そこで、「管理会社である当社で『家賃の支払い証明書』を作成してお送りします」と伝えると、「それが、郵便局に何日からということで知人宅宛ての転送届けを出したのに、郵便物が届かないことがあるんだよ。急ぎで確実に必要な書類だから私がオタクにもらいに行きますよ」とのこと。
ご自宅は小金井にある。当社までは電車で4駅、それに両方の駅からの徒歩の合計時間が約30分。往復でその2倍になる。先生もそこそこご高齢だし引越しの準備等でお忙しい。それに、この暑さの中、万一のことがあっては大変なので「それでしたら明日書類を作成して、明後日に私がお届けしますよ」と言うと、「いやいや、ここまで届けてもらうんじゃオタクだって大変でしょう。私が行きますから」と辞退なさる。ま、そういう先生なのだ。有名大学の教授でいらっしゃるのに、どこまでも謙虚な方である。
私が、「以前、先生が海外に行ってらっしゃる間にガス器具を交換しておく約束になっていて、メーカーの都合でご帰国までに交換できなかったことがあったでしょ?。あの時、私はお叱りを受けるものと覚悟していたんですが、先生は叱るどころか『アナタは今まで接した不動産屋さんの中で最も信頼できると思っていますよ。だから気にしなくていいですよ』って仰って赦してくださいましたよね。あの時、私は『このお客様は裏切れない。お役に立とう』と思ったんですよ。だから、先生に喜んで頂けるなら、これくらい、どれほどの手間でもありませんから」と伝えると、とても喜んで頂き、かつ恐縮なさっていた。
で、お約束どおり書類を作成して届けると、電話中だったのに相手を待たせておいて迎えてくださった。そして「ちょっと待ってて」と言って、冷蔵庫の中からワインを取り出し「これ、持って行って」と渡す。イタリア産の白ワインだった。
引越しの立会いを最後に、もう先生にお目にかかることは無いかも知れない。たかが不動産屋ふぜい、などと見下すこともなく対等に優しく接してくださった先生からの贈り物、うちのとよく味わわせて頂こう。
私はつくづく思った。先生は私に「アナタを信頼していますから」と言うことで、私に「このお客さんは裏切れない」「信頼に応えるようにしなければ」「お役に立ちたい」と思わせたのである。ということは、私は先生の言葉によって、少なくとも先生にとっては「良い営業マン」に成長させて頂いたことになる。いや、そう努力せざるをえなくなっていた。これが、もし逆だったらどうだろう。
僅かなミスを重箱の隅を突くように叱責して「アンタは信用できない」などと言われたなら、「信頼を回復すべく頑張ろう」と思うだろうか。「ミスを帳消しにしよう」とは努めるかも知れないが「この人のお役に立とう」とは思わないものだろう。つまり、ある意味、企業や営業マンを「ダメ」にするのも「一流」にするのも、お客さんに掛かっている部分が大きいのではなかろうか、と。
企業自体の努力はもちろん大切なことだが、お客さんの言葉や対応によって企業も営業マンも成長することができるし、潰されることもある。先生にはとてもいい勉強をさせて頂いた。


今日はいいニュースの順番の日か。
なんか、つまらん。(~_~;;
柄じゃない。
<<今日はいいニュースの順番の日か。
なんか、つまらん。(~_~;;
(良い話と良くない話を)交互に書いてるワケじゃないし・・・(*^^)v
分かったよ、明日は良くない話を書きますから、って、そういうことじゃないってば^_^;
実は昨日もお電話を頂きまして温かな言葉をかけて頂きました。得難いお客様ですね、寂しいです。