2005年06月27日

待ったなし、の空室対策

ある家主さんを訪問した。お叱りを受けることも覚悟して、だった。

その家主さんのアパートは、8室のうち現在2部屋空いていて、今度さらに一部屋空くことになった。一番初めに空いた部屋は、なんと、1年半も空室のままである。その間、私が何もしていなかったか、というと、そんなことはない。概ね1ヶ月に一度は業者広告とネット広告を打っていたし、たまに部屋の様子を見に行ったりもしていた。

では、割高であったり環境が悪いのか、といえば、そうでもない。

考えられるのは、駅からの距離である。最近のお客さんの傾向としては、同じ家賃と面積なら、駅から遠い築浅物件より、古くても駅に近くて便利の良い物件を選ぶことが多い。その物件は、築18年で駅からはバス便である。しかも周辺には新築物件が「雨後の筍」状態でどんどん建っている。価格を下げるにしても限度があるから、とても太刀打ちできない。しかも、その新築物件でさえ、中には建って1年も経っているのに未だ埋まっていないものがある有様なのだ。

実は当初すぐにお客さんが付きそうであったが、家賃交渉が入って、「まだ空いたばかりだから」ということで家主さんから断りが入った。別のお客さんからも入居申し込みが入ったのだが「高齢者(80歳)は不安だから」ということで、それも断られたという経緯がある。

私はいずれも、家主さんに「受けた方が良い」と進言してはいたが、家主さんが断る気持ちも分かる。家主さんも、まさかここまで空くことになるとは思ってもみなかっただろう。

後の高齢者の場合は、私が別の物件を紹介して既に2年経っているが、何の問題も起きていない。私も近所まで出向いた時には様子伺いで訪れたりもしている。まだまだ大丈夫だろう。

しかし、そうは言っても、管理会社は「努力してます、頑張ってます」など何の弁解にもならない。家主さんにとっては「空室を直ぐ決めてくれる業者」こそが良い業者であって、決められない業者は良くない業者である。方法も経営状態も、ましてや担当者の努力なども関係ないものである。在るのは「未だ空室である」という事実だけだ。

3室目が空くことになって、さすがに「このまま」のやり方を続ける訳にもいかず、家主さんを訪問して率直に直接意見を交換してみよう、と思った次第であったが、こちらの不安とは逆に家主さんは温かく迎えてくれて、何とも恐縮してしまった。

聞くところによれば、最近、家主さんが近所の寄り合いに出てみると、地元でアパート経営をしている方たちが多く参加していて、皆さん口を揃えて「空室が埋まらない」と話していたとか。しかも、「家賃を下げてもダメ、キレイにリフォームしてもダメ。周りの新築だって決まってないんだからどうにもならないよ」とも。そういうこともあって家主さんは現状をよく認識していた。管理会社が言ったのではただの言い訳にしかならないことも、同じくアパート経営をしている人の話であれば率直に納得できるものだと思う。だから、私が伺う前に悟り切っていたのであろう。

私は、こう切り出した。「これからは、高齢者も障害者も生活保護者も、前向きに受け入れざるを得ない時代になると思います。心配だから断る、というのではなく、受け入れてどう対応するか、を考えるべきかと思います。建物そのものも、現在のお客さんのニーズに合わせて改築する必要も出てくるでしょう」、と。

もう、値引きすれば入る、という時代でもなくなっている。

私が1年前にその話をしたなら、家主さんはアッサリ拒絶していたであろう。今回は丁寧に話を聞いてくれて、前向きに検討して頂けることになった。時代は変わっている。
だが、それ(設備投資)ができる家主さんばかりではない。条件(家賃や審査)緩和だけでしか対抗できない家主さんは辛い。

ところで、私は性格的には、短気な一面と途方もなく気長な一面とを併せ持っている。直情直下ですぐ怒る時もあるが、こと交渉ごとなどに関しては忍耐強い。人との待ち合わせも最高7時間半待ったことがあるし、1時間や2時間なら怒ったりもせず平気で待てる。敷金の精算方法だって、私のやり方である「原則的にクリーニング代のみ請求」で家主さんに納得してもらうのにも8年も掛けている。元妻の実家に二世帯住宅を建てて義父母と同居する際、義妹から言われた「お姉ちゃんのところで(遺産を)全部持っていったら承知しないからね」という言葉に、「それは大変な間違い」と諭したのは10年以上経ってからのことである。だから、あの北朝鮮と交渉にあたっている外務官僚の気持ちも分からないではない^_^;

だが「空室対策」は、もう待ったなしの状況にある。理由はどうあれ、私としても、このままでは管理会社を下ろされることにもなりかねないし、そうなったら死活問題である。気長に構えてなどいられない。

将来の為に私が出来ることはただ一つ。



早くシナリオ制作に取り掛からねば!(そっちかよ;爆)

posted by poohpapa at 06:51| Comment(4) | 家主さん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年06月10日

リフォーム代を巡っての珍しいお話

ある家主さんから電話があった。その家主さんが賃料30万で貸している大きな貸家のリフォームの件である。

入居者は、ふだん家に居ることが多く、タバコを一日に40本も吸うというヘビースモーカーであった。当然、どの部屋も壁紙から天井までまっ茶色になっていて、原因がタバコであることは明白だし、入居者本人(法人契約)もそのことはよく自覚していて、「リフォーム代は全部こちらで負担します」と言っていた。法人契約とはいえ、賃料30万の貸家に入居しているくらいだからさすがに余裕がある。

話がのっけから横路に逸れるが、「そんなに家賃の高い部屋を借りているなら買っちゃったほうがいいのに」と言う人がよくいるが、それは失礼ながらおカネの無い人の発想であって、おカネがあるから高い家賃の部屋を借りるもの、・・・らしい。いや、どうかすると、立派な持ち家が有りながら借家住まいをしている人さえいる。理由は税金対策とのことだが、ふだん私がしている税金対策(例えば家のプリンターの補充用インクを会社の経費で落とす;セコ^_^;)とは次元の違う話だから詳細は全く分からない(苦笑)

似たような話に生命保険の掛け金がある。私は毎月3万5千円の保険料(事故死の場合1億円)を払っていて、言うまでも無く家計をかなり圧迫しているのだが、世の中には毎月1億を超える保険料を払っている人が何人もいると聞く。それらも税金対策とのことだ。

で、リフォーム代、と言っても大きな一軒家であるから、ついでにいろんな所を手直ししたりするので見積もり額は200万にもなった。それを入居者は「負担します」と言っていて、それも昨今では珍しいことだが、何と家主さんは、「いいですよ、こちらで全部出しますから」と事も無げに仰る。

この程度の話なら、今は「東京ルール」という条例も施行されているのだし、世の中の趨勢からもとくに珍しい話ではないだろう。お互いゆとりのある人同士の話、と言えなくもない。
この話が非常に珍しい話になるのには訳がある。

実は、これは退去の際の敷金精算を巡る話ではない。
入居者が入居中に、「タバコなどで家を相当汚してしまっているので、費用はこちらで負担しますから、大規模なリフォームをさせて欲しい」と言ってきて、それを受けて家主さんが、入居途中での全面リフォームを全額家主負担ですることになったのである。

賃貸の重要事項説明書にも、たいていは「畳、襖等の建具の取替え費用の負担は借主」と謳ってあって、これは「出る時に畳、襖等は借主負担で現状回復するもの」という意味ではなく、「最初は家主がキレイにしておくけど、途中で交換する場合は借主の負担でやってくれ」という意味である。ごく稀に入居中に、「畳が茶色くなったから表替えしたい」という人がいて、そういう場合は借主負担ですよ、と言っているのである。

だから今回のケースの場合、入居者も責任を認めているのだから、とくに支障が無い限り好きにやらせておいて全額負担してもらったとしても、どこからも異論は出ない。

世の中、こんな家主さんばかりなら、不動産屋はずい分助かる。
ハッキリ言って、重箱の隅を突付くような家主さんは多く、私のストレスの一因にもなっている。島田紳介がバラエティ番組の中でよく言っている「絶対に罪にならない拳銃と弾が6発あったなら・・・」という話、私なら「高校時代のある教師に1発、とくに特定していないが悪質入居者や客用に2発と家主用に2発」使うだろう(いえホント)

え?「計算が合わんだろう!残り1発は誰に使うのか」ですって?
もちろん、不測の事態に備えてとっておくつもりである(爆)
posted by poohpapa at 05:28| Comment(2) | 家主さん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年06月05日

ドアスコープを壊されて

道を歩いていたら携帯が鳴った。出ると、女性専用アパートの家主さんだった。或る入居者の部屋のドアスコープが何者かによって外から壊されてしまった修繕費用に関して、「どうしても家主負担になる訳ね」、というクレームとも問い合わせともつかない用件だった。

その一週間ほど前、入居者から電話を貰ったので、「私から家主さんにお話して、業者に出来るだけ早く直してくれるよう連絡します」と話して、直ぐ家主さんに事情を伝え、「ドアスコープが壊されたことについては入居者には責任がありませんので、この場合費用は家主さんの負担になってしまいます」、と話して了解も取り付けていた。
金額にすれば手間賃を含めても数千円の話である。

で、業者から請求書を受け取ったところで私に電話をしてきた。
「今回は私が払いますけど、次また同じことが起きたら入居者に請求できるのかしら?」と言うのである。私が、「う〜ん、それは難しいですね。入居者に安全に暮らして頂く為に家主さんがすべき補修と考えられますから、2度目だからと言って入居者に請求することは出来ないでしょう」、と言うと、入居者の交遊関係などの例を挙げて「全く関係ない相手がやったとは断定できないでしょ?あの方の部屋だけで起きたとしたら本人にも責任があることになりませんか?」とのこと。一理はあるがそれを証明することは難しい
だいいち、そんなこと本人には言えない。

だが、もし私が「家主さん、それは間違いです。そんなことは出来ません」、とハッキリ言ったなら、家主さんは私に対して不信感を持つことになって管理会社を換えかねない。やんわり話しても拒絶反応なのだから。さりとて、入居者に請求しようものなら私は正真正銘の悪徳業者になってしまう。入居者は芯の強い女性だからアッサリ退去してしまうことも考えられる。

私は「次、また同じことが起きるかどうかは分かりませんし、その時が来たら考えましょう」、と話して電話を切った。今の時点でまた起きるかどうか分からないことの支払い義務を議論したところで始まらない。家主さんはただ言っておきたかっただけなんだろう。

不動産屋が間に入って、「家主と入居者との間のトラブル」を未然に防いだり丸く収めていることは多々あるものだ。それが仕事でもある訳だから「理解してくれ」などと甘ったれたことは言わないが、私は今に深い人間不信に陥りそうな気がする。いや、もう陥っている。

世の中で、不動産屋ほど不条理に遭遇する仕事は無いと思う。

posted by poohpapa at 07:50| Comment(14) | 家主さん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年06月27日

「穴」の思い出 2

さて、エアコンの「穴」によるトラブルで、2週間で退去されてしまったアパートであるが、その後も新たなトラブルに見舞われることになった。

次のお客様がなかなか決まらずにいたら、家主から「不動産業者を替えたい」、と連絡があった。私はそういう場合、けっして引き留めたりはしない主義であるから、「かまいませんよ」と言って、地元の優良な会社を紹介してあげた。

その会社で、2組のお客さんから申し込みをもらったらしいが、一組は「職人だから」、もう一組は「ご主人が外人だから」ということで断ってしまったとか。そうなると業者も冷めてきて一所懸命に客付けなどしてくれなくなる。結局、5ヶ月も空いたままになった。

途中、家主が何度も当社を訪れて、「オタクでもいいお客さんがいたら紹介してくれないかなあ」と頼む。本音では「どのツラ下げて」だが、「分かりました」と答えておいた。

そうこうしているうち、近所の病院で賄いをしていらっしゃる方の息子さんが、結婚するとのことで来店した。やはり希望地域からは外れていたが、そのアパートを案内すると気に入ってくれた。予算が少しオーバーしていたので、たまたま案内の時に庭にいた家主と値引き交渉するとアッサリOKしてくれた。これで問題なく契約になる、と思っていた。

翌日の朝、新管理会社から抗議の電話が入る。「勝手に値引き交渉しないでくれ」、というのである。それで、「元々は当社の管理物件だったから家主さんは良く知っているし、あの家主さんが家にいる時に案内すれば、すぐに家から飛び出してくることはオタクだって知ってるハズ。うちが直に取引しようとしたのならオタクが怒るのは分かるけど、ちゃんとオタクの会社を通して申込書を入れているのだから、文句を言われる筋合は無い!」と反論すると、すぐ誤りを認めて謝罪してくれた。

それでやっと落ち着くかと思ったら、業者から再び電話。「家主が、今回3千円値下げしたから更新の時には5千円値上げする、と一筆入れてくれ、って言ってるけどどうしましょうか」とのこと。「もう勘弁してくれよ〜」である。私が「そんなことできる訳ないでしょう。だったらこの話は無かったことにしてくれる?」と言うと、向こうも嫌気がさしていたのだろう、「ああ、そうしましょう」とアッサリ白紙に。

その後、3ヶ月ほどして家主が再び店にやって来た。「またイイお客さんがいたら・・・」と言うので、接客中だったし、「外に出てくれる!二度とうちの敷居は跨がないでもらいたい!」と追い出した。

それほどのトラブルがあっても、私はこの家主が嫌いではない。むしろ、家主としては、いい方(ほう)なのだ。それに奥様も、とても優しい人である。

その後、7年間も音信不通になっていたが、3ヶ月前、奥様と2人でおみえになった。ドアを開けて、「入ってもいいかなあ」と言うので、「どうぞどうぞ」と迎え入れた。なんでも、この7年間、私にお詫びをしなければ、と、ずっと気になっていたとか。「できれば、またオタクで管理してもらえないかなあ・・・」との嬉しい言葉ではあったが、私からすればまだその時期ではないのでやんわり辞退した。

だいいち、私が紹介した今の管理会社に対して、「また当社で管理させてもらうことになりましたので・・・」などと言える話ではない。それでは同業者を利用したことになってしまう。

だが、空き部屋が出た時には気にかけてあげようと思う。このご主人が無理なことを言う心配はもう無いのだから。

posted by poohpapa at 06:00| Comment(8) | TrackBack(1) | 家主さん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年06月26日

「穴」の思い出

東京の郊外にある3DKのアパートの管理をしていた。

ある夏の日、飛び込みで、大企業の取締役部長をしているお客様がカップルで来店した。たまたまそのアパートに空き部屋があったのでお客様をご案内することにした。お客様には持ち家もあり、家庭もあるが、一緒に来店した女性は奥様ではない。その女性は会社の部下で、言うなれば「駆け落ち不倫」であった。ご希望の条件からは少し外れていたが、ご案内すると一発で気に入ってくれて契約する運びとなった。

ところが、入居してすぐに退去することになる。破局したから・・・、ではない。

そのアパートにはDKにだけエアコン用のスリーブが空いていて、他の入居者たちもDKに1台だけエアコンを取り付けて暑さを凌いでいた。お客様が入居してすぐ当社に、「全部の部屋にエアコンを付けたいんだけど、どうすればいい?」と電話してきたので、「元々のスリーブは1ヶ所ですから、他の部屋には新たに穴を開けなければならないでしょう。家主さんにはこちらから連絡しておきますので、どの位置に穴を開けたら良いか家主さんと電器屋さんとで打ち合わせをしてください」、と言って電話を切った。

それからすぐ家主に連絡すると、「とんでもない、エアコンなら1台取り付けてあるでしょう。僕のアパートに穴を開けないでくれよ」、と言う。家主は人柄は悪くないが、とても神経質で、「アパートに穴を開ける=傷モノになる」、と思ってしまっている。そこで、「ふつうの人」である奥様と電話を代わってもらった。私が、「入居者が、エアコンを付ける為に家主さんに無断で壁に穴を開けたとしたら問題ですが、『エアコンを取り付けたいから壁に穴を開けさせて欲しい』と言ってきたのを拒むことは常識的に考えればできないと思います。奥様からご主人様を説得して頂けませんか」、と頼むと快く受けてくれた。電話口でしばらくやり取りしていたようで、ご主人が再び電話に出て、「じゃあ、イイことにするよ。だけど、どうしても穴を開けたいのかなあ・・・」と、まだ言っていた。

私は嫌な予感がしたのでご主人に釘を刺しておいた。「ご主人様も一度了解なさったことですから、これから○○さんと顔を合わせても、絶対にエアコンの穴の話はしないでくださいね。今度その話をする時は、電器屋さんを交えての打ち合わせの時ですからね、いいですね」、と。「うん、分かったよ」、と言ってはいたが、それでも不安だった。

翌日、その不安は的中する。お客様からクレームの電話が入った。「話が違うじゃない!、さっき駐車場で顔を合わせたら、『どうしても穴を開けるの?』って聞いてきたけど、どうなってんの!?」、と。お客様のご立腹はもっともである。

私はすぐに家主に電話して猛抗議をした。家主は平謝りだったが、もう遅かった。入居者が退去を決意してしまったのだ。お客様の入居期間はたったの2週間であった。

そのお客様は私にとっては誠に有り難いお客様であった。退去を決めるとすぐにまた来店して、「もう一度最初から部屋探しをし直してくれないか。もちろん、手数料もちゃんと払うから」、と言ってくれたのである。そう言われても、「ああ、そうですか」ともらう訳にはいかない。下手をすれば「損害賠償モノ」だったのだから。

改めて国立にある3LDKのマンションを紹介して契約してもらうことになったが、手数料の15万円は辞退した。「気にしないで受け取って」、と再度仰ってくださったが、もらえるものではない。このトラブルは私の所為ではないとは思うが、ご迷惑も掛けているし、自分でも納得がいく仕事ができていない以上、頂く訳にはいかない。私も「プロ」だから。同様の理由で、私は年に何回かは手数料を辞退することがある。

この家主とはトラブルの続きがある。それはまた明日。

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2004年02月21日

立派な見識の家主さん

家主、といえば、強欲、ケチ、というイメージが付いてまわりますが、中には驚くほど立派な見識をお持ちの方がいらっしゃいます。あ、8割かた、普通の方々なんですけど(爆)

ある日、家主さん宅を訪問すると、明らかに東南アジア系の顔立ちのお客様がいました。で、理由を尋ねると、そこには感動的なドラマがありました。

そのお客人はラオス人のご家族で、娘さんの「三口(兎唇)」の手術のために来日中でした。ご承知の方もいらっしゃるでしょうが、手術は3回にわたって行われますので、その度に来日する必要があります。技術的には困難な手術ではなく、キレイな顔立ちになりますが、精神的、経済的な負担は大きいものがあります。

家主さんはボランティアで勤めている「外国人のための日本語教室」の講師をしていて、そのご家族と知り合われたとか。で、事情を聞いて、3度の手術費、家族全員の渡航費、滞在費など、すべて出して差し上げることにしたのだということです。その額は、保険もきかないので、およそ300万円にものぼったそうです。幸い家主さんの周囲で募金活動も起こり、大学にも補助して頂けることになったとか。でも、それにしても、「額」の問題ではありませんね。人の為には千円のカネだって出し渋る人は私の周りにも大勢いますから(*^^)v

私が、その家主さんを「立派」だというのは、お金を出したから、そのことではありません。
実は家主さんの奥様は、子供の頃、あるお医者様の養女となり、大人になって今のご主人と結婚する時に反対されて家を出て、その後養父母がお亡くなりになって遺産を相続なさったのですが、「これは本来、家を出た私が受け取るべきものではない。いつか困っている人たちや世の中のために遣おう」と心に決め、それを実行なさっている、ということにあります。

人の心は変わります。お金が必要な理由はいくらでもつけられます。私なら、「自分も困っている」と思おうとしたかも知れません。また、それで普通なんだと思うし、奥様がそのお金を自分のために使ってしまったとしても誰も非難などできません。奥様が、2人の娘さんに「私が養父母から相続した分はあなた達にも遺すことはしません」と宣言したとき、娘さんは2人とも心から賛成してくれたそうです。もちろん、ご主人様も。

不動産の仕事をしていて、「お金がないから家賃が払えない」「あるから払える」というものでないことはよく分かります。お金がなくてもキッチリ払ってくる人はいますし、持ってても払ってこない人もいます。お金の使い方を見ていれば、その人の人格はよく分かります。

崇高で立派なご家族に出会えて、私も幸せに思います。
posted by poohpapa at 13:21| Comment(2) | 家主さん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする