2021年12月02日

吉右衛門さんの訃報に接して

中村吉右衛門さんの(歌舞伎を離れての)代表作と言えば「鬼平犯科帳」で、池波正太郎さんの本は全巻、家と店に置いてある。私にとってのバイブルだから。DVDも全話揃えてあって、いつでも観られる。

最終シリーズの後で、特番なんかを観ていたら、すでにセリフ回しが覚束なくなっていたので、「もう難しいんだろうな」と思っていたのだが、こんなに早くお亡くなりになるとは思わなかった。享年77歳・・・、私もあと7年か、怖い。

鬼平のシリーズの中で、特に好きなのが「間取りの万三」、密偵の大滝の五郎蔵から「絶対にお縄にしないとの約束を頂きたく願います」と請われ、「分かった」と約束をし、五郎蔵の情報から大盗賊を捕らえ、最後に観念して両手を揃えて差し出した(労咳に罹っている)万三に「何の真似だ」と言い、呼び寄せた万三の女と用意した籠を指差して、「あの女とどこにでも好きな所へ行け。来年の桜が咲くころまで元気でいろよ」と金子を渡して逃がしてやる。「これでいいか?、なあに、約束ってのは上様との約束も盗人との約束も同じ、守らなくちゃならねえものさ」と事も無げに言う平蔵に、肩を震わせて泣く五郎蔵・・・、最高の見せ場で、何度観ても涙が出る。本で読んでも同じ。

何人もの俳優が平蔵を演じているが、吉右衛門さんが最高。粋で、華があるから。

今日は更新をお休みさせて頂こうと思っていたけど、吉右衛門さんの訃報はスルーできないわ。

心からご冥福をお祈りしたい。

posted by poohpapa at 09:17| Comment(2) | 芸能・アイドル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
鬼平、面白かったですねー。それでも、テレビよりは、原作のほうがずっと良かったです。原作を読んでからテレビを見ると、どうしても物足りなさが否めませんでした。
それでも、吉右衛門さんの鬼平は最高でした。

スポニチの記事では、

>>ネット上では「鬼の平蔵、長谷川平蔵が逝く…与力の佐島さんや沢田さん…密偵の相模の彦十 小房の粂八 大滝の五郎蔵親分…迎えに来てくれたのかな…」「きっと、あちらで佐嶋さんや五郎蔵さんや彦十がお頭を待っていなさるよ。寂しいなぁ…」「粂八も五郎蔵も彦十のとっつぁんも言ってるよ…お頭、来るの早えって 本当に悲しい」「ああ。ついに鬼平も逝ってしまった。佐嶋も天野も彦十も粂八も五郎蔵も。みんな逝ってしまった。とても寂しい。めちゃくちゃ寂しい」「これはショックすぎる…粂八や五郎蔵、彦十。皆に会えたかな。軍鶏をつついて、美味い酒を呑んでください」「佐嶋、天野、彦十、粂八、五郎蔵があの世の人となり、ここでお頭も逝ってしまうとは…」など、冥福を祈る声が多く上がった。

合掌

Posted by Occhan at 2021年12月02日 11:26
Occhan さん、おはようございます

スポニチの記事、貼ってくださって有り難うございます。凄く嬉しいですね、もちろん、内容も。

吉右衛門さんの鬼平の共演者の皆さん、それぞれに「ハマリ役」で、ドラマを盛り立てていましたが、皆さん鬼籍に入ってしまわれて、きっと「お頭、まだこっちに来るのが早すぎますよ」と文句を言ってたりしてね。そう、今頃は皆で軍鶏鍋を突いているかも。

私も、長谷川平蔵みたいな人間になることが目標で、それも、吉右衛門さんが演じてくださったからこそ、であります。でも、「粋」は難しいや、私には無理です。

心からご冥福をお祈りしたいと思います。
Posted by poohpapa at 2021年12月04日 07:33
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