2018年02月17日

生活保護の敷金清算

ずっと以前から不思議に思っていたことがある。

生活保護で部屋を借りていた入居者が退去する際、どうして(クリーニング代等を差し引いた)敷金の差額を市に返還させないのか、ということ。市に問い合わせると、「本人に返してください」と言うのだ。

元々は税金で、敷金は家賃滞納などの際に(退去時に)充当されるもの。何事も無ければ、今年からはクリーニング代も差し引かれず敷金は全額返金されることになる。クリーニング代を引かれても半分くらいは戻す分がある。敷金1ヶ月だとすると、生活保護受給者の家賃の上限で推察するとだいたい3万くらいは返金されると思う。いったんは生活保護受給者に戻させて翌月分の保護費から(その分を)差し引く、というなら解かるのだが、市の担当者は「それはしません」とのこと。なんで??、である。

市の財政課長にも「市に戻させるようにしてはどうか」と数年前に提案したが、「なるほど、そうですね」と言っていながら何も変わっていない。所詮は税金、自分の懐が痛むワケではないからか。財政が緊迫している、と言っていながら、面倒なことはしたがらない。

これは立川市の話であって、他の市ではどうなのかは不明。念のために隣の市に問い合わせたら立川市と同じ対応だった。立川市は生活保護受給者が年々増え続けていて4年前の時点で5100人(世帯数ではない)、とのことだったから、今はもっと多いと思われる。3000世帯として、年間に、そのうちの2%くらいが何らかの事情で退去や転居をしたとすると、返還されるハズの敷金の総額は概ね200万ほど。

市の年間予算からすれば微々たるものであっても、そういうことの積み重ねでしか財政の健全化は図れないものではないか。民間企業と違って「ヒット商品で一発当てる」なんてことは出来ないのだから。

個別で考えたら面倒な話でも、「敷金の返還分は市に戻す」という規定にすれば何も面倒は無いだろう。それすらしようとしない市の職員のコスト意識の低さには呆れる。本人に戻される敷金は一時所得になる。真面目に「元々は皆さんの税金なんだから大切に使わせて頂こう」と考える人のほうが圧倒的に少なくて、パチンコ屋や競輪で使って消えてしまう、なんてことのほうが多いのではないか。

うちの生活保護受給者である入居者の中には、生活費を切り詰めてコツコツ貯めて、一定の金額になると、それを福祉団体に寄付している人もいるが、そんなのは極めて稀なケース。10年に1回あるかどうかの余禄として大目に見てもいいのでは、とも思うが、市の職員の姿勢としては如何なものか。

典型的な地方公務員である立川市の職員の体質は1000年経っても変わらないことだろう。

posted by poohpapa at 05:44| Comment(2) | 不動産業界(全般) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月24日

at home の機関紙「TIME」より、気になった記事

不動産の広告媒体である at home 社の機関紙「TIME」に、気になった記事があった。

ある判例を紹介していて、それは退去時の敷金清算に関する裁判の判決に関するもの。

「特約があったとしても、それが通常の損耗にとどまる限りは、クリーニング特約に基づく費用を賃借人の負担とすることはできないとされた事例」、という内容。

ほとんどの業者が東京都の賃貸住宅紛争防止条例に従っていて、「敷金は原則お返しするもの」というスタンスだが、退去時に専門のクリーニング業者を入れて、その費用を入居者の敷金から差し引いて残りを返す、ということは認められている。入居者のほうも、荷物を積み込んだトラックが出て行っているのに部屋に残って掃除をするなんてことはしたくないものだし、貸主と借主の利害が一致していて極めて妥当な話だと思う。当社は契約時に「退去時は一切の掃除をしないでください」とお願いしている。

と言うのも、素人が掃除しても、そのまま次の入居者に貸す、なんてことは出来ない相談。どのみちプロにやり直してもらうことになるから不合理。以前は「自分の知り合いの業者に依頼させてくれ」と言われて任せたらヒドイ仕上がりで、結局当方の指定業者で改めてクリーニングすることになった。入居者からしてみれば「少しでも浮かそう」ということだったんだろうけどダブルで支払うことになった。

中には、貸した時よりキレイな引っ越し、というのもあった。ただし、28年間の賃貸不動産管理歴の中で2件のみ。つまり、10年に1件もないということ。いずれのケースも、貸した時よりキレイなくらいだったのだが、家主が「敷金からクリーニング代を引いてくれ。壁紙も畳も襖も入居者に請求してくれ」と言って聞かず、説得しようにも応じなかったので当社は管理を降りている。

冒頭の訴訟、入居者は敷金の全額返還と慰謝料も請求していて、慰謝料に関しては「理由が無い」ということで却下されているが、「クリーニング費用に関しては特約があっても通常の損耗であるなら差し引くべきではない」という判決。入居者は7ヶ月しか入っていなかったようだが、期間が短いからこそ逆に借主負担でいいように思う。それより、入居者がなんでこんな裁判を起こしたのかが解からない。弁護士も付けているだろうから、戻ってくることになる21000円より訴訟費用のほうが大きいだろうし。

東京都の賃貸住宅紛争防止条例では、但し書きで「予め、貸主と借主の合意があれば、その合意内容に従ってもらってかまわない」となっていて、東京地裁の判決は都条例を無視している。まあ、「予めの合意があれば(借主にとって不利な特約でも)それに従って良い」なんてことで良いワケないけど。

東京地裁はたまにおかしな判決を出すようで、我々管理会社は契約時の説明をしっかりしておかないと後々困ることになるだろう。今回のケースでは家主が自分で掃除していたとのことで、もし業者に依頼していたなら判決も違っていたかも、と思う。アパート経営は傍から見るよりたいへんで、「何もしないで黙っていても箱だけ作っておけばカネが入ってくる」というものではない。投資額も半端ではないし、一部屋退去したなら数十万のリフォーム代が掛かるし、定期的に(およそ10年ごとに)外装のリフォームもしなければならない。にも拘らず、裁判所は「家主 = 資産家」「借主 = 弱者」と決めつけている。

我々不動産会社(管理会社)は貸主借主の双方の利益を護るべく公平な判断をしなければならないもので、実はそれがとても難しい。言葉を選んで慎重に話しても伝わらないこと、理解して頂けないこともある。カネが絡めば尚更である。引越しの立ち会いと精算は手数料を頂きたい、と本音では思っている。

posted by poohpapa at 07:09| Comment(7) | 不動産業界(全般) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月20日

昨日は、「賃貸不動産経営管理士」試験の日

ちょうど昨年の今日、私も受験した「賃貸不動産経営管理士」の今年の試験が昨日行われた。

年々受験者が増加していて、役人の天下り先として協会はホクホクだと思われる。その中で協会のHPに気になった記載があった。試験に先立って、夏ごろ2日間の講習があって、受講すると本試験で4問免除になるのだが、「本試験の合格率14%UP」(昨年度)とあった。てことは、講習を受けて4問免除になっていても受からなかった人がけっこういる、ということか。合格率53%なのに・・・。

宅建試験も5問免除の制度があって、受験者の多くがボーダーラインのあたりにいるからその5問は大きいのだが、「賃貸不動産経営管理士」の試験は仕組みがちょっと違っていて、出された問題のうち指定された4問は解かなくていい、というもの。免除してくれなくても答えが解かっていたりした場合には恩恵が無い。だから「本試験の合格率14%UP」という低い数字になってしまうんだろう。

受講料17820円だし、二日間も拘束されるし、受講なんかしないで直接受けたほうがいいと思う。協会は喜ばないだろうけど、これほど「恩恵が無い」制度も珍しい。



posted by poohpapa at 13:01| Comment(0) | 不動産業界(全般) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月15日

世の家主さんに知っておいて頂きたいこと

当社の家主さんには今でこそ少なくなった(いないワケではない)が、こういう家主さんは多いと思う。とても為になる記事があったので紹介したい。

アパート経営に失敗する人に共通する5つの理由

記事の中で詳しく述べられているが、以下は見出しだけ抜き出したもの。

1. アパートがあれば自然と収入が入ると考えてしまう
2. 表面利回りばかりを重視する
3. 「土地勘のない」エリアのアパートを購入してしまう
4. アパート管理をおろそかにしてしまう
5. 「赤字でも節税に役立つ」という意識でアパート経営する

私としては、

6. 管理会社の気持ちや立場など何も考えずに勝手なことばかり言う
7. 管理さえ任せれば、何でも不動産屋がタダでやってくれて当然、と考える
8. アパート経営で収益をあげようとする人

というのを付け加えたいくらい、ではある。なお、8 は、AK さんによる追加で、私も納得。


同じ敷地内に住んでいても、窓開けなんかも一切しない家主さんもいる。近所まで行った時に空気を入れ替えようとして玄関ドアを開けたら、ドアポストから投入されたDMが山積みになっていたことで家主さんが「何も様子を見ていない」と判ったりする。それだと何度案内しても決まらない。申し訳ないが、管理料を頂いていないから、それは家主さんがすべきこと。「オタクに管理を任せているんだから、やってくれて当然」というのは管理料を払っている場合。うちの親父なら「そういうのを気持ちよくやってやるのが商売というものだよ」と言うだろうけど、私はそこまでは人間が出来てない。ただし、別のところ、入居者がなるだけ出て行ってしまわないよう何かと便宜を図ったりすることでは貢献している。そういうのはいちいち家主さんには伝えないが、ちゃんと解かっていてくださる家主さんもいる。

話がさらに脱線するが、私が入居者の側に立って何かと便宜を図ったりすることが(家主さんの知らないところで)家主さんの役に立っている、利益に繋がっている、ということはよくあるが、家主さんの側に立って、つまり、家主さんの事情を優先して仲介することがお客さんの為になる、なんてことは無い


このブログでずっと以前に記事にしているが、

今は当社の管理物件ではないが、うちも以前、建ってから20年以上も経っているのに一度も外装のリフォームをしていないアパートの家主(敬称は付けない)に「外壁がヒビ割れしているので、見た目も悪くなってきています。これだとお客さんを案内しても第一印象で断られてしまいます。そろそろ外装のリフォームをご検討頂けませんか?」とお願いしたら、「そうは言ってもね〜え、空室があったんじゃ私もおカネがないし」と拒否されたことがある。それはそうかも知れないけど、それだと悪循環になる。

20万ちょっとのリフォーム(退去時の原状回復)代も1年間も払ってくれず、業者から相談を受けたので家主に電話すると、やはり「空室が決まらないからカネが無いから・・・」との返事。無いワケがないのだが、仕方ないので私が立て替えて業者に支払い、家主の了解を取って毎月の管理家賃から分割で差し引いて回収したことがある。私がそこまでしたのは、それは家主だけでなく当社の信用問題でもあるし、私が責任を取らなければ他の家主さんにも迷惑を及ぼすことにもなりかねないから。何か急ぎの仕事が発生した際に、うちの仕事を最優先してもらえるように気を遣っているのだ。

「当社で立替えて・・・」と言われたら、たいていは「そこまでして頂いたら申し訳ないので何とか工面します。すみませんでした」になるもの。その家主は「そ〜お、じゃお願いしようかしら」であった。

こちらが何も言わなくても解かっていてくださる家主さんもいらっしゃれば、言っても理解しようとしない家主もいる。「理解しない」「気付かない」ほうが自分にとっては都合が良いからだ。家主たる資質はゼロである。

そのアパートは今は玉川上水のK商事で管理しているが、実に汚い手口で横取りされた。簡単に言えば、うちを貶めて家主に取り入ったのだが、まだ当社で管理しているのに(地元で顔見知りだった)家主に「今時、キレイにしないと客は付かないよ。オタクの管理会社、そんなこともアドバイスしてくれないの?。安い業者を紹介してあげるから」と勧めて、管理会社である当社の知らないところで工事をさせていたし、その前には家主に「え?、オタクのアパート空いてたの?、オタクの広告なんか見たことないから知らなかったよ」と家主に言い、私への不信感を植え付けていた。広告はちゃんと定期的に打っていたし、K商事も見ているハズ。それでそういうことを言い放つ・・・、先代は立川支部の支部長まで務めていたが二代目は仁義もへったくれも無い。もちろん、そんなことができるんだから人間性なども知れている。

それやこれやで、家主から「長い間お世話になりましたけど、近所の業者さんのほうが何かと便利なので、これからはK商事さんにお願いすることにしましたから」との連絡があった。うちも同じ市内の業者で、アパートでストーカー騒ぎがあった時には真夜中に見回りにも行っている。ま、本音は違うと思う。

家主の心理としては、たぶん今までの負の経緯を「無かったこと」にしたかったんだろう。それは解からないでもない。私が高校生の頃、うちの親父が近所の男性とすれ違った時、「今の男、戦争に行ってた時は俺の部下で、連帯責任になるところを何度も庇ったんだよ。でも今は俺の顔を見ても知らん顔しているだろ。人間、自分の昔の恥ずかしい部分や苦労していた時のことをよく知っている人間のことは忘れたいものだから仕方ないけどさ」と言われたことがある。今でもよく覚えている。

一緒に苦労した人間は二種類に分かれる。「ずっと忘れずに気に掛け合うことができる人」と「忘れようとする人」、である。知らん顔をされても赦せる(気にしないでいられる)相手と赦せない相手がいる。何をされても言われても全く気にならない相手もいる。そういう人間が周りに何人いるか、で人生の勝ち組と負け組が分かれる、とも言えるだろう。ちなみに、この夏一緒にクロアチアを旅した仲間、横浜のTさんは前者である。

そして、世の中には、昔の失敗談やドン底時代の苦労話を笑って話せる人と隠そうとする人がいる、ということもよく解かる。私は、前者とは付き合えるが後者とは付き合えない。自分のことは話そうとしないクローズな奴は好きではない。話したくないなら自給自足で家に閉じ籠っていればよい。自分にとって都合のよい時だけ助けを求めてくる奴が大嫌い、ということで、部屋探しでも同じこと。自分の情報は出したがらないお客さんがたまにいるが、私は相手をしたくない。それだと対等に商談できないから。

話を戻して、紹介した記事、ぜひ家主さんには目を通しておいて頂きたい。そして、今アパートを借りている人が読んだなら「これ、うちの家主さんにもモロ当て嵌まるかも」と思えたりして・・・(^◇^)

posted by poohpapa at 06:20| Comment(13) | 不動産業界(全般) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月08日

不動産業関連資格の一覧

10月15日付の記事で不動産業関連の資格について書いたが・・・、その後も調べていったら他にも何件か出てきた。参考までに一覧を書いておきたい。参考にして頂いて、無駄な努力と出費をしないようお気をつけ頂きたい。ハッキリ言って、取るのは自由だが、大半は持っていてもしかたない資格と思われる。お客様に「ああ、この人は専門家なんだ・・・」と思わせる効果はあるだろうけど。


【不動産の主要な資格】
宅地建物取引士 一般財団法人不動産適正取引推進機構
不動産鑑定士 (公社)日本不動産鑑定士協会連合会
マンション管理士 (公財)マンション管理センター
管理業務主任者 一般社団法人 マンション管理業協会
土地家屋調査士 法務省

土地改良換地士 農林水産省     
土地区画整理士 一般財団法人 非営利型 全国建設研修センター 
                                                
以上が国家資格。下の二つは役所に勤めている人間が配属先に応じて必要となる資格。


【コンサル系の資格】
不動産証券化協会認定マスター 一般社団法人 不動産証券化協会
再開発プランナー 一般社団法人 再開発コーディネーター協会
ホームインスペクター NPO法人 日本ホームインスペクターズ協会
公認 不動産コンサルティングマスター (公財)不動産流通推進センター
宅建マイスター (公財)不動産流通推進センター 
不動産キャリアパーソン (公社)全国宅地建物取引業協会連合会
不動産戦略アドバイザー NPO法人 日本不動産カウンセラー協会
不動産カウンセラー NPO法人 日本不動産カウンセラー協会
不動産アドバイザー NPO法人 住宅産業推進協議会
不動産アナリスト (公社)全国宅地建物取引業協会連合会
太陽光発電アドバイザー NPO法人 日本住宅性能検査協会
任意売却取扱主任者 一般社団法人 全国住宅ローン救済・任意売却支援協会
住宅建築コーディネーター 一般社団法人 住宅建築コーディネーター協会 
既存住宅アドバイザー 首都圏既存住宅流通推進協議会
定期借地借家権プランナー NPO法人 首都圏定期借地借家権推進機構
不動産投資アドバイザー 株式会社週刊住宅新聞社 

【営業系の資格】
不動産仲介士 NPO法人 日本レジデンシャル・セールスプランナーズ協会
住宅ローンアドバイザー 一般財団法人 住宅金融普及協会
競売不動産取扱主任者 一般社団法人 不動産競売流通協会
住宅販売士補・住宅販売士 一般社団法人 全国住宅営業認定協会
リフォーム提案士 一般社団法人 全国住宅営業認定協会 

【管理系の資格】
マンション管理員検定 一般社団法人 マンション管理員検定協会
ビル経営管理士 一般財団法人 日本ビルヂング経営センター
賃貸不動産経営管理士 一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会
管理業務主任者 一般社団法人 マンション管理業協会
区分所有管理士 一般社団法人 マンション管理業協会
補償業務管理士 一般社団法人 日本補償コンサルタント協会
敷金診断士 NPO法人 日本住宅性能検査協会
敷金鑑定士 日本敷金鑑定士協会
社会保険労務士 全国社会保険労務士会連合会    これは国家資格

【相続関連】
相続士 日本相続士協会
相続診断士 一般社団法人 相続診断協会
相続カウンセラー 一般社団法人 日本相続コンサルティング協会

分類はしてないが、他にも以下の資格がある。

シックハウス診断士 NPO法人 シックハウス診断士協会
地盤品質判定士 地盤品質判定士協議会
屋上緑化コーディネーター(旧称・スカイフロントコーディネーター) NPO法人 屋上開発研究会
古民家鑑定士 一般財団法人 職業技能振興会 
地盤インスペクター 一般社団法人 地盤安心住宅整備支援機構
空き家相談士 一般社団法人 全国空き家相談士協会
2級建築士 (公財)建築技術教育普及センター ※木造建築士、建築設備士というのもあるみたい
インテリアコーディネーター (公社)インテリア産業協会
少額短期保険募集人 NPO法人 日本少額短期保険募集人研修機構
損害保険募集人 一般社団法人 日本損害保険協会
ファイナンシャル・プランナー 日本FP協会

公認 不動産コンサルティングマスター 相続対策専門士 (公財)不動産流通推進センター
公認 不動産コンサルティングマスター 不動産有効活用専門士 (公財)不動産流通推進センター

上記二つは「公認 不動産コンサルティングマスター」を更に専門分野に特化させた資格。

福祉住環境コーディネーター(1、2、3級) 東京商工会議所
マンション維持修繕技術者 一般社団法人 マンション管理業協会


以上55資格。「木造建築士」「建築設備士」も入れると57資格。もっと多いかも・・・。

あと、資格ではないが、

不動産流通実務検定 (公財)不動産流通推進センター

というのもある。

ほとんど野放し状態であるのは間違いない。資格や肩書を有り難がる人は多いのだろうけど、自分がどういう形態の不動産業を目指しているのか、その為に本当に必要な資格は何なのか、資格を有していないと出来ない業務は何なのか、ちゃんと理解したうえで資格試験を受けてほしいと思う。

現状に満足して胡坐をかかずに更なるスキルアップを目指すのは素晴らしいことではあるが、端的に言ってしまうと、今後法律や制度が大きく変わらない限り、今は「宅地建物取引士」一つあれば事足りる。賃貸管理をしているなら、あとは保険募集人の資格くらい。私が念のため取っておいた「賃貸不動産経営管理士」も、(国交省に賃貸管理業者登録をしないので)資格が生きることは無いだろう。


posted by poohpapa at 07:11| Comment(6) | 不動産業界(全般) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月15日

今日は年に一度の宅建士試験の日、ということで再び資格の話

バブル崩壊後は受験者数が減少していたが、ここ数年は増加傾向で、今年は一般申込者が205,581人、講習修了者(5問免除)が53,010人、合計258,591人(速報値)が受験する。私が受験した平成元年は約18万人で、5問免除なんて制度も無かった。この数字は以前の大学入試のセンター試験受験者より多い。

宅地建物取引士・・・、ご承知のように以前は宅地建物取引主任者という名称で、最近になって士業の仲間入りを果たした「不動産屋を開業したり営業するために必須の資格」である。これ一つあれば業界では事足りるのだが、最近は「そんな資格、要らんでしょ!?」と言いたくなるような訳の分からない資格が乱立気味。

以前に「乱立気味の不動産関連の資格あれこれ」という記事を書いているが、こんな資格も出た。

どんな資格かと言うと・・・・・・・・・、「空き家相談士」、である。

当然に国家資格ではないが名前からは「士業」のように見えて紛らわしい。まあ、空家数820万戸という今の時代が求めている資格、と言えなくもないが、私からすると「なんだか怪しい資格」に思える。

HPによれば、

空き家の利用・活用・管理及び除却に関し、必要な知識の普及、調査研究、対策事業の推進を行い、空き家問題の解決に努めるとともに、会員の相談業務の技能と資質の向上を図って、全国ネットワークを形成し、会員相互の協力と連携により、ビジネスの振興を実現し、公共の福祉の増進と社会の発展に貢献することを目的に設立をいたしました。 一般社団法人 全国空き家相談士協会

と、尤もらしい御託を並べていることで怪しさは倍増する。資格を作った目的も違うと思う。と言うのも、2日間の「空き家相談士認定講座」の受講料が5万円。試験合格後には登録料が2万円もかかるし、2年毎に更新しなければならないとのこと。普通は5年更新だろが。たとえ合格したって名刺に書けるか、そんな資格名。持っていても名乗るほうが恥ずかしくなるような資格名である。どうせ「試験とは名ばかりのもの」だろうし。

私が昨年受験した賃貸不動産経営管理士だって、(私は受けなかったが)4問免除の講習会が17820円、受験料が12960円、合格後の登録料が6480円で、それでも「たっけえ・・・!」と驚いたもの。ボッタクリもいいところで、これが資格ビジネスでなくて何であろうか ( `ー´)ノ

その「不動産業に関わる資格」・・・、さらに増えていた。以下に列挙するが・・・、正直なところ、ブログを開設して14年と半年、今までで最も面倒臭い記事になった。旅行記なんかで写真を貼るのは楽なもの。これだけ数が増えた不動産業関連の資格にいちいちリンクを貼る作業は気が遠くなる、ほんと。ではあるが、今後、自分に合った(必要な)資格を取ってキャリアアップしたい人には後々参考にはなるかも。


【不動産の主要な資格】
宅地建物取引士 一般財団法人不動産適正取引推進機構
不動産鑑定士 (公社)日本不動産鑑定士協会連合会
マンション管理士 (公財)マンション管理センター
管理業務主任者 一般社団法人 マンション管理業協会
土地家屋調査士 法務省

土地改良換地士 農林水産省     
土地区画整理士 一般財団法人 非営利型 全国建設研修センター 
                                                
以上が国家資格とされているが、下の二つは一般には馴染みが薄い。私の親友が大学を卒業して市役所の職員になった際、最初に配属されたのが「土地改良課」だったと記憶しているので電話して訊いてみたら、「その頃からそういう資格はあったと思うけど国家資格になったのは最近かも」「課に一人有資格者がおれば良かったもんで、うちの課には専門で採用したのが二人おって、そいつの資格で皆が仕事できた」とのこと。不動産屋みたいに「宅建士が5人に一人必要」ではないのがお役所的 (^◇^)

【コンサル系の資格】
不動産証券化協会認定マスター 一般社団法人 不動産証券化協会
再開発プランナー 一般社団法人 再開発コーディネーター協会
ホームインスペクター NPO法人 日本ホームインスペクターズ協会
公認 不動産コンサルティングマスター (公財)不動産流通推進センター
宅建マイスター (公財)不動産流通推進センター 
不動産キャリアパーソン (公社)全国宅地建物取引業協会連合会
不動産戦略アドバイザー NPO法人 日本不動産カウンセラー協会
不動産カウンセラー NPO法人 日本不動産カウンセラー協会
不動産アドバイザー NPO法人 住宅産業推進協議会
不動産アナリスト (公社)全国宅地建物取引業協会連合会
太陽光発電アドバイザー NPO法人 日本住宅性能検査協会
任意売却取扱主任者 一般社団法人 全国住宅ローン救済・任意売却支援協会
住宅建築コーディネーター 一般社団法人 住宅建築コーディネーター協会 
既存住宅アドバイザー 首都圏既存住宅流通推進協議会
定期借地借家権プランナー NPO法人 首都圏定期借地借家権推進機構
不動産投資アドバイザー 株式会社週刊住宅新聞社 

【営業系の資格】
不動産仲介士 NPO法人 日本レジデンシャル・セールスプランナーズ協会
住宅ローンアドバイザー 一般財団法人 住宅金融普及協会
競売不動産取扱主任者 一般社団法人 不動産競売流通協会
住宅販売士補・住宅販売士 一般社団法人 全国住宅営業認定協会
リフォーム提案士 一般社団法人 全国住宅営業認定協会 
⇑ これなんか、「何でも『士』を付けりゃいい、ってもんじゃないだろ!」と言いたくなる。

【管理系の資格】
マンション管理員検定 一般社団法人 マンション管理員検定協会
ビル経営管理士 一般財団法人 日本ビルヂング経営センター
賃貸不動産経営管理士 一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会
管理業務主任者 一般社団法人 マンション管理業協会
区分所有管理士 一般社団法人 マンション管理業協会
補償業務管理士 一般社団法人 日本補償コンサルタント協会
敷金診断士 NPO法人 日本住宅性能検査協会
敷金鑑定士 日本敷金鑑定士協会
社会保険労務士 全国社会保険労務士会連合会    これは国家資格

【相続関連】
相続士 日本相続士協会
相続診断士 一般社団法人 相続診断協会
相続カウンセラー 一般社団法人 日本相続コンサルティング協会

【他にも、こんな資格が】
シックハウス診断士 NPO法人 シックハウス診断士協会
地盤品質判定士 地盤品質判定士協議会
屋上緑化コーディネーター(旧称・スカイフロントコーディネーター) NPO法人 屋上開発研究会
古民家鑑定士 一般財団法人 職業技能振興会 
地盤インスペクター 一般社団法人 地盤安心住宅整備支援機構
不動産流通実務検定 (公財)不動産流通推進センター (これは資格試験ではない)

この45資格に今回の「空き家相談士」が加わる。一昨年の記事時点の倍以上にもなっている。他にも、FP(ファイナンシャルプランナー)とか2級建築士、インテリアコーディネーターなど、宅建士が持っていると役に立つ資格もあるし、私が知らないだけでもっと他にも有るのかも知れない。

「ネーミングも内容も被っている」資格もある。社会や不動産業者や従事している社員のためを思って、でなく、資格ビジネスで一儲けしようと民間団体が勝手に作った資格みたいなのもある。ハッキリ言って、三流役人の天下りの受け皿目的に成り下がっている団体もありそう。

資格が無くても出来る、つまり「そんな資格なんか無くても何の問題もない」資格がほとんど。宅建士の資格ひとつ持っていれば事足りる。宅建士を持っているなら「不動産仲介士」も「住宅販売士補・住宅販売士」も要らない。もしかして、宅建に何度も落ちている人向けに用意した(足許を見た)資格かも。

資格を取るために勉強して、そのことで他の人より専門的な知識がある、と認めてもらえるかも知れないが、私の仲間には宅建士の資格を持っている私より遥かに実務に詳しい無資格者がいる。名刺にいっぱい肩書を並べれば良い、という話でもない。再度言うが、現状では宅建士だけあれば何も困らない。

以前も書いたけど、「不動産業者として何をしたいのか、そのために最低限必要な資格はどれなのか」、宅建業協会が会員業者に(正直に)伝えるべきではなかろうか。無駄なカネと手間暇を掛けさせないために。

posted by poohpapa at 06:39| Comment(2) | 不動産業界(全般) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月18日

やり方が姑息では ( `ー´)ノ

旅行中に、店にポスターが届いていて、隣のネイルサロンで預かっていてくれたのだが、差出人は賃貸不動産経営管理士協議会。「当店には賃貸不動産経営管理士が在籍しています」という新しいバージョンのポスターなのかな、と思っていたら、「当店は国土交通省『賃貸住宅管理業者登録制度』に登録しています」(なので安心です)というポスター・・・。

ちょっと待て!、である。

うちは国土交通省の「賃貸住宅管理業者登録制度」なんかには登録していない。登録することでデメリットのほうが大きく、国交省が言うようなメリットは何も無いから。制度の中身に問題があることは国交省の課長代理が研修会の講師としてきた時にも指摘したが何も改善されていない。私の指摘に課長代理は「まだ決定事項ではありませんで、皆さんの意見を参考にしてこれから煮詰めていきます」と答えていたが、嘘である。もうパンフレットも出来上がっているのに「これから煮詰めて」は無いもの。

自動車会社が新車を売り出す際に、カタログが出来上がっているのに「詳細はこれから煮詰めて・・・」などと言うワケがないではないか。よほど安全面での欠陥が見つかりでもしない限りそのまま売り出すことだろう。

実は、全国の不動産業者のうちでは登録している業者のほうが圧倒的に少ない。先々、仲介業者と管理業者を分ける話が出ていて、賃貸不動産経営管理士の資格を持っていて管理業者登録していなければ賃貸物件の管理ができない、ということになるかも知れない。今、せっせとPRして資格を取らせようとしているのにはそういう含みがあるのかも。あと何年この仕事が続けていられるか分からないが、登録しないにしても、その時の備えだけはしておきたい。そう思って、昨年資格だけは取っておいたが。

私が「なんじゃソレ!?」と怒っているのは、登録していないのに「当店は登録業者なので安心です」というポスターを送りつけてきたからではない。送り状に「この度はポスターのご請求を頂き有り難うございます」とあったから、である。登録業者に送るのでなく、未登録の業者に送りつけることで「うちも登録するか」と思わせるのが狙いではないか。どこが登録しているとか登録していないとかは協会は分かっているハズだから。

登録業者の数が伸び悩んでいる今の状況では、協会に天下ってきた元役人たちの居心地もさぞかし悪いことだろうが、やり方が姑息である。請求していないポスターを「ご請求頂きました資料を・・・」と言って送り付けるのは商品の送り付け詐欺と手法が似ているではないか。単純ミスではないと思う。

そのうち登録が義務化されるだろうけど、どうせ天下り役人を食わせるための制度でしかなく、不動産業者のことなどコレっぽっちも考えていないのはミエミエ。私は義務になるまで絶対に登録しない。

posted by poohpapa at 04:57| Comment(4) | 不動産業界(全般) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月13日

職責を越えてできること・・・

初めに、

蓮舫が今年の「ベストマザー賞」を授賞したとかで、自身の子育て方針について「『ありがとう』『ごめんなさい』をちゃんと言えるように教えてきた」と語ったとか・・・。吉本のコントより面白い。大会の主催者、こんなのを選出したら「ベストマザー賞の権威が墜ちる」とは考えなかったものか(ぷっ)

年末の「流行語大賞」と並んで「どこが?」「なんで?」としか思えず、もう消えてほしい賞である。もしかして「組織票」なんてことがあったかも。ただし、選ばれても逆効果にしかならないだろうけど。

さて、本題、

昨日、うちのとバーミヤンにランチに行ったら、馴染みのスタッフが読売新聞の朝刊を持ってきてくれた。その中の記事で、5月12日が「看護の日」ということで、第7回「忘れられない看護エピソード」の受賞作品が載っていた。最優秀賞の2作品の一つが兵庫県の洲本美智代さんの「赤い星」というお話。

難病を患い入退院を繰り返していた9歳の息子さんが「星空を観たことが無い、本物の星空を観たい」と言うのを聞いた母親が、もう外に移動させることさえ出来ないほどの重篤な息子さんの願いを叶えてやりたいと看護師に相談したところ・・・、

翌日、看護師が家庭用のブラネタリウムの機器を持ってきて・・・、というお話。息子さんはその数日後に眠るように逝かれたとか。

料理が出てくる前にそんな話を読んでしまったものだからもう涙が零れてきて困った。スタッフは黙って料理を置いていったけれど、もしかして「別れ話をしてたかも」などと思ってたりして (^◇^)

看護師さん、自分の職責を越えて「自分に何ができるか」「どうしたら患者さんに喜んでもらえるか」を考えて、家庭用のプラネタリウムを探してきて一夜だけのプラネタリウム大会を開いてくれたんだろう。入院中の子供たちの為に病室でクリスマスパーティーを開いた、というような話はよく聞くし・・・。

我々の仕事でも、法律の許す範囲内で、自分の職責を越えてお客さんに何ができるか、ということは常に意識していなければならないと思う。もちろん、「どこまでならしても良いか」冷静に線引きすることは大切だが。我々の宅建業協会が公益法人というなら、そういう議論がなされても良いのでは、とも思う。

脚色が入る可能性やプライバシーの問題もあるが、お客さんから「感動したエピソード」を募集したら面白いかも。何も出てこなかったり、藪蛇ブーメランになったりして・・・。そうしたら蓮舫を笑えないか 💧

posted by poohpapa at 06:38| Comment(8) | 不動産業界(全般) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月15日

合格証が届きました (*^_^*)

昨年の11月20日に受験していた「賃貸不動産経営管理士」の試験の合格証が昨日届きました。

自己採点で9割方正解していたので「まさかに不合格はないだろう」とは思っていましたが、一安心。

いちおう登録手続きだけはしておこうかと思います。新年早々「不合格」でなくて良かった (^◇^)

posted by poohpapa at 06:32| Comment(0) | 不動産業界(全般) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月21日

ここにも少なからずADの影

一昨日、20年以上のお付き合いの家主さんからFAXが届いた。

「管理会社を変更するので今後は一切斡旋をして頂かなくて結構です」という強い調子の文面であった。つまりは、ちっとも客付けしてくれない私への不信感である。家主さんは、私がお客さんを紹介してくれない、と思っているようだが誤解である。だが、そんなことは弁解しても始まらないこと。

今の時代、空いてしまったら半年一年次の入居者が決まらないことはザラにある。家主さんが裕福かどうか、気持ちに余裕があるかどうかに関係なく、2ヶ月でもやんや言ってくる家主さんもいれば「大丈夫ですよ、気にしないでください」と声を掛けてくださる家主さんもいる。こっちは離れた場所にいるが、家主さんは毎日傍にいて空室を見ているから本音では管理会社より何倍も辛いことだろう。

部屋が決まらない理由は大雑把に言えば「新築物件が増えすぎている」こと。そして個別には立地や構造の問題、そして一番大きな理由が築年数。最近のお客様は「先ず築年数から入る」人が多いから、築20年を超えているとそれだけで選択肢から外される。どう設備を替えても築年数だけは変えられない。

腹を割って率直に相談できる家主さんもいらっしゃれば、少しでもカネが掛かる話はし辛い家主さんもいる。性格の問題だけではなく、こちらも相手の事情が分かっているから、である。

そこに、もう一つの問題がある。AD、である。半年一年も空いてしまうことを考えたらADの1ヶ月、2ヶ月を付けたほうが他の業者さんも張り切って客付けしようとしてくれるだろうから当然に早く決まるものだろうけど、私の主義だからADの話は切り出さない。中には、業界の事情をよくご存知で「ADを付けましょうか?」と家主さんのほうから仰って頂くこともあるが、ちゃんと説明をして納得して頂いている。客付業者に対してだけでなく私のほうにも広告料としてくださる話も出たが当然に辞退。

相手のあることだし家主さんも辛いことだろうけど「そうですね、では、ADを付けましょうか」とは言えない。それをやってしまったら、それこそ筋を違えることになる。だが、家主さんの立場に立って考えればADを付けて早く決まったほうが良くて、それなら、そういう提案もしてくれる他の業者に替えよう、と考えても不思議はない。自分の主義を貫くことで不本意ながら家主さんに迷惑を掛けているんだろう。

家主さんに私と心中してもらうワケにもいかない。もちろん、当社を切ってくるのにはADだけが理由ということではないのは解かっている。こちらの立場から言えば、20年以上付き合っていても意思の疎通が図りにくい家主さんもいれば半年一年の付き合いでも何でも言える家主さんもいる。

で、今回の家主さんの件に関しても、早く決められない私がいけない、それだけのことで、どこに頼むか、は家主さんが決めることだから何の異議も無い。「たられば」の話になるが、もしもADを付けていれば半年も空くこともなく2ヶ月くらいで決まったかも知れない。そうすれば実質的に「3ヶ月の空き」になっていたかも知れない。自分の主義に拘ることで家主さんに損害を与えている、と言えなくもない。

その物件の入居者さんとの関係も心残り。信頼関係が築けていて親しくしているから、そういう結果になって申し訳なく思う。いちおう「何かあったら何でも相談に乗りますから」と伝えておいた。

もしADを付けていたら、という発想とは逆に、もしADなんてものが無かったなら、違う結果になっていたかも知れない、とも思う。

昨日、同業者さんから問い合わせが入った。もうその時点では切られているから物件の有無を答える立場にはない。だが、せっかく問い合わせをしてくれた業者さんに冷たく当たるワケにもいかないので、「たぶんまだ有ると思います。近々他の業者さんから改めて広告が出るでしょうからそれまでお待ちください」と伝えた。「一切の斡旋をしなくていい」と決別宣言をされているが物件には思い出も愛着もある。

ま、私は遠くない将来、AD問題と心中していることだろう。それが廃絶できたなら、この業界で生きてきた足跡を残せたことになるかな、と思っている。

posted by poohpapa at 06:35| 不動産業界(全般) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月25日

試験を受けた 4 (完)

公式な正解は2月に公表されるのだが、昨日、LEC(東京リーガルマインド)の解答速報を見たら、私は40問中35問の正解だったので何とかなりそう。なんとなく不安だったけど安堵 (*^_^*)

だから言うのではないが、去年の問題よりも簡単だったような・・・。もしかすると、勉強しなくても30問は取れていたかも、それくらいの感覚だった。全員がそうだとするとボーダーラインの上昇が怖いが。

実は私はミスを犯している。「鉛筆はBか2Bで、プラスチック消しゴムを持参するよう」受験の案内に書いてあったのだが、消しゴム付きのHBの鉛筆しか持って行かなかった。いちおう店にあった紙で消しゴムが使えるかどうか確認してあったのだが、答案用紙と消しゴムの相性が悪くて、1問だけ答えを替えようとして替えられなかった。その替えたかった回答が正解だったから1問を損している。大勢に影響ないとは思いたい。

ネットにはボーダーラインを気にする書き込みも多数あって「もしかすると30問では」と書き込む人もいた。私はそこまではいかないと思う。昨年が25問なのだから、今年いきなり30問は・・・。28問だと正解率7割になるので、まあ妥当なところだが、それだと年々減少させていた合格率は60%を超えてきそう。ブログランキングの投票による統計では、合格点を30点にすると去年とほぼ同じ合格率の54、7%で、合格者数を絞りたければ31点、32点も有り得なくはないが、去年の25点からいきなり32点とかに引き上げるのは現実的ではないので、まあ、どんなに高くても30点てことになるか。後で知ったが、去年の受験者数は4908人、今年は13149人で3倍近い。そのあたりもどう影響してくるか。

個人的にはボーダーラインは35問でいい。ちなみに、それだと合格率は10%前後(性格が悪い💧

ところで、講習修了者の4問免除は、第37問〜第40問を回答しなくてよい、というもので、その4問は正解したものと見なしてくれるようだ。ただ、それだと(4問を免除してくれなくても)その4問を正解できた人なら4問免除の意味は無いことになる。むしろ「正解数に4問プラスする」という方法のほうが良いのでは。2ch には「カネ返せ!」という書き込みがあって、気持ちはよく解かる (^◇^)

合格していれば、の話だが、高いカネを払って2日間も拘束される講習を受けなくて良かった。それは、一にも二にも同業者の事務員さんのお陰である。菓子折を持ってテキストを返しに行かねば

合格発表は1月13日で、合格しても直ぐには登録はしないつもりでいた。放置していても資格が取り消しになることは無いそうだから必要になったら登録すればいい、と思っていたのだが、登録しないと賃貸不動産経営管理士を名乗れないとか。先日も書いたが、そうは言っても登録に6480円も掛かるのだし、更新費用はナンと8000円・・・、これが「足許を見た商売」でなくて何なのか ( `ー´)ノ

今回は受験したが、もう試験勉強なんて懲り懲り。それがどんな資格であれ、次は無い (キッパリ)





 
posted by poohpapa at 06:10| Comment(4) | 不動産業界(全般) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月24日

試験を受けた 3

実は、昨年のテキストをお借りしたことで「講習を受けた」かのような効果があった。それは・・・、

事務員さんが重要な部分にアンダーラインを引いていたり書き込みをしていたり、付箋を貼っていたからで、それが実に役に立った。来年試験を受ける人は誰かのテキストを借りるといい。

試験会場は今何かと話題の豊洲、であった。試験当日、予定より早めに出発したがそれで大正解だった。と言うのも、途中「市ヶ谷」駅で地下鉄への乗り換えでまごまごしていたし、豊洲に着いてからも会場の芝浦工業大学がどっち方面か分かりづらい。結局、早く出たのに当初の予定時間に到着。

さすがに受験料が12960円と高いからか欠席者はほとんどいなかったが、遅刻してきた者がいて、本来は試験を受けられないハズなのだから納得いかなかった。試験開始は13時ちょうど。着席は12:30分まで、12:40から試験のレジュメがあって、その説明が終わった後の12:47に40歳前後の男が教室に入ってきた。そんなの、よほどの事情でもない限り、12:30の着席に遅れてきたなら試験を受けさせてはならない。既にレジュメまで終わっていたのだし、試験は厳正に行うもの ( `ー´)ノ

そいつの受験番号は控えてあるから、来年1月13日の合格発表で受かっていたかどうか確認したいと思う。あと、もう一人、私の3つ前に座っていた男性、ペットボトルのお茶を机から落としていて、縁起でもないから「あ、この人、落ちるかも・・・」と思ったので、その人の合否も見てみたい (^◇^)

話が脱線するが、韓国の大学入試で白バイやパトカーで試験会場まで送ってもらう受験生、たとえ一日前に会場の詳細が知らされたとしても、早く家を出ればいいだけの話だし、そんな奴なら落としてしまえ、と思う。私が企業の面接官なら、「4年前の大学入試の際、白バイなどで会場まで送ってもらいましたか?」と訊いて「はい」と答えたなら落とすだろう。風物詩になっているから良い、という話ではない。

脱線ついでに、豊洲・・・、何も無い所かと思っていたら近代的な都市が出来上がっていて驚いた。早く築地から移転できたらいいのに・・・、と思った。豊洲は下町でも単なる埋め立て地でもなかった。

で、受験者の大半は30代半ばから50歳くらいまでで、年配者(50〜60代)も多くいて、私なんかは最高齢かも。全国29会場で行われているそうだが東京は豊洲の芝浦工業大学のみ。会場が大学なので相当な数の受験者がいたと思われる。試験が終わって一斉に教室から出てきた人数は凄かった。

出席率は94.8%だったそうで、一般的な資格試験の出席率が8割程度とのことだから、逆に言えば、いかにこの資格の受験料が高いかが分かる。キャンセルしても受験料は戻ってこないから、みんな「キャンセルしない覚悟」で申し込んでいるんだろう。ここまでくると申し込むのは「一つの賭け」である。

試験は宅建試験と違って前から順番に解いていく。宅建は民法から始めるとドツボに嵌ってパニックになることも有り得るから後ろの宅建業法から解いていくのが定石。いずれも正しいものを選ぶか誤りを選ぶかの4択で、間違いなく正解、と思えた問題には「〇」をつけて、自信が無い問題には「?」を付けておいて、ひと通り解答してから「?」の問題に戻ってゆっくり考える。私の場合「〇」は28個あったけど、思い込みで、実際には間違っていたモノも幾つかあることだろう。だから「?」の中で幾つ正解するかが鍵になると思われる。

言えるのは、宅建の試験にしても賃貸住宅経営管理士の試験にしても、問題の出し方には特有のクセがあって、正しいモノを答えるにしても間違いのモノを答えるにしても、特有の言い回しがある、ということ。なので、テキストの内容を覚えるより、その問題文の言い回しに慣れることが合格の秘訣だと思う。

4択のうち二つは明らかに正解でなく、それは誰にも分かることで、残りの二つの選択肢の文章で、どう引っ掛けようとするのが試験の特徴なのか、を知っておけば何とかなるに違いない。私は必死だったけど、この試験は「ほとんど勉強せずに受かる人」もけっこういるのではないか、そういう試験である。

などと言っていて、もし私が落ちていたらシャレにならないんだけど・・・ (*´ω`)

                                     つづく





posted by poohpapa at 06:00| Comment(2) | 不動産業界(全般) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月23日

試験を受けた 2

昨日も書いたが、試験は11月20日(日曜日)で、私が受験を決意したのが2ヶ月ちょっと前。2日間の講習(17820円)が9月に開かれていて、受講修了者は4問免除になる。宅建士の場合は事前の講習を修了すれば50問中5問が免除で、賃貸不動産経営管理士の場合は40問中4問が免除、なので率としては同じ。

私が試験のことを知った時には講習の受付けは終わっていたので4問免除は受けられない。どのみち講習に間に合ったとしても受けなかったと思う。そんなの、おカネがもったいないし、だいいち、2日間も缶詰めになって講習を受けるなんてしんどくて耐えられない。宅建士証の更新の一日の講習だってキツいのだから。

講習料も高いけど、受験料12960円、合格した後の登録料6480円てどうよ!、しかも、合格して登録しても5年ごとに更新しなければならず、その費用が8000円・・・、まさにボッタクリ、歌舞伎町のキャバクラ以上である。宅建士の試験だって(問題数が多いのに)受験料は7000円なのだから。それを考えたら一発で受からなかったら大損、気力的にも経済的にも来年また挑戦する気にはならない。

この資格が生まれた初期の頃は人員を確保するために(講習を受けた人の)ほぼ100%に与えられていて、試験が行われるようになった当初は80%台、それが翌年には70%台になって、昨年の合格率は52%とのこと。年々ハードルを上げているから、今年は合格率を40%台にしてくるかも。

初期の試験はテキストにある問題がそのまま出ていた、なんてこともあったようだが、資格試験は年々難しくなっていくのが当たり前。何も勉強せずに昨年の本試験の問題をやってみたら40問中正解は19問。昨年の合格ラインは25問とのことで、今年は合格ラインを上げてくる可能性があるから28問がボーダーラインとすると、あと9問を上乗せしなければならない。さて、どうしたものか・・・、と考えていて、ある同業者を訪れたら、そこの事務員さんが昨年受けて合格していた。それで、テキストを借りることにした。私が自分で買わなかったのは値段が3980円(税込)もするから、である。誰か持っていないかな、と探していたのだ (ケチ💧

テキストは地方のご実家に置いてあったので私の手元に届いたのが試験の1ヶ月ほど前 (ヤバ!)

お借りしたテキストがこちら、

DSC01444.JPG

DSC01445.JPG

720ページ(本文はほぼ700ページ)もあって、電話帳のように分厚い。しかも、文字ばっか。さて、どこからどう手を付けたものか・・・、このテキストを見ただけで途方に暮れてしまった (´・ω・`)

私の場合、両眼にプリズムが入っていて、左右の目で1m 先にある黒い1点を見ると、左右に5 cm 、上下に4 cm 離れて見える。視力検査のように5 m 離れると、左右に25cm、上下に20 cm 離れて見える。しかも左右に離れて見える点が交差していて、左側にある黒点は右目で見ている点である。乱視も入っているから読書は非常に疲れる。それもハンデになる。読書する際は常に左目を閉じている。

ちなみに、目を休めている時に、たまに突然誰かと会うと「どこを見てるんですか?」と訊かれることがあるが、それは両目が一番楽な状態で休んでいる位置にあって油断して自由な方向を向いているからに他ならない。将来的に白内障の手術を受けたりすると改善されるかも、と、変な期待をしている。

で、私がなかなか腰を上げないので、うちのからは「いつになったら勉強を始めるの?」と何度もせっつかれていたが、幸か不幸か、店はヒマなので、午前と午後に集中して1時間ずつ勉強することができ、先ずこのテキストを8日間で読破した。その後の1週間で二度目の読破。その後、試験まで半月ほどあったが、もう3回目に挑む気力はなかった。読破、と言っても頭にはほとんど残っていない。もう歳だし・・・。なので、実質的にたった2週間の試験勉強で、ほとんど「ぶっつけ本番の受験」と言える有様。

本試験の前には仕事で名古屋にも出かけたし、雑用も溜まっている。最後の2週間は勉強どころではなかったが、19問しか解けなかった昨年の問題をやり直してみたら29問正解していたので、少し自信がついた。のではあるが、講習も受けていないし、正直、分厚いテキストに頼るだけの試験勉強はとてもしんどかった。

本来 合格率52%の試験ならさほど難しい試験とは言えないと思う。業界にいる人間なら誰がやっても半分の20問くらいは取れるだろう。そこから先の8問くらいをどう上乗せするか、が難しいところで、まだ答え合わせをしていないから結果は分からないけど、うまく上乗せ出来ていたら嬉しい・・・。

                                       つづく

posted by poohpapa at 05:11| Comment(2) | 不動産業界(全般) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月22日

試験を受けた 1

9月6日号の住宅新報の記事で、「賃貸不動産経営管理士」の試験について書かれていた。

以前も書いたが、不動産業に関連した資格試験は数多く、その中には必要なものとそうでないものがある。正直なところ「宅地建物取引士」さえ持っていればとくに不自由することは無い。名刺に「取得している資格」を並べればお客様から「うわあ、凄い!」と思って頂けるかも知れないが、それだけのこと。

不動産業に関連した資格の一覧はこちら

この中には入っていないが、売買を扱うのであればファイナンシャルプランナーは持っているといいと思う。インテリアコーディネーターとか二級建築士も持っているに越したことはないが、そこまで言うとキリが無い。中には、資格商法としか思えない「必要かどうか怪しい資格」がいくつかある。資格試験の主催者は〇〇協会なんて名称のものがほとんどで、それらは役人の天下り先にでもなっているんだろう。

宅建士の資格以外には、不動産取引上、資格を持っていなければ出来ないこと、資格があるからしていいこと、なんてモノもとくには無い。資格を持っていれば持っていない人より多少は詳しい、というくらいのもの。「相続士」みたいに、相談には乗れるけど最後は「弁護士さんか税理士さんに相談して」なんてものもあって、存在意義そのものが疑われるような資格もある。相談に乗るだけなら相続士でなくても出来るのだから。

で、「賃貸不動産経営管理士」、国交省が賃貸管理業者の登録制度を進めていて、(登録は任意であって)現状で賃貸管理業者の1割しか登録しておらず、更に登録業者を増やす狙いで「この資格を持っていれば、登録業者が定期的に国交省に対してすべき報告などの手続きを簡素化してもらえたりする」らしい。ただし、登録していない業者には関係ないこと。なので持っていなくてかまわないもの。と言っても、今はただの「公的な資格」だけでしかないが、近い将来は国家資格になるようだ。

これ、国交省が賃貸管理業者の登録制度を進めるのは、自分たちが不動産屋を管理しやすくするために他ならない、と私は思っていて、そのうち任意から義務に移行させることも考えられる。登録業者は、この資格を持っているか6年以上の実務経験者を置かなければならないことになっていて、それもそのうち「資格を持っている人間がいることが必須」に変わるかも知れない。いろいろな縛りを設けて不動産屋の数を減らす、つまり老夫婦で細々と経営しているような弱小不動産屋を消すのが狙い、と私は疑っている。私の場合は実務経験27年なので今のところはその資格は要らないし全く登録する気もない。

その「持っていても仕方ない資格」である賃貸不動産経営管理士の試験を受けることにした。本試験が11月20日だったので、落ち着かないこともあってここ数日記事の更新をしなかった次第である。

さほど難しい試験ではないにしても本試験まで2ヶ月ちょっとしかなくて明らかに準備不足であるのに、なぜ今年受けることにしたのか、と言えば・・・、せめて私が生きている間に住宅ローンを完済させて、うちのが生活に困らないようにしておきたい、そのためにはこの仕事をまだ15年くらいは続けていなければならない、その間に国交省が制度を変えてくる可能性がある、早く取っておかないと試験内容も年々難しくなるだろう、「仕方ない、備えておくか」である。

それにしても国交省はどうして最初から登録を任意でなく義務にしなかったのだろう。しても大きな混乱は起きなかったと思われる。そっちは権力を持っているのだから大義名分はいくらでも立つのだし。と言うか、そもそも宅建の資格を持って不動産屋を開業していて、たいていは全日か全宅、大手が加入する不動産協会に加入しているのだから、それをわざわざ国交省に登録させる意味が分からない。国交省は「登録していると、消費者が国交省のHPなんかを見て『ああ、この業者は安心できそう』と思ってもらえますよ」などとアピールしているが、そもそも部屋探しの際に国交省のHPをわざわざ見る消費者がどれだけいるか、ということ。

そんなことは国交省だって承知しているハズだから、本当の狙いは別にある、と判る。

                                        つづく


posted by poohpapa at 05:13| Comment(4) | 不動産業界(全般) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月17日

昨日のアクセス解析から

昨日、一時的に少しアクセス数が伸びていたので、「どうしてかな」と思ったら・・・、

検索ワードのトップは「宅建試験」・・・、

そっか、明日は本試験だったか・・・。まあね、今頃になってあちこちのサイトを覗いて「合格の秘訣」を探してるようじゃ合格は望むべくもないけど、「藁にも縋りたい受験者」いるんだろうね (*^_^*)

とにかく、試験は年に一回だけ。今年は明日がその日。

簡単にアドバイスさせて頂くなら、

〇 大きく深呼吸をしてから臨むこと
〇 事前に必ずトイレに行っておくこと
〇 試験は後ろの「宅建業法」から解き始めて「法令上の制限」「民法」の順、つまり逆から解くこと。
〇 迷う設問は流して他の問題を先に解いて戻ればいい
〇 とにかく、パニックになりそうだったら目を閉じて深呼吸する

言うまでもなく、満点を取る必要は無く、35/50で良いのだから焦る必要は無い、ということ。ちゃんと努力してきたなら「努力は裏切らない」と思う。逆に、努力してない人に合格して欲しくないけど。

あとは・・・、けっこう運にも左右されたりしてね・・・。実は、朝起きた時から試験は始まってるから。私の友人で、試験会場が遠く、家を早めに出たのに鉄道が人身事故で振替輸送になって、試験会場に着くのが遅れて、繰り下げて受験させては貰えたけど動揺していて力を出し切れず不合格になった人がいるから。なので不測の事態も想定して気持ちの備えを怠らないこと。

とにかく、「自分は16%に必ず入る」と信じて臨んでほしい。大丈夫、84%は落ちるんだから落ちても恥ずかしくないし・・・(おい)




posted by poohpapa at 07:17| Comment(6) | 不動産業界(全般) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月29日

乱立気味の不動産関連の資格あれこれ

宅地建物取引士はもちろんのこと、不動産鑑定士、測量士など、不動産に関する資格は数多い。

@ 定期借地借家権プランナー(定借プランナー)・・・、主催は、NPO法人首都圏定借機構

以下同様に、

A 宅建マイスター・・・、公益社団法人 不動産流通推進センター
(ここは講習終了後に自動的に会員登録となってマイスターメンバーズクラブの会員となる。Eの不動産コンサルティングマスターとは別物で、公的な資格ではない)

でも、どこかで聞いたような・・・。以前、不動産コンサルの新名称募集で「不動産コンサルティングマスター」になったんだけど、私は「不動産マイスター」という名称で応募してたんだよね・・・。これじゃ「佐野った」と言われそう・・・。どっちが先だったんだろ??わーい(嬉しい顔)

B 賃貸不動産経営管理士・・・、一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会

C 既存住宅アドバイザー・・・、首都圏既存住宅流通推進協議会

D 不動産流通実務検定・・・、公益財団法人 不動産流通近代化センター(資格試験ではない)

E 不動産コンサルティングマスター・・・、公益財団法人 不動産流通推進センター

この資格の先に、さらに「不動産有効活用専門士」や「相続対策専門士」というものがあるらしい・・・。なんで??、である。そのうち資格名だけで差別化できなくなって等級まで付けられるかもしれない。「上席不動産コンサルティングマスター専門士」だの「3級不動産コンサルティングマスター」だの・・・。

F 不動産キャリアパーソン・・・、公益社団法人 全国宅地建物取引業協会連合会

G 不動産投資アドバイザー・・・、株式会社週刊住宅新聞社

H マンション管理士・・・、国土交通省

I 管理業務主任者・・・、一般社団法人 マンション管理業協会

これ、HとIは国家資格とのことだが、Bの「賃貸不動産経営管理士」と、どう違うんだろ??


不動産取引に関連して、他にも、

J ファイナンシャルプランナー・・・、日本FP協会

相続絡みでは、

K 相続士相続診断士相続カウンセラーなどもある。

相続絡みの資格は、公的な資格と言うより顧客獲得の道具ではないか。私の知人(私が「コイツだけは赦さない」と思っている女)が、本業は不動産屋だが相続アドバイザーとしていろんな講習会の講師を務めている。相続対策で悩んでいる人、悩み始める年齢に達している人は、そういう資格を持った人が開いている無料講習会に出掛ければ、講習会の後で引き続き相談するもの。相続絡みの話なら、いずれ売却の話も出るかも知れない。商売の手法としては上手いと思うが、元々はそれを狙って作った資格、と思えなくもない。

私も、このブログがご縁でいろいろ相談に乗らせてもらっていると、「ぜひオタクで」と仰って頂くことがあるが、なるだけ辞退するようにしている。後で自分がやらせてもうことになりそうだったり、利益がチラつくと、私の回答も公正でなくなる可能性があるからだ。ましてや、「如何にも」という尤もらしい資格を前面に打ち出して、となれば胡散臭くなるもの。私が受けさせて頂くのは依頼者が遠方にお住まいで物件が近隣にある場合のみ。それすらも、現在依頼している業者さんがあるなら横取りはしない。

でもって、私からすれば「おいおい」の資格がコレ ↓

L 任意売却取引主任者 一般社団法人 全国住宅ローン救済・任意売却支援協会

いろいろ取り上げたが、私が一番?マークなのが、最後の「任意売却取引主任者」という資格。

要は、ローンが払えなくなって「このままでは銀行に差し押さえられて競売になる」危機に陥っている物件所有者に「差し押さえられる前に自分で売ってしまったほうが得ですよ。その場合はこれだけの差が出ますよ」とアドバイスするのだろうが、所有者からすると物件を失うことには違いない。競売に掛けられれば値段は安くなるだろうけど、いちおう債権額より高く落札されれば差額は戻ってくる。必ずしも、差し押さえられたら一銭も戻らない、ということではない。より多く戻るようにするには所有者が自分で売る方がいい。ただし、それなりに時間は掛かるから、そういう部分も含めての相談になるんだろう。

で、「じゃあ、もう諦めて売ります」となったら、全国住宅ローン救済・任意売却支援協会はどうするのだろうか・・・。会員業者というのがあるかどうかは不明だが、仲間内の業者を紹介するのではなかろうか。実は、「それは絶対にダメ」とまでは私は思っていない。ではあるが、最後はそこに行き着くなら「全国住宅ローン救済・任意売却支援協会」なんて名称はおかしいだろ、ということ。と言うか、そんな名称の団体、私なら信用しない。「救済」だの「支援」だのと聞くと詐欺集団だと思ってしまうから。

「差し押さえられて競売に掛けられるかも」と悩んでいる人に対しては、不動産業界関係者が設立した協会ではなく、金融機関が相談に当たるべきではないか。それなら公正な相談相手になりうると思う。

「任意売却取引主任者」・・・、何でも資格にすればいい、てもんじゃないだろうに。

ついでに、よく街頭で一般市民を対象にした宅建協会主催の「無料相談会」が開催されていて、そこに相談に訪れた人から「ぜひオタクの会社で」と売却や管理の依頼を受けるのは問題ないと思う。原則的には「そうしない」ことになっているようだが、丁寧に相談相手になって人間関係や信頼関係が出来始めているのに辞退することのほうが不合理だし、時間を割いて担当している業者さん(役員)にはそれくらいの旨みがあって当然だと思う。私はそういうことで「おかしいだろ」とは言わない。


不動産取引と直接は関係ないが、宅建取引士は「2級建築士」「インテリアコーディネーター」「行政書士」などの資格も併せて持っていると便利、とも聞く。ではあるが・・・、キリがない。

探せばまだまだ出てくると思う。不動産の仕事をするにあたり「どの資格を持っていなければならないのか」「どの資格が役に立つか」、「持っていても意味がない(怪しい?)資格」との仕分けが必要だ。

最近、東京都本部でも、これら資格について話題になったようだ。私からすれば「ほとんどが資格ビジネス」であって、こんなにいろいろあると会員業者が「将来的にどの資格が必要なのか」悩むものだろう。どんな資格であっても勉強することは良いことだが、いくらなんでも乱立気味。本部で整理する必要があると思う。

私なんかの歳でも「これから勉強して新たに資格を取る」のはシンドイくらい。不動産会社の高齢のオーナーさんにとっては尚のことだと思う。若い後継者がいればともかく、そうでない会社もあるもの。宅建協会はそういうことも配慮すべきではなかろうか。公益法人である前に会員の為の団体なんだから。

posted by poohpapa at 07:08| Comment(4) | 不動産業界(全般) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年04月06日

家主さんとお客さんの直接取引 (その2)

これは、うちと隣人Aさんとの間で起きた駐車場契約に纏わる出来事。

Aさんはこのブログを読んでいらっしゃるので当然にこの記事も読まれることと思う。ぜひ両の眼を開いてしっかりお読み頂きたいと思う。この話はAさん本人にもその時に直接伝えてあるが。


昨秋、Aさん宅の駐車場が2台いっぺんに空いて、「お客さんを付けてもらいたい」との依頼を受けた。店のウィンドーに貼紙をし、駐車場には「空き有り」の掲示もした。と言ってもアクリル板の看板の在庫は無いので、A4用紙にイラストと当社の連絡先を添え、クリアファイルに入れて雨水が入らないように密閉し、駐車場の2ヶ所に結び付けた。駐車場に関しては「それで問い合わせを待つ」のが一般的。

数ヶ月しても駐車場を求めるお客さんはほとんど現れず決まらないでいた。その昔は駐車場が足りなくて困っていたが、今はダブついていて価格競争の時代に入っている。たまにお客さんが来店しても千円でも安い駐車場を求めて彷徨っている。若干の値段交渉は可能だが、たいていは「他を当たってくれ」と言いたくなるような客ばかり。当社でも数人は案内したが「考えて返事します」と言ったきり返事は無い。

そのうち、空いているハズのスペースに見慣れない車が停まっているのを見た。Aさんに訊くと、「ああ、言おうと思ってたんだけど、近所の人が借りたいと言うんで貸すことにしたから」とのこと。

その近所の人、私が駐車場に掲示した「空き有り」の募集広告を見たからこそ「空いてるなら貸して」とAさんに言ってきたのは明白で、「今、オタクの駐車場、空いてないかなあ」と闇雲に訊ねてきたということではなかったであろう。私がAさんに問い合わせたことで事後報告を受けた、という形。

それは客も悪い。貼紙に連絡先も書いてあるのだからAさんと直接契約しようとするのが間違い。早く決まって欲しい貸主と、少しでも安い費用で借りたい客との利害が一致したとしても、業者を排除して「それで良し」と考えるようでは貸主も客も碌なモンじゃない。

それで「テメエ、ふざけるな、表に出ろ!」とAさんの襟首を掴んで駐車場に引きずり出して取っ組み合いの喧嘩を・・・・・、しなかった。

数年前、うちが隣に引っ越してきてからというものAさんにはとてもお世話になっている。住居表示の小さなパネルを貼るのでさえ反対側の隣のTさんは拒否して、揚句に「共用部に何も工作物を置くな、現状を変更するな」との誓約書を書かせようとしたが、Aさんは快く「どうぞどうぞ」と言ってくれた。

周り近所は先住者意識が強く、余所者扱いされている我々を庇って上手く引き回してくれている。昨年の夏は私に付き合って「市長と語ろう」にも出席してくれている。言わば恩人である。

だが、私は赦さない。人に商売の用事を頼んでおきながら、いくら「早く決まってほしい」と焦っていたとはいえ業者を排除して直接取引してしまう、なんてことは馬鹿でもやらない。つまり、馬鹿以下である。

もし、その客に「うちは不動産屋に頼んでいるから、そこを通してくれ」と言ったとして、客が「じゃあ手数料が掛かるから借りるの止めるよ」と言うだろうか。おそらく、そうは言わなかったであろう。

それに、一昨日の記事で書いているが、知人であるからこそ第三者を入れて保証金も1ヶ月くらいは預かったほうがいいもの。そのあたりは「近所の人が借りることになった」と聞いた日にAさんにしっかり話したが、もう借主には「直接契約すれば安く済むから」と話してしまっていたんだろう、契約書もネットでダウンロードして自分で契約を結んだようだ。

こういう場合「早く決まってほしい、という貸主の気持ちも解かる」などと理解を示す人がよくいるが、それは当事者でないから言えること。いい人ぶっているだけである。解かって堪るか、そんなもん!ちっ(怒った顔)

私が親しくさせて頂いている女性実業家のお客様がいる。数年前に、娘さんが駐車場を求めて来店し、A不動産の管理物件を紹介して契約して頂いた。しばらくして、もう一台分必要になって娘さんが直接A不動産を訪れようとすると、母親である社長はこう言って娘さんをたしなめたという。

「A不動産を紹介してくれたのは〇〇さん(私)なんだから、直接A不動産に行けば直ぐ駐車場が見つかると分かっていても、例え何千円の話であっても、そういう不義理はするものではありません」と。私がその裏事情を聞いたのは契約が終わってA不動産から仲介料を頂いた後しばらくしてからのこと。

その社長、超大手企業の役員さんからも可愛がられているようで私なんかより付き合いも広い。事業も軌道に乗っている。だから、というワケでなく、私がとても大切にさせて頂いているお客様である。

Aさんに悪気は無いのはよく解かっている。奥様も人柄が良いし、これからもお世話になるから事を荒立てたくはない。もちろん、読んでいるのを知っていて記事にしているんだから気まずくなったりもするだろう。うちのも「悪気は無いんだよ。ただ業界のルールを知らないだけじゃないかなあ」と笑っている。

この場合、その客に仲介料を請求できる可能性は高いが、そんなことをしたらAさんと知人との関係が悪くなるかも知れない。Aさんに「それは本当はいけないことなんですよ」と話した際に、「ああ、そうだったの、知らなかったよ。だったら手数料分は私が弁償します」とも言わなかったから、悪気は無い、のでなく、もしかして確信犯だったかも。Aさん、私が許容してくれるもの、と思っていたんだろうな。

実は、その「悪気は無い」「根はいい人」というのが一番タチが悪い。人柄も悪くて悪意、というなら「テメエ、ふざけるな!」と思い切り文句が言えるもの。だが、それが言えない。だから書くしかないたらーっ(汗)

Aさんに、これだけは言っておきたい。これも以前、直接話してもいるが・・・、

去年の冬、二度大雪が降った。最初の雪の時、Aさん夫妻は旅行中で、誰も雪かきをする人がいなかったから私が一人で雪かきをしている。7台の駐車場のうち当社が管理しているのは1台のみ。だからと言って、その車の通り道だけ雪かきするワケにはいかないから全部の雪かきを私一人でやっている。

隣人、私がAさんの駐車場の雪かきを一人でしているのを見ていても、誰も出てきて手伝ってはくれなかった。なぜなら、そこにAさんの姿が無いことでAさんが留守だと分かったからだと思う。自分が手伝ったのがAさんに伝わらないならしない、ということ。それが証拠に、翌週再び大雪になった時にはAさんは帰っていて、私と雪かきをしていたので、一人また一人と出てきて手伝い始めている。

あの時、私がどんな思いでいたか、どれほど不愉快だったか、よーく考えてみて頂きたい。

うちの店の前だって雪かきしなければならないのだが、うちの店の前は二度とも通りの向かいの補聴器屋さんがやってくれていたようだ。とてもじゃないが両方はできないからご迷惑をお掛けしてしまった。

今年、私は大いに悩んだ。悩んだ末に、もし雪が積もったらAさんや近所の人からどう思われようが自分の店の前の雪かきを優先しよう、と心に決めた。人に客付けを頼んでいながら問い合わせがあったら直接契約してしまうような貸主の駐車場の雪かきをなぜ私がしなければならないのか、ということである。再度言うが、当社で管理させて頂いているのは7台中1台で、あとは自身で管理しているのだから。

その後、「なかなか決まらないから他の業者にも頼んでいいかなあ」と言われたので了解したが、正直、嫌〜な感じがしていた。駐車場に関しては(アパートと違って)多くの業者に依頼したほうが早く決まる可能性が高くなるものだから了解はしたが、もし他社で直ぐ決まったら「こんなことなら最初から他の不動産屋に頼めば良かった。やっぱりお客さんを付ける力が無かったんだ・・・」と思われかねないから。

別の会社にも依頼したと聞いたので、「だったら、今、駐車場に貼ってある広告の当社の電話番号は消しておいて」と頼んだ。嫌気がさしたからではない。他の業者にも頼んでいて駐車場に案内した時に当社の電話番号だけが書かれていたら先方はいい気持ちがしないだろうな、と思ったからである。

幸か不幸か、その後数ヶ月たってもまだお客さんが付いていないから、もう他社で決まっても「力が無い」などと思われる心配もないし、「本当にこのご時勢、お客さんがいないんだ」とも分かってくれたであろうから、今なら私も「早く決まるといいな」と思える。Aさんには申し訳ないが、他社にも頼んだ当初は「誤解されかねないから直ぐに決まらなければいいな・・・」と思っていた。

心が狭い、器が小さい、と思いたければ思えばいい。私からすれば知らなかったでは済まない話だ。

私は数十万の利益が逃げても怒らない時もあれば数千円でも怒る時がある。要は、ハートなのだ。

忘れてほしくないのは、私は根に持つタイプであるということ。直接契約したツケは大きいと思えわーい(嬉しい顔)




posted by poohpapa at 06:40| Comment(13) | 不動産業界(全般) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年04月04日

家主さんとお客さんの直接取引 (その1)

これは、同業者さんでなく全国の家主さんや駐車場のオーナーさんに参考にして頂きたい記事。

長く賃貸管理業を営んでいると、空室募集をしている途中で家主さんから「知人が借りることになったので募集はストップしてください」と言われることがある。ストップするのは構わないが、既に何度も広告を打っていたり手間暇かけていることもあって、その経費をみてもらえないのは辛い。

過去にはロサンゼルスに単身赴任していたお客様が一時帰国して物件(貸家)を見に来てくれることになっていたのに前日になって「娘夫婦が使うから」と言われ、「それは困ります。今頃は日本に向かう機内で、もう連絡が取れません。その方が断ったら娘さんに使って頂く、というのがスジです」と言ったら、「貸す貸さないは家主の勝手だろう。とにかく、そっちで断っといてくれ」と言って聞かなかった。

仕方なく、約束通り最寄り駅に迎えに行き、一日私が運転手代わりをすることで赦して頂いたが、幸い優しいご家族で事なきを得た。ただし家主が私に支払ってくれたのは1円単位での広告代の実費のみ。それも私が請求したからで、案内当日の経費などは全く考慮して頂けなかった。

父親が亡くなりそうということで膨大な財産を相続する日が近づいていて、何度か相談を受けたが、実際に相続が発生したら売却等の依頼は超大手のS不動産に・・・。そりゃあ賃貸は当社に任せても何十億という土地の売却をうちみたいな小さな店に頼むなんてことは出来なかったと思う。それは当然だが、だったら最初から私に相談なんかするなよ、と言いたい。しかも、S不動産は売却する全ての貸家の入居者に対して1ヶ月半以内の退去を迫っていて、家主は知らないことだけど、私は入居者からいろいろ相談を受けていた。

本来は6ヶ月以上の猶予を与えなければならないし、家主都合の立ち退きなんだからそれなりの補償もしなければならないもの。S不動産は「敷金を含めて3ヶ月分の支払い」だけで退去させようとしていた。

当然に今は付き合いは無い。実はこの家主のご親族に当社の最大の家主さんがいて、真逆のお人柄。普段から管理会社のことを気に掛けてくださっていて、もちろん入居者に対する配慮も行き届いている。

我々業者が、家主さんの直接取引になっても諦められるのは、たぶん「せいぜい親兄弟まで」ではなかろうか。前述のケースでは既にお客様と案内の約束をしていて、ロサンゼルスから見に来てくれることも家主に報告していたのだから、例え使うのが自分の娘であってもお客様優先で考えるのが当たり前だったと思う。

そこまででなくても、家主都合で募集を途中で打ち切るケースは多々ある。その場合、管理会社としては経費は請求し辛いもの。気が利く家主さんなら「手数料分はこちらで払いますから」と仰ったり、後でご挨拶に来てくださることもある。そういう家主さんなら「仲介料は要りません。宜しければ契約書もこちらで作成しますよ」と快く言えるもの。もちろん、広告代も実費分すら請求せずに当方で泣く。

だが、何も配慮してくれなければ「それは無いのでは!?」と思ってしまう。要はハートの問題なのだ。途中で募集を打ち切らせるなら、できれば広告に関する経費くらいは支払ってほしいもの。いや、その前に気付いて「広告なんかも打ってもらってると思うけど、幾らお支払したらいいですか」くらいは訊いてほしい。そうすれば、こちらも気持ち良く辞退できて何の遺恨も残らないものなんだから。

そして、大切なこと・・・、

それは、例え親しい友人知人であっても管理会社を間に入れて契約締結したほうが良い、ということ。ビジネスとして割り切ったほうがお互いの為でもあるのだ。善意で仲介料なんかも掛からないよう配慮して貸したのに、思いもよらないトラブルが発生して、それが為に仲違いするようなことになったら目も当てられないものだろう。先々のことを考えたら第三者(管理会社)を入れておいたほうが賢明ということ。

ひと度トラブルや滞納が発生した時、自分で対応しなければならなくなるから、である。ま、何食わぬ顔して「オタクで請求してよ」と言ってくる家主もいるけどパンチ爆弾

一般消費者が「不動産屋はそれで飯を食っている」などと認識していないのは当然だが、多くの家主が解かってないのはどうしたことか。「オタクに管理させてやっている」と認識しているからだろうか。

私は「遺失利益を補償しろ、広告代を弁償しろ」と言っているのではない。繰り返し言うが、「こういう場合はどうしたらいいですか?」と事前に相談してほしい、ただそれだけのことなのだ。

幸い当社はちゃんと解かっていてくださる家主さんのほうが多いが、他の同業者さんはどうだろうか。

話は脱線するが、一年ちょっと前、二度も大雪が降った寒い冬のこと、当社管理の入居者募集中のアパートと貸家で、それぞれ給湯器の配管が凍結して破裂したことがあった。案内してくれた業者が気を利かせて電気のブレーカーを下ろして帰ったことによるもので、玄関とか流し台の上に「給湯器凍結防止のため電気のブレーカーは下ろさないでください」との紙を置いたりしていたが、それでも事故は起きた。

当然に修理しなければならない。直ぐに水道の元栓を閉めに行き、家主さんに報告して設備屋さんに修理を依頼したのだが、修理代は誰が払うのか、という問題が残る。最後の案内はどこの会社だったか、などと詮索してみても始まらない。仮に判ったとしても請求などできるものではないし。

結論から言えば「家主負担」ということになる。それは仕方ないし当然である。だがその2件のケース、当社が出させて頂いた。水道局に「水道代の請求書は当社に送ってください」とも伝えておいた。どちらの家主さんからも「そんなのオタクの責任でしょ!?」と言われたワケでなく、むしろ逆であった。

なぜ当社で負担させて頂いたのか、と言うと・・・、

日頃から管理会社の苦労というものを実によく解かっていてくださる家主さんだから、である。今までも涙が出るくらい嬉しいことは度々あった。こういう時に杓子定規に「それは家主さんの負担になりますね」などと言ったなら恩返しする機会など無くなってしまうもの。家主さんが普段から管理会社に対してどう接しているか、の違いであって、人柄の良い家主さんは、結局は得する(損しない)ようになっている。

それは私みたいな人間が管理しているから、でなく、世の中の道理というものではなかろうか。

私は、家主はもっと不動産屋や管理会社に気を遣え、と言っているのではない。私が訴えて求めているのは「小さなハート」なのだ。途中で募集を止めさせる事態になったなら、どうかこの記事を思い出してほしい。


posted by poohpapa at 06:36| Comment(12) | 不動産業界(全般) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月11日

本日も続けて、msn . の記事から

msn . の「日刊SPA!」のこんな記事、

不動産屋に聞いた「自分は住みたくない街ランキング」

不動産のプロから見た、住みたくない街とはどこだろうか? 品川駅近くにオフィスを構える鈴木不動産の鈴木章仁氏に聞いた。

「個人的な意見になってしまいますが、中目黒が一番嫌。何がって街のポテンシャルに対して賃料が高過ぎます。20平米の1Kで9万〜10万はしますから……。2〜3駅だけ奥に行く、あるいは沿線を変えるだけでバス・トイレが別になったり、だいぶ広くなりますよ。中目黒のCPの悪さは異常です」

治安という観点からは、新大久保や篠崎、下神明がランクイン。

「新大久保はうるさい、篠崎は暗い、下神明は怖い。篠崎を選ぶなら江戸川を超えて千葉に住んでしまったほうが良いケースも多い」

 5位に入った大森山王といえば、高級住宅街で知られるが……。

「大森山王は坂が多いので、車を持てる世帯ならいいかもしれませんが、不便です。イメージほどの住みやすさはないと思います」

<不動産のプロが住みたくない街>

●1位 中目黒(東横線・目黒区)

人気高にあぐらをかき、コストパフォーマンス最悪の街

●2位 新大久保(山手線・新宿区)

風俗ビル多し。入居者からのトラブル、クレームも多い傾向

●3位 篠崎(都営新宿線・江戸川区)

暴走族が跋扈。夜暗く、女性が歩くには不安が拭えない

●4位 下神明(大井町線・品川区)

再開発が進むも、薄暗い街。廃屋には隠れホームレスも

●5位 大森山王(京浜東北線・大田区)

坂道が多く、薄暗い箇所も目立つ。名前負けした街の代表格

 し、「テロが起きそう」「ヤクザが避ける」「子育てしづらい」などさまざまな切り口で分析している。あなたが住んでいる街もプロから見れば、「住みたく」のかも!? 
<取材・文/週刊SPA!編集部>
 (原文のまま)

記事は都内だけでのもの。こういうのは多摩地区にもあるし、もっと細かく言えば立川市内にもある。

私の価値観(好み)から言うと、ランクこそ付けないが、立川市の中では辺鄙で不便な西砂、砂川、一番町、比較的古い木造建物が多い羽衣町、巨大宗教団体の本部がある富士見町、そして駅に近い丁目もあるが道が狭くて整備が遅れている柴崎町も、あまりお客様にはお勧めしていない。曙町や錦町も、駅に近い地域と遠い地域がある。錦町1、2丁目は駅に近いが6丁目だと甲州街道(多摩川)近くまで下る。もっと細かく言えば、同じ丁目の中でも避けたほうがいい場所や安全な場所がある。

どのアパートでどんなトラブルが発生しているか、地元の業者は知っていたりすることもある。同業者の耳に入るくらいだからかなり大きなトラブルと言えるのだが、中には「儲け優先」で知らん顔して紹介する業者もあると思う。そういう面で言えば、大手より地元の業者のほうが安心である確率が高い。もちろん、大手のほうが圧倒的に多くの物件を抱えていて、お客様の選択肢が広くなる利点はある。

うちあたりは、どのみち他社さんの募集物件を紹介することのほうが多いし、同じ物件をどの業者でも扱えるので選択肢の幅としては変わらないとは思うが、早く広く選択肢を提供してくれるのは大手。ただし大手は次に訪れた時には担当者が辞めていたりする。うちは担当者が辞める=倒産を意味するがわーい(嬉しい顔)

話が逸れたが、夜遅く若い女性が一人で帰宅するのに怖い地域もある。先日お母さんと一緒におみえになった娘さんにはそのあたりを説明して1ヶ月くらいかけてゆっくり部屋探しさせて頂くことにした。お母さんは近所のコンビニで働いていらっしゃって、周辺に数店の不動産屋がある中で迷わずうちの店に来てくださって「お任せします」と仰って頂いた。そういうのは凄く嬉しいし、絶対に信頼を裏切れないもの。

プロの目からも納得のいく「いい部屋探し」をしたい、と思っている。


posted by poohpapa at 06:24| Comment(10) | 不動産業界(全般) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月25日

ご参考までに、「人気の駅・沿線&エリアランキング 賃貸編 2014」

at home のメルマガで「人気の駅・沿線&エリアランキング 賃貸編 2014」というのが届きました。

見ていると楽しいです。自分の住んでいる街は人気の街なのか、興味ある方はご覧になってください。

ちなみに、中央線は東京都の人気沿線では山手線に続いて2位ですが、立川は駅としては18位・・・。特別快速が停まらない武蔵小金井や東小金井(小金井市は全国で財政が逼迫している市町村ランキングの最下位あたりの常連)より下というのは私からすれば「何だかなあ・・・」であります。東小金井なんか「何にもない」のですから。まあ、こういうランキングなんてのはあまり当てにはならないかも・・・。

部屋を借りる世代の多くは、街そのものの利便性より「都心の近く」を求める、というのが解かります。同じ駅で比較しても、駅から遠い築浅物件より駅近の古い物件のほうに人気が集まるのと似ています。

上記のアンケートからも、(以前書きましたが)私の「なぜ立川市はこんなに生活保護率が高いのか」という質問への立川市長の回答、「それは立川市がそれだけ暮らしやすい町になったから」などと「暮らしやすい町に私がした」という自分の実績にすり替えていた話が「的外れ」であることがよく解かります。

たしかに立川駅周辺は再開発が一段落して綺麗で便利にはなりましたが、若者の支持は得られていない、ということですね。生活保護申請者からは人気がある、というのは喜ばしいことではありませんし。

それにしても、1位から18位までが中央線の駅で、19位にやっと上野、20位に品川が入っているのは、「人気がどうこう」というより(上野はともかく)家賃相場の関係かも。井の頭線の駅も入ってないですし。自分が住んでいる街の駅が圏外で出てこなくても「住めば都」、気にすることはありませんわーい(嬉しい顔)




posted by poohpapa at 05:32| Comment(7) | 不動産業界(全般) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする