2008年12月24日

自分の鏡

昨日のこと、夕方5時過ぎに、「今日はもう早仕舞いしようかな」、と思っていたところに20代半ばくらいのカップルが来店した。

正直なところ「うへ!こんな年の瀬に部屋探しかよ!?」、と思ったが、なかなか感じの良いカップルだった。

更新期限の関係で、できれば来年2月中旬迄に引っ越したい、とのことで、1月中旬には見つかってなければならない。今、業者に物件の問い合わせをしても、内容的に怪しまれたりもするから、昨日は詳しく条件だけ聞かせて頂いて、本格的な部屋探しは年明けから、ということにして雑談をしていたのだが・・・、途中で私が二人にこう訊いた。

「彼女、福祉関係の仕事してるでしょ?」

すると、二人は顔を見合わせて、彼女が、

「どうして判ったんですか?」、と訊く。

「笑顔と雰囲気ですよ」、と答えると不思議がっていた。

話をしていて、お年寄りに向けるような優しい笑顔になることが時々あって、ま、私もそういう対象だと感じてたかどうかは解からないが、雰囲気に滲み出ていた。

それで、こうも訊いてみた。

「お二人は結婚式も披露宴もするんでしょうね。でもって、費用は親に出してもらわず全部自分たちで出すのではありませんか?」、と。

それもドンピシャで、「え〜、そんなことまで判るんですか」と驚く。
ただの勘ではあるが、まんざら「当てずっぽ」でもない。それは・・・、

私の37年前の姿にソックリだったから、である。価値観、金銭感覚、親子関係、何もかも。だから、導き出される結論は一つだった。

お二人の部屋探しは急いでいる。更新せずに今の部屋を明け渡すには1月18日までに(2月18日には入居可能で希望条件に合った)部屋を見つける必要がある。年明け早々、私は全力で探し始める。

久々に、「このお客さんの役に立ちたい」、と思えたお客さんだから。


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2008年11月28日

いくらなんでも、その予算では

割と感じの良い30代半ばの男性が来店し、

「できるだけ安い部屋を紹介して欲しいんですけど・・・」と言う。

「どのくらいの予算でお探しですか?」と訊くと、

「1万円台、ってのは無理ですかねえ」、とのこと。

立川では風呂無しでも3万くらいはする。訊けば、職場が近くにあって、仕事で遅くなった時だけ寝泊りするだけだから風呂は無くていいけどエアコンは欲しい、とのことで、それなら必要な時だけカプセルホテルにでも泊まればいいように思う。

仮に家賃3万なら一日千円ということになるから、それで安全に寝られる場所が確保できるなら、それくらいの投資は仕方ないだろう。

3万の部屋をいくつか紹介したが、資料は持ち帰らなかった。

少なくとも、3畳一間でも家賃1万台の部屋など見たことないから、そのお客さんの部屋探しは難航するだろう。

帰りがけに、「可能性は低いけど、直接当たってみてはどうか」と言って、超格安物件を持っていそうな同業者を何軒か教えてあげた。

もちろん、感じの悪い客ならそんなことはしない。

印象、というのはとても大事なものだと思う。

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2008年11月20日

不動産業苦節18年、久々に巡ってきた美味しい話

「久々に巡ってきた」というより「帰ってきた」話、ではあるが、

店番をしていると、ひょっこり珍しい顔(Kさん)が入ってきた。

そのKさんとのエピソードは過去にも記事にしているが・・・、

「久しぶりじゃん、どうしてたんだよ?」と訊くと、「いやあ、いろいろ有ってさ・・・」と苦笑いする。それで私にはだいたい察しがつく。

「また奥さんのことでしょ?」と訊くと、「うん」と言う。

「うちのがまた家出して、200万も借金してたんだよ。だから、これからそれを清算しなくちゃいけなくてさ、頭痛いよ、まったく」

聞けば、この10年間で家出は10回以上、その度に捜索費用やら借金の清算やらで費やしたカネが1千万以上、とのこと。それで「どうして別れないのか」、私は理解に苦しんでいる。私なら、家出してくれたのを幸いに、絶対に探したりはしない。ま、ハッキリ言わせてもらえば「穀潰し(ごくつぶし)」の女房でしかない。

Kさんに少し遅れて店に入ってきた奥さんは、Kさんの苦労をよそにアッケラカンとしていて、まるで他人事である。「ダメだこりゃ!」である。奥さんが所用で店を出ると、Kさんの怒涛の愚痴が始まった。

思い起こせば10年以上も前のこと、しょっちゅう「ヒマか?」とばかりにうちに出入りしていたKさんの相談に親身に乗っていたのだが、或る時「女房が家出しちゃってさあ・・・」と相談に来た際に、話を聞いて即座に、「Kさんさあ、そんな女房、別れなよ。くっついてても絶対にイイことないから」、と真正面から本音をぶつけたのだが・・・、

Kさんはテーブルに置いてあった灰皿を振り上げて私の脳天に振り落とそうとした。そりゃそうだろう、未練があるから悩むのであって、諦めがついているなら相談になんか来ない。自分でもそう思っていたとしても人から言われれば頭にくるのは当然である。

しばしの睨み合いの後、Kさんは灰皿を静かに下ろしたが、逆上していたから、一歩間違えば私は死んでいたかも知れない。それくらい危険な要素を持っている人なのだ。

そうであっても、相談を持ちかけられれば本音を言ってしまうし、激論になることもしばしばある。いくら途中で降りたりしないでトコトン付き合うのが私の持ち味だといっても、ちとヤバかった。

結局別れずにいて、今日までの10年余りの間に、家出回数は10回を超えることになった。で、先日、うちに来て、しみじみ言う。

「やっぱり、あの時に言われたとおり別れてたら良かったね」、と。

それで、こう話した。

「Kさんはダメンズウォーカーの逆なんだよね。ダメ女しか愛せなくて、どんなに苦労させられてもカネがかかっても捨てることが出来ないんだよ。でも、奥さん何も解かってないからこの先も更に苦労させられることになるし、今からでも別れた方がいいと思うよ」、と。

実は私は、過去にKさんが付き合っていた女性の何人かと会っていて、いずれの女性も今の奥さんとは比べ物にならないくらい可愛くて賢い女性ばかりだったし、今でも電話一本で飛んでくる女性が何人もいるとのことだから、なんで離婚しないのか不思議なくらいだ。

「Kさんさあ、たぶん、何度も家出されて、さんざん苦労もカネも掛けさせられたから、それで別れられなくなっちゃうんだろうね」、と言うと、「まったくそのとおりなんだよ」、と寂しそうに笑う。


で、私が「早く別れろ」というのには他にも事情(理由)が有る。

Kさんの母親が再婚していて、近々莫大な遺産相続を受けることになりそうなのだが、それも、そんなに遠くない将来「一人っ子」であるKさんが相続することになりそうなのだ。

Kさんは、「自分の死後、奥さんがアッと言う間に浪費してしまう」であろうことは判っている。それだけは嫌だ、と言う。

「お袋が相続した時点で、お袋と相談して不動産を換金したいと思うんだけど、その時には相談に乗ってくれるかなあ・・・」と訊くので、もちろんOKした。と言うか、10年前からその話は聞いていて、「Kさんと縁を切らなければ必ず私のところに話が来る」と信じていた。

なぜなら、

Kさんと私は、Kさんが私の頭上に灰皿を振り上げて睨み合った時にしっかりと信頼関係が築かれていたから、である。普通に考えれば、その時点で信頼関係が壊れていた、と思われるだろうが、そうではない。互いに真正面から相手の目を見て本音で話したのだ。Kさんも「私が体を張って意見してくれている」、と解かっていただろう。

私はその時のことを一度も責めなかったし、Kさんも「別れろ」と言われたことを根に持っていなかった。それどころか、今となっては「あの時」に私の進言を聞いていれば良かった、とも思ってくれている。

何億、いや何十億という不動産売買に絡めることになるから、多少手数料を負けてやっても、それだけで3年は食っていけるだろう。

危険な目にも遭っているし、それくらいのことが無ければ、不動産屋なんてやっていられるものではないわーい(嬉しい顔)






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2008年11月16日

悪運の強い奴(R18指定)

うちのお客さんで妻子持ちの男性が東北地方の或る町に単身赴任していたのだが、たまたま更新契約で帰ってきて、こんな話をする。

赴任先の休みは不定期で、月火連休になった月曜日、地元で評判の風俗店に向かってバイパスを車で走っていたんだと。

前任者の話では「たしか、本番までやらせてくれる店があったハズ」と探していたのだが、どれだけ行っても見つからない。ずいぶん走った頃、ようやくお店のネオンサインが見えてきたが、中央分離帯が途切れず、反対車線の後ろ側に通り過ぎて離れるばかり。

早くUターンしたくて焦っていたが、一向に適当な箇所が見つからなくて、走行車線側から下りようにも高架になっていて下りられない。

「もう今度でいいや。次は事前にちゃんと地図を調べてから来よう」とその日は諦めて帰ってきたそうな。

「チェッ!、今日はついてないや」と、身の不運を嘆きつつ不貞寝して翌日TVを見ると、ナンと自分が入り損ねたその店に、昨晩警察の捜査が入って、経営者から従業員、ネエちゃんに至るまで皆お縄になって、客も途中でストップさせられて事情聴取を受けた模様。

そんなことが勤務先にバレたら停職と減給、それに出世の道も閉ざされるのは必定で、何より家族に合わせる顔が無かったろう。

ニュースを見て震えが来た、というのも当然である。

その店には、かつて同僚が行って本番までやらせてくれたものの、有り難くないお土産まで頂いて帰ってきたとか。「ネエちゃんは粒揃いだし、何でこんなに安いんだろ」と不思議に思っていたそうだが、後の病院通いは大変だったとか。それが判っていて行くか?普通!

「やっぱ高級な店に行かなきゃダメなんだね」、と言うけど、そういう問題じゃない!ちっ(怒った顔)爆弾
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2008年06月06日

し、視線が下ろせない・・・^_^;

濃い化粧で金髪、服装も「見るからに風俗嬢」という二人連れが来店した。夕方だったが「これから仕事します」という雰囲気だった。

「2LDKで二部屋ともフローリングというの、何か有りますか?」とのこと。どちらか一人が2LDKを借りるハズはないから、「二人で入居するの?」と訊くと、「そうです」と言う。

私の経験上、友人同士での入居は「8割かた」、いや「9割かた」は上手くいかない。途中でどちらかが出て行ってしまう。先のことは全く考えていないように見受けられたので、念のため、こう話した。

「友人同士の入居は、始めはどんなに仲が良くても殆どが上手くいかなくなるから、貸す側からは嫌がられるものなんだ。すぐ喧嘩してどちらかが出て行ってしまうんで、そうすると残った一人では家賃が払えなくて結局は出て行かれるから審査が下りないんだよ」、と。

表情からして、やはり「上手くいかないこともある」などとは小指の先ほども考えてはいなかったようで、怪訝そうな顔をしている。

更に、畳み掛けるようにこうも話した。

「もし仮に審査が下りたとしても連帯保証人はそれぞれに必要になるけど、その点は大丈夫?」

すると、「なんで?」と訴えるかのように訊くので、

「もし片方の親の誰か一人だけを保証人に付けてもらったとすると、何かトラブルが発生したなら、『私は自分の娘の補償しかしない』と言いかねないでしょう。だから、友人同士で入居する場合には互いの保証人が相手の分も一緒に保証してもらうことになるんだよ」、と説明したのだが・・・、

私には、保証人は親族ではなく勤め先の店長あたりを予定していたのでは、と思えた。私の言葉への反応を見ていて容易に判った。

「どこか他の不動産屋さんに行った?、OKだって言ってた?」と訊くと、「何も言われなかった・・・」と言う。

それは「うるさいこと言わずに審査を通してくれるつもり」なんかではなく、何の説明もなく単に「門前払い」されただけであろう。

この二人、ヘタなOLよりハキハキしていて、しっかり自己主張もできるのだが、いかんせん見た目で損をしている。男女を問わず、不動産屋に部屋探しでやってくるならそれなりの格好を整えていないと無駄な時間を費やすことになる。以前、私の記事に寄せて頂いたコメントにもあったが、「審査は来店した時から始まっている」のだ。

二人とも超ミニで、胸元が大きく開いて谷間が見える服だったから、私も目のやり場に困った。首から下には視線を落とせない。少しでも視線を落としたなら「エロおやじ」と思われかねない。もちろん、実際にエロおやじ、ではあるが、見たくないものを見せられて、尚且つ疑いを掛けられたんじゃ堪らない。だいいち非常に肩が凝る。

審査が下ろせないことより、視線が下ろせないのが問題だったふらふら

感じも悪くなかったし、私自身は水商売や風俗嬢であっても部屋を紹介することはあるのだが、う〜ん、この二人だとちょっと厳しい。

私が「悪いケースを想定した話」ばかりするもので、不機嫌な顔で「じゃあイイです」と出て行ったが、そんなんで私が「不親切な不動産屋」だと思われたなら辛いものがある。ま、いいけど(*^^)v

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2008年05月16日

うちも「電気ポット」方式で

昨日の記事で書いた「87歳の女性に振り替えるつもりの物件」に、当社の家主さんから問い合わせがあった。その物件で、ということではなく、その物件しか該当しないから、という話なのだが・・・、

「私の知り合いで84歳の女の人がいて、現在は他県に住んでるんだけど元々は多摩の人なんで、こっちに帰りたいって言うのよね。そんな歳の人にでも貸してくださるお部屋、あるかしら?」、とのこと。

他社には問い合わせるだけ無駄だから、うちの物件の中でしか紹介できない。その家主さんご自身は、ご自分のアパートに空室があれば、年齢など気にせず審査を通してくださる方ではあるが、高齢者を取り巻く賃貸事情の厳しさは充分に理解していらっしゃる。

一般的に、家主さんが高齢者の入居を敬遠するのは、家賃が入るかどうかより、不測の事態を恐れて、という理由である。室内で死亡していたのを長く気付かなかったりして事件モノみたいになってしまったり、火を使っている最中に意識をなくして火災になったり、徘徊などが始まったり、と心配の種が尽きないからだ。

管理会社が「高齢者の入居後にお世話をする」なんてことは到底出来ないが、こういう方法でならチェックすることは可能である。

いわゆる「電気ポット」方式、である。

高齢者の家で使っている電気ポットにセンサーを取り付け、使用している形跡があれば無事、と判断するチェック方法だ。ただし、そういう電気ポットを家主さんや管理会社が支給して管理(チェック)する、なんてことは出来ないから、方法としては略式なものになる。

入居者から、毎日一度、必ず私の携帯に電話して「ワン切り」してもらう、という方法だ。それなら費用もかからない。着信記録が残っていれば、少なくとも「その時点での無事」は確認できる。忘れることもあるだろうから、2〜3日「ワン切り着信」が無ければ、こちらから電話すればよい。何かの用がある時は、ワン切りせずにそのまま鳴らしてくれればよい。それくらいのことでも或る程度は未然に事故が防げるかも知れない。難点は、いつまで電話することが出来る状態でいるか、ということだが、習慣化させれば継続することも可能だろう。

その程度では「家主さんに安心して頂く」のは無理としても、できる範囲で協力させて頂くのは吝か(やぶさか)ではない。極力「家主さんの負担を軽減させる」のも管理会社の務めなのだから。

一方で「行政は指示や僅かな金銭の補助だけ出すのでなく、もう少しソフト面での改善や工夫をしてもらいたいもの」とも思っている。

「ただ号令だけ掛けられても人は動かない」ものだから。
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2008年05月15日

奇跡(?)は呼び起こせるのか

先日の87歳のお年寄りの部屋探し、申込みをもらった部屋では審査が下りなかったので、奥の手を使うことにして、返事待ちである。

最初の部屋は6万5千円の2DKで一人入居での申し込みだった。そこで、客付業者に先ずこう訊いてみた。

「そのお客さん、2部屋ないとダメですか?1DKでも何とかなるなら、直ぐ近くに築年数も同じくらいで、家主さんが了解して頂けそうな物件があるのですが・・・」

その物件は、和室6畳、DK6畳、エアコン付き、BT別で4万5千円、という部屋なのだが、それで「その部屋でもいい」と言ってもらうだけなら奇跡でも何でもない話である。

そのお客さんがその部屋に住んでもらうためにはクリアしなければならない点が幾つもある。そのままでは使えない部屋でもあるし。

どういうことかというと、空き部屋はあるが、現在募集しているのは2階の部屋なので、87歳という高齢の身には負担が大きい。

部屋そのものは、客付業者の担当者の話では「一部屋でもいいし畳の部屋が希望」、ということだから希望は満たしている。

そこで、下の部屋に住む入居者に同じ家賃で2階に移ってもらい、下の部屋の準備が出来次第、入居してもらおう、という話である。

口で言うのは簡単だが現実はややこしく、流れとしてはこうなる。

1、客付業者の了解を取りつける。
2、お客さんに訊いてもらう。
3、現在募集中の(全く同じ作りの)2階の部屋を見てもらう。
4、気に入ってもらえたら家主さんに説明して了解を頂く。
5、1階の入居者に事情を説明して2階に移る同意を得る。
6、1階の契約を済ませ、現1階の入居者を2階に移動させる。
7、1階をリフォームして、準備でき次第、入居してもらう。

5番目は、本来なら先に打診しておくものだが、後でも構わない。
上記からは、その間の「カネに関する相談」は抜いてある。実際にはそれが一番大変な作業になる。

もちろん、1階の入居者と家主さんには一切の負担をかけないよう配慮しなければならないし、通常の移動とは別に「本来なら必要ない負担」もあるから、それを誰が負担するか、という問題も出てくる。

現在、1階の家賃と同額で2階の募集を行っているので、1階の入居者が2階に移っても負担増にはならないし家主さんにとっては何の問題もない。でもって、2階である分だけ快適に過ごしてもらえることになる。面倒はお掛けするが結果としては喜んで頂けるだろう。

1階の入居者は、事情を話して頼めば嫌とは言わない。過去ログのどの記事かは言わないが、本人も保証人さんも私には恩義を感じていてくださる事情があるので、喜んで協力して頂けるに違いない。

家主さんは「高齢だから」といって断る方ではない。「お任せしますので」と仰るのは判っている。

費用に関しては「立ち退き」という理由があるので、取り壊しになるアパートの家主さんと交渉することになるのだが、仮に家主さんが費用の負担を断っても、今度の部屋の礼金に上乗せして諸費用に充当させれば結局は「出してもらえた」ことになるから心配ない。

客付業者にも「成約になったなら今度の部屋の仲介料分を支払う」と話して了解してもらっていて、お客さんにとっても、場所と間取りがOKなら家賃も2万安くなるワケだし、全て丸く収まる・・・、

と踏んでいたのだが・・・・・、

4日経っても担当者からは何の連絡もない。ちゃんと訊いてくれているのかも判らない。うちは余程のことがない限り「頭越え(仲介業者を抜いて手数料を独占すること)」はしないし、ちゃんと筋を通しているのだから返事が欲しいものだが、何も言ってこないのだ。

もし担当者がお客さんに訊いてくれてなかったなら、私が直接連絡を取って話を進めるが、その場合は仲介料は払えないことになる。仮に「他の部屋で決まった」というなら、ここまで提案しているのだから連絡ぐらいは欲しい。まあ、まだ決まっていない、とは思う。

担当者からはその後の連絡が全く無いので、火曜日に電話をすると「担当者が不在なので結果は判らない」、とのこと。

ご高齢のお客さんの為にも早く動いて欲しいものだが、なんせ動きが悪すぎる。今日一杯待って連絡が無ければ、もうお客さんと直接話をして、私一人で奇跡を呼んでみよう、くらいに意気込んでいる。
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2008年05月10日

私が立たされている非常に難しい局面

昨日の記事の続編のような話。

GW直前に同業者から当社管理の2DKの空室に(GW開けに)申込みを入れる、との連絡があった。お客さんはお年寄り、とのこと。

で、予定通り、申込書がFAXで流れてきたのだが・・・、凹んだ。


申込者は、87歳の一人暮らしのご婦人である。ご高齢、とは聞いていたが、そこまでとは思わなかった。業者は「年配の女性」とは言っていたものの事前には具体的な年齢に触れず、FAXを流してきた後に「年齢よりずっとお元気ですから」との説明。であっても家主さんの審査が下りるかどうかは判らない。いや、いくら「高齢者という理由で入居を断ってはならない」と言われたとしても無理である。

今まで入っていたアパートは取り壊しになるとかで立ち退きになるらしく、生活保護は受けていない。こういう場合、むしろ「生活保護」を受けていてくれたほうが有り難い。何か事あれば市の福祉課で世話してくれるからだ。

連帯保証人は84歳の弟さん。失礼ながら「どちらが先か」くらいの話だが、弟さんは資産家でもあり、家賃の心配は要らなさそうだ。

家主さんに相談すると、「うちのアパートで最期を迎えられることになるのでしょうけど、私がお世話することは出来ないし、どうしたものでしょうか・・・」とのこと。私も、無理にはお願いできない。

実は、この件では家主さんと3度も電話で相談し、「何でしたら私がアパートを訪ねて本人の様子を見てきましょうか?」とまで提案したが、家主さんは気乗りしないご様子だった。当たり前だとは思う。

ハッキリ断られてはいなくても、4度目の相談をすることは無い。
何故なら、私は「理解」を求めているだけで、「説得」しようとしているワケではないからだ。もし私が説得して審査を通してもらったら何か有った時には私が全責任を負うことになってしまう。いくら管理会社でも、そこまでの責任は負えない。だから「説得」はしない。

仮に「最善を尽くします」と言ったとしても、家主さんは私が「責任を取る」と言った、と解釈してしまうだろう。それも当然である。

案内をしてくれた業者には悪いが、その物件では断るしかない。


一つだけ、超ウルトラC級の方法が残っているが、「話が纏まったら奇跡と言えるくらいの手法」である。今日、客付業者と全部の関係者に話してみて、合意を取り付けてから本人(お客さん)に相談してみようと思う。誰か一人でも不承知なら成立しない話だし、話す順番も重要なので、余程に整理してかからねば・・・。

たぶん可能性は2%くらいで、あまり期待は出来ないだろうが、とにかく最善は尽くしたいと思う。

ま、上手くいったら詳細は後日ご報告、ということで(*^^)v



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2008年04月21日

これ以下はない最悪の条件のお客さん

更新契約をしている最中にドアを開けて老人(男性)が入ってきた。

「部屋探しを頼みたいんだけど・・・」と言う。

漂っている雰囲気を一目見て、「この人の部屋探しは難しそう」と思えたが、「しばらくお待ち頂けますか?、どうぞお掛けになってお待ちください」と言うと、「いや、それでは迷惑かけるから外で待ってるよ」と出て行こうとする。それで「大丈夫ですよ、中でお待ちください」と言っても、「いやいや、いいから」と入ってこない。

ならば仕方ない、と契約事務を続けていたが、ちゃんと外で待っている気配がする。本音では「5分もすれば他所の不動産屋に行くもの」と期待(?)していたが、寒い店の前で20分も律儀に待っていた。

更新のお客様と入れ替わりに中に入ってもらって条件を聞くと、「立川で、出来れば二部屋あって、予算は5万くらいまで」とのこと。

内容は先日の老人とよく似ている。しかも、水商売で店仕舞いも考えていて、保証人を頼める人もいない、というところまでソックリで、老人は日本人であったが、これでもし特定の国の国籍の人だったならもう最悪で、何と言うか「悪い条件」が全て揃っていることになる。

のだが・・・、私はこのお客さんの部屋探しを引き受けることにした。なぜなら、20分以上も先客の邪魔をしないよう外で待っていてくれたことと、悪い条件の話も全て正直に話してくれたから、「このお客さんなら大丈夫では・・・」、と思えたからだ。

と言っても、うちの直の管理物件か、よほど仲良くしている業者の物件にしか紹介は出来ない。申し込みを入れても断られてしまうのがハナから判っているから、である。

「場所が矢川とか国分寺なら、うちの管理物件で安くていい物件があります。そこなら家主さんに相談に乗ってもらえますが・・・」と言うと、「住所が国立とか国分寺ではダメなんだよ」とのこと。

それで、ピーン!ときた。

「生活保護を受けられるのですね」と訊くと、「そうなるかも知れないんで・・・」と言う。

今は水商売で間もなく無職、高齢者、保証人なし、に生活保護・・・、
泣きたくなるような条件だが「この老人の力になろう」と思った。

「1週間ほどしたら寄ってみてください。何か探しておきますので。念のため、電話番号をお伺いできますか?」と訊くと、「家には電話はないし、携帯も持ってないんだよ」とのこと。え?マジかよ!?

電話が無いようでは殆どの不動産屋で断られてしまうに違いない。

「公衆電話ででも電話するから」と言うお客さんに、「でしたら、コレ、あげますよ」と未使用のテレホンカードを渡したら喜んで受け取る。
10円玉の持ち合わせが無ければ公衆電話も使えないのだから。

帰りがけに、「この歳になるまで、アンタのような不動産屋に当たったのは初めてだよ」、と言ってくれたが・・・、

私も、「お客さんみたいに悪条件が揃った人、初めてですよ」、と、心の中で呟いていた(^^ゞ

その後、相当な期間を要したが、その老人の新居は見つかった。うちの管理物件ではなかったが、ふだんから仲良くしている同業者に頼み込んで、「保証人なし」の条件で何とか審査を通してもらった。

今、老人は「近所まで来たから」と毎日のように私の店に寄るふらふらたらーっ(汗)



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2008年04月10日

相手によりけり、ってことで

以前ご紹介したサイト「不動産屋たちのココだけのハナシ」さんの昨日付けの記事「学生ですから」を読んで、自分もブログ初期の頃に書かせてもらった学生さんのことを思い出しました。

その記事は「こちら」からどうぞ。
思い出されたのは、記事の後半に書いた学生さんのほう、です。


そういう学生さんが来店したなら応援したくなりますね、そりゃあ。
もちろん、審査などフリーパスです。不動産屋だって人間ですもん。
ま、騙されないよう、気を付けはしますが(*^^)v


私は、最近は、本人に直接会っていれば、連帯保証人の内容については「年収が足りない」「年金生活ではダメ」などとうるさく言わないようになりました。形の上では連帯保証人を付けてもらいますが、基本的に「本人が全て」ですから。それは、「今の時代、審査を緩くしないとなかなか決まらないから」、などという理由ではありません。

これも何度か書いてますが、何ヶ月も家賃を滞納していながら連絡も寄こさないような入居者の連帯保証人なら推して知るべしです。

請求したって払ってくれはしません。本人を見究めて信用したなら、それで失敗したことはありません。もちろん、他社からの申込みで契約時に初めて本人と会うことになる場合は慎重にもなりますが。

「不動産屋たちのココだけのハナシ」さんの記事にある青年みたいなお客さんばかりなら不動産屋の仕事は楽しいものになりますね。

何より、人と接していて「この人は将来幸せになれるだろうな」、って思えたら、こっちまで幸せな気分になれますもん。


真面目な若者、誠実なお年寄りなら、不動産屋も「少しでもお役に立ちたい」と懸命に努力します。簡単な理屈、なんですけどねえわーい(嬉しい顔)

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2008年04月07日

見た目で損することもある

7時近くになって「もうそろそろ店を閉めようか」という頃、2人組の若い男性が来店した。

「デリヘル(デリバリーヘルス;風俗)の詰所として貸してくれる店舗はないですか?」、とのこと。

普通のアパートやマンションの一室に電話を置いて、女の子は別に待機させるか自宅で待たせておいて連絡する方式のようだ。

見るからに化粧が濃かったり服装がケバい女の子が何人も出入りするワケでなく、「そこには電話番しか置かないんで」と言う。

私が「これから新規開業する、って、女の子は集められるの?、長く続けられるの?」と訊くと、「スカウト部門は別にあるので大丈夫です」と言う。スカウトされて簡単に「OK」する女の子って結構いるようだ。楽してカネを稼げる、と勘違いしているのだろう。

それはともかく、風俗と聞いただけで拒絶反応を示す家主さんが殆どだし、それで当たり前なので、いくら長く空いたままの部屋があるからと言って、「デリヘルにでも貸しませんか?」とは訊けない。

だが、もう一つ「受けられない」「受けたくない」理由があった。

その若者、二人とも「見るからにヤクザの舎弟」である。額の両端を剃り込み、眉毛も細く、髪は短髪、トレーナー姿での来店である。

アパートに「そんな風体のおニイさん」が出入りしていたなら、例え本当は堅気で真面目であったとしても、「何やら暴力団組員ふうの人たちが出入りしている」と他の入居者が不安になるものだろう。

先々別の部屋が空いた時、案内していて「おニイさん」が出入りしているのを見られたなら絶対に申込みなど入らない。何かトラブルが発生すれば、尻拭いをするのは家主さんでなく管理会社なのだし。

「他の不動産業者も当たってみた?」と訊くと、「はい、5店ばかり当たったけどだいたい断られました。一店だけ『探しておきます』と言ってくれましたが・・・」とのこと。早く出て行ってもらいたいからそう言っただけのことで、おそらくは探さないだろう。

私は風俗に勤めている人でも馬鹿にはしないし、他のお客さんと同じように接しているが、もし本気で探すなら、家主さんや不動産屋や他の入居者の気持ちとかに充分な配慮をする必要があるだろう。

少なくとも、部屋探しに相応しい格好で来店してほしいものだ。

いや、「事務所を紹介してくれたら、お礼にbPの子を紹介します」
くらいは約束してくれないと(ウソ)



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2008年03月13日

ある入居者さんからの奇妙な依頼

更新契約まではだいぶ間がある入居者さんから電話を頂いた。

私がいつも批判している「生活保護を受けている在日朝鮮人」の一人であるHさん(男性)からで、よく意味が解からない用件だった。

Hさんは結婚していて60代半ば、奥さんもまた在日の人である。

「お店にいらっしゃれば、ちょっと伺っていいですか?」とのことで、「ヒマしてますからどうぞ」と言うと、私にこんなことを頼む。

「迷惑でなかったら、手を握らせてください」

ほえ?、俺、そういう趣味ないんだけど、と思っていたら、「実は定期検査で腫瘍が見つかって精密検査を受けたんだけど、どうも手術する必要がありそうなんです。それで、入院する前に、坂口さんに手を握ってもらったら心安らかに手術が受けられると思って」とのこと。

私は、好かれればトコトン好かれるが、嫌われると破滅的に嫌われるタイプの人間だし、この歳まで「そんなふうに言ってもらったことは無い」から光栄ではあってもこそばゆかった。だいいちHさんは私が「在日の人を好きでない」とは知らないから後ろめたくもあった。

30分ほどでやってくると、店に入るなり私の手を両手で握り、「これで安心して入院できます。有り難う」と涙を流している・・・。

半島の人は「義理堅い人は徹底して義理堅い」とは知っているが、在日嫌いの私としては、正直、何とも複雑な心境だった。

しばらく世間話をした後、「ところで、こっちのほうは好きですか?」と小指を立ててニッコリ笑う。もちろん嫌いなワケがない。

「ええ、好きですよ」と答えると、「友人がAVの製作会社をやっていて何枚かもらったんで、これ、奥さんに内緒で後で観てください」、と満足そうに笑いながらカバンの中からDVDを3枚出して私にくれる。

Hさんは大手術で入院するのである。興味が無くても「大好きです」と言って気持ちよく受けてやるのが「人助け」というものであろうたらーっ(汗)

「これ、凄いのを選んで持ってきたんですよ」とも言う。いい入居者である。在日の人って「意外といい人たち」なのかも知れない(爆)

ま、これが「形見分け」にならなければよいが・・・、ホント。


再び私の手を握って喜んで帰って行く後姿を見送りながら、つくづく考えた。以前に何をして喜んでくれたのか、信頼を頂いているのか、サッパリ解からないが、それでも私を慕って喜んでくださっている。「不動産屋冥利に尽きる」、と感激してもいたのだが・・・、


待てよ・・・、


私は、こんなことで喜んでいる場合ではない。私ももう56歳だ。残りの人生など長くない。命の灯などアッと言う間に消えてしまうだろう。そんなふうに喜んでくれる人がいるのだから今のうちに「やってしまわなければならないこと」があるではないか。そうだ!






急いで宗教法人を設立しなければ・・・わーい(嬉しい顔)
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2008年03月07日

真意が測れなかった老人の部屋探し

去年の初夏の頃、70歳くらいの男性客が来店して部屋探しを依頼された。居酒屋をやっていたが、奥さんを2年前に病気で亡くし、その後、40代の女性をママに雇って営業を続けていたものの、半年前その女性も癌で亡くなってしまい、ついには店を閉めてしまった。

たまたま、借りていた店舗兼住居が老朽化していたことから家主から立ち退きを要求され、仕事をする気力も失せ、身寄りも無いことから市に生活保護の申請をして部屋探しをすることになったとか。

家賃は福祉で出るとのことで、支払い面では問題ないのだが・・・、
商談を進める上で一つだけ困難な点があった。

固定電話も携帯電話も無いので、こちらから連絡を取れない、ということである。そりゃあ、自分が外に出ている時に家に電話したところで誰か出てくれるワケもなく、他から掛かってくる当てもない。今は商売もしてないし、無くても困らないから電話は処分していた。

仕方ないので未使用の50度数のテレカをあげて「うちに電話する時はコレをお使いください。他の不動産屋と連絡するのに使っても構いませんよ」と言うと喜んでいたのだが、なぜか姿を見せなくなった。

ま、どこかの業者で部屋を見つけたんだろう、と思っていたら、先月になって「その後、何かイイ物件は出た?」と訪ねてきた。なんと、まだ部屋探しをしているんだと言う。

「いやあ、あちこちの不動産屋さんに当たったけど、なかなか無くてねえ。やっぱりオタクが一番親切でいいよ。だから何とか探してよ」と調子のいいことを言う。半年も音沙汰なしだったくせに、である。

で、またゼロからの部屋探しが始まったのだが、生活保護の人が借りられる部屋、というのは制約がある。立川市の場合は、一人世帯だと家賃が53700円までであって、オーバーすると補助されない。

懇意にさせて頂いている業者さんに事情を話して家賃交渉したりして、これなら最高、と思える物件を案内したが、「広すぎて勿体ないからダメ」と言い、ならばと1Kのマンションを案内すると、最初は「おお、こんなんでイイんだよ」と言っていたのだが、「あれ、この部屋は風呂とトイレが一緒かえ?これは嫌なんだよ」と断る。

案内前に間取り図を渡して説明した際には何も言わなかったのに、である。狭い一方通行の道を迂回しないと辿り着けない物件だったので片道30分かけて徒歩で行ったのに、「なんだ、ガッカリだなあ」と言う。それは私のセリフである。

向こうは現地まで自転車で来ていたから先に帰したのだが、老人は別れ際、こんなことを言った。

「社長にこれ以上迷惑かけちゃナンだから、他も当たってみるよ」

「オタクで決めるから、最後まで面倒見てよ」と言うなら解かるが、それはないだろう。もっとも、そんなふうに「さも相手を思い遣っているかのように装って」責任転嫁して逃げる人は結構いるものだが。

そうかと思えば、半年前に渡したテレカを未使用のまま「使う機会が無いから社長に返しとくよ」、と返したりもする・・・。

私には、老人が「本当はどうしたいのか」真意が解からなかった。


最初は、家主に対する「けっこう探してんだけどね」というポーズのために利用されているだけかも、と思っていたが、家主は「出すものは出すから心配しないでいい」とも言っているとのことで、そうなると立ち退き料の高騰を狙っているワケでもなさそうだし・・・、


夕方、銀行に行った帰りに回り道をして、今住んでいる家を見に行ってみると、驚くほどに荒れていた。雨戸は無くて窓ガラスは割れ、板壁は何枚も剥がれて中の土壁が雨曝しの状態。直ぐにも倒壊しそうな建物で、悠長なことなど言っている暇は無さそうに思えた。

直ぐ隣に、やはり私とは仲の良い不動産業者がある。その老人は「近すぎて、そこの社長は私のこと何もかも知っているから行きにくいんで、他の不動産屋さんで探したいんだよ」とも言っていたので、逆に何か詳しい事情を知っているかも、と訊いてみることにした。

すると、「2年ほど前に奥さんが亡くなったみたいで、その後しばらくは営業してたみたいだけど閉めちゃったんだよね。実は私の店とも交流がないからそれ以上のことは判らないんだけど・・・」とのこと。

なんてことはない、私が得ていた情報と同程度しか知らなかった。とくにトラブルも無いようだったし、それなら老人は隣の不動産屋にも部屋探しを頼めたハズである。お尻に火がついていることだし、本気で探しているなら決めるのに1ヶ月とはかからないものだろう。


荒れ果てた家をしばらく眺めていて、老人は、奥さんとの思い出がいっぱい詰まった家や店から立ち退く寂しさから逃れようとしている、いや、「出来ることなら自分もこの家で死にたい」と望んでいるのでは、と思えてきた。我が身に置き換えてみれば、亡くなった奥さんと何十年も苦労を共にしてきた家ならば、例え借家であっても、私もきっとそう考えるに違いないから。


正直さっきまで無性に腹も立っていたが、もしそういうことであるなら少しくらいは老人の夢に付き合ってあげてもいいのでは、と思った。

手数料を稼ぐのだけが不動産屋の仕事ではないのだし・・・。


posted by poohpapa at 07:22| Comment(6) | お客さん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月01日

気持ち良い判断

先日も書いた「以前、当社の管理物件に入居していた男性」の話。

退去時の敷金精算で、「貸主、借主の、どちらが負担すべきか微妙」なリフォーム費用を気持ちよく払ってくれたので、「次回の部屋探しの時、うちに依頼してくれたら仲介料要らないからね」と言ってあったのだが、意外に早く「また引っ越すことになった」らしい。

自分でネット検索して物件を見つけて、「これ、問い合わせて頂けますか?」と頼みに来た。問い合わせると「別の元付け業者の物件」であった。つまり、自社で管理してない物件を管理会社の了解の下に「同業者の客付け不可」としてネットで募集していたものだった。

広告を打っていた業者は私も普段から仲良く付き合っている業者で「うちは鍵を預かっているだけなので、手数料折半で良ければ紹介できますよ」、と言ってくれた。自社が元付けでないなら他社で決まってしまえば一銭にもならない、ということだろうが、それにしても、「折半で良ければ」などと言ってもらえることは少ない。たいていは、けんもほろろに「それ、客付け不可です」でお終いである。

私は元々手数料を辞退するつもりだったから「それでも良かった」のだが、お客さんからすれば「半分は手数料が掛かる」ことになる。だが、業者にも不義理は出来ない。そこで、お客さんに相談してみた。

「その業者さんの広告を見て問い合わせた以上、その業者さんを抜くワケにはいきません。現地に行けば元付業者は判るから直接申し込めば手数料は100%戻せますが、信義の問題ですもんね」と言うと、「そりゃそうですよね、私はそれでかまいませんよ」とのこと。

多くの人がイザとなると「自分が得することだけしか考えない」ものだが、このお客さんは実に気持ちが良い。私も、感じが悪いお客さんなら手数料を放棄したりはしないし、「敷金精算での借り、で、どうしてうちが手数料を放棄しなくちゃならないのか」との一時的な疑問は残るが、家主さんの利益を守り、入居者(退去者)に配慮することが、長い目で見ればうちの利益に繋がることは間違いないと思っている。「それが商売というもの」だと私は信じているのだ。

これは、お客さんと、うちと、家主さんと、同業者と、絶妙な信頼関係が築けている上での話であって、いつも上手くいく、とは限らない。
いや、いかないことのほうが多い。それもまた商売、なんだと思う。

posted by poohpapa at 05:04| Comment(2) | お客さん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月03日

何でそうなったか憶えていないんだけど・・・^_^;

夕方、フラリと以前の入居者が訪問してくれた。1年ほど前に退去なさったお客さんで、今は我が家の裏(表?)のマンションにいる。

近々彼女と正式に入籍をされるとかで、新居を探して欲しい、との依頼で寄ってくれたのだ。ちょうど免許が下りた頃の部屋探しになるからホッとしているのだが、心の中でもやもやしていることがある。

実は、そのお客さんとは或る約束をしていた。それは互いに憶えていて、お客さんからは「あの約束は全く気にしないでいいですから」と仰っても頂いているのだが、私は絶対に守るつもりでいて、その約束自体も私にとって問題は無い。だが・・・、「どうしてそういう約束をするに到ったか」を私は思い出せずにいる、それは気持ち悪い^_^;

その約束、というのは、「次に部屋探しをする時には、うちの手数料は要りません」というもので、もちろんそれは「業者付け可」の物件に限られる。自分でネットで探してきても、うちを通せば手数料は全額戻しますよ、ということであって、そんな約束、滅多にするものではない。よほどの事情がある場合のみである。だが、約束をした、ということはしっかり憶えているのだが、理由が思い出せない。

たぶん、退去する時の敷金精算で、お客さんのほうに大幅に譲歩して頂いたのと、友人を紹介して頂いたりもしたから、だったかと思う。

記事を書きながら少しずつ理由が思い出されてきたのだが・・・、

たしか、煙草のヤニで壁紙や天井が茶色くなっていて、そのリフォーム代金をどう按分するか、で譲歩して頂いたんでは、と思う。お客さんも家主さんも人柄が良いから、話せば解かる、とは思っていても、「では半分ずつ」とはいかないこともある。私だって安易に手数料を放棄することなどしないから、何かの話の流れで、そういう約束になったんだろう。きっと、お客さんが気持ちよく「私が負担しますよ」と言ってくれたから、だと思う。それしか考えられない。でも、それでいい。私は全然気にしていない。

ハートのあるお客さん(家主さん)には私もハートで応える。長い目で見ればそれで採算は取れる。それが商売、というものなんだろう。
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2007年06月27日

「悪徳」、詐欺師になる

ある若いご夫妻の引越し立会いに行ってきた。そのご夫妻とは最近とみに交流が生まれていて、互いのプライバシーなども包み隠さず話せたりする。その中で、奥様のお母様の話が出た。

奥様のお母様は本当に「お嬢様」のご出身で人を疑うことを知らず、困っている人がいると自分の損得は考えず「助けて差し上げよう」と考えてしまう人で、よって常に「お母様から援助を引き出したい人」が周りに溢れることになる。もちろん、資産家である。

このままでは、「いつか全財産が消えて無くなってしまう」とのことで、今回、娘さん夫妻がお母さんと同居することになった。

引越しの前にご挨拶に寄ってくださった際、私はこう持ちかけた。

「私も、これから独立するのでお金が要ります。引越し立会いの時にお母様もおみえになるなら、お母様を騙して300万円ほど援助を引き出したいので、一緒に協力して頂けませんか?」、と。

で、昨日、立会いに行くと、噂に聞いていたお母様もいらっしゃった。

一言で言えば、「物凄く可愛い女性」である。あれほど気品が漂っている女性を久しぶりに見た。悪意が全く感じられない「天使」のような人である。その「天使」を、これから騙そうというのである(*^^)v

一通り立会いのチェックを済ませた後、いよいよ詐欺の実行に移っていった。もちろん、ターゲット以外の3人全員が仕掛け人であるわーい(嬉しい顔)

私がさも具合が悪そうに「いえね、私もついに臓器の移植を受けないといけないんですよ。このままでは長く生きられないみたいで・・・」と言うと、何の疑いもなく心配そうに「それは大変ですわね」とお顔を曇らせる。「ええ、手術はアメリカで受けることになるので、渡航費用だけでも何やかやで300万はかかるんですが、自分ではその費用が捻出できないので、移植は諦めないといけないかな、と思っていまして・・・」、と私も更に暗い口調で続けると・・・、

前もって話してあったのに、娘さんご夫妻も真顔で「ああ、そうだったんですか・・・?」、と心配そうに私の顔を覗き込む。

「オイ、皆で騙そうと打ち合わせしていたのに、信じてどうする!」

との心の声を飲み込んで更に続けようと思ったが、娘さんご夫妻も私の話を信じてしまってるから、それでは最早冗談じゃなくなってしまうので、ここでタネ明かしすることに。4人で大笑いしたが、あれではどんなセールスが訪問しても全部お買い上げになるに違いない。


そのお母様、私の現状を娘さんから伺っていらっしゃったのであろうか、私に、「これ、お守りね」と仰って、高幡不動尊の「厄除け開運」ストラップをくださった。私は、その善意の塊のようなお母様を詐欺に引っ掛けて大金を騙し取ろうとしたのである(爆)

詐欺は未遂に終わったが、今は、そういう「ちょっとした心遣い」が何より嬉しい。頂いた「お守り」は常に身に着けていたい、と思う。
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2007年06月24日

人柄がいい、ということは得なもの

リサイクルショップを何店かハシゴして、店のお客さん用の椅子を探している最中に携帯が鳴った。このお嬢さんからだった。

「凄く言いにくいんですけど・・・、今、うちのアパートの角部屋が空いてますよね。そこに移らせてもらえますでしょうか?」と訊く。

「ルームクリーニングの費用を負担して頂けるならOKですよ。家主さんには私から話しておきますね」、とは言ったものの、ひとつだけ問題があった。それは・・・、

彼女の部屋の賃料は6万2千円。角部屋も当初は6万2千円だったが、長く空室になっていたので家主さんと相談して次回の広告から6万に値下げすることになっていた。だからと言って、彼女の家賃を値下げする訳にもいかない。真ん中の部屋から角部屋に移ったのに契約途中で値下げするのでは、家主さんからすれば納得いかない話だろう。一方、値下げした広告を見て申し込みを入れてきた別のお客さんは6万で入居することになって、それは何とも不公平で不合理だ。

そこで、彼女にその辺の事情を話して「値下げしない」ことの了解を求めると、快く「私の勝手な事情なので、かまいませんよ」と言う。
ちゃんと話が通じるのは有り難い。

なので、私も少しだけ譲歩することにした。

「契約書を結びなおす必要が有るけど、手数料無しでいいからね」

性格が良くて欲の無い人は、結局、得をする。皆が味方するからわーい(嬉しい顔)
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2007年04月29日

俄か家主

30代前半の男性が来店して、珍しい依頼をされた。

「私は旅行が好きで、仕事でも良く海外に出張するんですが、来月から3ヶ月留守にするので、その間誰かに貸せませんかね」と言う。

家具も適当に使ってもらって構わない、とも言うが、要は「又貸し」である。当然に契約書でも禁止されているハズだから断ると、「先月借りたばかりで、家賃が57000円もするから3ヶ月も空けてるのに家賃を払うのはバカらしいんで1ヶ月だけでも使ってくれたら有り難いんだけど・・・」と重ねて頼むが、ダメなものはダメだ。使っていないのに家賃を払うのはバカらしい、と思う気持ちは解からないでもないが、家を空けるのは自分の勝手であって家主さんのあずかり知らない話、である。

「そういう話なら管理会社に相談してみてください」と伝えて帰ってもらったが、もちろん、管理会社や家主さんには内緒であって契約違反であることも承知しているからこそ別の不動産屋に来ている、と分かってはいる。そんな話に迂闊に協力しようものならこっちが管理会社や家主さんから訴えられかねないし、信用にも傷が付く。

「何かあったら私が責任を持ちます」と言われても、トラブルが発生したなら、その客が全責任を負うことはないだろう。起こり得るトラブルの予測が出来てないから軽々しくそんなことが言えるのだ。

55年生きてきて、今までに「何かあったら私が全て責任を持つ」と言われて「本当に全責任を取ってくれたこと」はただの一度も無い。

だいいち「お客さんを紹介してくれ」とは頼むが「仲介料の話」は一切出ない。いや3ヶ月丸々借りてくれる人が見つかったとしても、その家賃の中から払えるワケがない。そんなに都合よく短期の客が見つかるものでもない。素人だから業界のルールを知らなかった、というのでなく、結局は目先の自分のことしか考えていない、と分かる。


その客が出て行った後、塩でも撒きたい気分だった。
posted by poohpapa at 05:20| Comment(0) | お客さん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年03月03日

援助交際求む

posted by poohpapa at 13:32| Comment(0) | お客さん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする