2020年09月15日

別件で緊急連絡先を頼まれて・・・、快く引き受けた

うちら夫婦と長男がいつも行っている理容院のお兄さんMさんからの依頼だから。居住用でなく店舗の契約。26年も経営していたマスターのKさんが引退することになり、そのまま店を引き継いでいて今回が最初の更新。その保証会社、当社も代理店になっていて、「緊急連絡先は親族に限る」と常々言っているから、私から先に電話を入れておくが私で通るかどうかは不明。ダメならお兄さんに頼むらしい。

連帯保証人でなく緊急連絡先というだけの話なんだから、最初からお兄さんに頼めば良さそうなものだが、そこは田舎の人、余計な心配を掛けたくないのと、いちいち説明しなければならず、「それが面倒」とのこと。その気持ちはよく解かる。だいいち、KさんとMさんには16年前に我々が婚姻届けを出す際に保証人になってもらっているし、長い付き合いの中で何かで迷惑を被ったことなど一度も無い。

ただ、心配していることもある。前マスターのKさんが店舗の賃貸借契約を個人の名前で結んでいるのか理容店の名前で結んでいるのか、ということ。理容店の名前で結んでいたなら「経営者が代わった」というだけのことで、保証会社を使うのだし特に問題は無いが、個人が借主になっていたなら、貸主から「改めて新経営者が契約を結び直してくれ」と要求されるかも知れない。26年も事故なく借りていてくれたのだし、このコロナ禍で「出て行かれても困る」だろうけど、貸主も最近代替わりしている・・・。

当社なら、家主さんと相談して承諾してもらい「新規に契約し直さなくても結構ですよ」と言うところだが。Kさんが引退する際、そのことも考えて「実質的には経営を退いて店の権利をMさんに譲渡するとしても、Kさんが健在である限り店舗契約書上はKさんが経営者ということにしておいたほうがいいかも」とアドバイスしている。幸い管理会社は実情を知っていて、「新たに契約締結し直すことなく借主名だけ替えて条件はそのまま」ということで了解しているから、「今回は黙って契約すれば良い」と伝えた。

管理会社は最近替わっていて、厳密に言えば、新規に契約し直すなら仲介料も発生するし保証金の清算も一度済ませなければならない。口約束ほど怖いものは無いし、そのままずっと、というワケにもいかないから、なるだけ早い機会に貸主の承諾をちゃんと取っておいたほうがいいとは思う。そのあたりは、全く無関係な人間に経営譲渡するワケではないから貸主も柔軟に対応してくれる、と思いたい。

もしかすると、貸主は管理会社から説明を受けて了解しているのかも。だといいのだが・・・。私の悪い癖で、良く言えば「阿吽の呼吸で進める」けど、悪く言えば「なあなあで済ませようとする」から、注意深く様子を見て、藪蛇にならないよう適切にアドバイスしよう。

本当は家賃の値下げ交渉もしたいところだが、それは既成事実を作って(次の更新まで)3年待ったほうがいいだろうな。契約者が代わっても「そのまま継続」させてくれるなら、そのほうが借主にとっては遥かに得だし面倒も少ない。Kさんは「経営を引き継ぐなら自分が預けている保証金を戻してくれ」とは言っていない。設備もそのまま置いていってくれて「造作譲渡」も無い。Mさんも不安があって悩んでいたが、こんな条件の良い独立話は無い。実のところ、私は双方から相談を受けていた。

KさんとMさんはどちらも沖縄の出身、同郷ということもあって互いの信頼関係は強い。マスターのKさんを指名するお客さんもいたから、Mさんが引き継いだ後、しばらくはKさんが店を手伝いに来ていたけど、今はもう来ないとか。うちのはとくに指名したワケではなかったが、ずっとKさんにやってもらっていて、これからはMさんにお願いすることになる。ま、中には、それで来なくなるお客さんもいるらしい。

「緊急連絡先に・・・」と言われて先日の一件を思い出してしまったけど、正直、Mさんなら連帯保証人でも引き受けられるほど。世の中に「信用」ほど尊くてイザという時に役立つものは無い、と思う。



posted by poohpapa at 05:07| Comment(8) | お客さん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>藪蛇にならないよう適切にアドバイスしよう。

じれが所謂件の「難癖」とやらでしょうか(・・?
受け取り方次第なので、「難癖」にしようとすればなんでもなるんでしょうけど、所詮今時のほにゃららハラスメントみたいなあやふやな恣意的なもんです…(´・ω・`)ワラエナイ
Posted by ハリケーン at 2020年09月15日 08:11
この件、理容店が法人化されているのか個人事業主としてやっているのかでだいぶ変わってきますね。

個人事業主の場合は、個人=代表者=会社(屋号)が一体不可分のようなものですから、事業を継続しながら個人(代表者)を変更するということができなくなっています。
必ず、個人事業主Kさんから個人事業主Mさんへの事業譲渡という形になります。

建物賃貸借契約についても同じで、個人事業主間の賃借権(営業権)の譲渡になりますので、貸主の承諾が必要になります。
当然ながら、賃借権譲渡承諾料も発生してきます。

屋号(理容店名)での契約・・・はないと信じたいですね。
個人事業主としての屋号は、法人のように別人格を与えられていないため、契約者名には適さないのです。
そのため、個人名での契約が原則となり、そこに屋号を併記する形が一般的です。
(屋号を併記する理由は、個人名での契約者が、消費者ではなく事業者であることを示す目的です。)


事業譲渡は、税務面と契約面での問題がいろいろとありますので、あまり変にいじくらずに、まずは税理士さんに相談されたほうが良いかとは思いますよ。
Posted by AK at 2020年09月15日 08:21
popさんおはようございます。
連絡先保証料 1件につき1万円
身元保証料 1件につき 5万円
とか決めておいたらいいのに。
Posted by たか at 2020年09月15日 08:22
ハリケーンさん、おはようございます

いえいえ、難癖でなく、余計なことを言って貸主さんに「そうだよ、Kさんが経営から退いたんなら、全くの新規契約にしてもらわないと・・・」と気付かれたらマズイかな、と思って。

貸主からすれば保証金の償却、管理会社からすれば(50%の)更新料でなく(100%の)仲介料のほうが有り難いワケで、「やっぱ、そうしよう」となられたる困るので・・・。

Posted by poohpapa at 2020年09月15日 08:45
AK さん、おはようございます

こういう店舗を借りる際には、まず100%、(前の経営者)Kさんの個人名で借りていて、店舗の契約時点ではまだ屋号を決めてなかったのでは、と思います。途中で7回あった更新契約の際に個人名から屋号に変更していた、ということは無かったでしょうから、そうすると、本当は厄介ですね。

事業譲渡にはそういういろんな問題を孕んでいるんですね。私も正直、簡単に考えていました。

<<建物賃貸借契約についても同じで、個人事業主間の賃借権(営業権)の譲渡になりますので、貸主の承諾が必要になります。
当然ながら、賃借権譲渡承諾料も発生してきます。

この仕事を長く続けていますが、このケースで「賃借権譲渡承諾料が発生する」ということは存じ上げませんでした。私だけでなく、ほとんどの不動産会社がそう認識していないかも知れませんね。貸主と管理会社が了解していさえすればOK、くらいに考えていました。ま、貸主と管理会社がそのことについて気付いてなければ、とくに支払わなくてもいいかな、と思ってしまいます。

ただ、そういうものであるなら、このケースだけでなく、協会としてちゃんとガイドラインを示したり研修などを通して業者に周知させなければ、と思います。知っていて頂かないのと、知らずに頂かない、というのではまるで違いますもんね。貸主に対しても正しくアドバイスしなければなりませんし。

税理士さんに相談する件は、借主Mさんに勧めてみます。とくに知り合いの税理士さんはいないで毎年青色申告で済ませているでしょうから、うちの税理士さんを紹介してみます。とにかく、法的にしっかりクリアしていればどこから何を突っ込まれても心配は要りませんから、そこは大切ですね。

いつも勉強になります、有り難うございます。
Posted by poohpapa at 2020年09月15日 09:09
たかさん、おはようございます

あはは、それくらい請求できると嬉しいですね。でも、うちは、そういうもの、例えば車庫証明の印鑑なんかも無償です。家賃の立替えやら食糧の提供までしているくらいで・・・。

とくに雛型があるワケでない居住証明書とか家賃支払い証明書とかの文章の作成を依頼されても無償です。送料負担で郵送しても「届きました」のメールさえくれない人がいて虚しくなりますが。
Posted by poohpapa at 2020年09月15日 09:15
雇用なのか、転貸なのか、主体変更なのか、当人たちもよくわかっていないケースが多いです。この際キッチリしていた方が後々のトラブルを回避できます。
理美容の営業免許の内容確認もお忘れなく。

私も「せっかく行動しようとしてるのに文句言うな」と言われたことありますが、助言と難癖?は受け取り方次第なので難しいですね。
Posted by 陸の孤島 at 2020年09月15日 11:05
陸の孤島さん、こんにちは

雇用でも転貸でもなく、強いて言うなら譲渡でしょうか。あとで貸主からゴチャゴチャ言われることが無いよう、しっかり確認を取る作業は必要でしょうね。

「難癖」の件は、相手業者の〇ホームさんが「せっかく決まるところだったのに難癖を付けられて潰された」と言うならまだ解かるのですが、娘さんから「難癖」と言われるのは無いもの、と思います。ですが、まあ、受け止め方は人それぞれなので、仕方ないですね。ただし、二度と関わりたくないですけど。

でも、こういうこと、皆さん何度か経験なさっているみたいですね。
Posted by poohpapa at 2020年09月15日 12:16
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