2008年04月08日

初めて聞いたキャンセル理由

都下郊外の2DKの物件に中年の独身女性から申し込みが入った。

値下げ交渉も入り、家主さんに2千円下げて頂き、明日は契約、という前日の午後になって客付業者からドタキャンの連絡があった。

当社の場合、申し込みが入っても、キャンセルしてくる可能性があるのと日焼けを防ぐ為とで、いつもは契約が完了して入居する直前までの間に畳の表替えを行っていたが、その客は契約後すぐ荷物を入れるとのことだったから、畳の表替えは契約の数日前に済ませていた。それでいて前日に、管理会社のほうから連絡してのキャンセルである。自分から連絡してきたのではない。そのまま待っていたならすっぽかされたワケで、もちろん、既に契約書類の準備も整えてあった。

キャンセル自体は仕方ない。この仕事には付き物だし。だが、その女が客付業者の担当者に言ったキャンセル理由が気に入らない。

私は申し込んだ覚えがない

どこぞの政治家じゃあるまいし、自分で申込書を記入しておきながら「記憶にございません」はないだろう。客付業者からはFAXで免許証のコピーも送られてきている。知らぬ間に、とでも言うのか。

精算書も保証承諾書も渡してある。ボケるような歳でもない。

申し込みから契約日まで10日間も物件を止めていて、その間、他の業者さんからの問い合わせにも「決まりました」と断っていたから当社はともかく家主さんに対しては止めていた期間の日割り賃料くらい払ってもらいたいものだが、ま、請求しても誠実に対応してくれることはないだろう。法的には「その客が日割り賃料を支払う義務はない」が道義的には「払うべき」である。無責任な客を法で保護する必要はない。このケースでは「保護すべきは家主さん」であろう。

そんなんで通るなら、家主さんも不動産屋も堪ったものではない。

客付業者にも文句の一つも言いたいところだが、次は私が逆の立場にならないとも限らないから、あまり強くは言えないのが辛い。


過去には、今回のケースと真逆のお客さんもいた。

私は、うちのや息子ともども友人にも声を掛けて10年以上も同じ床屋さんに行っている。それは、こんなことがあったから、である。

国立駅北口の貸店舗に、独立開業する床屋さんが申し込みを入れてきた。諸般の事情で契約は1ヶ月先になったが、私はそのお客さんを信用して「先に契約金を振り込ませることなく」待っていた。

契約直前になって、のっぴきならない事情が出来て、独立は延期、申し込みはキャンセルになった。それで、「家主さんは他からの問い合わせを断って1ヶ月お待ちしてたので、うちは結構ですから、家主さんには1ヶ月分の日割り家賃を払ってやって頂けないか」、と頼むと快く支払ってくれた。後にも先にも、キャンセルしてきた人が補償してくれたのは「その一回だけ」「たった一人だけ」である。

その時のお客さんが、その後、立川の南口で開店して以来、私は一度も浮気せず通い続けているし、新人さんが入ると練習台になったりもしている。当初「せめて、あの時の10万円分は還元しなければ」と思っていたが、この先も他の床屋さんに行くことはないと思う。


さて、私と全く接点がない人のキャンセルなら「どうってことはないもの」だろうが、どうかすると、直ぐ近くの店の従業員が何の連絡もなくキャンセルすることがある。自分も店の看板を背負っている、との意識を持たない従業員を雇用していたなら利益にならない。少なくとも、顔を合わせたくないから私はその店には決して行かない。

もっと言うなら、私は年老いても絶対に「そのオバサンが勤めている老人ホームのお世話にはならない」、と決めた(文句あるか!)

何度も言っていることであるが・・・、世の中、

不義理をすれば、一時は得しても長い目で見れば得をすることはないし、結局は、不義理をしない人が得をするように出来ている

だいいち友だちは出来ないし、出来たとしてもすぐ離れていくに違いない。その健忘症のオバサン、きっと寂しい人生を送るんだろう。



posted by poohpapa at 06:30| Comment(7) | 嫌な客 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ゲーム理論で「囚人のジレンマ」について語られるとき、アクセルロッドの「tit for tat」の話が良く出てきますが、まさにそれですね。
簡単に言うと、しっぺ返しとお返しの論理がもっとも強い、って話です。目には目を、歯には歯を、厚情には厚情を返していくのがもっとも成功するというやつです。
ええと、詳しくはウィキペディアの囚人のジレンマの項を見てください。
Posted by びくやま at 2008年04月08日 10:08
昔は賃貸でも手付け預かって契約の履行に着手してからのキャンセルは手付け没収できてましたが、今は全額返還とのお達しがあってますものね。。。。
「やーめた!」って言えば何も保護されないやりにくい世の中です。
Posted by mallory at 2008年04月08日 13:15
私は手付金を返金しないという形でキャンセル料をいただいた事は何度もあります。

それより、今回の記事を読んでいて思い出したお客さんがいました。

その夫婦は他の不動産屋で物件を決めた帰りに当社に寄ってさらに物件を求め当社管理の物件にすると言ったんです。

「他で申込みをしてるならソッチでキャンセル料が発生するからよく考えて」と伝えたら


(´∀`)<「そんなの払わない。払いたくない」


って言われたので私も

道理の通らないお客さんを入居させるつもりは無いからと断りました。

不動産屋をなんだと思ってるんだと憤慨したことを思い出しました・・・・
Posted by はなくろ at 2008年04月08日 14:39
親方、おはようございます

「囚人のジレンマ」、ウィキペディアで読みました。聞いたことはあっても詳しくは知りませんでした。実に面白い理論ですね。スンナリ納得いきます。

と言いますのも、かつて逮捕された経験の有る友人から、似たような話を聞いてまして。彼によれば・・・、

一つの事件で複数の犯人がいて、そのうちの一人を逮捕したなら口を割らせるのは簡単なんだとか。取調官が、「今頃、お前の共犯者は自分だけが盗んだ金で楽しんでるぞ。このままだと、お前が出た頃には全部使われてしまってるさ」とか、「共犯者の居場所を白状すれば、お前のオツトメは短くなる」とか言われると、たいていはアッサリ白状するものだとか。

ふんふん、と頷きながら読んでました。

それにしても親方、いろんなこと知ってますね(*^^)v
Posted by poohpapa at 2008年04月09日 07:38
malloryさん、おはようございます

おかしいですよね。たしかに、昔は不動産屋や家主さんがアコギなことをしていたかも知れませんし、今も敷金清算のトラブルは後を絶ちませんが、入居(退去)者に問題があるケースも多々あります。

どちらか一方の権利だけを重く見て保護する、というのは不公平、不公正で、間違いですよね。少なくとも、手付けは預かれるようにして、一定期間、或いは契約準備着手後にキャンセルをしたなら没収するのが当たり前、だと思っています。
Posted by poohpapa at 2008年04月09日 08:15
はなくろさん、おはようございます

うちでも、そういうの、よくありますよ〜。

明らかに他社で申込みを済ませているのに「もっと良い物件がないか」と客が来店すること。

そんな客、うちで決めても同じことをされる可能性はあるワケで、親身になって部屋探しする気にはなれませんね。あちこちで申込みして物件を止めさせて、後でゆっくりどれかに決める・・・、

馬鹿野郎!、ですね。

自分さえ良ければ、という典型的な例で、そういう客はきっと退出時の敷金清算でも勝手なことばかり言うと思います。

はなくろさん、断って正解だったでしょう(*^^)v

Posted by poohpapa at 2008年04月09日 08:24
政治家の顔は変わりつつある?
Posted by 田舎暮らしファン at 2008年04月09日 18:52
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