2005年10月15日

几帳面というか細かいというか神経質というか

他社で募集と管理を依頼している家主から「もう1年も2部屋空いていて、今度もう一部屋空いてしまうんで、オタクでも募集をして頂けませんか?」との電話があった。

当社でも3度広告を打ったが問い合わせが少なく、一昨日、ようやく1件の申し込みが入った。それで、家主に連絡すると・・・、

「どういう内容の人ですか?」
「(アナタが客と)直接お会いになっていますか?」
「2ヶ月間会社を休んでいたとのことですが、どんな病気ですか?」
「私が勤務先に電話して在籍してるか確認してもいいですか?」
「薬剤師の資格証明書のコピーとか頂けるんですか?」
「前の住まいはどういう理由で退去することになったのですか?」
「もし、何かあったらオタクで責任を取ってくれますか?」

本音では「いい加減にしてくれ!」と怒鳴りたい気分だった。そんなに心配なら自分で不動産屋の資格を取って一切合切全部自分ですれば良い。日割り計算にしても、「契約してその時に鍵を渡すならその日から日割り計算すべきですよね」とも言う。一見尤もな要求だが時勢には合わない。私は、「入居が先の話でも契約は1週間以内に済ませてくれ」とお願いしていて、それはキャンセルを防ぎたいから、つまり「こちらの都合」である。だから、例えば家主が2週間後からの日割り発生で納得しているなら、契約が5日目であっても日割り発生は2週間後にすべきなのである。当然、鍵は契約時に渡すことになるが、それすらも「日割り発生前日にでも改めて取りに来てもらう、というのではダメなんですか?」と聞く。細かいにも程がある!

「以前頼んでいたS不動産では、ちょっと荷物を入れる為に一度鍵を渡しても、また回収して日割り発生前日に渡してくれていた」、と言うが私は地元の業者ではない。部分的に「ここは前の業者の方が良かった。ここはオタクの方が良い」などと都合よく比較されても困る。

たしかに、私が「前の業者の方が良かった」と指摘された部分をそのように改めればその家主にとってはパーフェクトかも知れないが、それは身勝手というものだ。私はバツイチだが、今の女房に対して「そういうところは元妻のほうが良かった」などとは決して言わない(笑)

私が、「今、他の業者で頼んでいるが、これからオタクに」と頼まれても直ぐに引き受けないのは、そういうことを言われるのが不愉快だから、ということもある。業者を換えた家主は必ず言うもの、なのだ。

「何かあったらオタクで責任を取ってくれるか」と言うが、そんなの取れるものではない。「管理料を頂いていない場合は、電話や文書での督促まではしますが(片道1時間の)物件まで出向いて貼紙したり、ということまでは出来ません」と、断った。広告代も当社で負担して、細かい指摘と質問をされて、判断は家主がして、家賃収入も得ておきながら「責任はオタクで」、と言うのは理不尽であろう。

こういう家主の物件は受けたくないが、長くお付き合いしている別の家主さんの弟さんの奥さんだから仕方なく受けている。しかも当社がメインでなく一般媒介である。困った時しか声が掛からない。私は普段「専任で当社に依頼してくださったなら何度広告を打っても広告代は当社で負担」しているが、他の業者にも依頼する一般媒介だから広告代を負担してくれるようお願いした。だが渋ったので仕方なく「では、当社で決まったら広告代は結構ですから」ということにした。別の家主さんの紹介でなければ断っていた。広告代は業者が負担して当然、ではないのである。広告代は「業者が収入を得るための必要経費」だが、目的は「空室を埋めるため」なのだから、本来は「客付けを依頼している家主が負担すべきもの」と考えるのが妥当であろう。決まっても手数料から広告代を引けば幾らも残らない。

結局、そのお客さんからは断りが入った。「私が細かいことを言いすぎたからでしょうか?」と聞かれたが、「はい、その通りです」とは言わなかった。その家主が傷付かないように、ではない。うちと紹介者であるお兄さんとの関係が拗れたりすると困るから、である。

お兄さんは全て私に任せてくださる方で、実に仕事がしやすい。弟さんも同じような方でいらっしゃるが、奥様は正反対なのだ。仰ってることは間違いではないし、どの項目も家主としては気になることではあるだろう。だが、全部聞いてしまえば判断は自分ですることになる、と気付いていない。そうすると当然、責任も家主自身が取ることになる。まあそれでも責任転嫁してくる家主もいるが、人徳があって賢い家主さんなら「あなたに全てお任せしますから」と言うものだ。
そのほうが怖いが仕事はやりやすい。家主も結局「得」である。

もう少し大らかに生きられた方が幸せであろうに、と思う。
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2005年10月12日

どう話せば納得して頂けるのか^_^;

昨日、このお客様(記事前半部)の引越しの立会いに行ってきた。

入居時に何のリフォームもしておらず「現状渡し」であったので、当然に敷金は全額返還される。それは家主さんも了解している。

ただ、問題はその後である。私は、「次の募集に当たっては、汚れている壁紙は全て剥がして、全体クリーニングをして、トイレの壁紙だけは家主さん負担で張り替えておく、というのが良いでしょう」、と進言したのだが、家主さんが難色を示しているのである。

私からすれば、汚れたままお客さんに見てもらうのはイメージが悪く、せっかく見てもらっても断りが入る可能性が高くなるから、いくらスケルトン渡しの店舗と言っても、「ここまではやっておきましたので、後はお好きなようにリフォームしてお使いください」くらいのところまでは準備しておきたいのである。しかも、今回の短期貸しの床屋さんの前の入居者からはクリーニング代とリフォーム代の一部として10万を置いていってもらっていて、私は「それを超えない範囲での工事と清掃」ということで業者とも打ち合わせをしている。要するに、家主さんの持ち出しはゼロである。にも関わらず、自分は極力何もしないで、できるだけ次の入居者に負担させようと考えているようだ。

過去には、その物件ではこんなこともあった。
結果的に、家主さんの懐には残らなかったおカネではあるが、私としてはスジは通して、私は家主さんに損害を与えていない。

同じことを何度もゆっくり説明して、家主さんはやっとこう仰った。

「解かりました、○○さんがそこまで仰るなら・・・」
(良かった、これでようやく帰れる)
「息子ともよく相談してみますから」
(ズコッ!!、なんだよ、解かってくれたんじゃねーのかよ!)

疲れがドッと出た。会社に辿り着くのが精一杯だった。

会社に戻ってしばらくすると、その家主さんから電話があった。
「さっきのお話ですけど、工事の見積書はもらえるのですか?」
(はは〜ん、こっちが水増しするとでも思っているな・・・)
「はい、もちろんですよ。以前も見積書は出ていましたが、床屋さんが『現状で良い』とのことでしたので家主さんにお送りしていないだけです。10万をオーバーしている分は業者に値引きしてもらう話になっていました(本当の話)。それと、その10万は、前々入居者からお預かりしているおカネであって、もし余らせたならお返ししなければなりません。それを結果的にくすねた、ということになってしまったのでは家主さんも私も不本意で寝覚めが悪いものですよね。せっかく前々入居者が気持ち良く出してくださったリフォーム代ですから、残すことなく使わせて頂きましょう」、と言ってやった。

家主さんは「ああ、なるほど、そういうことですか。では息子と相談して」、と電話を切ったが、おそらく解かってはいないだろう。

私は床屋さんが入居時に依頼してきたエアコン清掃に対しても、本来は賃料10万の店舗を15万で借りてもらっていながら費用を出し渋る家主さんとの間に入って、業者に「短期貸しの床屋さんが退去したら必ずリフォームをお願いするから、前倒し、ということで面倒をみてもらえないか」、とお願いしている。今さら、「今回もリフォームは見送ることになったから」、などと言えるものではない。

ご高齢の家主さんと付き合うには、忍耐根気が不可欠である。



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2005年09月26日

「ハートの無い家主」の話(2度目の体験)

最初は一般常識くらい持っている普通の家主夫婦だと思っていた。
私は以前にも一度、全く同じ体験をしているが、何とも空しい話だ。

ある人から「私の知人が奥多摩でアパート経営してるんだけど、ちょっと困ってるみたいなんで相談に乗ってやってくれないかなあ」との依頼を受けて、車で1時間かけて出掛けてきた。

相談内容は、「空室がもう半年も埋まらなくて、管理会社に不信感を持っているから管理会社を換えたい」、というものであった。当節、半年や1年、空室が埋まらないのはよくあることで、その家主のアパートに限ったことではない。話を詳しく聞いてみると、どうも、その物件の広告は全く打たれていないようであった。これは、家主が気が付いたのではなく、ふだん全部の広告に目を通している私も「その部屋の広告には全く見覚えがなかった」、ということである。

家主に「広告費の負担の取り決めはどうなっていますか?」と聞くと、「とくに管理会社と話し合ったことはないし、何も決めていない」とのこと。私の場合は、「専任で当社だけに募集の依頼をしてくれるなら広告代は(何度打つことになっても)全て当社負担」と決めているが、他社はそうでないことが多い。家主も何がしかは負担して当然でもある。もっとも、その都度は負担していなくても、成約後に広告代としてバックして頂いたりもするから、バランスは取れている。

その業者が広告を打たないのは、「広告代の負担をしてもらえないのが分かっているから、自分の店に直接来店した客だけに勧める」という方針でいるからだろう。業者の気持ちはよく解かる。

それで家主にこう勧めた。「部屋が空いたままでいれば家主さんにとっても辛いことだと思いますから、家主さんが広告代を負担する覚悟も必要です。その業者さんも、なかなか決まらなくて家主さんに連絡しにくくなっていて、それで意思の疎通がなくなってしまっているのでしょう。出来れば、広告代の負担の件も含めて、一度業者と腹を割ってじっくり話し合ってみてください」、と。

その家主は、ハナから管理業者を換える気でいたから、私が「ならば是非、当社に」と言えば、うちの管理物件になっていたと思う。

だが、私は引き受けない。今、他社に頼んでいて、「それでも換えたい」という理由は、ほとんどが家主の我が儘や身勝手である。腹を割って業者と話し合い、家主として負担すべき費用を気持ち良く出していたなら、何のトラブルも起きていなかったであろう。もし私が色気を出して「ならば私に」と言ったなら、今の管理会社に代わって私が苦労を背負うことになるだけの話である。だいいちそういう家主は私が気に入らなくなればまた直ぐ他の業者を探すようになる。だから、似たようなケースの話も過去には有ったが、今まで全て辞退している。おそらく、業界では私のような人間は少数派だろう。他社が日々どんな苦労と経費を掛けて管理していようが、スキさえ有れば「お構いなし」で管理を横取りしていくのがこの業界である。

で、アドバイスだけして帰ってきたが、知人の紹介、ということもあって、その後も気には掛けていた。しばらくして、都内の業者から当社の物件の空室確認の電話が入った。その物件は決まっていてもう無いのだが、先日の家主の物件と条件が似ているので、「当社の管理物件では有りませんが、こういう部屋があります。管理会社は○○不動産で、電話番号は・・・・です。当社は抜いて頂いて構いませんので直接問い合わせてみてください」、と教えてあげた。

翌日、その業者から「お陰さまで申し込みが入りました」との挨拶を頂いた。それで、家主にその間の事情を説明すべく電話をした。
恩に着せる為ではない、紹介者の顔を立てる為、である。

数日後、客付け業者から再度「契約終了」のお礼の電話を頂いたが家主からは何の挨拶も無かった。電話の一本でさえも、である。

私は、おカネが欲しいのではない。私が欲しているのはハートである。悲しいかな、この手の家主は多いし、過去にも全く同じ体験もしているから「またかよ!」とガックリもくる。紹介者には経緯を説明したが、「家主から電話一本入らなかった」とまでは伝えていない。

紹介者は善意であって、厚意で紹介してくれたに過ぎないから何の責任も無く、私が愚痴や文句を言ったなら「次の紹介を出す」のは躊躇してしまうだろう。正直なところ、「ただ迷惑になる」ことも有る。

まあ、この家主の物件は引き受けなくて正解だった、ということか。
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2005年08月27日

いたく「感動した」言葉

糖尿病の家主さんに「岩倉の水」というものをお届けした。

2L入りペットボトルで売値はナンと5250円(税込)もするものだが、私はこれを6本もサンプルとして無料で頂いた。この「岩倉の水」を紹介してくださったのは、かつて大手住宅メーカーにお勤めのYさんで、私はこの方をとても信頼しているし尊敬している。

この手の「水」とか健康飲料、サプリメントの話といえば、私はいつも眉唾で聞いていたし、他の方から話があったのならスルーしていたと思う。だがYさんの場合は、実際に、命の期限を切られていた末期ガンのお母様が知人から勧められて飲用して、3ヶ月のハズの余命が既に1年半も永らえていて、お正月には(郷里の秋田で)雪下ろしも出来るほどに回復したという事実を、まさに身内で体験している。他にも重い糖尿だった叔父さんがインシュリンの注射の頻度を落とせるまでに劇的に回復したのも見ている、とのことだった。Yさんは、「誰にでも効果がある、とは言い切れないし、効果があるのは一部の人かも知れない。たまたま自分の母親には効いた、というだけのことかも知れないが、もし、誰かの症状が改善されたなら、これほど嬉しいことはない」、と言う。

Yさんは嘘をつかないし、山師的なところは全く無い方なので、私にとってはそういう話もスンナリ納得できる。

私が意地悪に、「こういうのを水商売、というのでしょうね」と言うと、「本当にそうですよね、私もそう思います」と率直に認める。

私もせっかく頂いたサンプルだから、心当たりのある方にお送りしたりして、今日、2本を先述の家主さんにお届けしたのだ。サンプルを頂いたのは半年ほど前だが、なかなかその家主さんのお宅に伺う機会が無く、以前からの約束をようやく果たすことが出来た。

前置きが長すぎるので、「悪徳は商売換えかよ!」、と言われそうだが、本題は別の話である。

で、私が「水」をお渡しすると、「代金を払う」と仰る。
「これは私もおカネを払っていませんから結構ですよ」と言うと・・・、

この水を○○さんがタダで手に入れたのには、それまでの付き合い、というものが有るからでしょう。いきなり手に入った、ということではないハズですよ」との言葉。

つまり、ここに至るまでのお付き合いにおカネも手間も掛かっているハズだから、この「水」だけで考えたならタダなのかも知れないが、実際にはタダではない、というお考えなのだ。

なるほど、と、いたく感動してしまった。

今迄「そういう見方の出来る方」にはほとんど出会うことはなかった。たいていは、ソレ自体に代金や経費が掛かっているかどうか、しか考えないものだと思う。即座にそういう言葉が出る、ということは日頃からそう心掛けて気配りしていらっしゃるんだろう。

その後しばらく「払う」「もらえない」の遣り取りがあり、結局「効果のほどを知らせてくださる」ことを条件に受け取って頂いた。

いい勉強をさせて頂いた、と感謝している。


posted by poohpapa at 06:10| 家主さん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月18日

3年目のエアコン取り付け

今から3年前、古い2DKのアパートに住む或る入居者の更新契約の際に、「エアコンが無いと夏はキツイし、エアコンを自分で付けるなら他のアパートに引っ越そうかな、と思っています。家主さん、付けてくれませんかねえ」、という話が出た。

その時は、「そもそもエアコン無しという条件でお貸ししていますので、契約の途中での(家主負担による)エアコン設置には家主さんが同意しないと思います。こういうご時勢ですから退去されてしまうのも辛いので一応話してはみますが期待はしないでください」、と話し、家主さんに相談すると、やはり難色を示した。

その旨を入居者に伝えるとガッカリしていたし、次の更新は無いもの、と思っていたが2年後に更新通知を出すと「今回は更新します」とのこと。で、今が2年契約の真ん中、エアコンの相談があってから3年経ったところである。先日ちょうど家主さんのお宅を訪問する機会があったので、時期は中途半端だが再度その話をしてみた。

「以前お話した○○さんのエアコンの件ですが、さっきアパートの前を通りかかって様子を見たら、未だ自身でも付けてないようですね。1年後の更新の時に、『エアコン付けるから更新しませんか?』と言うより、今付けてあげたほうが効果的です。もし、エアコンを付けないで1年後に退去されたなら次の募集ではエアコンを付けて募集することになるかも知れませんので、ならば前倒しして今付けたほうが得策でしょう」、と話した。そして、「今が夏の盛りなので、付けることにするなら早い方が良いと思います」とも付け加えておいた。

今回は概ね理解してくれていたようだが、私が家主さんのお宅を訪問したのが7月中旬で、2週間経っても連絡が無いので、また見送るのかな、と諦めていた。先週、別の用件で電話をしたので、ついでにエアコンの話をすると、「じゃあ付けてやってください」とのこと。

もう盆休みも終わっている時期である。この先は「エアコン無しでは辛い日」は数日だろうから、せっかくの「エアコンの有り難味」は激減してしまう。決断が遅いのは何もしないに等しいこともある。

ところで、私がこの入居者からの「エアコンの相談」を忘れずにいたのには訳がある。この若者は入居以来7年、家賃の遅れはただの一度も無い。そのアパートは当社で賃料管理をしているので、「家賃が遅れる」ということは即ち「当社で立替払いする」ということになる。彼は入居以来一度もそのような迷惑を掛けたことはないから、そういう相談があったなら出来るだけ役に立ちたいと思うのが人情だろう。3年前はダメだったし、遅きに失した感もあるが、とにもかくにも今度の日曜日にエアコンが付くことになった。

彼にはこう言ってある。「エアコンと次回の更新とは何の関係も無いから、そのエアコンが引っ越すことの足枷にはならないんで、何も気にしないで自由に判断してくれればいいですよ」、と。
posted by poohpapa at 06:23| Comment(0) | 家主さん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年06月27日

待ったなし、の空室対策

ある家主さんを訪問した。お叱りを受けることも覚悟して、だった。

その家主さんのアパートは、8室のうち現在2部屋空いていて、今度さらに一部屋空くことになった。一番初めに空いた部屋は、なんと、1年半も空室のままである。その間、私が何もしていなかったか、というと、そんなことはない。概ね1ヶ月に一度は業者広告とネット広告を打っていたし、たまに部屋の様子を見に行ったりもしていた。

では、割高であったり環境が悪いのか、といえば、そうでもない。

考えられるのは、駅からの距離である。最近のお客さんの傾向としては、同じ家賃と面積なら、駅から遠い築浅物件より、古くても駅に近くて便利の良い物件を選ぶことが多い。その物件は、築18年で駅からはバス便である。しかも周辺には新築物件が「雨後の筍」状態でどんどん建っている。価格を下げるにしても限度があるから、とても太刀打ちできない。しかも、その新築物件でさえ、中には建って1年も経っているのに未だ埋まっていないものがある有様なのだ。

実は当初すぐにお客さんが付きそうであったが、家賃交渉が入って、「まだ空いたばかりだから」ということで家主さんから断りが入った。別のお客さんからも入居申し込みが入ったのだが「高齢者(80歳)は不安だから」ということで、それも断られたという経緯がある。

私はいずれも、家主さんに「受けた方が良い」と進言してはいたが、家主さんが断る気持ちも分かる。家主さんも、まさかここまで空くことになるとは思ってもみなかっただろう。

後の高齢者の場合は、私が別の物件を紹介して既に2年経っているが、何の問題も起きていない。私も近所まで出向いた時には様子伺いで訪れたりもしている。まだまだ大丈夫だろう。

しかし、そうは言っても、管理会社は「努力してます、頑張ってます」など何の弁解にもならない。家主さんにとっては「空室を直ぐ決めてくれる業者」こそが良い業者であって、決められない業者は良くない業者である。方法も経営状態も、ましてや担当者の努力なども関係ないものである。在るのは「未だ空室である」という事実だけだ。

3室目が空くことになって、さすがに「このまま」のやり方を続ける訳にもいかず、家主さんを訪問して率直に直接意見を交換してみよう、と思った次第であったが、こちらの不安とは逆に家主さんは温かく迎えてくれて、何とも恐縮してしまった。

聞くところによれば、最近、家主さんが近所の寄り合いに出てみると、地元でアパート経営をしている方たちが多く参加していて、皆さん口を揃えて「空室が埋まらない」と話していたとか。しかも、「家賃を下げてもダメ、キレイにリフォームしてもダメ。周りの新築だって決まってないんだからどうにもならないよ」とも。そういうこともあって家主さんは現状をよく認識していた。管理会社が言ったのではただの言い訳にしかならないことも、同じくアパート経営をしている人の話であれば率直に納得できるものだと思う。だから、私が伺う前に悟り切っていたのであろう。

私は、こう切り出した。「これからは、高齢者も障害者も生活保護者も、前向きに受け入れざるを得ない時代になると思います。心配だから断る、というのではなく、受け入れてどう対応するか、を考えるべきかと思います。建物そのものも、現在のお客さんのニーズに合わせて改築する必要も出てくるでしょう」、と。

もう、値引きすれば入る、という時代でもなくなっている。

私が1年前にその話をしたなら、家主さんはアッサリ拒絶していたであろう。今回は丁寧に話を聞いてくれて、前向きに検討して頂けることになった。時代は変わっている。
だが、それ(設備投資)ができる家主さんばかりではない。条件(家賃や審査)緩和だけでしか対抗できない家主さんは辛い。

ところで、私は性格的には、短気な一面と途方もなく気長な一面とを併せ持っている。直情直下ですぐ怒る時もあるが、こと交渉ごとなどに関しては忍耐強い。人との待ち合わせも最高7時間半待ったことがあるし、1時間や2時間なら怒ったりもせず平気で待てる。敷金の精算方法だって、私のやり方である「原則的にクリーニング代のみ請求」で家主さんに納得してもらうのにも8年も掛けている。元妻の実家に二世帯住宅を建てて義父母と同居する際、義妹から言われた「お姉ちゃんのところで(遺産を)全部持っていったら承知しないからね」という言葉に、「それは大変な間違い」と諭したのは10年以上経ってからのことである。だから、あの北朝鮮と交渉にあたっている外務官僚の気持ちも分からないではない^_^;

だが「空室対策」は、もう待ったなしの状況にある。理由はどうあれ、私としても、このままでは管理会社を下ろされることにもなりかねないし、そうなったら死活問題である。気長に構えてなどいられない。

将来の為に私が出来ることはただ一つ。



早くシナリオ制作に取り掛からねば!(そっちかよ;爆)

posted by poohpapa at 06:51| Comment(4) | 家主さん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年06月10日

リフォーム代を巡っての珍しいお話

ある家主さんから電話があった。その家主さんが賃料30万で貸している大きな貸家のリフォームの件である。

入居者は、ふだん家に居ることが多く、タバコを一日に40本も吸うというヘビースモーカーであった。当然、どの部屋も壁紙から天井までまっ茶色になっていて、原因がタバコであることは明白だし、入居者本人(法人契約)もそのことはよく自覚していて、「リフォーム代は全部こちらで負担します」と言っていた。法人契約とはいえ、賃料30万の貸家に入居しているくらいだからさすがに余裕がある。

話がのっけから横路に逸れるが、「そんなに家賃の高い部屋を借りているなら買っちゃったほうがいいのに」と言う人がよくいるが、それは失礼ながらおカネの無い人の発想であって、おカネがあるから高い家賃の部屋を借りるもの、・・・らしい。いや、どうかすると、立派な持ち家が有りながら借家住まいをしている人さえいる。理由は税金対策とのことだが、ふだん私がしている税金対策(例えば家のプリンターの補充用インクを会社の経費で落とす;セコ^_^;)とは次元の違う話だから詳細は全く分からない(苦笑)

似たような話に生命保険の掛け金がある。私は毎月3万5千円の保険料(事故死の場合1億円)を払っていて、言うまでも無く家計をかなり圧迫しているのだが、世の中には毎月1億を超える保険料を払っている人が何人もいると聞く。それらも税金対策とのことだ。

で、リフォーム代、と言っても大きな一軒家であるから、ついでにいろんな所を手直ししたりするので見積もり額は200万にもなった。それを入居者は「負担します」と言っていて、それも昨今では珍しいことだが、何と家主さんは、「いいですよ、こちらで全部出しますから」と事も無げに仰る。

この程度の話なら、今は「東京ルール」という条例も施行されているのだし、世の中の趨勢からもとくに珍しい話ではないだろう。お互いゆとりのある人同士の話、と言えなくもない。
この話が非常に珍しい話になるのには訳がある。

実は、これは退去の際の敷金精算を巡る話ではない。
入居者が入居中に、「タバコなどで家を相当汚してしまっているので、費用はこちらで負担しますから、大規模なリフォームをさせて欲しい」と言ってきて、それを受けて家主さんが、入居途中での全面リフォームを全額家主負担ですることになったのである。

賃貸の重要事項説明書にも、たいていは「畳、襖等の建具の取替え費用の負担は借主」と謳ってあって、これは「出る時に畳、襖等は借主負担で現状回復するもの」という意味ではなく、「最初は家主がキレイにしておくけど、途中で交換する場合は借主の負担でやってくれ」という意味である。ごく稀に入居中に、「畳が茶色くなったから表替えしたい」という人がいて、そういう場合は借主負担ですよ、と言っているのである。

だから今回のケースの場合、入居者も責任を認めているのだから、とくに支障が無い限り好きにやらせておいて全額負担してもらったとしても、どこからも異論は出ない。

世の中、こんな家主さんばかりなら、不動産屋はずい分助かる。
ハッキリ言って、重箱の隅を突付くような家主さんは多く、私のストレスの一因にもなっている。島田紳介がバラエティ番組の中でよく言っている「絶対に罪にならない拳銃と弾が6発あったなら・・・」という話、私なら「高校時代のある教師に1発、とくに特定していないが悪質入居者や客用に2発と家主用に2発」使うだろう(いえホント)

え?「計算が合わんだろう!残り1発は誰に使うのか」ですって?
もちろん、不測の事態に備えてとっておくつもりである(爆)
posted by poohpapa at 05:28| Comment(2) | 家主さん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年06月05日

ドアスコープを壊されて

道を歩いていたら携帯が鳴った。出ると、女性専用アパートの家主さんだった。或る入居者の部屋のドアスコープが何者かによって外から壊されてしまった修繕費用に関して、「どうしても家主負担になる訳ね」、というクレームとも問い合わせともつかない用件だった。

その一週間ほど前、入居者から電話を貰ったので、「私から家主さんにお話して、業者に出来るだけ早く直してくれるよう連絡します」と話して、直ぐ家主さんに事情を伝え、「ドアスコープが壊されたことについては入居者には責任がありませんので、この場合費用は家主さんの負担になってしまいます」、と話して了解も取り付けていた。
金額にすれば手間賃を含めても数千円の話である。

で、業者から請求書を受け取ったところで私に電話をしてきた。
「今回は私が払いますけど、次また同じことが起きたら入居者に請求できるのかしら?」と言うのである。私が、「う〜ん、それは難しいですね。入居者に安全に暮らして頂く為に家主さんがすべき補修と考えられますから、2度目だからと言って入居者に請求することは出来ないでしょう」、と言うと、入居者の交遊関係などの例を挙げて「全く関係ない相手がやったとは断定できないでしょ?あの方の部屋だけで起きたとしたら本人にも責任があることになりませんか?」とのこと。一理はあるがそれを証明することは難しい
だいいち、そんなこと本人には言えない。

だが、もし私が「家主さん、それは間違いです。そんなことは出来ません」、とハッキリ言ったなら、家主さんは私に対して不信感を持つことになって管理会社を換えかねない。やんわり話しても拒絶反応なのだから。さりとて、入居者に請求しようものなら私は正真正銘の悪徳業者になってしまう。入居者は芯の強い女性だからアッサリ退去してしまうことも考えられる。

私は「次、また同じことが起きるかどうかは分かりませんし、その時が来たら考えましょう」、と話して電話を切った。今の時点でまた起きるかどうか分からないことの支払い義務を議論したところで始まらない。家主さんはただ言っておきたかっただけなんだろう。

不動産屋が間に入って、「家主と入居者との間のトラブル」を未然に防いだり丸く収めていることは多々あるものだ。それが仕事でもある訳だから「理解してくれ」などと甘ったれたことは言わないが、私は今に深い人間不信に陥りそうな気がする。いや、もう陥っている。

世の中で、不動産屋ほど不条理に遭遇する仕事は無いと思う。

posted by poohpapa at 07:50| Comment(14) | 家主さん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年06月27日

「穴」の思い出 2

さて、エアコンの「穴」によるトラブルで、2週間で退去されてしまったアパートであるが、その後も新たなトラブルに見舞われることになった。

次のお客様がなかなか決まらずにいたら、家主から「不動産業者を替えたい」、と連絡があった。私はそういう場合、けっして引き留めたりはしない主義であるから、「かまいませんよ」と言って、地元の優良な会社を紹介してあげた。

その会社で、2組のお客さんから申し込みをもらったらしいが、一組は「職人だから」、もう一組は「ご主人が外人だから」ということで断ってしまったとか。そうなると業者も冷めてきて一所懸命に客付けなどしてくれなくなる。結局、5ヶ月も空いたままになった。

途中、家主が何度も当社を訪れて、「オタクでもいいお客さんがいたら紹介してくれないかなあ」と頼む。本音では「どのツラ下げて」だが、「分かりました」と答えておいた。

そうこうしているうち、近所の病院で賄いをしていらっしゃる方の息子さんが、結婚するとのことで来店した。やはり希望地域からは外れていたが、そのアパートを案内すると気に入ってくれた。予算が少しオーバーしていたので、たまたま案内の時に庭にいた家主と値引き交渉するとアッサリOKしてくれた。これで問題なく契約になる、と思っていた。

翌日の朝、新管理会社から抗議の電話が入る。「勝手に値引き交渉しないでくれ」、というのである。それで、「元々は当社の管理物件だったから家主さんは良く知っているし、あの家主さんが家にいる時に案内すれば、すぐに家から飛び出してくることはオタクだって知ってるハズ。うちが直に取引しようとしたのならオタクが怒るのは分かるけど、ちゃんとオタクの会社を通して申込書を入れているのだから、文句を言われる筋合は無い!」と反論すると、すぐ誤りを認めて謝罪してくれた。

それでやっと落ち着くかと思ったら、業者から再び電話。「家主が、今回3千円値下げしたから更新の時には5千円値上げする、と一筆入れてくれ、って言ってるけどどうしましょうか」とのこと。「もう勘弁してくれよ〜」である。私が「そんなことできる訳ないでしょう。だったらこの話は無かったことにしてくれる?」と言うと、向こうも嫌気がさしていたのだろう、「ああ、そうしましょう」とアッサリ白紙に。

その後、3ヶ月ほどして家主が再び店にやって来た。「またイイお客さんがいたら・・・」と言うので、接客中だったし、「外に出てくれる!二度とうちの敷居は跨がないでもらいたい!」と追い出した。

それほどのトラブルがあっても、私はこの家主が嫌いではない。むしろ、家主としては、いい方(ほう)なのだ。それに奥様も、とても優しい人である。

その後、7年間も音信不通になっていたが、3ヶ月前、奥様と2人でおみえになった。ドアを開けて、「入ってもいいかなあ」と言うので、「どうぞどうぞ」と迎え入れた。なんでも、この7年間、私にお詫びをしなければ、と、ずっと気になっていたとか。「できれば、またオタクで管理してもらえないかなあ・・・」との嬉しい言葉ではあったが、私からすればまだその時期ではないのでやんわり辞退した。

だいいち、私が紹介した今の管理会社に対して、「また当社で管理させてもらうことになりましたので・・・」などと言える話ではない。それでは同業者を利用したことになってしまう。

だが、空き部屋が出た時には気にかけてあげようと思う。このご主人が無理なことを言う心配はもう無いのだから。

posted by poohpapa at 06:00| Comment(8) | TrackBack(1) | 家主さん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年06月26日

「穴」の思い出

東京の郊外にある3DKのアパートの管理をしていた。

ある夏の日、飛び込みで、大企業の取締役部長をしているお客様がカップルで来店した。たまたまそのアパートに空き部屋があったのでお客様をご案内することにした。お客様には持ち家もあり、家庭もあるが、一緒に来店した女性は奥様ではない。その女性は会社の部下で、言うなれば「駆け落ち不倫」であった。ご希望の条件からは少し外れていたが、ご案内すると一発で気に入ってくれて契約する運びとなった。

ところが、入居してすぐに退去することになる。破局したから・・・、ではない。

そのアパートにはDKにだけエアコン用のスリーブが空いていて、他の入居者たちもDKに1台だけエアコンを取り付けて暑さを凌いでいた。お客様が入居してすぐ当社に、「全部の部屋にエアコンを付けたいんだけど、どうすればいい?」と電話してきたので、「元々のスリーブは1ヶ所ですから、他の部屋には新たに穴を開けなければならないでしょう。家主さんにはこちらから連絡しておきますので、どの位置に穴を開けたら良いか家主さんと電器屋さんとで打ち合わせをしてください」、と言って電話を切った。

それからすぐ家主に連絡すると、「とんでもない、エアコンなら1台取り付けてあるでしょう。僕のアパートに穴を開けないでくれよ」、と言う。家主は人柄は悪くないが、とても神経質で、「アパートに穴を開ける=傷モノになる」、と思ってしまっている。そこで、「ふつうの人」である奥様と電話を代わってもらった。私が、「入居者が、エアコンを付ける為に家主さんに無断で壁に穴を開けたとしたら問題ですが、『エアコンを取り付けたいから壁に穴を開けさせて欲しい』と言ってきたのを拒むことは常識的に考えればできないと思います。奥様からご主人様を説得して頂けませんか」、と頼むと快く受けてくれた。電話口でしばらくやり取りしていたようで、ご主人が再び電話に出て、「じゃあ、イイことにするよ。だけど、どうしても穴を開けたいのかなあ・・・」と、まだ言っていた。

私は嫌な予感がしたのでご主人に釘を刺しておいた。「ご主人様も一度了解なさったことですから、これから○○さんと顔を合わせても、絶対にエアコンの穴の話はしないでくださいね。今度その話をする時は、電器屋さんを交えての打ち合わせの時ですからね、いいですね」、と。「うん、分かったよ」、と言ってはいたが、それでも不安だった。

翌日、その不安は的中する。お客様からクレームの電話が入った。「話が違うじゃない!、さっき駐車場で顔を合わせたら、『どうしても穴を開けるの?』って聞いてきたけど、どうなってんの!?」、と。お客様のご立腹はもっともである。

私はすぐに家主に電話して猛抗議をした。家主は平謝りだったが、もう遅かった。入居者が退去を決意してしまったのだ。お客様の入居期間はたったの2週間であった。

そのお客様は私にとっては誠に有り難いお客様であった。退去を決めるとすぐにまた来店して、「もう一度最初から部屋探しをし直してくれないか。もちろん、手数料もちゃんと払うから」、と言ってくれたのである。そう言われても、「ああ、そうですか」ともらう訳にはいかない。下手をすれば「損害賠償モノ」だったのだから。

改めて国立にある3LDKのマンションを紹介して契約してもらうことになったが、手数料の15万円は辞退した。「気にしないで受け取って」、と再度仰ってくださったが、もらえるものではない。このトラブルは私の所為ではないとは思うが、ご迷惑も掛けているし、自分でも納得がいく仕事ができていない以上、頂く訳にはいかない。私も「プロ」だから。同様の理由で、私は年に何回かは手数料を辞退することがある。

この家主とはトラブルの続きがある。それはまた明日。

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2004年02月21日

立派な見識の家主さん

家主、といえば、強欲、ケチ、というイメージが付いてまわりますが、中には驚くほど立派な見識をお持ちの方がいらっしゃいます。あ、8割かた、普通の方々なんですけど(爆)

ある日、家主さん宅を訪問すると、明らかに東南アジア系の顔立ちのお客様がいました。で、理由を尋ねると、そこには感動的なドラマがありました。

そのお客人はラオス人のご家族で、娘さんの「三口(兎唇)」の手術のために来日中でした。ご承知の方もいらっしゃるでしょうが、手術は3回にわたって行われますので、その度に来日する必要があります。技術的には困難な手術ではなく、キレイな顔立ちになりますが、精神的、経済的な負担は大きいものがあります。

家主さんはボランティアで勤めている「外国人のための日本語教室」の講師をしていて、そのご家族と知り合われたとか。で、事情を聞いて、3度の手術費、家族全員の渡航費、滞在費など、すべて出して差し上げることにしたのだということです。その額は、保険もきかないので、およそ300万円にものぼったそうです。幸い家主さんの周囲で募金活動も起こり、大学にも補助して頂けることになったとか。でも、それにしても、「額」の問題ではありませんね。人の為には千円のカネだって出し渋る人は私の周りにも大勢いますから(*^^)v

私が、その家主さんを「立派」だというのは、お金を出したから、そのことではありません。
実は家主さんの奥様は、子供の頃、あるお医者様の養女となり、大人になって今のご主人と結婚する時に反対されて家を出て、その後養父母がお亡くなりになって遺産を相続なさったのですが、「これは本来、家を出た私が受け取るべきものではない。いつか困っている人たちや世の中のために遣おう」と心に決め、それを実行なさっている、ということにあります。

人の心は変わります。お金が必要な理由はいくらでもつけられます。私なら、「自分も困っている」と思おうとしたかも知れません。また、それで普通なんだと思うし、奥様がそのお金を自分のために使ってしまったとしても誰も非難などできません。奥様が、2人の娘さんに「私が養父母から相続した分はあなた達にも遺すことはしません」と宣言したとき、娘さんは2人とも心から賛成してくれたそうです。もちろん、ご主人様も。

不動産の仕事をしていて、「お金がないから家賃が払えない」「あるから払える」というものでないことはよく分かります。お金がなくてもキッチリ払ってくる人はいますし、持ってても払ってこない人もいます。お金の使い方を見ていれば、その人の人格はよく分かります。

崇高で立派なご家族に出会えて、私も幸せに思います。
posted by poohpapa at 13:21| Comment(2) | 家主さん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする