2020年12月19日

すごく楽しみ・・・、うちの隣の店

この話は、今週号の住宅新報の記事の続き、というか、詳細になる。


うちの隣にあったスナック、退去したままの状態で中が相当に傷んでいたので家主さんも「貸さないでそのままにしておこうかしら・・・」とのご意向。貸そうとしたならリノベーションしなければならないから、そうしたら(何年貸せるか分からないし)元は取れないと思う。

ところが、一月ほど前、うちで管理しているアパートに入居しているHさん(30代半ばの娘さん)が当社を訪ねてきたことで急展開。Hさんは勤務先を退職したので報告に来てくれたのだ。契約書に「勤務先等、申込時の内容に変更があった場合は届け出ること」と謳ってあっても、ちゃんと連絡してくる人などいない。それどころか「大家さんが不安でしょうから数ヶ月分の家賃を前払いさせて頂きます」、と言う・・・。家賃を1年以上も滞納して知らん顔している奴とはえらい違いである。

「これからどうするの?」と訊くと、「小物を販売する雑貨店を開きたくて、趣味でコーヒーの焙煎を勉強しているので、隅でコーヒー豆も売りたいと思っています。それが夢なんです」とのこと。

「店の目星はついてるの?」と訊くと、「それはまだ・・・、適当な店舗はありませんか?」だと。

「おカネはあまり掛けたくないよね、でも店舗を借りて内装工事もするとなると相当に資金が要るよ」と言うと、「そうなんです、コーヒー豆を焙煎する機械も購入しないといけないし・・・」と不安そうな表情。それで「うちの隣、スナックだったんだけど、1年前に明け渡して頂いて、その前も1年ほど休んでいたから中は荒れ放題で、家主さんは一切何もせず現状のままお貸しする、ということで良ければ家主さんに『家賃3万円でどうですか?』と相談してみるよ」と言って中を見せたら・・・、

一発で気に入ってくれた。「いくらなんでもこれでは・・・」と言われるかと思ったけど (^◇^)

コーヒー豆を売る、と言っても、その場で試飲したいお客さんもいるだろうからカウンターも使えそう。「家主さんに相談して、連絡するね」と言って帰ってもらい、後で家主さんに相談すると・・・、

「あら、3万なんてもらえないわよ、1万でいいわよ。うちは何もしなくていいなら雨露しのげる場所を提供するだけなんだし」とのこと。「いや、3万でもすごく喜んでいたし・・・」と言ったが、「いいわよ1万で、そうしてあげて」と引かない。Hさんに伝えると大喜び。さらに礼金・敷金(保証金)も無し。正規の契約書は結ばず覚え書を交わすだけ。保険には入ってもらうが連帯保証人不要で、何やかやで初期費用は6万弱。出る時も何も請求されない。そんな条件で借りられる店舗など無いもの。

しかも、オープンする際には当社と家主さんは「お花」を送ることにしている。家主さんに「1ヶ月分の家賃の足が出ますが大丈夫ですか?」と念押しすると、「かまわないわよ」とのこと。

隣の店で話していたら、「この脚立、親しくしている隣町の花屋さんから借りたものなんです」と言う。「ならば、お花はその店にお願いしましょう」と言うと、「いいんですか?、るみちゃん(花屋の主)喜びます」と大喜び。実は近所の花屋さんに連れて行って相談しようと思っていたのだが、そういうところで不義理させたくない。そこで不義理するようだと商売は必ず行き詰ることになる。

で、元の状態を知っているから、「いくら掃除したとしても、食品(コーヒー豆)を販売するのに適した店舗になるものか私も不安だったが、連日掃除に来ていて、必要な部分は大工さんに依頼して、見違えるようにきれいになった。先日、保健所の検査も通ったとか。Hさんの頑張りに脱帽。

人間、夢に向かって進んでいる時は本来持ち合わせている以上のエネルギーが出るし、そこまで頑張っていると周りも応援したくなるもの。事実、大学時代の友達や、どこで知り合ったか現役美大生なんかが連日入れ替わり立ち替わり応援に来ている。以前は病院の事務だったのに、この人脈。

一昨日、試しに焙煎をしていて、いい香りが漂ってきていた。今まで、うちの店は冷たい缶コーヒーしか出せなかったけど、これからは隣に声を掛ければ温かいコーヒーが届く。それは有り難い。

正式なオープンは1月8日。私が一番最初の客になってあげたいと思う。

posted by poohpapa at 06:25| Comment(8) | お客さん(入居者) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
poohpapaさんおはようございます。

あのボロボロだったスナックが喫茶店になりそう。poohpapaさんも暇な時は
隣にコーヒータイムでいけますね。上客はコーヒーの出前もいけそうだし。
Posted by たか at 2020年12月19日 07:46
たかさん、おはようございます

お隣、喫茶店ではないのです。コーヒー豆を販売する中で、試飲を希望されるお客様に試飲してもらえるようにするだけで。ただ、お願いすれば、うちには熱々のコーヒーを届けてくれるみたい。

軌道に乗るまではバイトを掛け持ちするそうで、真面目で頑張り屋さんなんです。だから、みんなが応援したくなります。

成功してほしいですね。
Posted by poohpapa at 2020年12月19日 08:42
コーヒー専門だけの喫茶店にすれば流行りそうだけど。。。。
他メニューも出すようにすると大変だから、そういう店もありますね。


Posted by たか at 2020年12月19日 09:00
自分の夢を明確に持っているって素敵ですよね。そういう人に頑張ってほしいです!!
そして大家さんも暖かい人で嬉しいですね☆
Posted by はなくろ at 2020年12月19日 10:01
たかさん、こんにちは

喫茶店を開くのが夢、でなく、コーヒー豆を焙煎して販売するのが夢、だそうです。と言うのも、コーヒー豆の焙煎はかなり奥が深いみたいで、特殊な能力、技能が必要とかで・・・。

Posted by poohpapa at 2020年12月19日 14:32
はなくろさん、こんにちは

この娘さん、夢に向かって真っすぐに頑張っているので、その様子を見ていて皆が応援したくなるんですね。家主さんもいい人で、「応援してあげましょう」と仰ってくださっています。

成功するといいな、と私も思います。
Posted by poohpapa at 2020年12月19日 14:35
いつもコーヒー豆(焙煎済み)を買っていたジュピターが次々に閉店してしまったので、今度コーヒー豆を買いに行きますよ。
まぁ値段にもよりますけど…(´・ω・`)
Posted by ハリケーン at 2020年12月21日 08:43
ハリケーンさん、再び、おはようございます

はい、ぜひ御贔屓に (^◇^)

昨日も焙煎の練習をしていて、いい香りが漂っていました。ウナギの蒲焼や焼き肉の匂いと並んで、コーヒーの香りにはそそられますね、ほとんど反則の売り方です。でも、開店が待ち遠しいです。
Posted by poohpapa at 2020年12月21日 09:22
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