2007年11月15日

「カネ払い」考

「オチ」も何も無い話で恐縮ですが・・・(*^^)v

一昨日の記事の続編になります。

退去者が相当に傷めて出て行った貸家のリフォーム代金が368万以上になることは先の記事で書きましたが、後日談があります。

その家主さん、私に、こう仰いました。

リフォーム業者さんも、それだけの金額になると、完了してからの支払いでは大変だろうから、先に半分振り込んでおきましたから

半分、と言っても200万近い金額です。当たり前ながら、通常はそんな気遣いはして頂けません。それは業者も助かることでしょう。

「もう年末だし、業者さんも資金繰りに頭を痛めるだろうから」、とも仰っていて、それはもちろん「おカネが無ければ出来ないこと」ではありますが、有っても出来ることではありません。

しかも、その家主さんはご自身でも他にリフォーム業者のツテはありますが、私の顔を立ててくださって「自分の知り合いの業者を使ってくれ」とは仰らないし、「相見積もり」を取ろうともしません。

かつては風呂釜を交換する際に、私が「近所にあるJマートのほうが安いですから、そちらに依頼なさっては如何でしょう?」と、うちの業者を使わないようお勧めしたのに、「業者もソレで飯を食っているのだから、他所と比べて5万安いとか高いとか言って不義理をするものではない」と、高いのを承知でうちの業者に注文なさっています。

率直に言って、世の中1万でも千円でも不義理する人は多いです。

今回のリフォームも、家主さんの知り合いの業者に頼めば、もしかすると50万やそこいらは安かったかも知れません。

でも結局は「家主さんが得をする」んですね。業者は、その家主さんの注文には多少無理をしてでも応えようとするでしょうし、最優先にもするでしょう。

私は、常々「家賃は、カネが有るから払える、無いから払えない、というものでなく、有っても払ってこない者もいるし、無くても払ってくれる人もいる」、と思っていて、リフォーム代金も同じです。

何億もの資産があっても(あるから)、そういう「相手の事情」に思い至らない人はいるでしょう。でも「それで当たり前」ではありますが。


私が上京して最初に就職した眼鏡光学器卸会社の先代社長は、ふだんはメーカーに対して厳しい注文を突き付けていましたが、お盆や年末の前には、メーカーの営業から話がある前に「まとまったおカネ」を支払っていました。「社員にボーナスを出さなければならないんで、その時期が近づくとどこの会社も資金繰りは苦しくなるものだから」との理由で、だからその社長が何か頼み事をしたならメーカーの営業は絶対断らなかったのを覚えています。「常にユルユルでも常にうるさくても人は動かないもの」、と、その時に勉強しました。

って、そのあたりは過去ログにも書いていますが^_^;


ね、オチも何も無い話だったでしょ!?わーい(嬉しい顔)

posted by poohpapa at 06:14| Comment(10) | 家主さん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
スマートな方ですね。

こういう方は、自分がいくら苦しくても、払うべきものは期限通りきちんと払う方でしょうから、相手は非常に助かっていることでしょう。

皆が皆、こういう方たちばかりだと、どんなに気持ちよくビジネスができることか・・・。
Posted by occhan at 2007年11月15日 11:13
「あなたにお任せしますから」
そう言ってくれるオーナーの物件のほうが色んな面で状態が良い感じがします。
”補修費は次の入居者が決まった契約金で払う。”
そんな物件はなかなか決まりません(T〜T)

うちのオーナーにシャワーホースが破れたのでホームセンターで買って交換しても良いかと尋ねたら「私が見て替えると判断すれば替えます」と新幹線に乗ってそのために来られるオーナーもいます。
信用ないんかなぁ・・・

Posted by mallory at 2007年11月15日 11:36
悪徳さんの周りには、変な人(失礼)もいるけど、素敵な人も多くいらっしゃいますねー。

金持ち喧嘩せず

というのとはちょっと違うかも知れないですけど、こういうお金、というか気遣いできる人間になりたいなぁ。

お金はないけど。ふ・・・
Posted by 葉山猫 at 2007年11月15日 14:10
occhanさん、こんばんは

今日、リフォーム業者に電話すると、「そのうちの100万は、もう材料の仕入れで出て行っちゃったよ」、と笑ってました。かなり助かったんだと思いますね。

ご夫婦そろって、というか息子さんもそうなんですけど、非常に物分かりが良くていらっしゃいます。とても助かってます。

ハイ、気持ちよくビジネス出来ます(*^^)v
Posted by poohpapa at 2007年11月15日 18:39
malloryさん、こんばんは

そうですね、「任せる」と言って頂いて本当に任せてくださると、こちらも仕事がしやすいですね。家主さんの腹を探らなくていいので、その分仕事が捗ります。

<<「補修費は次の入居者が決まった契約金で払う」

以前、そういう家主さんがいて、管理を辞退しました。

新幹線に乗ってそのために来られるオーナーさん・・・、malloryさんを信用してないんじゃなくて、何でも自分で判断しないと収まらない性分の方だと思うのですよ。私の周りにもいます。

任しちゃったほうがいいんですけどね、ホント(*^^)v
Posted by poohpapa at 2007年11月15日 18:46
葉山猫さん、こんばんは

金持ち喧嘩せず、というのは確かにありますね。

こちらの家主さんは、私に任せながら「高見の見物」をなさる茶目っ気もお有りなんですよ〜。奥様も可愛い性格でいらっしゃって(*^_^*)

そっか・・・、私の周りは「人材ならぬ人間の宝庫」だったんだ(*^^)v



Posted by poohpapa at 2007年11月15日 19:47
私も自営業をしていて これはよく思うことです。
1円でも安けりゃいい。という考えのお客さんもいます。
かとおもうと、値段ではなくお付き合いをしてくださっているお客さんもいます。
受ける側とすれば このお客さんには絶対誠心誠意信用に応えようと自然となります。
他のお客さんに手を抜くと言うことではありません。でも そういうものですよね。
お金ではない大切なものをご存知なんだと思います。
Posted by urara at 2007年12月02日 12:29
uraraさん、こんにちは

仰っていらっしゃること、全てよく解かります。その通り、ですね。

結局は不義理をなさらない方のほうが得をするもの、と思います。僅かな金銭で不義理をすれば、自分で世の中を狭くすることになりますし、後々自分に返ってきます。それが解からずに簡単に不義理する人のなんと多いことか・・・。

それは、合理性とかビジネス以前の問題ですね。昨日も、即入物件の日割り発生を1月の中旬からにしてくれないか、家賃を交渉してくれないか、設備を家主負担で変えてくれないか、と一方的に要求してくるお客さんがいて、「交渉事は一つだけにしてくれ」と言って、後は断ってしまいました。いくら借り手市場といっても、相手のあることです。自分が得することだけしか考えない人では審査を通したくなくなります。

日割り発生・・・、競りじゃあるまいし「一日単位の交渉」でした。

世の中、世知辛いですが、こういう家主さんに接するとホッとします。

Posted by poohpapa at 2007年12月02日 13:56
この時期に1月中旬からの家賃発生ぃ〜!?
(←反応するとこソコかよ^^;)
きっと今のところの解約通知の都合でしょうね。

なるだけ安く借りたいお客さんと、高く貸したい家主さん・・・その間にいる私たち不動産屋って、とっても人間臭い仕事なもんですよね〜。(事務的にサクサクこなせればどれだけ楽かと思う)

結構私は大雑把な性格なもんで、そういうワガママっていうかみみっちいっていうかそのくせ細かいし相手のこと考えてないっていうお客さんって・・・ムキー!!
。。。最近疲れてるかも、わたくし。(恥)

でもオカネに関して渋すぎる人がこのごろ多い中、金払いのちゃんとしている家主さんのように、「通常の事務的に求められること」以上のことをしてくれる人に会うと、頭が下がりますね。

うちのある大家さんは、自分が半額負担する畳・襖代を、“入居が決まったら発注するから”という理由で今支払いはしないとのこと。こちらは借主さんから預かったあと半分の畳襖代のみ。。。
ええのんか〜?
Posted by にゃんマニア at 2007年12月03日 10:33
にゃんマニアさん、おはようございます

一つ↑の私のコメントへのコメントに対する返信になります^_^;

解約通知の都合もあるでしょうけど、だとしたら「1ヶ月前」であって、申込者の要望は「1月20日からの日割り発生」でした。さすがに、それは客付け業者が「無理」であると諭したようですが、それでも1月1日からでなく数日欠けます。ねちっこい客でした。

私は思うのですよ、「親はどんな育て方をしたのだろう・・・」って。親も似たようなもの、なんでしょうが。

他にも、契約は郵送で、と言われましたが断りました。地方の人でなく、近所に住んでいます。本人が来て契約するのが当たり前です。きっと入居後も苦労させられるんだろうな、と今から憂鬱です。長く空いてる部屋でなければ審査を通さなかったのですが・・・。

不動産屋の仕事は「仲介」でなく「調整」「仲裁」だと日頃から考えていて、こういう「理不尽な客」と「家主さん」、「理解力あるお客さん」と「融通の利かない大家さん」との間で落とし処を探るのも仕事のうちですが、時々嫌になります。

我々の仕事は人の心の裏側や本質を知ることが出来る職業でもありますね。

お互い頑張りましょう(*^^)v
Posted by poohpapa at 2007年12月04日 05:57
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