2024年02月11日

日本人指揮者の中でもっとも偉大だったマエストロ小澤征爾氏逝く

小澤征爾氏が2月6日、心不全により88歳で逝去された。

NHK交響楽団の常任指揮者だった岩城宏之と同じ時期に活躍をして世間は勝手にライバルに仕立てていたけど、何かにつけて恵まれていた岩城宏之とは「音楽性」のレベルが違うと思う。今から50年近く前、私が勤めていたメガネ専門店のテレビで岩城宏之が(N響で)ベートーヴェンの交響曲7番を振っていて、演奏が終わった瞬間、私と(音楽の素養がある)店長が同時に「下手クソ!」と叫んだことがある。申し合わせたワケでなく、同時に、であった。「バッカスの饗宴」と言われる第4楽章のノリが悪く、素人でも下手だと解かる。小澤氏、性格的には難があるが、生み出す音は岩城氏と比べて圧倒的に差があった。

その演奏が終わった時、会場は割れんばかりの大拍手・・・、なんで??、である。日本人は優しいのと、情けないことに「高いチケットを買って聴きに来ているのだからアンコールを要求して元を取らなきゃ」と考えるからだろう。もし私が会場にいたなら、みんなが拍手していても「下手クソ!」と叫んでいたかも。

あれじゃ「バッカス(酒の神)の饗宴」なんかでなく、居酒屋で酔っぱらってグダを巻くオヤジの愚痴大会。

私は、小澤氏が人間国宝になっていないのが不思議。歌舞伎の大根役者が何人も人間国宝になっているのに・・・。歌舞伎は日本の伝統芸能で、クラシック音楽は西洋から伝わってきたものだから、かなあ。

ご冥福をお祈りしたい。88歳か・・・、私も(その歳まで)あと16年、いや、そんなに持たないだろうな。

posted by poohpapa at 06:45| Comment(2) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
欧米のオーケストラは、指揮者と団員の気分が乗るとすごいパワーを発して感動したものでしたが、日本のはどこのを聴いても何だか覚めていた感じがしていました。

なぜなのかと言うと、その原因は、「みんな真面目にやり過ぎる」という結論に達しました。

所詮は音楽であって、「プレイ」なんですから、遊んで欲しいですね。

音楽界の頂点に君臨した小澤さんの実力は当然評価すべきものでしたが、小生、個人的には岩城さんの方が好きでしたね。




Posted by ドイツのガイド at 2024年02月11日 13:53
ドイツのガイドさん、こんばんは

人柄で言ったら断然岩城さんのほうが親しみやすくていい、良かった、と思いますね。小澤氏はN響の楽団員から「アンタの指揮では演奏したくない」と総スカンを喰らったくらいですから。ただ、個人の人柄と音楽性は別のモノかも知れませんね。トスカニーニとフルトベングラーの違いみたいに。

音楽の遊び、ということでなら、欧米のピアニストなんかはアドリブを入れたりして遊び心がありますね。よほどの技量が無いと、そんなことはできませんよね。日本人でアドリブを入れるピアニスト、いましたでしょうかね。ジャズなんかだとアドリブができないとお話になりませんが。

人生でも音楽でも、遊び心は大切ですね。
Posted by poohpapa at 2024年02月11日 18:33
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