朝早く、携帯が鳴った。相手は結構年配の知らない男で、番号表示から察すると中部地方から掛けてきているようだった。
「すみませんが、そちらに○○さんて方いらっしゃいますか?」
(いらっしゃいますか?って、俺まだ家で、これから朝飯だよ!)
「○○は当社の社長ですが・・・」
「あ、わたくし、5〜6年前にたいそう○○さんにお世話になった者ですが、○○さんの連絡先を知りたいのですが」
(フフン!俺も昨日勉強したんだよ、個人情報だよ個人情報!)
「ああ、それでしたら、私から社長に連絡を取って、社長から掛けさせますので貴方様のお名前とご連絡先をお教えください」
てな訳で、名前と電話番号を聞いて社長に電話すると・・・、
「え〜っと、○○さんねえ、う〜ん、誰だろ・・・」
「5〜6年前に大変お世話になった、って言ってましたよ」
「ああ、それなら私より2歳ばかり年上で慶応出た○○さんだろな。お世話なんかしてないけど、なんで今頃用があるんだろ・・・???
まさか、カネ貸してくれ、ってんじゃないだろうなあ(笑)」
「大変お世話になりました、って言ってるのに、その上『カネ貸して』は無いでしょうよ」
「まあ、とにかく電話してみるか」
とのことで、会社に出てから改めて社長に電話すると、
「ああ、思ったとおり○○さんだったよ。カネの話は出なかったなあ。なんでも、今度上京するから会いませんか、って言うんだよ」、とホッとした様子。だが安心するのはまだ早い。社長には前科がある。だいいち、電話じゃ断られるから直接会って、ということもある。
過去ログにもあるが、社長は以前、連帯保証人を引き受けて本人に逃げられた挙句、今も返済を続けている。その逃げた知人が臆面も無く社長に借金を申し入れてきて、ナンとまた100万も貸しているのだ。しかも、自分が今も返済を続けていることを告げずに、である。
私はしっかり釘を刺しておいた。「カネのこと頼まれても絶対にOKしちゃダメですよ」、と。効果が無いのは充分承知しているのだが(爆)