年末に、こんなことがあった。
大晦日に娘さん夫婦が孫を連れて小田原から遊びに来るとのこと。電車でなく車で、である。滞在中はいつも近隣のコインパーキングに停めっぱなしにしているんだとか。駐車料金もバカにならないようだ。そう聞いたので「ちょうどDホームも冬休みで社長の駐車場が空いてるハズだから貸してくれるよう頼んであげるよ」と言って社長に電話して了解を取り、案内図と、ダッシュボードに置くよう「管理会社Dホーム様了解すみ」の札をA4で印刷して届けてきた。そうすれば知らない車が停めてあっても通報されることは無い。
Dホームの社長の駐車場はAさん宅から徒歩1分半。コインパーキングよりずっと近い。
Aさんのご主人は大袈裟に感動して「なんかいろいろお世話になって、こんなことまでしてもらって、なんと言ってお礼を申しあげていいやら・・・」と言う。それで言下にこう言ってやった。
「ありがとう」
そう、感謝の言葉なら「ありがとう」に決まっている。何も悩むことは無いではないか。私がそう言うと腰から砕けるように座り込んで笑い崩れる。幸せな人だ

その2日前にも、懸賞で当たったクラレのカレンダーとお客様から頂いたJR東日本のカレンダーが「必要かどうか」を訊きに行くと、ご主人が「もう2本も頂いているから申し訳ないんで」と辞退し、奥様は「キレイな写真のだったらどちらかもう一本頂こうかな」と言う。「だったら実物を見てから決めなよ。直ぐ持って来るから」と言って出て行こうとすると、背後で「要る」「要らない」で言い争っている模様。
それで、振り返ってご主人にこう怒鳴った。
「うるさいよ!」
もちろん冗談だと通じているが、こういう場合、奥様を怒鳴ったら大変で、ご主人を叱るから笑い話になる。その時もご夫婦で腹を抱えて笑っていた。結局、2本とも見てもらってクラレのほうをもらって頂いた。
去年の秋、我々が隣に越してきて程なくしてAさんのご主人から、「家が建ってもなかなか買い手がつかなくてずっと空き家になってたし、どんな人が越してくるかも不安だったけど、本当にいい人たちが越して来てくれたと夫婦で喜んでます」と仰って頂いた。越してきて直ぐに10年来の親友のようにお付き合い頂いているのだから感謝しなければならないのはこちらのほうである。って、以前も書いてるけど

うちの町内会は会長さんからして人格者で近所付き合いもスムーズだが、中にはうるさい人もいる。新参者の我々をAさんご夫妻が上手く引き回してくださるから我々もどれだけ助かっているか知れない。
大きな声で笑うのは健康にもいいし、Aさんご夫妻は私たち夫婦を心から信頼してくださっているのが分かるから、これからもノーガードの撃ち合いのような冗談を言い合って楽しい近所付き合いをしたい。