先日の「人の好い家主さん」の滞納家賃請求の話。
もっとも、エイ◎ルが管理していたB棟の218万のほうではなく、A棟の退去者の36万のほうの話。ま、どっちにしても凄いけど

私が精算書と請求書を移転先に送ると、「住所に尋ね当たりません」ということで還ってきてしまったので、仕方なく連帯保証人である母親の元に送ったのだが・・・、直ぐ母親から抗議の電話があった。
「息子がそんなに滞納していたなら、もっと前に言ってくれるのが当たり前じゃないですか。
知り合いの誰に訊いても『そんなものは払わなくていいんだよ』と言っています。だいいち、時効でしょう?」
それだと「払いたくない」と言っていることになるのだが、この母親は元々そんなことを言うような人ではない。話せば解かる人である。
だが、こういう場合には例え正論を言っても理解はされない。
それで、一通り言い分を聞いた後で、こう話した。
「そうですよね、私も、いきなりそんな請求書を送ってこられて『さあ払ってくれ』と言われたら納得はしません。元々その請求書は息子さんに送ったもので、戻ってきてしまったので仕方なくご実家にお送りしています。なので、お母さんに払って頂くつもりはありません。本来は滞納していた息子さんが自分で払うべきものです。それに、家主さんはよく間違えます。もしかすると、請求内容に錯誤があるかも知れません。お母さんのほうに振込みの控えは揃ってますか?」
既に成人して結婚し子供も設けている息子の家賃を母親が時々振り込んでいたことも、この母親が振込みの控えを全部取ってあることも知っている。だが、知っていてあえて訊いたのにはワケがある。
照合してもらって家主さんに間違いがあったなら、間違いを修正してやれば「払わない」とは言えなくなる。「間違ってなかった」と言ってきたなら尚のこと。
「滞納」を相手に確認をさせるのが目的なのだ。
つまり、自分で確認したなら「そんなの払わなくていい」との言い分は吹っ飛ぶことになるから、
確認作業をする約束をした時点で、相手には自動的に「支払う」という選択肢しか残らない。
ま、「分割にしてくれ」くらいは言うかも知れないが。
控えはちゃんと取ってあるのだから、近いうちに連絡をくれるだろう。そうすれば、一括が無理でも必ず払ってくれる人なのだ。
私は、こうも言っておいた。
「家主さんはお母さんのことをとても信用していますから、家賃の遅れがあっても督促などせずに気長に待っていたんだと思いますよ。他の入居者のケースでは直ちに私に督促の依頼がありましたから」
他の入居者には直ぐ請求してるのに自分には請求せずに待っていた、と言われれば優越感をもつだろう。
ふつうの人間なら「信用している」と言われて「払わない」とは言えなくなるだろうし。
本来は息子がきっちり支払っていれば何の問題も起きなかったのも事実だし、以前、風呂釜を空焚きして浴室を燃やしてしまった時も、本来は入居者負担になる修理代を家主さんが出してくれている。
そんな話を遠回しにしたが、説得しようとはしなかった。すれば逆効果になる。理屈で説得しようとするのは一番拙い方法である。
まあ、母親も、言うだけ言ってスッキリしたことだろう。不甲斐ない我が子にぶつけたい憤懣を私に向けてしまう気持ちはよく解かる。
こんなケースでは、「解かったようなこと」を言って
無責任に知恵をつける輩が必ず何人か現れる。それで更に話が拗れてしまっても、そういう奴が「ちゃんと責任を取った」などという話は聞いた例がない。
その母親も、「悪い知恵」を付けられたりしなければ、お詫びと共に直ぐ振り込んできたであろう。結局は払うことになるのに、つい乗ってしまって評価だけ下げられるのだからつまらない。
自分に都合の良い進言をしてくれる人は「
その時は有り難い」ものだが、やがて災いをなすことにもなりかねない。
私は「滞納家賃を払わせよう」としているのでなく「滞納家賃を清算することが自分の為にもなる」ということを解かってもらえるように話しているだけである。それこそが三者の利益に繋がるのだから。
posted by poohpapa at 05:00|
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