2020年12月29日

今年を象徴するような「仕事納めの日」の最後の客

他社同様、うちも昨日が仕事納め。うちに出入りしている営業さんのうち、二大美女が年末の挨拶に訪問してくれることになっていて、今年は「目の保養」で一年を終えるつもりだったのだが・・・、

一人目の訪問を受けた直後、見るからに「ホームレス」という男が店に入ってきた。無精髭は伸び放題、髪もボサボサ、衣服は「もう何ヶ月も換えていないだろう」というくらいに汚れていて、顎の下までおろしたマスクは(本来は真っ白だったハズだが)限りなく黒に近いグレー。何より、全身から漂う異臭である。私がマスクをしていても遠慮容赦なく漂ってくる。これでコロナをうつされたら堪らない。

私は立川市と武蔵村山市の新規の生活保護受給者の部屋探しはしないが、ホームレスの部屋探しはする。その後に両市で生活保護を受けることになるだろうけど、それはかまわない。ただし、年末に来店して「直ぐ入れる部屋は無いか?」と頼まれても部屋探しはしない。危ないから。

そんなことを考えていたら、思いもよらないような話が出た。

「所沢に131坪の土地があって、親から相続したんだけど、それを売ってもらいたい。大手の〇〇ハウスと〇〇建設工業に声を掛けたけど、町の個人経営みたいな不動産屋のほうがいいかな、と思って・・・」と言う。だったら、立川の駅から徒歩9分の不動産屋に飛び込むのでなく所沢の不動産屋に頼むべき。そう言うと、「所沢の駅前の〇〇という不動産屋にも依頼している」とのこと。

そこが実家で、父親の介護を妹がしていて「まもなく相続が発生する」とのことだが、どこまで本当の話やら・・・。ただし、見た目で「嘘」だと決めつけるのは良くない。今日あたり家の固定電話に電話して妹さんが出たなら状況を訊いてみよう。ただし、私一人で扱うには荷が重そう。

とにかく、もう一人の美人営業さんが来る前に出て行ってほしいもの、と私は内心焦っていた。帰りがけに、「お茶か缶コーヒーでもくれる?」と言う。もしかすると、飲み物をねだるために相続の作り話をしていたものか。ま、それが嘘でもかまわない。目の前の人が喉が渇いていて、それで一息つけるなら、うまく騙されてあげればいいだけのこと。缶コーヒーを一本渡すと、さらにこう言う。

「私は今までに二度、警察のお世話になっている」と。「何をやったの?」と訊くと、パンチを繰り出す格好をして「相手をボコボコにしちゃったから」だと。缶コーヒーをねだったことと、その話で、今までの話はきっと作り話なんだろな、と思った。ただし、不動産に関する専門知識はあるから、100%嘘とは決めつけられないが・・・、相続の話が本当の話であっても、うちではやりたくないな。

だいたいが、その格好で大手業者を訪問しても相手にされないと思う。出て行った後で椅子やボールペンまで消毒した。ファブリーズもタップリ散布して。年末の掃除をした後だよ、チクショウ <`〜´>


仕事を終えて、伊勢丹に行き、年末恒例の「菊水の濁り酒」を売っているマネキン(販売員)のUさんのところに行き、愚痴を零したら、面白い話を聞かせてくれた。Uさん、「人は見た目で判断しちゃいけないよね、私もこの仕事をしていて似たような体験をしてるよ」、と言う。

10年ほど前、銀座のデパートでマネキンをしていた時、みすぼらしい身なりの老婆がやってきたんだと。その格好を見て、他のマネキンがみんな引いてしまって知らん顔をしていた時に、Uさんが「何かお困りのことがありますか?、何でも申し付けてください」と声を掛けたんだと。

すると、老婆は用意していたメモをUさんに渡して「これだけのものを買いたいんだけど揃えてもらえるか」と頼んだとか。「でしたら、こちらでお待ちください、私が手配して、ここまでお持ちしますから」と言って椅子を用意して待たせておいて、各売り場に連絡して全部揃えてあげると・・・、

世話になったから、と、小さな一瓶で400円もするジャムを10個追加で取り寄せて、「あなたにあげる」と事も無げに言ったとか。それで「何者なんだろ?」と思って訊いたら、銀座にいくつもビルを持っているオーナーなんだとか。「私はこの歳だから着るものになんかカネは掛けない。美味しいものを食べるのだけが楽しみ。財産も、自分の子供には一切残さない。そんなことをしたら子供がダメになるから。私が死んだら全て寄付することになっている」と言ったそうだ。

お気持ちはよく解かるし、実に立派な心掛けだと思う。これ、Uさんだからこそ得られた逸話だろう。

何度も書いているが、私は(女性では)Uさんと、岩手に転居した「たぁさん」の二人から「あの男はもうダメだよ」と思われるようになったら人として本当にダメになったということだろな、と思っている。それくらいに、お二人の「人を見る目」に全幅の信頼を寄せている。

あ・・・、昨日、たぁさんを怒らせたわ・・・、半分「ダメ人間」になってるかも。

昨日、たぁさんから LINE で、「今、スーパーに買い物に来て、帰りのバスを待ってるところだけど、じいさんばあさんが並んでて、小さなバスだから乗れるか心配」と言ってきたので、「そうだよね、アンタ一人で幅をとるからね」と返信したら怒りのスタンプが届いたんだった、忘れてた。

ちっ、これじゃ年明け早々からたぁさんのご機嫌取りしなくちゃならないのかよ・・・、憂鬱 (汗


てなワケで、私らしい記事になったので、これで年内はお休みさせて頂いて、年明けは・・・、いつからになるか分からない。突発的に「気になるニュース」が飛び込んできたら記事を書くかも。皆さんも、どうぞくれぐれもコロナとお体に気を付けて、どうぞ良い年をお迎えくださいね。今年もお付き合いくださいまして本当に有り難うございました。政治家など当てにせず、そして、マスコミに騙されることなく、来年こそは、みんなで良い年にしましょう。自分の身は自分で護りましょうね。

posted by poohpapa at 07:45| Comment(2) | うちの店 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
poohpapaさんへ
今年一年ご苦労様でした、振り返ってどうでしたか?
僕の場合、前半はリハビリ、一年を通して飲み会はすべてキャンセル、ゴルフも11月に一回行ったきりで、本当に何もない年でしたね。
働いていた頃、月100時間の残業はざらでしたし、2日続けての徹夜も経験しました、その時は一日中ボケ―とした日を送りたいなと思ったものですが、今その生活をしていると当時が懐かしく思える、人間って不思議なものです。
では良い年をお迎えください。
Posted by ボース at 2020年12月30日 16:18
ボースさん、おはようございます

この一年も、いつも温かなコメントを頂きまして有り難うございます。

私にとっては、この一年は「ものすごく波があった一年」でした。まあ、コロナに関係なく、ヒマなのは毎度のことですが、いろんな方に援けられて、改めて人間の優しさを実感した年でもありました。

何度も書いていますが、私は「50歳を超えたらオマケの人生、そこからは自分の仕事を通して社会に恩返しする生き方をすべき」という信念で生きていて、それは実践できたかな、と思っています。最近も、入居者である3人の老婦人から涙を流して感謝されましたし。

自分で言うか!?、という話ですが、私も周りの人を気遣っているから周りの人が援けてくださるんだと思います。世の中は、いろいろあっても、「人の優しさで回っている」、そう思いたいですね。

ボースさん、今年の前半のリハビリ、大変だったことでしょうね。「本当に何もない年・・・」、考えようによっては、今のご時世でなら最高に贅沢なことかも知れませんね。

ボースさんが仰るように、人間って不思議なものですね。イザ、夢や願望が叶えられると、「自分が強く願っていたことって、こういうもの(この程度のもの)だったんだろうか・・・」と不思議に思うことさえあります。喜びも束の間、虚脱感や虚しさを感じることもありますね。

私は自営業なので、元気なうちは働き続けることができますが、そうするのは、生きていく為(収入を得る為)と、抜け殻のようになってしまうのが怖いから、ということですね。

ブログを続けているのは後者の理由からです。いろんなご意見、時に厳しいご意見を頂いて、コメントのやり取りで、生きていることを実感しています。辛いこともありますが、楽しんでもいます。自分のしたことで誰かが喜んでくれる、それが生き甲斐になっています。お菓子のバラ蒔きもその一環です。

私には、来年が今年より明るい年になる予感はしないのですが、お互い体に気を付けてとにかく生き抜きましょう。と言いつつ、ボースさんも良い年をお迎えくださいね。
Posted by poohpapa at 2020年12月31日 05:50
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