2020年11月19日

捨てる神あれば拾う神あり

うちで管理させて頂いている連棟式の平屋の貸家(1DK)それぞれに高齢の男性と女性が住んでいる。老婦人のほうから、以前から「隣のジジイが夜中の3時頃から物凄い音を出していて明け方まで続くので寝られない。何とかならないか」と相談を受けていて、隣の爺さんから事情を聴こうとしたら「隣のババア、夜中に壁を叩くんで、ごにょごにょごにょ・・・」と文句を言う。どちらかが嘘をついている模様。

私が実際にその音を聴いたワケではないから証拠が無いので、100%、とは言えないが、99%は爺さんのほうに原因があると思われる。老婦人のほうは頭はしっかりしているし、事実でないことで私に相談するような人ではない。爺さんのほうは5〜6年前、私に「トイレが詰まっちゃって床に(汚水が)溢れちゃって使えねえから、今、公民館までトイレを借りに行ってて困ってんだよ、早くなんとかしてくれよ」と文句を言ってきた。

「何か流れない物を流して詰まらせたのでは?」と言うと、「そんなことしてねえよ!」と激怒。だが、設備屋さんに見てもらうと爺さんのタオルが詰まっていた。その頃から痴呆が入っていたみたいで、道で私の顔を見ると、何やら大声で文句を言い始める。何を言っているのかは全く聴き取れない。

遠目にその爺さんがこっちに来る、と判ると、私は裏道に入って避ける。とにかく、めんどくさいから。

隣の部屋が空いた際、広告の反響で他の不動産業者がお客さんを案内してくれたのだが、その気配で隣に行き「隣に来ているのにどうして俺に挨拶しねえんだ!?」と怒鳴ったことで、「あんな人が隣に住んでいるんじゃ怖くて借りられない」と案内が不調に終わったこともある。損害賠償モノである。

連帯保証人は元市議で、私は全面的に信頼しているので相談すると、「ヘルパーさんも巡回しているけど、状況によっては施設に入れるようですね、その方向で検討します」とのこと。ところが、老婦人が「もう我慢できない、私が出て行く」と言い始めた。それだと他の人が入居しても同じことが起こり得る。また連帯保証人に相談するようかな、と思っていたら、老婦人から電話で「直ぐ来てくれ」だと・・・。

「ちょっと、これ見てよ」と手紙(メモ)を見せられた。差出人は某学校の定年間近の女性教師。老婦人は以前からその顔見知りの先生にもいろいろ相談していたらしい。それで、「母親が近所の分譲タイプの老人ホームに入っていて、先日亡くなったので自由に使ってもらっていいですよ」と書かれていた。

老婦人が、「世の中、捨てる神あれば拾う神あり、だねえ。私はここを出て行かないで夜だけ避難するよ」とのこと。爺さんのほうに出て行ってもらうとしても「直ぐ」というワケにもいかないから困っていたが、それには私も助かった。いちおう、爺さんの連帯保証人にも連絡しておこう。

posted by poohpapa at 06:21| お客さん(入居者) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする