2005年07月11日

小金井カントリー倶楽部の会員権を考える

バブルの最盛期には会員権の価格が4億円を超えたという「小金井カントリー倶楽部」であるが、当時は誰もが「たかがゴルフ会員権が何で4億もするんだ」と呆れていた。
だが、それはとんでもない素人考えである。

小金井カントリーの会員には、お金持ち、というだけではなれない。
私の情報はゴルフ会員権の募集会社にいた時のものだから相当に古くて、現在はだいぶ変わっているとは思うが、(89年当時)会員になるためには、現理事でない在籍7年以上の正会員2名の紹介(推薦)があることと、自身がJGAに加盟している他のゴルフクラブに5年以上会員として在籍している男性であること、が先ず入会条件になっていた。たいていは、これでアウトである。しかも、理事による面接を受けて人格を審査される。市場に流通している会員権があって購入したとしても、会員にしてもらえるかどうかは別の問題なのだ。会員権を購入することはカネさえあれば誰でも出来るが、入会できるかどうかは分からない(難しい)のだ。会員としてプレイできなければ高額の会員権も「タダの紙切れ」になる。てことはつまり、相撲の世界にいない人間が年寄株を持っているようなもの、である。

で、面接に通ったとしても、さらに入会金個人正会員400万円、預かり保証金600万円、年会費5万円が必要であった(89年当時)

「それみろ、だから馬鹿げている」と決め付けるのは待って欲しい。
ここからが重要なのである。

小金井カントリー倶楽部は株主会員制であって預託金会員制ではないから、一人一人の会員が一口株主ということで、もしも、総会を開いて「もうゴルフなんてかったるいスポーツなんか止めて、宅地として売っちまおうぜ」という決議がなされたとすると・・・、

土地面積は約15万坪、バブル期には捨て値で売っても坪200万で3000億円、それなら間違いなく売れたであろう。

会員数498名だから、売却益は一人6億円。4億で会員権を買っても一人2億の利ザヤが稼げることになる。

ゴルフ会員権を4億で買った、と思うから高いのであって、6億の宅地を4億で買い叩いた、と思えば笑いが止まらない。ちなみに現在の相場は5千万強といったところで、現在の会員権相場と土地値でも充分元はとれる計算である。むしろ今のほうが遥かに率が良い。

人間、見方を変えるだけで価値も損得勘定も変わってくるものだ。

以前書いたようにも思うけど、30年ほど前「メジロ」を飼っていた時の話。ブドウ虫という餌はメジロにとって大好物であるだけでなく貴重な薬でもあったから、ペットショップで買うと(ブドウ虫が入っている小枝)10本一把で2000円もしていた。
ところが釣り道具屋に行くと、タダの消耗品の釣り餌でしかないから、同じく10本で200円だった。私にとっての用途はメジロの薬だが、釣り道具屋で買っていたのは言うまでもない。だいいち、メジロにとっては「どうでもよいこと」なのだから(*^^)v

で、会員制のゴルフクラブのほとんどが採用している預託金制とはそこが大きく違うから、私なら例え審査で落とされても、カネさえ有れば「小金井カントリー倶楽部」の会員権を買うだろう。万一ゴルフ場が倒産したとしても、清算すればけっして損にはならないから。
(もちろんこれは、「大きな負債は無い」ということが前提になる)

とまあ、これは「ゴルフをしない不動産屋の見方」、ではあるが(爆)
この記事へのコメント
 はじめまして、こちらに移転される少し前から拝見させて頂いておりました。過去ログもざっとではありますが拝読いたしましたが、時には共感を、時には違和感を感じながら読ませて頂いております(申し訳ありません。これから熟読させていただきます)。
 今回のお話は私にしてみれば、かなり衝撃的な内容でした。私の見解は完全に「素人考え」だったものですから。私としてはゴルフ(娯楽)に数億円も投資する人の考えが解らなかったのです。
 私の暮らしている所は北海道で、しかもとりわけ田舎ですから一坪数万円が相場です。だから余計に億単位の地価に違和感を覚えるのかもしれませんが…。
 とりとめのない文章で申し訳ありませんでした。
Posted by ごえ at 2005年07月14日 01:54
 申し訳ありません。引越しされる旨、読まずに書いてしまいました。いきなりの失礼、ご容赦ください。
Posted by ごえ at 2005年07月14日 02:06
ごえさん、おはようございます

失礼なんて有りませんよ(*^^)v
かえって気を遣わせてしまってすみませんでした。

実は、私も、その業界に入る前は「素人考え」をしているクチでした。
社長に「たかが会員権で・・・」と話したら、記事のような説明をしてくれまして、私の記事はその当時の社長の話の受け売りなんです(笑)

もっとも、小金井カントリー倶楽部に入会しようとする人も現会員も、誰一人として「将来は宅地開発にしてボロ儲けを・・・」、などと考えていないことだけは間違いありません。そんなセコイ計算をするような人が入れる倶楽部ではありませんしね。

小金井カントリー倶楽部は、日本で一番便利の良い所に造られていますので、敷地面積も他のゴルフ場に比べると約半分です。ゴルフの醍醐味を味わいたいなら他のゴルフ場の方がお勧めです。それでも、会員になるには他に大きなメリットが有ります。それは、「人脈」です。

これは私たちの普段の生活でも言えることですが、目先の利益に気をとられて人との出会いや付き合いを疎かにすると最後は損をします。人脈や友だちは、投資以上の利益を生み出してくれたりしますます。

ただし、小金井カントリー倶楽部の人脈と私たち一般人の人脈では、価値も3〜4桁は違っていますが・・・(爆)
Posted by poohpapa at 2005年07月15日 08:42
小金井でプレーすることになり、読まさせていただきました。私自身も株主制のある倶楽部に所属していて入会方法もほぼ同じです。会員権(株式)は購入できるが、入会とは別問題という点、価格は解散(資産)価値も考慮すれば..と言う点も同意見。

ただし、調べてはいませんが小金井カントリーの総面積は200万坪でなく、40万坪ぐらいではないでしょうか?30万坪でも充分18ホールのコースには十分だと思いますので。
Posted by Lafite at 2011年05月23日 13:52
Lafiteさん、おはようございます

これ、私は「200万坪」とは言っておりませんで、「坪200万」と書いておりますが・・・。土地面積は15万坪、と書いています。Lafiteさんの仰る「40万坪」というのは18Hの一般的なゴルフ場の面積ですね。小金井カントリーはそれよりずっと狭いです。なんせ市街地ですから。

もっとも、今の相場では200万でなくその半分くらい、いえ半分以下、とは思います。今なら坪80万くらいかと思いますね。
Posted by poohpapa at 2011年05月26日 08:54
poohpapa様
大変失礼しました。ご指摘通りでお恥ずかしい次第です。

せっかくですからプレー後の小金井CCの感想を報告させていただきます。
まずいわくの15万坪から。設計はW.ヘーゲンだそうですが、あの条件でよく設計したものだと感心しました。距離が短いのはやむを得ないでしょうが、一打目正確なショットと、グリーンが小さいのとバンカーでがっちりガードされているのでグリーン周りのテクニックがないといいスコアは望めないでしょう。上級者には物足りないでしょうがあの狭さでトリッキーにならず見事に収めたものだと思います。

それ以上に予想せず感心させられたのが、居心地の良さでした。これは社団法人制の伝統ある名門と言われるところとまるで違うといってもいいでしょう。キャディもハウス内のスタッフも客のもてなしということで極めて洗練され、訓練されています。小金井にいる時はちょうど上質の都市ホテルに滞在しているような感じにさせてくれます。

名うての名門はあくまで会員主体のクラブであって、部外者(ビジター)にはさせてやるとう雰囲気がどうしてもあります。それはそれで勿論言い訳です。会員の負担が大きいだけで。ここはゲストもクラブの経営に必要との考えで大事にしようという考えが根底にあるのでしょう。小金井は少ない会員でも名前、地の利どちらも抜群、結果経営も順調のはず。クラブ内施設も上質なのがそれを物語っていました。

私の所属する株式制のクラブは会員主体を貫こうとどちらかといえば社団法人の理念に近いのですが、それはそれで知名度、地の利とも遙かに劣るわけで1000名弱の会員で維持していこうと思えば大変で、スタッフの数も含めてコストは下げる、しかしそれなりのプレー費を払ってもらってゲストにも来ていただくためにはコースメインテナンスは万全でなければならないなど問題は多いです。

昨日はもうひとつの預託制の所属コースで雨の中をプレーしてきました。ここは75万坪に、(小金井と比較して言えば)36ホールズ。ダイナミックでチャレンジャブルなゴルフを楽しめます。土・日の会員外のコンペが多く、雰囲気はパブリック化してますが.....。


Posted by Lafite at 2011年05月30日 14:26
Lafiteさん、おはようございます

ご丁寧に有り難うございます。小金井カントリーは、元妻の会社の同僚だった方が「どうしてもレッスンプロになりたいから」と退職して、現在小金井カントリー専属のレッスンプロをしていらっしゃいまして、以前は何かと情報が入って来ましたが、 それでもLafiteさんほど詳しい情報ではありませんでした。

さすがに名門クラブは全てにおいて行き届いているものなんですね。おカネさえあれば会員になれる、というものではありませんし。たしか、欠員が生まれて申し込みをするにしても、 会員からの紹介者が必要だったり、一定期間「申込者の情報」を開示して、既存の会員から不同意の意思表示が出ないかどうかでも判定されるとか。

一流ホテル並みに居心地の良さが感じられるなら、それは間違いなく一流コースの証でしょうね。けっこう細かなことで「コースの理念、経営姿勢」、つまり、「誰のほうを向いて運営されているか」が解かりますもんね。一般企業でも何かトラブルが起きた時に「誰のほうを向いて経営しているか」が透けて見えてしまうことがあります。それと一緒でしょうね。

思えば、私が過去にメンバーになっていたゴルフ倶楽部も、ビジターを多く受け入れていてほとんどパブリックコースでしたっけ・・・。

そういえば、元妻の同僚だった方、職業柄、よく芸能人や著名人とラウンドするとかで、都はるみさんのサインなんかも届けてくれてましたね。間違ってたら相すみませんが、田中角栄さんや三波春夫さんも会員だったかと思います。私が離婚してなければもっといろんな話が聞けたんでしょうけど・・・^_^;

いろいろ貴重なお話をご丁寧に有り難うございました。これからも素晴らしいゴルフライフをお送りください。

Posted by poohpapa at 2011年05月31日 07:13
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