ポール・モーリア氏が11月3日、81歳で亡くなった。
軽音楽とかムード・ミュージックとかの名称で一括りに呼ばれていた楽曲の部門に、イージー・リスニングという新たなジャンルを開拓した音楽家である。
私が最初に聴いたのは「恋はみずいろ」という曲で、たしか1968年のユーロビジョン音楽コンクールで、フランスのヴィッキーという歌手が歌って3位に入った、と記憶している。同年、ポール・モーリア氏がフルオーケストラに編曲して発表すると、それが全米ヒットチャートの1位になった。ムードミュージックが1位にまでなったのは、この曲が初めてだったのだ。
私が何故そんなことを憶えているか、というと・・・、
当時、高校2年だった私が買った「そのレコード」のジャケットの裏にそう書いてあったから、である(*^^)v
私は、好きな「おかず」なら、例えばコロッケが365日(朝昼晩)3食続いても平気だが、音楽も同じである。1日に5回、10回と聴くこともあって、高校卒業まで毎日、東京に出てからも、結婚してからも、毎日聴いていた。最近はさすがに毎日は聴かないが、それでもけっこう繰り返し繰り返し聴いている。
更に遡って中学2年の頃に聞いた話で、ビートルズがアメリカに上陸してアメリカの若者に熱狂的に支持された時、アメリカのあるラジオ局が、1時間の番組中、CMも入れずに「抱きしめたい」だけをひたすら繰り返し流したとか。子供心にも「凄いこと考えて実行するモンだなあ」、と感激して、自分もいつか「好きな曲を気が済むまで聴くことにしよう」と考えたのが繰り返し聴くきっかけになった。
「恋はみずいろ」は高校在学中だけでも3千回は聴いているだろう。
で、他にも同じくらいの回数を聴いている曲がある。
五つの赤い風船の「遠い世界に」である。今わの際に聴く曲は「ボクサー」と決めているが、「恋はみずいろ」も「遠い世界に」も、どちらも懐かしい青春時代の思い出の曲で、とくに「恋はみずいろ」を聴くと、例の悦ちゃんを思い出す。
ところで、ポール・モーリア氏のCDはオークションでも3枚落札しているが、30歳頃に聴いた「恋人たちの泉」という曲がどうしても忘れられず、ずっと探し続けて20年後にようやくオークションで見つけて落札したことがある。その時の感激は今も忘れない。
私にとって、ポール・モーリア氏はカラヤンのような音楽家である。
クラシックのCDを買う時に、誰の指揮のを買おうか迷った時には「大衆の好みをよく知っている」カラヤンの盤を買うことにしている。ムード・ミュージックで、特定の曲をどの楽団の演奏による盤で買おうか迷ったなら「編曲に秀でた」ポール・モーリア氏なのだ。
最後の来日公演を生で聴いたが、どういうワケか、私がコンサートに行くと、そのミュージシャンにとっての最後の来日公演になることが多い。パーシー・フェイス然り、カーペンターズ然り・・・。
ご冥福をお祈りしたいと思う。

