそうな物件であっても悩みます。タイミングの問題で、その後はプッツリ、なんてこともありますもんね。

<<持ち家がある場合は、登記簿をとってみることが手っ取り早いです。

なるほど・・・。なかなか賃貸の契約でそこまではしませんでしたが、「なんかおかしいな」と思ったら、それくらいしないとダメですね。その手間を惜しんで後で大変な思いをするなら、すべきですね。それとも、保証会社を利用するか・・・。イザとなれば取り立ても追い出しもやってくれますし、保証会社の審査が通れば良し、通らなければ断る理由になりますもんね、って、他力本願ですけど。



Posted by poohpapa at 2020年01月15日 10:02
そう言う人ってキャンセルことでどれだけの迷惑をかけているかなんて全然考えないんですよね、ほんと自分が中心に地球が回ってると思ってるタイプの人ですよね!ほんと迷惑です・・・
Posted by はなくろ at 2020年01月15日 10:31
うちも年末に一月近く部屋止めをお願いされて、ズルズル行きそうだったので一度断りましたが、3週間後に再度申し込みがあり、書類が整っていたので入居OKを出して、今週入居になりました。
出鼻からスムーズにいかない入居者はこの先不安ですね。
断ればよかったと後悔する羽目にならなければ良いのですが。。。
Posted by バーダック at 2020年01月15日 16:11
はなくろさん、おはようございます

キャンセル、ってのは、自分が「や〜めた」と取り消すだけで済まない話ですもんね。自分の行為の向こう側にいる人たちへの配慮、というのは絶対に必要なもの、だと思いますね。

ま、自分を慰めるワケではありませんが、ゴールポストを勝手に動かしながら平気でキャンセルしてくるような奴、公私ともに信用もされないでしょうし友達もできないものでしょうから幸せな人生が送れる、なんてことはないと思いますね。挙句は家族にさえ見放されたりしてね、きっとそうなるでしょう。

Posted by poohpapa at 2020年01月16日 06:53
バーダックさん、おはようございます

それは珍しいケースですね。たいていは「さんざん引っ張った挙句にキャンセル」になりますもん。時間がかかる理由をしっかり説明してくれたなら待たないこともありませんが、その説明も真実である保証はありませんもんね。管理会社としては「ここまでしか待てません」と、どこかで線引きしなければなりませんから、その判断が難しいですね。うまく契約に至って良かったですね。

実のところ、偉そうなことを言っていても、私もそういう部分で判断ミスを犯すこと、よくあります。家主さんの利益を守らなければ、と常に意識している反面、お客さんの事情に同情してしまって・・・。

あと、断る時の理由も難しかったりしてね。最初から最後まで厄介、という客はいるものですね。
Posted by poohpapa at 2020年01月16日 07:01
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