
営業のSさんも(普通の独身の営業さんより)生活が掛かっているし、良かった良かった(*^^)v
実はそのお客さん、別の不動産会社で保証会社の審査が通らないことで部屋探しを断られていたのだが、不思議なことに、Dホームで同じ保証会社に申し込んで審査が通っている。何か違いがあるんだろう。
一言で言えば「丁寧に仕事をしているかどうか」、つまり「お客さんに対して誠実かどうか」だと思う。Dホームはお客さんをぞんざいに扱ったりはしないので、これからも私の体調が悪い時や、私とは相性が悪いお客さんはDホームにお願いしよう。もちろん「お客さんを回しただけで手数料を貰う」ことはしない。うちで決まらないで他社で決まることになるのなら、仲良くしている業者さんで決まって欲しいだけのこと。
Dホームを最近定年退職したNさんも「ワケあり」のお客さんの相手を得意としていたが、新人のSさんもNさんに負けず劣らず上手いと思う。昨日、たまたまDホームに行っていた時、別のお客さんの相手をしていて、その様子を聞かせてもらったが、かなり「出来る」と思った。後で話を聞くと、お客さんの性格や内容を的確に分析できていたし、社長や店との相性も良さそうで、私まで嬉しくなる。
自営業は辛いことも多いけど、反面、気楽でもある。相手したくない客が来たなら私の意思で適当にあしらってお帰り頂くこともできる。めったに飛び込みのお客さんなどないのに私は客を選んでいる。全部のお客さんに全力で誠心誠意、なんてことはできないから。ハートのある(通じる)お客さんだけ相手にしていても食べていけるし。それでは事業は大きくならないけど今以上の苦労はしたくないので現状で充分に満足。
鍵を掛けて駅前の銀行に出かけて帰ってきて、店頭に貼ってある広告を見ている人がいても、パッと雰囲気を見て、「このお客さんの相手をしたくないな」と思ったら、通り過ぎてお客さんが離れるのを待ってから店に入る。40年以上も営業をしているとだいたい分かる。声を掛けても「あ、見てるだけですから」と言う人もいるけど、まあ8割方は第一印象で決まってくるし結果は当たっていると思う。うちのウインドウから離れて向かいのDホームに行って、そこで決まったとしても全然OK。
実は今日、一週間ほど前、私が出掛けようとしてドアを開けた時に貼紙広告を見ていたお客さんが来店する。約束があって出るところだったが、「宜しければ資料を差し上げますよ」と声を掛けたらお店に入ってくださって、いろいろお話させて頂いたお客さんである。「うちとご縁があるお客さん」だとピーンときた。
「このお客さんは他(の不動産屋)には行かない人だろうな・・・」と直感したし。名刺と資料をお渡ししてお帰り頂き、昨日、ご連絡があった。実はこの一週間の間に、そのお客さんにとって最適の物件をいくつか用意して、当社管理の物件の家主さんとの家賃交渉なども済ませておいた。考えられないくらいの破格の値引きである。72000円の募集に対して、私が交渉したのは60000円。家主さんに、メリット・デメリット、お客さんの人柄などを丁寧に説明させて頂いたので、家主さんも快く了解してくださった。
当社管理の物件ではない部屋も、管理会社さんと下交渉は済ませてある。こちらも破格の値引きである。それらは「借手市場だから当然の値引き」ではなく、いずれも私との信頼関係から成立したものだと思う。不動産屋はお客さんに見えないところでお客さんのためにいろんな配慮をしていることがあるし、業者間や家主さんとの信頼関係が良くも悪しくもお客さんに影響してくることもある。実に奥の深い仕事である。
今日、もう一人、別のお客さんがおみえになるが、先のお客さんは当社の管理物件で、後のお客さんはお仲間さんの管理物件で決まると思う。私に「頑張って交渉して差し上げよう」と思わせる人柄を二人ともお持ちだったということで、私はただ「自分が食べるために成約に向けて交渉しただけ」のことなのだが。
何度も書いているが、うちの店に限らず、「人柄の良いお客さんは結局得をする」ものだと思う。