と申しましても、私が書いたものではございません^_^;
私の過去ログ、「
国の借金と景気向上の秘策」に対して、公認会計士、税理士でいらっしゃる
ひろともさんからコメント欄に提言を頂きました。私の意見は「素人考え」の域を出ていませんが、ひろともさんは税務等の数字を精査するのがお仕事なだけに、非常に的を射たご意見でいらっしゃいます。コメント欄にて書き込みして頂きましたが、それですと折角の建設的な提言が埋もれてしまう恐れがありますので、(ひろともさんの事前のご了解は頂いておりませんが)記事として転載させて頂きます。ご挨拶文等を除き原文のまま順次つなげております。
相当な期間をかけて丁寧に研究された内容を「悪徳」に寄稿してくださり心から感謝しております。
なお、
この記事に関しては特段の必要が無い限り、私からの返信はいたしませんのでご了承ください。と言いますのも、記事本文はひろともさんの成果でありますので・・・^_^;
いえ、本音では「難しい論議から逃げているだけ」なんですけど(汗)
で、思い出しました。一ノ関駅と藤沢町を結ぶ路線バスの中で繰り返し流れていた「
暴力団、街から追い出せ、ハジキ出せ」というアナウンス、私は頭の中でこう続けていました。
「
アンタ闘え、わしゃ逃げる」(爆)
冗談はさておき、このご提言は、財務省のお役人、税務署職員、ひろともさんと同業の会計士さんや税理士さんに、とくにお読み頂きたい内容だと思います。私も時間をかけて精読した上で自分の意見をまとめたいと考えています。
文章量は多いものですが、私たちが本来は避けて通れないお話なので、是非とも時間をかけてお読み頂けたら、と存じます。
先ず、
見出しタイトルです。
(1)月給の倍のお金を消費する人
(2)国税 税収ランキング
(3)相続税 一般庶民に 縁はなし
(4)個人金融資産1400兆円の中味
(5)個人資産を動かす税制はあるか
(6)戦後日本の直間比率
(7)ホントはいくらかわからない? 日本の国家予算
(8)相続税の増税試案
(9)消費税の税率アップに賛成です
(10)人口問題と景気回復と税制改正
(11)悪いのは政治家、官僚だけか?
(12)いま日本国民に大切なもの
以下本文になります。
* * * さて、予定より遅れてしまいましたが、「国の借金と景気向上の秘策」について、私なりのコメントをさせていただきます。
はじめに、お読みいただくにあたってご注意いただきたいことがあります。
私のコメントには相続税・贈与税、消費税など各種税制についての改革案が記されていますが、これらはあくまで試案であって、私見です。しかもにわか勉強でごまかした部分もたくさん(笑)あります。曲がりなりにも会計士・税理士を名乗っているのでいい加減な意見にならないよう努めましたが、税制の専門家にすれば一笑に付される程度のものかもしれません。
そしてこれらは私が勝手に考えたことであって、poohpapaさんやこれをお読みくださったみなさまに無理に同意を求めたりするものではありません。もちろん、私の意見が納得できるもので、全部とはいかないまでも部分的に賛同していただけるならば、それはとてもうれしいことです。
統計資料の調査や改革案の提案は国税に限定してまとめました。固定資産税なども調べればいろいろ面白いことがわかりそうですが、地方税ということで割愛しています。
最後に、相続時精算課税など現在の税制について説明した部分がありますが、字数の関係や話の流れから考えて、制度の詳細を大幅に省いたところがあり、私の説明だけで判断すると誤解をまねく可能性があります。現状の税制についてくわしくお調べになる場合は、国税庁のホームページなども合わせて参照していただければと思います。
これらをご了解の上、お読みいただければこれ以上の喜びはありません。
なにぶん話が長いので機械的に六つに分割してコメントUPいたします。
* * *
(1)月給の倍のお金を消費する人月々のお給料が20万円で、生活費が40万円かかるという状態がもし続いたら、借金が雪だるま式に増えていきます。考えただけでも恐ろしくて、私はそんな生活とてもじゃないけれど続けられません。でも、日本の財政はこれとまったく同じ状態です。
2002(平成14)年の国家予算(一般会計)の歳入は合計で87兆2890億円。その内訳は次のようになります。
租税及び印紙収入 43兆8332億円(A)
官業益金及び官業収入 202億円
政府資産整理収入 3266億円
雑収入 6兆 492億円
公債金 34兆9680億円(B)
前年度剰余金受入 2兆 919億円
----------------------------------
合計 87兆2890億円(C)
国の収入のうち税収の占める割合は、
A÷C=50.2%
となります。個人に例えると月収のうち働いて得られる給料が半分だけということになります。
それとは反対に収入のうち借金の占める割合は、
B÷C=40.0%
と4割を超えています。
poohpapaさんご紹介の国の借金時計によれば、累積債務は700兆円を超え、その額は時々刻々増え続けています。
財政を立て直すためには赤字国債でごまかすのではなく、税収を増やすのが健全なやり方ですが、政治・行政の失策のつけを単純に増税で補うというのでは国民は納得いきません。
経済を活性化させ、国民の所得が増え、その結果として税収が増えるというのが理想的なのですが、果たしてそれは実現可能なのでしょうか……。
(2)国税 税収ランキング歳入の半分でしかない国税収入の内訳はどうなっているのでしょう。
2002年4月から2003年3月までの租税及び印紙収入(一般会計)は43兆8332億円で、この税目別ベスト10は次のようになっています。
1 所得税 14兆8122億円(32.31%)
2 消費税 9兆8115億円(21.40%)
3 法人税 9兆5234億円(20.77%)
4 揮発油税 2兆1262億円(4.64%)
5 酒税 1兆6803億円(3.67%)
6 相続税 1兆4528億円(3.17%)
7 印紙収入 1兆3637億円(2.97%)
8 自動車重量税 8479億円(1.85%)
9 たばこ税 8441億円(1.84%)
10 関税 7936億円(1.73%)
断トツ1位は所得税。このうち源泉分(支払者から天引きされる分。通称で源泉所得税とも呼ばれる)は12兆2491億円、申告分(確定申告で申告する分。通称申告所得税)は2兆5630億円になります。源泉所得税といっても利子所得・配当所得に関わるもの、事業所得(自由業など)に関わるものなどいろいろですが、もっとも多いのが給与所得に関わるもので、これが9兆7035億円(上記とは別の資料から得た2002年分の数値)。サラリーマンや労働者がせっせと稼いで真面目に納めた税金が日本の屋台骨を支えているという構図がここからも読みとれます。
平成元年に導入された消費税の税収はいまや9兆円を超え、法人税を抜いて第2位にまでなっています。
相続税は第6位で、割合にすると3%という低い率ですが、1兆円を超える貴重な財源であることは間違いないでしょう。
第4位の揮発油税とはいわゆるガソリン税を構成する間接税の一つです。2兆円も稼いでるとは驚きです。自動車に乗る人は必ず払っています。
Posted by ひろとも at 2005年05月07日 09:18
(3)相続税 一般庶民に 縁はなし一年間におよそ100万人もの人が死んでいます。しかしその家族が相続税を払うことになる死亡者は約4万人しかいません。
2002(平成14)年の統計では、2002年中の死亡者数は98万2千人。このうち相続税の申告対象となった被相続人数は4万4370人とされています。つまり死者全体のうち、その配偶者や子孫が相続税を納めることになった人の数はわずかに4.5%しかいないのです。この割合は年々低下傾向にあり、相続税は多額の財産を残した一部の人々のものという感覚が強くなりつつあります。
わずかに4.5%の人たちが残した相続財産の金額(課税価格)は10兆6192億円。被相続人一人当たりにすると2億3933万円です。そして、この結果としての税額は1兆2829億円にも上ります(上記「税収ランキング」の税額1兆4528億円と一致していないのは集計対象期間がずれているためです)。
相続財産額のうち一番多いのは土地で、割合にすると58.7%です。次に現金・預貯金16.7%、有価証券8.4%などの順になっています。土地家屋などの相続税評価額は一般的に購入価額より低くなるので、財産は現預金で残しておくより不動産で残した方が相続税の面では有利なのですが、近年は地価の下落などの影響もあって、現金・預貯金の比率が増加しているようです。
(4)個人金融資産1400兆円の中味ニュースなどでよく言われる「個人金融資産1400兆円」というのは、日本銀行が公表している資金循環統計から取られた数字です。これによれば2001年末の個人金融資産(家計部門の金融資産残高)は1461兆円で国民一人当たり1148万円。内訳を見ると、現金・預金が54%、株式・出資金が7%、保険・年金が27%などとなっています。
米国の場合、個人金融資産残高は4257兆円(国民一人当たり1494万円)で、内訳は現金・預金がわずかに11%なのに対し、株式・出資金が34%もあり、保険・年金が30%となっています。為替レートの影響や、米国の統計では法人ではない個人事業主への元入金も株式・出資金として把握していることもあり(日本では個人企業への出資は把握していない)、単純な比較はできませんが、日本は米国に比べて安全資産のウェイトが高いと言っていいでしょう。
日本の個人が持つ現金・預金の額は1461兆円×54%=789兆円です。この数字をもとにちょっとした仮の計算をしたいと思います。上でも出てきた相続財産額の構成比(土地58.7%、現金・預貯金16.7%)を用いて個人が持つ土地の資産額を推定してみます。すると、
789兆円÷16.7×58.7=2773兆円
という結果が出てきます。現実の個人資産の構成比と相続財産の構成比とが必ずしも一致するわけではないので、かなり乱暴に計算した大雑把な数字なのですが、金融資産だけでない土地家屋なども含めた個人の資産は、少なく見積もっても4000兆円は超えると言って良さそうです。
個人金融資産の半分以上を占める預貯金を証券などの投資へ向ければ、あるいは土地や家屋などの不動産を次世代へ移転させれば、経済は活性化するだろうという考え方があります。
Posted by ひろとも at 2005年05月07日 09:20
(5)個人資産を動かす税制はあるか税収を増やすためにまず経済を活性化させる。そして経済を活性化させるために個人資産を活かす政策を実施する。そういう動きが現段階においてまったくないわけではありません。税制だけで考えても少なくとも二通りの動きがあり、ひとつは金融証券税制(主に所得税)の面から(a)金融資産所得の一体課税と(b)いわゆるタンス株についての税制、もう一つは相続税・贈与税における(c)住宅取得資金等贈与の特例と(d)相続時精算課税制度があります。
(a)金融資産所得の一体課税
この税制は現金・預貯金に偏っている個人金融資産を株式・出資金に移動させることで経済の活性化を図るというもので、いわば「貯蓄から投資へ」という政策です。いまはまだ検討段階にあり、導入されていません。
現行の所得税では、不動産所得と事業所得などはどちらかで赤字が出れば他の所得の黒字と相殺して税額を計算(損益通算)できるのですが、株式等の譲渡所得は分離課税とされているため、たとえ売却損が発生しても他の所得との通算ができません。つまり事業で100万円の黒字があって、株で100万円の損があった場合、両者は相殺できずに事業の儲け100万円は丸々課税されてしまいます。
でもこのままでは株式市場が停滞してしまうので、事業所得などとの損益通算はできなくとも、せめて利子や配当との所得は一体として考えて、株式の譲渡損は他の金融資産の譲渡益や利子、配当と通算・相殺できるようにしようというのが、金融資産所得の一体課税です。ただ、この改革案は2005年度税制改正では見送られてしまいました。上場株式等の譲渡所得等については現在7%という軽減税率が適用されているのですが、一体課税を導入すれば税率が一律20%となってしまい証券業界の反発が大きいためと言われています。次回以降の導入年度も明確にされていないので、実現はもう数年先のことになりそうです。
(b)いわゆるタンス株についての税制
タンス株とは、証券会社に預けずに自宅などに保管している株券のことを言います。タンス預金の株券版と言ったところでしょうか。
このタンス株を本当にタンスの中に眠らせておくのはもったいないとして、2003(平成15)年4月1日から2004(平成16)年12月31日の間に限って、タンス株を特定口座に受け入れられるようになっていました。
特定口座というのは、証券会社を通じて株式等を売買する場合、銀行預金のように開設する口座の一種です。一般口座と違い特定口座なら源泉徴収による納税を選択でき、売買によって発生した譲渡所得等については確定申告をしないで済ませることができます。確定申告が煩わしいと感じる方には便利な口座です(このあたりの事情、さとひろさんがお詳しいかもしれません)。
しかも特定口座への受け入れに当たって、取得価格や取得の日がわからない場合は、「みなし取得価格」による売買損益の計算ができます。みなし取得価格とは、2001年9月30日以前から保有していた上場株式は、その銘柄の2001年10月1日の終値の80%を取得価格とみなすというものです。さらに相続などで取得した上場株式等については2001年10月1日以後の取得でもみなし取得価格が適用できるという特典つきでした。
本来この制度は、相続などで取得した株券を証券市場に取り入れることによって、市場の活性化を図る目的で創設されたものでした。
しかし、実際は安く買った株でも、2001年10月1日の終値の80%の価格の方が実際の
購入価格より高ければ、みなし取得価格を使って架空の売却損を計上し、課税逃れをすることもできました。
タンス株受け入れの措置は2005(平成17)年4月1日以降再開されたようですが、上記のような課税逃れを阻止するため、原則として取得価格不明の株式は受け入れ不可となり、みなし取得価格は利用できなくなってしまいました。
(c)住宅取得資金等贈与の特例
金融証券税制が「貯蓄から投資へ」という動きであるのに対し、相続税・贈与税についての税制は中高年齢層に偏りがちな個人資産を若年層へ移転させることによって経済活性化を図ろうというものです。いわば「高齢層から若年層へ」という動きです。
住宅取得資金等贈与の特例というのは、国内に住所をもつ人が、いくつかの要件を満たす家屋等を買ったり増改築をするための資金贈与を父母や祖父母から受けた場合は、550万円まで非課税、550万円超1500万円までは贈与税を軽減するというものです。この制度は一生に一度しか使えないとか、一度適用すると5年は贈与税の基礎控除(110万円)が使えないとか、いろいろ制限もありますが、中高年層に偏りがちな個人資産を若年層に移動させるためには有効な措置なのかもしれません。
(d)相続時精算課税制度
こちらも(c)と同様に個人資産を若年層にという政策的意図のもとに創設された制度で、20歳以上の人が65歳以上の親などから贈与を受けた場合(金融資産などもOK)、2500万円までが非課税になるというものです。非課税枠を超えて贈与を受けた分の贈与税は、その親からの相続時にかかる相続税から差し引くことができます。
相続時精算課税には住宅取得資金等についての特例もあり、この場合親の年齢は65歳未満でもよく、いくつかの要件を満たす家屋等を買ったり増改築をするための住宅資金贈与を受けた場合、3500万円までが非課税になります。住宅取得資金等の贈与の特例と同じく一生に一度しか使えないもので、一度この制度を利用すると同じ親からの贈与については基礎控除が使えないといった制限があります。住宅取得資金等の贈与の特例も、住宅取得資金等についての相続時精算課税制度も、2005(平成17)年12月末までの制度です。延長してくれ、というのが正直なところです。
高齢層から若年層への資産移転とは直接は関係ないかもしれませんが、住宅取得の優遇措置として、所得税における住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)といった制度も時限的に設けられています。
Posted by ひろとも at 2005年05月07日 09:23
(6)戦後日本の直間比率やや話がそれてしまいますが、直接税と間接税についてちょっとだけ考えたいと思います。直接税とは納税者と納税義務者とが一致し、納税者が直接国や地方公共団体に納めるもので、国税では所得税、法人税、相続税などがあります。間接税とは納税者が直接納めないで、納税義務者たる事業者などを通じて納めるもので、国税では消費税、酒税、揮発油税などがあります。
この直接税と間接税の税収の比率を直間比率といいます。日本の直間比率は欧州各国に比べて低いというのが現状です。ドイツは直接税42.3%に対し間接税57.7%であり、フランスは直43.1%、間56.9%、イタリア直52.9%、間47.1%などとなっていますが、日本は直56.3%、間43.7%でしかありません。
これは消費税等の一般税率が5%(消費税4%、地方消費税1%)と欧州に比べて低いからというのが第一の原因と考えられます。
他国の消費税(付加価値税)の税率を見ると、デンマーク、スウェーデン、ハンガリーは税率25%でもっとも高く、そのほかイタリア20%、フランス19.6%、イギリス17.5%、ドイツ16%などとなっています。何でも西洋と同じにすれば良いという訳ではありませんが、日本の消費税率はもう少し高くてもいいのではという根拠のひとつがここにあります。
意外なことに、日本の直間比率が戦後一貫して低かった訳ではありません。ここに昭和30(1955)年、昭和60(1985)年、平成14(2002)年の直間比率の変遷を示すデータがあります。
昭和30 昭和60 平成14
1955 1985 2002
直接税 51.4% 72.8% 56.3%
(内訳)
所得税 29.8% 39.4% 32.3%
法人税 20.5% 30.7% 20.8%
相続税 0.6% 2.7% 3.2%
間接税 48.6% 27.2% 43.7%
(内訳)
酒税 17.1% 4.9% 3.7%
揮発油税 2.7% 4.0% 4.6%
物品税 2.9% 3.9% -
関税 2.9% 1.6% 1.7%
日本専売公社
納付金 12.6% - -
たばこ税 - 2.3% 1.8%
消費税 - - 21.4%
バブル景気の昭和60年には個人も法人も所得が増加し直接税率が72.8%にもなっていますが、昭和30年における間接税率は、現在のイタリアよりも高く48.6%に上っています。その内訳は酒税が17.1%と圧倒的に多く、日本専売公社納付金の12.6%がそれに次いでいます(日本専売公社納付金とは、たばこ・塩の専売事業による利益を国の一般会計へ納めていたもので、専売公社民営化に伴い昭和60年に「たばこ消費税」となりました。現在のたばこ税です)。
昭和30年における酒税の割合がなぜこんなに高いのか? 酒税における申告納税制度が導入される以前であったこと、酒類の価格が統制価格であったこと(よって当局が意図的に課税価格をコントロールできる)、国民全体の所得水準が低いため直接税の税収も低く相対的に間接税の比率が高くなってしまったこと、などが推測できますが核心に触れる資料はとうとう見つからず、確かなことはわからずじまいでした。
いずれにしても、戦後の日本に間接税の比率48.6%の時代があったことは覚えておいていいかと思います。
(7)ホントはいくらかわからない? 日本の国家予算先の「(1)月給の倍のお金を消費する人」で、私は「2002(平成14)年の国家予算(一般会計)の歳入は合計で87兆2890億円」と書きました。また「(2)国税 税収ランキング」では「租税及び印紙収入(一般会計)は43兆8332億円」とも書きました。
一般的に国家予算と言ったとき、国会で主に審議されるのは一般会計なので、それはそれで間違いないのですが、予算には特別会計というものがあり、実はこれがかなりの曲者です。
特別会計とは、国が保険など特定の事業を行う場合に、事業ごとの収支を明確にするため例外的に一般会計と区分した会計の設置が認められたものです。本来は国民の受益と負担を明確化して、弾力的に予算を運用するためのものだったと言われています。
こうしてもともと例外的に認められた特別会計ですが、いまでは一般会計の歳出が81.8兆円であるのに対し、特別会計が199.7兆円もあり、一般会計の二倍以上にまで膨らんでいます(2002年の資料にちょうど良いものが見つからなかったので、2003年度の歳出ベースの資料を使っています)。一般会計、特別会計を連結して重複を除いた国家予算の歳出合計は232.6兆円と言われ、社会保障給付や義務教育負担として使われているのは60.4兆円であるのに対し、官僚の天下り先である特殊法人、独立行政法人、公益団体への補助金には15.3兆円も流出しています。特別会計全体を集計した統計はなく、一般会計とのやりくりや、競輪・競艇など公営ギャンブルからのテラ銭などもあり、出入りがとても複雑です。199.7兆円という数字もとらえ方によってはさらに増えるという話もあり、どの程度の規模か全貌がつかめていないというのが実態のようです。
現在、厚生保険特別会計や道路整備特別会計など計31の特別会計があり、一応国会でも議決されますが、ほとんど審議されないと言われています。
要するに特別会計とは、官僚組織が実質的に自由に使えるお金なのです。
最終的に天下り官僚の法外な退職金となる補助金が15兆円もあること自体、まともな国家のすることではありません。
私はこれから、相続税や消費税を増税することによって、経済の活性化と財政の安定のための方法を提案するつもりでいます。
しかし、財政を立て直すためには、まず増税を考えるのではなく、特別会計を含む国家予算を狡猾に利用した税金の無駄遣いを真っ先にストップすることからはじめるのが筋だと思います。そうした政治・行政側の身を切る努力のないままに、安易に増税を目論むやり方には、私は強い反発を覚えます。
Posted by ひろとも at 2005年05月07日 09:25
(8)相続税の増税試案poohpapaさんは、このコラムにて金融資産の相続税を増税するという提案をされています。実は私はこれに反論するつもりでいろいろ調べてみたのですが、調べているうちに増税でもいいのではないかと考えるようになりました(^.^)
反論の根拠としては、相続税はごく一部の人のためのものなので国民全体で考えるとあまり意味がないのかなというのと、イタリアなどでは相続税がないという話(米国には遺産税があります)を聞くぐらいの漠然としたものでした。でも、1兆円もの税収をみすみす棒に振ることはないし、増税にまではなっていないもののpoohpapaさんの提案のように相続税などを利用した個人資産の流動化施策はすでに存在しており、それを拡大していくかたちで最終的に税率アップにつなげていく方法も一理あるのではないかと思うようになったのです。
ただし、単純に相続税を増税するだけでは反発を招くだけかもしれないので、一方で贈与税を軽減するのがいいのではないかと思います。具体的には、相続税の増税と贈与税の減税をセットで行い、平行して相続時精算課税などを拡大していく方法です。
(a)贈与税の軽減(子に対する贈与の緩和)
贈与税は個人から個人へ財産が移った場合にかけられる税金で、1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産を合計した課税価格に課税されます。
課税価格から差し引かれる基礎控除額は1年間110万円で、この額を上回る金額に税率をかけて税額を算出します。つまり贈与税は年間110万円までは非課税となっています。なお、税率は10%、20%と段階的に上昇する累進税率で最大50%となっています。
配偶者の場合はさらに2000万円が配偶者控除として加えられるので、年間最大2110万円までが非課税となります。
贈与税軽減の一方策として、配偶者の場合と同様に、一定の要件を満たす贈与者の子に対しても500〜1000万円程度の控除枠を与えてもいいのではと思います。
同時に、放蕩息子(娘)を産出しないような施策も必要かとは思いますが、ごめんなさい現状では妙案が浮かびません(^_^;)……税制というより教育の問題?親の躾の問題??
(b)相続税の増税(税率のアップ)
贈与税とは反対に相続税は増税するのが良いと考えられますが、相続税の計算の仕方は贈与税に比べてやや複雑です。
まず法定相続人(修正法定相続人)の数によって基礎控除額を算定します。基礎控除額は、
5000万円+1000万円×修正法定相続人の数
で決められます。基礎控除額を計算する際、法定相続人は養子は子のある場合は一人まで、子のない場合も二人までしか認められません。実際の法定相続人の人数とは異なることがあるので「修正法定相続人の数」と呼ばれます。妻と子二人(長男・長女)の場合は修正法定相続人の数は三人なので基礎控除額は8000万円となります。
話はそれますが、たいていの家の場合、亡くなった人が残した相続財産額(課税価格の合計額)はこの基礎控除の枠内に入るので相続税はかかりません。相続税が一部の金持ちのためのものと言われる理由がここにあります。
さて、課税価格の合計額と基礎控除額がわかったら、次に相続人が法定相続分をきっちり受け取ったと「仮定」して相続税額を計算します。課税価格の合計額から基礎控除額を差し引いた課税遺産総額をもとに税率をかけて税額を求めるのです。
たとえば、課税価格の合計額が1億8000万円とすると、課税遺産総額は基礎控除額8000万円を差し引いた1億円です。これをもとに法定相続分の税額を仮定計算し相続税総額を求めます。妻の法定相続分は2分の1、子の法定相続分は残り2分の1を半分ずつわけるので4分の1となります。
妻 1億円×1/2×20%−200万円=800万円
長男 1億円×1/4×15%− 50万円=325万円
長女 1億円×1/4×15%− 50万円=325万円
以上より相続税総額は1450万円となり、これを実際の相続分の比率で按分して「現実」に各相続人が納める相続税額を算出するのです。
相続税総額を算出するにあたって各法定相続分の税額を計算するときに相続税の税率が適用されます。上の算式に出てくる20%、15%というのがそれです。
現在は、1000万円以下は10%、1000万円超3000万以下は15%、3000万円超5000万円以下は20%……と続き、最後に3億円超は50%となっています。
私は最大税率は50%でいいかと思いますが、増税を行うのであれば、基礎控除については現状のままとし、税率の適用区分を低い金額に変更する方法をとるのがいいと考えます。
たとえば、次のように。
1000万円以下 10%
1000万円超5000万円以下 20%
5000万円超1億円以下 30%
1億円超2億円以下 40%
2億円超 50%
poohpapaさんは、相続税増税は金融資産のみに限定し、土地家屋については従来通りとすることを提案されていますが、私は上記のような税率の適用区分の一律変更で良いと考えています。その理由としては、「5000万円+1000万円×修正法定相続人の数」で算定される基礎控除額はもともと自宅一件分程度は非課税にするという目的にあると考えられること、二つめは土地家屋の評価額は通常取得価額より低めに設定されており、もともと相続税制上優遇されていること、三つめに財産の種類別に異なる税率を適用すると相続税の計算がいま以上に複雑になること、そして最後に金融資産の世代間移転は上記の贈与税の軽減や相続時精算課税によってある程度促進されると期待できること、などがあげられます。
Posted by ひろとも at 2005年05月07日 09:29
(8)のつづきからです。
(c)住宅取得資金等贈与の特例の拡大
以上のような贈与税の軽減と相続税の増税を前提に、住宅取得資金等贈与の特例の拡大、相続時精算課税制度の拡大を同時に行うのも有効かと考えられます。
現在、住宅資金贈与を父母や祖父母から受けた場合は、550万円まで非課税、550万円超1500万円までは贈与税を軽減となっていますが、1000万円まで非課税、2000万円まで軽減のように変更しても良いように思います。
(d)相続時精算課税制度の拡大
相続時精算課税制度は2006(平成18)年以降も継続を希望したいところです。
現在、20歳以上の人が65歳以上の親などから贈与を受けた場合となっていますが、親の年齢制限は撤廃してもいいと考えられます。また非課税枠も現在の2500万円から3000万円以上に引き上げていいと思います。
相続時精算課税のうち、住宅取得資金等についても、非課税枠を5000万円程度に引き上げてもいいでしょう。
(9)消費税の税率アップに賛成です先に戦後日本に間接税の比率48.6%の時代があったと言いました。昭和30年と現在とでは政治経済の環境、生活水準などがあまりにも違い過ぎるので単純な比較はできませんが、なぜかつては日本国民自身も許容していた直間比率がいまは許されないのか不思議です。酒税もたばこ税も、そしてかつての物品税もグリーン車の通行税も、反対する人がゼロだったとは言わないまでも、現在の消費税より風当たりが少ない(少なかった)のはなぜなのでしょう?
思うに、昭和から平成にかけての消費税導入に対する反対運動、現在の税率アップに対する反対運動は、結局のところ感情論なのではないかと思うのです。理由の一つは、偏りのある一部政党の人気取りに利用され、国民もそうした政党や便乗マスコミの論調に流されてしまっていること。もう一つは、単純に増税に向かう変化への反発が強いこと、です。
いままでの間接税は主に贅沢品にかけられたものだからという意見は十分納得が行くものです。あらゆる物やサービスに対して一律に課税される消費税は、低所得者層は所得に対する消費税の割合が大きくなるので不公平であるとの意見もあります。しかし所得の多い者は必然的に消費も多くなる傾向があるのも事実です。
それに低所得者だって人によっては酒も飲むし、たばこも吸います。必要ならば自動車にも乗ります。たばこの価格の半分以上、ガソリンだと半分近くが税金です。たばこ税は本来たばこ消費税、ガソリン税はガソリン消費税と呼ぶべきものです。もし低所得者保護のために消費税反対を唱えるなら、酒税、たばこ税、揮発油税など消費税を含めたありとあらゆる消費課税(間接税)に反対するのが合理的な行動です。それなのにことさら消費税(現在の消費税と地方消費税)だけを標的にするのは一部政党の煽動に流された感情的な行動ではないかと思われても不思議ではないでしょう。
何より間接税の良いところは、課税逃れが難しいというところです。100円のものを買えば5円、100万円のものを買えば5万円と、消費した金額に応じて確実に納税することになります。誰もが行う消費活動に対し一定の税率で課税することはむしろ公平なことだと思います。所得税の課税逃れを続けている人も消費税なら払うでしょう。要は所得課税が入る方に対する税金で、消費課税が出る方に対する税金。どっちから多く取るかだけの違いのような気がします。
ヨーロッパ諸国のように食料品、水道水、医薬品など一定の生活必需品については軽減税率(もしくはゼロ税率)を適用すること、流通の中間段階で課税事業者がどれだけ消費税を受け渡したかを証明するインヴォイスを導入すること、酒税、揮発油税などの軽減もしくは二重課税の是正を行うことなど、いくつかの条件が整えば、私は消費税の税率アップは実施すべきだと思います。子育て家族に対する所得税の軽減や、海外からの投資を促進するための法人税減税などはいずれ実施しなければいけない施策なので、間接税の比率をアップさせることで、安定した税収、財源の確保が重要になると考えられます。
そうは言っても、上のような理論的な説明で、多くの国民に感情的に納得してもらうのは難しいことだと思います。特別会計の縮小・廃止、特殊法人等への補助金垂れ流しの廃止など税金の無駄遣いをなくす代わりに実行するのがベストなのでしょうが(^_^;)
2005年税制改正では、消費税率のアップは検討されていませんが、すでに財務省内部ではたとえば10%、15%と段階的なアップを考えているものと思われます。なぜ段階的にするかと言えば、一つは世論を意識して、もう一つは税率アップ直前の駆け込み需要が少なくとも二回見込めるからです(笑)。
Posted by ひろとも at 2005年05月07日 09:32
(10)人口問題と景気回復と税制改正2002(平成14)年に発表された推計では、日本の人口は2006(平成18)年に1億2774万人というピークに達した後、長期の人口減少過程に入ると言われています。生産年齢(15〜64歳)の人口割合は、2000(平成12)年には68.1%だったものの、2020年には60.0%に落ち込み、逆に老年(65歳以上)の人口割合は2000年の17.4%から2020年には27.8%にまで増加するそうです(いずれも中位推計の数字です)。
いま生きている人にはほとんど関係のない話ですが、2050年には2.8人に1人が老年なんだとか(笑)。国の政策がどうのこうのという以前に年金という概念そのものが破綻するような数字です。
戦後の日本経済は一貫して右肩上がりを前提に発展してきました。私の推論ですが、これはつねに人口が増え続けることが背景としてあったのだと考えられます。
経済学についても同じことが言えるように思います。日本に限らず、世界の経済がそうした人口の増加を前提に成長し、経済学も同様に市場の拡大を前提とした理論を展開してきた。それで不況だデフレだと言って嘆いている。
でもちょっとおかしいと私は思うのです。たしかに地元の商店街は寂れてしまっている。赤字法人も増えています。しかしルイ・ヴィトンの店はつねに客であふれています。シャネル、プラダ、ティファニー然り。消費は本当に落ち込んでいるのでしょうか?いまは本当に不況なのでしょうか?私にはもう、よくわかりません。
ひとつ考えられるのは、好況とか不況とか、インフレとかデフレとか、そういった経済理論はもはや古くなっているのではないかということです。これらの理論は成長を前提としたものである。しかし、いまは縮小方向へ移りつつある。もはやかつての経済理論ではいまの経済状況は説明できないところまで来ているのではないかと思うのです。
そういう意味では、もはや不況からの脱出も、景気回復もありえないように思います。好況とか不況とか景気の回復といった経済用語そのものがもはや時代遅れの概念だからです。
じゃあ、いまを説明できる理論って何よ?しかしそう問われても、恥ずかしながら私には「わからない」としか答えられません。とても難しいです。もしそれができたらノーベル賞もらえるかもしれません(笑)。
ただ、これからは間違いなく人口が減り続け、年齢構成も変わること、したがって市場規模は縮小し、消費の性質も変化していくこと、もはや右肩上がりの幻想は捨て去るべきで、政治も経済もこれらを前提とした行動へといち早く転換することが重要……といったことがわずかに言えるに過ぎません。
あまり知られていませんが、ここ数年間、税制は景気回復をめざして減税ばかり進めてきました。
所得税の定率減税をはじめすでにお話しした証券税制や住宅ローン減税、法人税でも連結納税導入やIT減税などのほか、中小企業やベンチャー企業を優遇する措置が多くとられて来ました。でも、こうした税制もそろそろ行き詰まりを迎えているようです。
減税を行えば国民は喜びます。しかし、その表裏の関係で国の借金は確実に膨らんでいったのです。落ち込んだ税収を穴埋めするには国債の発行しかないからです。
効果があまり期待できない減税を継続するより、直接税収を増やした方がいいと考えるのも無理のないことです。近い将来間違いなく、増税はじわじわとやって来ます。
すでに2005年度の税制改正では定率減税の縮小が決定しています。政府税制調査会では、現在、2006年度の改正をめざして所得税、そして地方自治体が徴収する個人住民税の改革を議論しています。
所得税では、給料から差し引くことができる給与所得控除の縮小(給与所得控除はサラリーマンの必要経費のようなもので、これが縮小されることは増税につながります)、雇用形態の変化に即した退職所得課税の見直し(これも増税)、子育て支援のための税額控除(こっちは減税)などが検討されています。
そして、いまの政府税調では検討していませんが、福祉財源の確保を目的とした消費税の増税もいずれ進められるでしょう。
私の感情としては、サラリーマンや労働者をこれ以上いじめないでほしいです。給与所得控除の縮小よりも、いままで税金払って来なかった人から税金を取る方法を考えた方がいいのではないでしょうか?ちなみに、その一つの方法が消費税の税率アップだと私は考えています。
Posted by ひろとも at 2005年05月07日 09:34
(11)悪いのは政治家、官僚だけか?政治家は、国の予算を公共事業や補助金といった形でばらまいてリベートを受け取り、官僚は特別会計から補助金をばらまいて、天下り先で退職金を受け取る。国の借金は時々刻々と増えて行き、返済の目途など立てないままに問題は先送りされてゆく。政治家も官僚も自らの私腹を肥やすことにのみ執心し、失政失策の責任を誰も負うことなく、そのツケはいつも増税や保険料引き上げといった形で国民に押しつけられる。もはや日本の財政は企業であれば倒産の危機にあります。
では政治家や官僚だけが悪者なのでしょうか?そんなことはないはずです。公共事業を引き受けて潤うのは民間の土建業者です。金融機関や農林水産業も国の手厚い保護を受けています。政治家や官僚、公務員でなくても、何らかの形で彼らと関わることで恩恵を受けている人はかなりの割合に上るはずです。天下りだって官僚に限ったことでなく、大企業の役員が子会社や下請けへ天下りするなんてことはザラにあります。ついでに言うなら、国家資格なんかで商売する公認会計士・税理士も同じ穴の狢です(笑)。
国家の危機を政治家や官僚のせいにするのは簡単です。でもそれを言ったら、逆説的ですが、国民が無責任になってしまいます。一時期、小泉総理は政策を丸投げしていると批判されていましたが、まともに選挙にすら行かずに自分たちのこと政治や行政に丸投げしているのは私たち国民ではありませんか?
マスコミも一般の国民ももっと政治・行政に関心を持ち、もっと勉強すべきです。無駄な公共事業、補助金ばらまきや特別会計による予算の流出など、政治や行政に文句を言うことは重要ですが、なぜいままでそのようなことが許されてきたのかも同時に考える必要があるでしょう。
(12)いま日本国民に大切なもの現在の日本の借金は国民一人当たり1500万円を超えています。
すでに話してきたように、「貯蓄から投資へ」「高齢層から若年層へ」「直接税から間接税へ」といった税制改正などにより、ある程度の財政の健全化と経済の活性化は図れるものと思います。
それでも累積債務が残ったとき、これは、最終的に誰が払うのかと言えば、やはり国民しかいないのだと思います。「過去の政治の失策が原因なのだから、おれには関係ねえや」で済む問題ではないでしょう。借金が政治の失策だとしても、その政治家を選んだのは間違いなく国民なのです。
借金をチャラにするにしたって国債を買っているのは銀行や大企業なども含めた国民なのだから、貸したお金が返ってこないという形でつけを払うことになる。どこか他の国が援助してくれる訳でなし。驚くべき錬金術でお金が湧き出る訳でなし。最後の最後は政治家も官僚も含めた国民全員が時間をかけて返していくよりないのです。
そこで必要なのは一人一人の覚悟だと思います。いまの日本人におそらく一番足りないものかもしれません。国民の一人一人が、自分の利益だけを考えるのではなく、広い視野に立って国の行く末に関心を持ち、政治や行政に関心を持ち、厳しい目で監視を続け、あるべき方向へと導いてゆく。さまざまな面での死に物狂いの覚悟が、明日の日本にとって、ますます重要になると思います。
最後になりましたが、私は納税者の一人としてこう思いたい。
「自分が納めた税金は、必ず自分にかえってくる」と。
余計な税金を払う必要は一切ありませんが、自分にそれなりの所得があれば、またそれなりの消費をしたなら、しかるべき税金を払うのはやはり私たちに課せられた大切な責務です。そして払ったらそれで終わりというのではなく、その税金がどのように使われていくのかをしっかり見届けることが重要です。
自分にかえってくる税金は、子供が学校に通ったり、舗装道路を走ることだったり、救急車に乗せてもらうことだったり、とても小さなことかもしれませんが、相手のことを思いやり、お互いが助け合った結果としてその一部が自分にかえってくる。そう思うことが、よりよい未来をつくる原動力につながると私は信じます。
Posted by ひろとも at 2005年05月07日 09:42
文字数が多いとアップできなくて、途中でさらに分割しました。
ホントに荒らしになっちゃった(^_^;)
あとがきのようなもので終わりにします。
* * *
私の言ってることは、きれいごとばかり並べた理想論だと思います。もともと人間はそんなに出来の良いものではないし、そんなに勉強熱心ではありません。ただ、実現は難しくともあるべき方向を示さなければ、船は大海をさまようばかりです。船頭多くてなかなか進まなくても目標は持っていた方が良いとの思いで考えました。
それにしても、おわりのところ、かなり「ええかっこしい」です(笑)これはいまの私の偽らざる本音です。自分の税金が無駄になるなんて考えていたら「やってらんねぇ」ですもんね。いつかは自分のためになると思えばこそ、払う気にもなろうというものです。
いろいろご批判あるかと思います。私の理解に見当違いのところがあれば、あるいは物事に対する別の観点があれば、遠慮なくご意見いただければ幸いです(岩手から戻ったばかりだと思いますので、落ち着いてからで充分です)。
たいへん長くなってしまい失礼いたしました。そして最後まで読んでくださって、どうもありがとうございました。
<参考にしたもの>
○国税庁ホームページ
(今回記載したデータのほとんどはこちらの統計資料などを利用しています)
http://www.nta.go.jp/category/toukei/tokei.htm(税制についてはタックスアンサーがなかなか役立ちます 新米税理士のあんちょこです(爆))
http://www.taxanswer.nta.go.jp/index2.htm○日本銀行ホームページ
(「おしえて!にちぎん」がわかりやすいです)
http://www.boj.or.jp/wakaru/wakaru_f.htm○国立社会保障・人口問題研究所
(人口問題の統計資料はこちらです)
http://www.ipss.go.jp/○各種ブログ
(特別会計についてはこんなブログもありました)
http://blog.digi-squad.com/archives/000603.htmlhttp://www.hyogo-ishirenmei.jp/news/2003_07-01.html○猪瀬直樹「日本の近代 猪瀬直樹著作集1 構造改革とはなにか 新篇 日本国の研究」2001年小学館
○日本経済新聞
「所得税制『抜本改革』を読む」2005年4月13・14日付など
○その他
ほとんどは誰でも入手できる資料を使っていますが、山本守之による東京税理士会の研修資料なども利用しました。
* * * 本文は以上です。ひろともさんには、私がケチョンケチョンに(当社の顧問)税理士を批判しているにも拘らず、いつも温かいコメントをお寄せ頂いておりまして心から感謝いたしております。有り難うございました。