ATMの話は、どちらも年の頃は60代後半の女と男性の話。
私が、たましん本店の裏口にあるATMを利用しようと裏口から入っていくと、60代後半と思しき女が反対側の窓口のほうから歩いてきた。本店には正面入口に2台と裏口に3台のATMしかなく、私はいつも裏口のATMを使っている。たまたま3台のATMとも利用中で、並んでいる人もいた。それは窓口のほうからも見える。自動ドアからATMの順番待ちの列までの距離は5mもない。
私がそれまで歩いてきた速さと同じくゆったり歩いていると、窓口のほうから来た女は「私がATMに並ぶ」と見て、急にスピードを上げ、タッチの差で私の前に滑り込んだ。私がほんの少しスピードを上げれば女の前に並べたのだが、あえてそうしなかったのは、「長い行列ではなし、どうせ直ぐ順番が廻ってくる。普通に歩いて後れを取ったならそれでよい」と思ったからで、そうやって人の前に割り込んでもべつに嬉しくもないからだ。だが、この女はそういう考えではなかった。自分の行為によって誰かを不快にしている、などと考えたことも無いだろう。
私がATMに並ぶ、と判断するまではゆっくり歩いていたのだから、急いでいた、ということでもなさそうだ。些細なことだが、こういうのは凄く気分が悪い。一日、不快な気分を引き摺る。
数日後、再び同じような状況に遭遇した。今度の相手は、やはり60代後半と思しき男性。位置関係は前回と同じ。3台のATMは先客が利用中で前回より待っている人の列が長かった。互いにATMを使うと分かっていても、どちらも急ぎ足にはならない。私のほうが少しだけ早く最後尾に着いたが、「どうぞ」と順番を譲ったら「いえいえ、どうぞ」と辞退する。それだけで互いに気持ちがいい。待たされることの苦痛が和らぐ。
きっと、前者の女、いや、ババアは「物が不足する」となったら我先に「もう必要の無い生理用品」まで買い占めるに違いない。
今、世間で問題になっている買占め、男女の特性で言えば圧倒的に「買い占めようとする」のは女、であろう。たしかに、主婦などはとくに(男とは別の観点で)「家庭を護らなくては」という意識が強い、ということもあるだろうが、男と女では買い物に対する考え方が根本的に違う。男は「欲しい物」があれば例え予算の3倍しても買おうとするし、女は「不要な物」でも「今だけ半額」となっていたら買ってしまう。男は今不要なものには手を出さないが、女は「手に入らなくなるかも」と思ったら家に在庫があっても買う。
で、女を扱き下ろしているが、実は私自身は女のパターンであって、普段からけっこう備蓄をしようとしている。うちのは逆で、無くなってから買おうとするタイプ。スーパーに一緒に買い物に行って、私が「マヨネーズ198円は安い」と思ってカゴに入れると、うちのが「まだあるから要らないでしょ!」と棚に戻す始末

ところで、こちらは、府中の深夜営業のスーパーでレジのバイトをしている娘から聞いた話。
地震の数日後、「お一人様◎個まで」との制限を付けて販売していたカップラーメンを4ケースもレジまで持ってきた客がいて、「被災地に送るから」(いいでしょ?)と言われたとか。まあ4ケースも買うのだから「本当は自宅用」ということもないだろうけど、不特定の避難所に送るのでなく「知り合いに送る」のだと想像はつく。娘の一存では決められないので責任者に判断を仰いで、結局は4ケースの購入を認めたとのこと。傍に他の客もいなかったし、責任者は「そんなことで悪評を流されても」と思ったようだ。
更に数日後、別の客が水やら食糧やらを個数制限に反して大量にカートに積んでレジまで持ってきて、やはり「被災地に送るから」と言ったとか。その時は他にも客がいたこともあって断ったそうだが、客は怒ってカートの商品をレジに残したまま立ち去ったとか。そんなでは本当に被災地に送るつもりだったかどうか疑わしい。というより、どうして先に問い合わせしないものか、と不思議に思う。
例え本当に被災地に送るとしても「被災地に送る」と言えば何でも通るワケではない。それが免罪符になるなら「そうしたい人」は他にもたくさんいるものだろう。それで店が非難されたら堪らない。
我々の商売で言うなら、「私は捨て猫や野良犬を保護しています。こちらのアパート(2K)の室内で犬7匹、猫5匹、飼ってもいいですか?」と問い合わせが入って断ったら「動物愛護の精神を持ち合わせていない冷たい不動産屋」と非難される(された)ようなものだ。
人間、追い詰められた時にその人の本性が出る、というが、追い詰められてもいないのに「自分を最優先」する人、最悪である。
※コメントの返信、もうちょっとお待ちください、すみません。