先だって店仕舞いした回転寿司「大漁丸」さんの店舗の次の募集広告が入ってきた。
同じ敷地内にあるドラッグストアと共同使用する駐車場代金も込みで月141万ちょっとの賃料だった。「大漁丸」さんは一皿130円だから、仮に原価が全くのタダだったとしても11000皿を販売して「やっと家賃が払える」計算だ。それに仕入れ原価、設備投資、人件費、光熱費、広告宣伝費などの運転資金を加味して考えると、単純に計算しても月に3万皿は売らないと採算が合わないことになる。
月に3万皿、ということは1日千皿で、ネタが大きいこともあって、お客さんが平均して食べる量は8皿〜10皿くらいだから、1日あたりでは100人〜120人の客数が必要だったであろう。
大漁丸さんの場合、普通の飲食業と違って原価率も高かったと思われるので、お皿の数で採算分岐点を考えれば月3万皿では足りず4万皿くらいだったかも知れない。いつ行っても3つのレーンのうち1レーンしか稼動していなかったので、「これではキツイだろうな」と心配していたのだが、家賃を知って改めて「なるほど」と思った。
もちろん、新たに出店する際には現地調査とか市場調査は充分なされていた、とは思うが、どこかに見込み違いがあったのだろう。
ではあるのだが、借りる側だけでなく、その店舗の大家さんも、よくよく考えなければならないもの、と思った。
と言うのも、大漁丸さんの前はレッドロブスターで、その前は別の回転寿司で、いずれも開店後、短期間で店仕舞いしている。となると、近隣から「あそこは何が出ても長くもたないね」とか「鬼門かもね」という評判が立ってしまうものだ。大手企業なら詳細に調査して判断するのだろうからそういう風評など関係ない、と言えなくもないが、地元の人間からしてみると、「そこに出店した」=「美味しくないかも」=「きっとまた直ぐ潰れる」などと思われかねない。
あれほどネタが良くて美味しく、そして安かった大漁丸さんでさえ僅か半年で撤退してしまっているのだ。その場所に出店するには「かなりの勇気」が必要になるし、企業が敬遠してしまう理由にもなる。
私が大家なら、その時点では手遅れだったとしても、店子から店仕舞いの話があったなら、状況を詳しく聞いて、諸条件(賃料の値下げ、支払い猶予など)の相談とかに先ず乗ったと思う。今の時代、土地があれば不労所得が入ってくる、なんて単純な話にはならない。店子任せで地代や家賃収入が毎月入ってくるなら「そんな楽な話」は無い。
約束は守るのが当たり前だが、相手に合わせる余裕もまた必要だ。
現に、私の事務所の大家さんは、私の独立に際し、今までの家賃9万を一気に7万まで下げてくださった。二桁違う話ではあるが・・・。
だいいち、大家側からすれば、建物の減価償却も既にほとんど終えていると思われる。長い目で見たなら「続けてもらえる利点」の方が遥かに大きいものだろう。長い空き家期間も発生してしまうのだし。
ただし・・・、
これは店舗だけでなくアパートについても言える話ではあるが「そのまま当て嵌らない部分」もある。混同はしないようお願いしたい。
さて、大漁丸さんだった店舗の前は今もよく通るのだが、まだ看板もそのままになっていて、見る度に寂しい思いがこみ上げてくる。
感じが良かった従業員の方たち、今頃どうしているのだろう・・・。
秋でもないのに、何か感傷的になってる自分がいる。
経営者としては味や価格で勝負だって思うんだろうけど、大抵は・・・
昔バイトしていた商業ビル内のファストフード店も一年持たずに消えました。その後何店か入りましたが、現在はお客さんの飲食スペースとして解放しています。下りエスカレーターの目の前で場所的には最高なのですが・・・(その周辺にある店舗は結構長く営業しています。)
鬼門って言うのは確かにあるのかも。風水の出来る不動産屋ってのも良いかも知れませんよ。(笑)
最初の二回は市場(個人商店が集まって出来たスーパーだと思って下さい)で、次にリフォーム業者。
いずれも一年程度で撤退しています。(ここは売るなら平地で1億ちょっととか!)
その目の前にあった大手コンビニも撤退して、店舗と住宅で1億4千万で売りに出てたりして。
バス停から降りてすぐの立地の良さで競合他店もないのに不思議でなりません。
無駄に高いのは、ブランド住宅地なんで(笑)
返信、少々お待ちくださいませ。遅くとも明日の朝には返信させて頂きますね。今日はこれからあちこち飛び回りますので^_^;
不思議ですよね、おやぢさんが仰るように、誰が見ても「良い場所」と思える場所であって、どんな業種や企業が出店しても「長続きしない店舗」ってものがありますよね。
うちの田舎(半田市)の名鉄「知多半田」駅前のメインストリートの駅徒歩2分の店舗が地元では「鬼門」と言われていて、何が出ても直ぐ店仕舞いしてました。
そうすると地元の人は、内容に関係なく「鬼門と言われている場所に出店した店」は使わなくなります。悪循環なんですね。
大漁丸さんが「鬼門」で消えた、とは思いませんが、出店する際には交通量とか人口密度とか、そういう現実的な数字だけでなく、地元の噂、なんてのも気にしたほうがいいかも知れませんね。
あ、私は「風水」は・・・、信じません(*^^)v
どんな町にも必ず「鬼門」と呼ばれる場所があるものですね。
たぶん、鬼門と言われる店舗とか場所には、そんな抽象的な話でなく「これだから客が集まらない」「客が入りにくい」という具体的な根拠があるものなんでしょうね。
それが解明されれば「打つ手」はあるもので、未来永劫「鬼門のまま」なんてこともないんでしょうけど。
それにしても・・・、
なんだ空ママさん・・・、いいとこに住んでるんですね〜(*^^)v
田園調布、松涛、成城学園、二子玉川・・・、どこだろ??(爆)