2008年05月13日

賃貸仲介管理業として放っておけないニュース

先日、ネットで、こんなニュースを見かけたが、賃貸の仲介と管理を生業としている身にとっては大問題な内容であった。

東京都が条例により、「都営住宅に身分を偽って入居していた暴力団員4人(4家族)を強制的に退去させた」、ということである。

遅きに失した感もあるが、そこまでなら「東京都、よく頑張った」と褒められるし、私が不動産屋でないなら「ざまあ見ろ!」で良いのだが、強制的に退去させられた暴力団員は、再び身分を偽って民間の賃貸アパートやマンションに入居する可能性が大、である。

まさかに組事務所で生活させてもらう訳にもいかないだろうから、それはもう当然に民間の賃貸に入るだろう。当社に来店したり、他社から申込みが入ってくる可能性も無いとは言えない。私も一度経験して大変な思いをしている。

暴力団は巧妙で、一般的には審査でハネられることがないよう内容を整えて申込みしてくるから、ほとんどの場合「入居後に初めて判る」ことになる。そうすると、その責任は基本的に管理会社が負うことになる。家主さんが入居審査をしていたとしても、である。もちろん、客付業者が責任を負ってくれることは絶対に無い。

東京都は一方で何万もの業者に宅建業免許を与えて監督する立場にあって、はたまた「強制立ち退き後に何が起こるか」承知していながら、「立ち退きさせたら都民への務めは果たした」で終わるのだから納得がいかない。ある程度の情報開示はしてもらいたいものだ。

暴力団に限らず、悪質な入居者の情報というものが「個人情報保護」の壁に阻まれて不動産会社間や家主とで共有できないでいる、ということは非常に不条理なことだと思う。

家賃を長期間払わずにいたり、トラブルを起こして追い出された人間を、別の家主や不動産会社が「そうとは知らず」入居させて新たに同じ苦労を背負わされることになるのは、どう考えても不合理だ。

給食費や保育料の未払いと同じで、拒絶することで「社会正義に反することをしていると貴方たちの居場所はありませんよ」と解からせることも必要ではないか。少なくとも給食費などの問題では「無くて払えない人」と「有っても払わない人」の区別くらいはすべきだ。


今回のケースはトランプの「ババ抜き」と似ていて、誰かが順繰りにババを引かされて、最後までババを抱えたら負けになるのだが、ババを他人に引かせて自分は逃げられたら勝ち、ではなく、社会からババを無くす努力をしなければ結局は全員負けになるんだと思う。

ずっと感じていたことだが、やはり我々の業界にもブラックリストは必要であろう。かつて全日不動産協会本部に行って提案したことがあるが、「個人情報というものがあるので無理です」と一蹴された。個人情報保護法というものは、法令やルールを守らない者まで一律に護るためにあるものではないのに「バカの一つ覚え」である。


これからしばらく、入居審査は一段と慎重に行う必要がありそうだ。
posted by poohpapa at 07:23| Comment(4) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こういった話題では、必ず「必要悪」とか不思議な単語で擁護するきもい人権屋とかいたりしますが、社会的には全く不要だけど存在をなくせないのは事実なので、国がどっかにひとまとめにしてくれるとありがたいのですけど。
あぁ、ひとつそういう場所があった。
たしか・・・刑務所。(爆)

理想は寄せ場人足。
Posted by ハリケーン at 2008年05月13日 09:03
はじめまして。北海道在住で現在マスコミなどで話題に良く話題にのぼる(色々理不尽にたたかれている)”絶滅危惧種”を仕事にしている♂です。寝る前に先日本屋で購入した”悪徳不動産屋の独り言”を読み始めたところやめられなくなってしまい読みきって、HPをはじめてみてたところです。とても面白い本で楽しかったです。対人関係のやり取りとしては非常に共感できるものでした。私の仕事も対人間の仕事でいろんな人間を見ますがどこも大変なんだなーと思います。最近などはあきれるお客がかなりいますが、その中で数は少ないですが本当に自分のやった仕事をきちんと評価というか感謝されるととてもうれしくなります。そういう人がいるから何とか仕事も続けられます。本はpoohpapaさんの人柄がうかがえるとてもいい本でした。今日はこんな時間になってしまいましたが、明日またHPをゆっくり拝見させていただこうと思います。

日記の内容とは関係ありませんが書き込んでしまいました
Posted by ぎね at 2008年05月14日 02:10
ハリケーンさん、おはようございます

本当に、必要悪なんかじゃないですね。私も、友人や同級生に関係者がいますので、あまり大きな声では言えませんが^_^;

これ絶対に、身分を偽ってどこかの賃貸住宅に入るハズなんですよ。
そのままホームレスになる、なんてことは有り得ませんから。

あ、もしかすると・・・、

「ホームレス暴力団員」なんて本を出したりして(*^^)v
Posted by poohpapa at 2008年05月14日 07:43
ぎねさん、おはようございます

そして、私の本、お買い上げ有り難うございます。

昨年、新聞記事で私の本を知り、購入してくださって読まれた老姉妹が、「是非とも部屋探しを頼みたい」と出版社を通じて連絡くださいまして、ご依頼を受け、とても良い条件でお部屋を紹介させて頂きました。

家主さんも凄く理解がある方でして、私からの相談を受けて、アッサリ1万値下げしてくださいまして、それだけでも2年で24万のお得、たぶん一生入居していらっしゃるでしょうから、生涯では100万以上も得をして頂くことになりますね。

その老姉妹は、直ぐに行動を起こしたところが偉い、と思いました。

あ、けっして、「ぎねさんも、お部屋探しをする際は・・・」、ということではありませからね(爆)

読んで頂いて、喜んでくださったり何か役に立ってくれたなら、書き手としてそれほど嬉しいことはありません。

これも何かのご縁ですので、賃貸トラブル等で相談事がありましたら何なりとお声を掛けてくださいね。

ところで、過去ログをお読みくださるなら、最初からのほうが宜しいかと存じます。自分でも、昔の記事のほうが新鮮で面白かったかなあ・・・と思っております^_^;

身分を半分は明かしていますので、不都合があって非公開に切り替えてしまった記事も多々ありますが、お楽しみ頂けたら嬉しいです。

コメントも、本当に有り難うございます。
Posted by poohpapa at 2008年05月14日 08:09
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