2008年10月23日

地方の業者さんは辛そう

仲良くしている千葉の業者さんを訪問していて、たまたま物件案内に同行させて頂く機会を得た。お仲間さんの「案内」を拝見できる機会など滅多にないから、いい勉強になった。

といっても、たまたまランチを一緒にとっていたところに近々案内する予定だったお客さんと鉢合わせしたことで、ランチ後そのまま物件を見ることになったのだが、物件はそのレストランの2階でもあった。


(見たままをTVショッピング風に言うならば)

駅から徒歩でたった6分の近さ、2階で1DK、DK8畳、洋室8畳、いずれも若い人たちに人気のフローリング、BTはもちろん別、ACも付けちゃいます。さらに室内洗濯機置場まで付いて、収納もタップリ、至れり尽くせりで、まだあります、窓にはシャッターも付いていて、築10年ほどで新築同然の美室で日当たりも最高!(場内から歓声)

それでお家賃は、いくらだと思います?、皆さん!

社長が俯いて申し訳なさそうに小声で、

「今回は頑張っちゃいました。ギリギリのサービス価格、
4万6千円、4万6千円でご奉仕させて頂きます」
(ここで拍手と歓声が沸き通販会社の電話が一斉に鳴り始めるわーい(嬉しい顔)


まあ、そんな感じで、家賃を聞いた時には私のほうが驚いた。立川近辺で全く同じ条件の部屋を借りるなら当然8万近くはするだろう。

地方の不動産業者さんは辛いものがあるな、と感じた。

物件を案内したり契約を交わしたりする労力は変わらないのだから同じ手間が掛かるなら、地方より都内、それも都心で営業した方が稼げるのは間違いない。人件費の格差や事務所や駐車場の賃料等の経費を考慮しても、地方の業者さんは1件あたりの単価の安さを補うために数をこなさなければならないワケで、相当にキツイものがあるだろう。

聞いたところでは、2DKの貸家が5万以下で借りられるし、単身者向けの1ルームなら駅から徒歩10分以内で4万もしないし、3DKでも6万円台、とのこと。私が引っ越したくなったたらーっ(汗)

私の知り合いの新橋(東京)の業者さんは、駅前のニュー新橋ビル5Fに店を構えていて、管理物件は「0」、他社の物件に客付けするだけで経営が成り立っていたが、それも「客単価が高い」のと「見込み客の多さ」ゆえ、であろう。

都心の業者さんからは「冗談じゃない。なら皆都心で開業するハズで単純に比較するなよ」とのお叱りの声も聞こえてきそうだが、新宿あたりでお客さんを「使い捨て」にしてボロ儲けしている業者が蔓延っていられるのも「単価が高くて飛び込み客が多いから」だと思う。

都心か地方かというだけでなく、店が駅前にあるかどうかも大きい。えてして評判の良くない大手業者が生き残っているのは、資本力にモノ言わせて一等地に店舗を構えているからに他ならない。クチコミでの評判の悪さなど、地の利でお釣りがくる。逆に、地の利の悪さは多少クチコミでの評判が良くても追いつかない


地方の業者さんの苦労を垣間見させて頂いて、なんだか感慨深いものがあった。 

posted by poohpapa at 05:57| Comment(6) | TrackBack(0) | 同業者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
普通のサラリーマンでは都心には住めないでしょう。
当然、今時の会社は借り上げてくれないので・・・
ということで、客の回転も速くなるんですよね、きっと。
総武線や埼京線が混むわけですね。
Posted by ハリケーン at 2008年10月23日 10:32
poohpapaさん、こんにちは。

その物件・・・安っ!!!と口から出てしまいました。
同じ関東で東京都近辺でもこれが神奈川ならまた違うんでしょうね。
九州在住としてはその辺りの土地勘がよくわからないのですが、千葉だとJR京葉線になるからでしょうか???(TDLですね^^;駅の乗り口がとんでもなく遠いところだった記憶があります)

昔住んだ○分のマンションは、1DK(洋間)で日当たり悪くて結露とカビがすごい部屋。エレベーターはあったけど、収納は1畳半しかなく勿論雨戸やシャッターもなく共益費コミで家賃6万2千円でした。水道代は別で一律3千円。
主人の会社の近くで部屋を探す時間がなかったため仕方なかったんですが、3年住んで全然好きになれなかったです(土地も人も合わなかったのでしょう。いまだに・・・です^^;;;)。

千葉が地方なら、九州は未開の地でしょう(笑)。ですが、主人の実家もアパートを経営してますけど、その物件をその金額では多分出せないと思います。
その不動産屋さん、大変でしょうね。
空き状態が続くと大家さんも困るし、不動産屋さんも広告費がかかるし。
アパートやマンションで「空室あり」の看板を見ると、他人事じゃないという気持ちになりますよ、本当に。
Posted by らみ at 2008年10月23日 10:58
ハリケーンさん、おはようございます

15年くらい前は、会社が法人契約で家賃を全額補助している、なんて会社もありましたね。それが5割になり、2割になり、で、家賃を払えなくなった社員が退去していく、なんてことがよくありました。

都心でマンションが借りられるのは、一部の勝ち組企業の社員だけですね。それとても、いつまで住んでいられるか判りませんね。

埼京線、今は一番痴漢が多い路線だとか・・・(*^^)v

Posted by poohpapa at 2008年10月24日 06:02
らみさん、おはようございます

その時の千葉の業者さん、千葉から更に何駅か下りますが、それにしても安いですね。丸の内にでも充分通勤可能な場所なのに・・・。

賃料が安いのですから賃貸だけでは経営が成り立たないものでしょうが、幸い、立川なんかと違って売買物件もそこそこ出るようです。ま、上手く出来てますね、世の中は(*^^)v

でね、例えば、6万の家賃なら、青森とか岩手なら相当に立派な一軒家が借りられます。それこそ、東京都下近郊で借りたなら20万くらいする家が、ですね。

以前に婆ちゃんの葬儀で岩手に帰った際、実家の裏に貸家があって、家賃を聞いて「なんじゃそりゃ!?」でした(*^^)v

給料も東京より安いでしょうけど、どっちが暮らしやすいんだろ、と気になっています。富山県が毎年「暮らしやすい都道府県」の1位になってるくらいだから、便利さ、なんてものは暮らしやすさとあまり関係ないんでしょうかね〜。

少なくとも、給料や家賃(物価)だけでは決まらない、とは思いますね。

などと、つらつら考えてました(*^^)v

Posted by poohpapa at 2008年10月24日 06:25
私がよく訪問している秋田(だったかな?)の業者さんのブログも、契約している物件が2.5万円〜3万円が多いと言ってました。しかも寒冷地なら水道の凍結や雪かきなどのクレームもあるし、私もそれじゃ件数こなさないとやっていけないのでは、と思いました。

私の居る地域(横須賀)も、5〜7万の物件の問合わせはあっても、10万円以上の貸家・マンションには音沙汰なし・・・ってことが最近多くなってきました。
安い物件なほど不具合もあるし、入居希望者も“訳あり”だったりで、Poohpapaさんの言うように同じ労力がかかるのに売上は半分だと、
「もう、6万以下の予算の客はごめんだ〜!」
ってわめきたい気持ちに襲われます。
(←営業としてあるまじき発言とは分かっています^^;)
都心の、お客を「使い捨て」にする業者さんから見ると、私の地域の業者も「割りに合わない」って思われるのでしょうね。
Posted by えりっく at 2008年10月24日 11:06
えりっくさん、おはようございます

横須賀なんですね〜(*^^)v

私事ですが滅茶苦茶懐かしいです。と言いますのも、高校を卒業して最初に就職した眼鏡光学器卸の会社で、月に一度、横須賀の高台にあって港が見下ろせる文化会館みたいな建物で展示会が開かれてまして、いつか彼女を連れてきたい、と思ってましたので^_^;

展示会が長引いて、渋谷で彼女を30分も待たせてしまったことがあります。先輩が御徒町の会社に直行しないで渋谷で下ろしてくれたのを思い出します、って、関係ないですけど(滝汗)

やっと本題ですが、家賃相場が1/2、1/3だからといって給料も同じ比率で安くていい、なんてことにはなりませんから地方の経営者さんは大変だと思います。

都心で荒っぽい商売で慣れている営業マンは他とか地方では勤まらないでしょうね。今は、礼金の上乗せだけでなく、もっともらしい名目を付けて必要のない代金を請求する業者もありますが、そういうことも地方の業者さんならやらないものでしょう。

だから、「よくやっていけるもの」と感心するやら不思議に思うやら。

うちあたりでも10万を超える物件への問い合わせはガクンと減りますね。世の中、経済企画庁や日銀が言うほど楽観的ではありません。
この仕事をしていると肌で感じられます。

って、愚痴になっちゃいました、すみません。
Posted by poohpapa at 2008年10月25日 07:37
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