その、しんどい時期に、非常に疲れさせられる客の話。
当社管理の14万の貸家に、大手同業者から「予算が13万までのお客さんがいて、13万なら申し込むと仰ってますが、13万にはなりませんか?」、との問い合わせが入った。
その貸家は15万から1万値下げしたばかりだったので、「難しいとは思いますが聞くだけ聞いてみます」と断ったうえで家主さんにお伺いを立てると、息子さんとも相談なさって「13万5千円なら」との連絡をくださった。私も、諸般の状況を考えれば「妥当な落としどころ」と思えたので、業者の担当者に連絡したのだが・・・、
客は「驚くべき提案」(要求)をしてきた。私の20年近い賃貸仲介業生活で初めての内容である。
「最初の2年は13万で、更新の時から13万5千円にしてくれ」
「次の更新時から14万に」、というならまだ解かる。しかも更新後の2年間「確実に入居している」という保証などどこにもない。仮に特約を付けて違約金を請求できる内容で契約したとしても、そんな身勝手な要求をしてくる客が「ちゃんと払ってくれる」ハズがない。
このブログで何度も書いているが、自分が得をすることだけしか考えないで自分の要求だけ突きつけるのは交渉ではない。交渉というのは「私もここまでは譲歩する用意があります。そちら様はどこまで譲歩して頂けますか?」と擦り合せることをいうのであって、そんなのは(需要と供給の関係という)市場原理でも何でもない。ましてや駆け引きでさえない。単に相手の足下を見ているだけのことだ。
言うまでもなく、「値下げしてくれたら借りるよ」というのは「譲歩している」ことにはならない。どちらも「自分の希望」でしかないから。嫌味な言い方だが、頭の悪い人には「この理屈」は解からないと思う。
それより何より、そもそも自分の身の丈(予算)に合った物件で探すべきであろう。またそのことを客に諭せないで「言われたとおり」に問い合わせてくる担当者はアホである。客付業者は手数料が入れば文句ないものだろうが、契約後は管理会社が責任を負うことになる。
担当者は「とても内容の良いお客さんなんで何とか・・・」と言うが、内容の良い客が「そんな要求」をしてくるワケがない。
家主さんと相談して断ってしまったが、ちょっぴり後悔もしている。
せめて「その客がどんな面をしているのか」見てみたかった


